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Oracle® Database Appliance Oracle WebLogic Server on Oracle Database Applianceの使用
リリース2.9.1
E57590-01
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3 WebLogic ServerおよびOracle Traffic Directorの管理

この章では、Oracle Database ApplianceでWebLogicドメインおよびOracle Traffic Directorインスタンスを管理する方法について説明します。また、Oracle Database Applianceで稼働しているドメインに対する制限事項についても説明します。

第2章「インストールと構成」で説明している初期構成とプロビジョニング・プロセスは、WebLogicドメインの初めの一歩を示しているにすぎません。プロビジョニングが終了したら、必要に応じてドメインをカスタマイズしたり、他のLinux VMと同じようにVMを管理できます。つまり、構成ファイルやログ・ファイルを必要に応じてマシン間で転送し、WebLogic Scripting Tool (WLST)やWebLogic Server管理コンソールを使用してドメインをカスタマイズできるのです。ドメインのカスタマイズには、いくつかの制限事項があるので注意してください(「ドメインの変更に対する制限事項」を参照)。

WebLogicドメインのカスタマイズ

ドメインをプロビジョニングしたら、WLSTまたは管理コンソールを使用して、ドメインのカスタマイズや管理を行うことができます。

WebLogic Server管理コンソール

WebLogic Server管理コンソールにアクセスするには、Webブラウザで次のURLを入力します(ここで、admin-server-iplisten-portはそれぞれ、構成ユーティリティの「WebLogic Domain Information」画面で管理サーバーに対して構成したIPアドレスとリスニング・ポートです)。

https://admin-server-ip:listen-port/console

ユーザー名systemでログインします。パスワードは、ドメインの作成時に構成ユーティリティの「WebLogic Cluster Settings」画面で指定したパスワードです。

管理コンソールの詳細は、次のドキュメントを参照するか、管理コンソール内で[F1]を押してヘルプにアクセスしてください。

WLST

WLSTをオンラインまたはオフライン・モードで使用してドメインを管理できます。ただし、ドメインに対する変更にはいくつかの制限事項があります。詳細は、「ドメインの変更に対する制限事項」を参照してください。

オンライン・モードでは、適切なパブリック・ネットワークIPアドレスを使用してドメインの管理サーバーに単純に接続します。

WLSTスクリプトをオフライン・モードで実行するには、管理サーバーをホストしているVMにsshで接続します。

WebLogic Server 10.3.6でWLSTを使用する方法の詳細は、次のドキュメントを参照してください。

WebLogic Server 12.1.1でWLSTを使用する方法の詳細は、次のドキュメントを参照してください。

WebLogic Server 12.1.2でWLSTを使用する方法の詳細は、次のドキュメントを参照してください。

サーバーの起動と停止

プロビジョニング・プロセスでは管理サーバーとすべての管理対象サーバーが自動的に起動します。WebLogic Serverの標準の手順を使用すれば、管理サーバーと管理対象サーバーのインスタンスを後で停止したり再起動できます。

詳細は、次を参照してください。

ドメインの変更に対する制限事項

WebLogicドメインは管理された仮想化環境でホストされるため、ドメインを変更する場合にはいくつかの制限事項が適用されます。これらの制限を強制する方法は用意されていないので、Oracle Database ApplianceでWebLogicドメインを変更する際に警告を使用する必要があります。

一般に、ドメインのプロビジョニング・プロセスで最初に設定されたWebLogic Serverの構成設定は変更できません(ただし、それらの設定の機能を把握していて、変更してもドメインに何ら悪影響を与えないことが確かな場合は除きます)。

次の各項では、変更を避ける必要がある特定の構成領域について説明します。

ドメイン名

Oracle Database Applianceの一部のスクリプトでは、指定されたVMインスタンスの名前から関連するWebLogic Serverドメインを識別できる必要があります。そのため、ドメイン内のVMをプロビジョニングした後は、ドメイン名を変更しないでください。

クラスタ・サイズ

現在、Oracle Database Appliance上でプロビジョニング済のクラスタに対してWebLogic Serverサーバー・インスタンスを追加する機能はサポートされていません。

ただし、OAKCLIのshutdownコマンドを使用することにより、プロビジョニング済のドメインでVMを非アクティブ化することはできます。VMを停止した後で、OAKCLIのdeleteコマンドを使用すれば、その状態を完全に削除できます。VMを削除すると、そのVMはドメインから完全に失われます。サーバー・インスタンスを完全に削除するには、クラスタ構成も変更する必要があるため注意してください。

たとえば、WLS_mydomain_ManagedServer_8というVMを完全に削除するには、次のコマンドを入力します。

cd /opt/oracle/oak/bin

./oakcli stop vm WLS_mydomain_ManagedServer_8

./oakcli delete vm WLS_mydomain_ManagedServer_8

OAKCLIコマンドの詳細は、『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』Oracle Database Applianceコマンド行インタフェース(OAKCLI)・ユーティリティ・リファレンスに関する項を参照してください。


注意:

すべてのVMを削除する場合は、かわりにcleanup.shコマンドを使用します。詳細は、「WebLogicデプロイメントの削除」を参照してください。


ノード・マネージャ

この構成では、ノード・マネージャは各VMの内部で実行されます。VMが停止すると、ノード・マネージャはVMが再稼働するまで使用できなくなります。

ノード・マネージャは、最初はWebLogic Serverのデモ証明書を使用するように構成されています。

証明書をインストールしてWebLogic ServerでSSLを有効にする方法の詳細は、次を参照してください。

セキュリティ証明書

WebLogic Serverの各VMにCAのセキュリティ証明書をインストールするには、VMごとにログインする必要があります。

データ・ソース

各WebLogicドメインには、トランザクション・ログとJMS永続記憶域用にWebLogic Serverで内部的に使用されるデータ・ソースが含まれています。このデータ・ソースを変更したり削除しないでください。このデータ・ソースが存在するのは、プロビジョニングする前にコンフィギュレータでJMSが選択されている場合のみです。

複数ドメインの作成と既存のドメインの拡張

最初のプロビジョニング後、既存の環境がクリーンアップされるまでは、構成ユーティリティを再実行して追加のドメインおよびクラスタを作成しないでください。

Oracleでは、ドメインにおける追加WebLogic ServerおよびOTDインスタンスの作成もサポートしていません。この環境では、クラスタや管理対象サーバーを追加作成したり、管理対象サーバーを既存のVMに追加したりしないことをお薦めします。このようなシナリオはサポートされていません。

Oracle Traffic Directorの管理

Oracle Traffic Directorは、Oracle WebLogic Server on Oracle Database Appliance構成における前面のロード・バランサです。構成時に、Oracle Traffic Directorを構成しないように選択できます。

Oracle Database Applianceでは、プロビジョニング終了時に、OTD管理サーバーのVMと管理ノードのVMが自動的に起動するよう構成されています。

OTDを管理するには、次の管理URLにログインします(ここで、ip-addressはOTD管理VMのIPアドレスです)。

https://ip-address:8989/

OTDおよびOTDの管理の詳細は、次のサイトでOracle Traffic Director 11g (11.1.1.7)ライブラリを参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E23389_01/index.htm

Oracle Traffic Directorサーバー・インスタンスの起動と停止

OTDサーバー・インスタンスの起動と停止は、OTD管理コンソールから行うか、またはOTDのINSTANCE_HOMEディレクトリにあるサーバー・インスタンス・ディレクトリから行います。ODAでのOTDのINSTANCE_HOMEは次のとおりです。

/u01/OTDInstanceHome/

OTDサーバー・インスタンスを起動および停止する方法は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』Oracle Traffic Directorインスタンスの起動、停止および再起動に関する項を参照してください。

セキュリティの構成

セキュリティを構成したり、CAのセキュリティ証明書をインストールするには、OTDのVMごとにログインする必要があります。OTDのセキュリティおよびセキュリティ証明書の構成については、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』セキュリティの管理に関する項を参照してください。

VMリソースの割当ての変更

WebLogic Serverドメインに対してプロビジョニングされているすべてのVMには、事前定義済のリソースが割り当てられています(第2章「VMリソースの割当て」を参照)。VMのプロビジョニングと起動が行われた後でこのリソース割当てを変更するには、OAKCLIを使用します。

VMのリソース割当てを変更するには、次の手順を実行します。

  1. OAKCLIのstopコマンドを使用して、VMを停止します。

  2. OAKCLIのconfigureコマンドを使用して、VMに割り当てられている仮想CPU数およびメモリー容量を更新します。

  3. OAKCLIのstartコマンドを使用して、VMを再起動します。

たとえば、WLS_1_mydomain_mycluster_1というVMの仮想CPU数を3に、仮想メモリーの容量を4GBに変更するには、次のコマンドを入力します。

cd /opt/oracle/oak/bin

./oakcli stop vm WLS_1_mydomain_mycluster_1

./oakcli configure vm WLS_1_mydomain_mycluster_1 -vcpu 3 -memory 4196

./oakcli start vm WLS_1_mydomain_mycluster_1

OAKCLIコマンドの詳細は、『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』Oracle Database Applianceコマンド行インタフェース(OAKCLI)・ユーティリティ・リファレンスに関する項を参照してください。

アクセス・ログ・ファイルの管理

WebLogic Server HTTPのアクセス・ログとOracle Traffic Directorのアクセス・ログでドライブ領域がいっぱいになるのを回避するには、各サーバー・インスタンスでアクセス・ログを適切に構成します。アクセス・ログ・ファイルのサイズおよび保持するログ・ファイルの数は制限できます。詳細は、次の項目を参照してください。

OTDアクセス・ログはログ・ファイルのローテーション(時間に基づく)に対して構成できます。ローテーションされたログ・ファイルが自動的に圧縮、削除または別の場所に移動されるように構成できます。OTDログ・ファイルの場所の詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』Oracle Traffic Directorのログに関する項を参照してください。OTDアクセス・ログ・ローテーションの構成の詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』Oracle Traffic Directorにおけるログ・ローテーションの自動化の構成に関する項を参照してください。

WebLogicデプロイメントの削除

既存のWebLogicデプロイメントを削除する場合は、次の手順を実行します。

  1. 構成ユーティリティのインストール先のディレクトリにアクセスします。

  2. 次のコマンドを入力します。

    ./cleanup.sh <first_domain_name>

このコマンドを実行すると、デプロイメント全体が、作成されたすべてのドメインとともに削除されます。個々のドメインを削除することはできません。その後で、構成ユーティリティを使用して新規ドメインを作成できます。

詳細は、構成ユーティリティのディレクトリにあるREADMEファイルを参照してください。