この章では、Oracle Databaseのエディションと、各エディションで使用できる機能について説明します。この章は、次の項目で構成されています。
Oracle Databaseには、それぞれ異なる開発とデプロイメントのシナリオに適した以下のエディションがあります。また、Oracleには、特定の用途にあわせてOracle Databaseの機能を拡張する、複数のデータベース・オプション、パックおよびその他の製品が用意されています。この項では、Oracle Databaseの各エディションについて説明します。データベース・オプションおよび関連製品については、第2章「オプションおよびパック」で説明します。
Oracle Database Standard Edition 2 は、ワークグループ、部門レベルおよびWebアプリケーションに対して、比類なき操作性、能力およびパフォーマンスを提供します。
注意: Oracle Database Standard Edition 2は、Oracle Database 12c リリース1 (12.1.0.2)以降で利用可能です。12.1.0.1では、Oracle Database Standard Edition OneおよびOracle Database Standard Editionが利用可能です。
Oracle Database Enterprise Edition は、大規模なオンライン・トランザクション処理(OLTP)アプリケーション、問合せ集中処理型データ・ウェアハウスおよび要求の厳しいインターネット・アプリケーションなどのミッションクリティカルなアプリケーションに必要な、パフォーマンス、可用性、スケーラビリティおよびセキュリティを提供します。Oracle Database Enterprise EditionにはOracle Databaseのすべてのコンポーネントが含まれており、第2章「オプションおよびパック」で説明する有償オプション製品およびOEM Management Pack製品を購入することでさらに拡張できます。
Oracle Database Express Edition (Oracle Database XE)はOracle Databaseの入門レベルのエディションです。迅速なダウンロードが可能であり、インストールおよび管理が簡単で、かつ自由に開発、デプロイおよび配布できます。Oracle Database XEでは、費用のかかる複雑な移行作業を行わずに、別のエディションのOracleに簡単にアップグレードできます。Oracle Database XEは、どのようなCPU数のどのようなサイズのマシンにもインストールすることができ、ホスト・マシン上で最大1GBのメモリーおよび1つのCPUのみを使用して、最大11GBのユーザー・データを格納します。サポートはオンライン・フォーラムで提供されています。Oracle Database XEの現行バージョンは、Oracle Database 11gリリース2です。
Oracle Database Personal Edition は、Oracle Database Standard Edition One、Oracle Database Standard EditionおよびOracle Database Enterprise Editionとの完全な互換性が必要な、シングル・ユーザーによる開発とデプロイ環境をサポートします。Personal Editionには、Enterprise Editionに含まれるすべてのコンポーネントの他に、Enterprise Editionで使用できるすべてのオプションが含まれます。ただし、Oracle Real Application Clustersのオプションは含まれておらず、Personal Editionでは使用できません。Personal Editionは、WindowsプラットフォームとLinuxプラットフォームでのみ使用できます。また、Oracle Enterprise Manager Management Pack製品は、Oracle Database Personal Editionには含まれません。
表1-1では、Oracle Database Standard Edition One (SE1)、Standard Edition (SE)、Oracle Standard Edition 2 (SE2)およびEnterprise Edition (EE)で使用できる機能を示しています。列内のY
の値は、指定リリースでその機能が使用できることを意味し、N
は機能が使用できないことを意味します。この表を参照すれば、エディション間の相違を理解し、Enterprise Edition (シングル・ユーザー環境ではPersonal Edition)が必要かどうかを判断できます。
Oracle Database XEは、Oracle Database製品ファミリの他の製品から独立した製品であることに注意してください。Oracle Database XEで使用できる機能については、製品とともにインストールされる「Oracle Database Express Editionライセンス情報」を参照してください。Oracle Database XEの現行バージョンは、Oracle Database 11gリリース2です。
注意: Oracle Database Standard Edition 2 (SE2)は、Oracle Database 12c リリース1 (12.1.0.2)以降で利用可能です。12.1.0.1では、Oracle Database Standard Edition One (SE1)およびOracle Database Standard Edition (SE)が利用可能です。 |
表1-1 Oracle Databaseの各エディションで使用可能な機能
機能/オプション | SE1 | SE/SE2 | EE | 注意事項 |
---|---|---|---|---|
統合 |
||||
N |
N |
Y |
最大252のプラガブル・データベースまでの追加費用オプション。ユーザーが作成したプラガブル・データベース(シングル・テナント)が1つの場合は、すべてのエディションで、マルチテナント・アーキテクチャを使用できます。 |
|
スナップショットおよびクローニング |
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N |
N |
Y |
Advanced Compressionオプションが必要 |
|
高可用性 |
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N |
N |
Y |
Active Data GuardオプションまたはReal Application Clustersオプションが必要。 |
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Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
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N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
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N |
N |
Y |
Active Data Guardオプションが必要。 |
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N |
N |
Y |
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N |
N |
Y |
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N |
N |
Y |
Active Data Guardオプションが必要。 |
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N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
||
Active Data Guardを使用したローリング・アップグレード |
N |
N |
Y |
Active Data Guardオプションが必要。 |
N |
N |
Y |
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N |
N |
Y |
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N |
N |
Y |
|
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
Active Data Guardオプションが必要。 |
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
基本フラッシュバック・データ・アーカイブはすべてのエディションにあります。フラッシュバック・データ・アーカイブの最適化には、EEおよびAdvanced Compressionオプションが必要です。 |
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
Active Data Guardオプションが必要。 |
|
RMANバックアップから表や表パーティションを回復 |
N |
N |
Y |
|
スケーラビリティ |
||||
N |
Y |
Y |
EEでは追加費用あり、SEおよびSE2に付属 |
|
N |
Y |
Y |
Real Application Clustersオプションが必要。 |
|
N |
N |
Y |
Real Application Clustersオプションが必要。 |
|
パフォーマンス |
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N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
SolarisおよびOracle Linuxのみ |
|
N |
N |
Y |
||
適応実行計画 |
N |
N |
Y |
|
|
N |
N |
Y |
|
(注意1) |
N |
N |
Y |
Database In-Memoryオプションが必要。 |
(注意1) |
N |
N |
Y |
Database In-Memoryオプション、Real Application ClustersオプションおよびExadataまたはSuperclusterが必要。 |
(注意1) |
N |
N |
Y |
Database In-Memoryオプションが必要。 |
(注意1) |
N |
N |
Y |
|
(注意1) |
N |
N |
Y |
PartitioningオプションおよびExadataまたはSuperclusterが必要。 |
セキュリティ |
||||
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
エンタープライズ・ユーザー・セキュリティは、データベース・ユーザーのディレクトリベース管理のためのEEの機能です。対応するOracle Identity Management Directory Services Plusのライセンス供与が必要です。 Oracle Databaseの厳密認証(PKI、Kerberos)とのエンタープライズ・ユーザー・セキュリティの使用に関して、Oracle Advanced Securityのライセンス供与は必要なくなりました。 |
|
N |
N |
Y |
||
Privilege Analysis |
N |
N |
Y |
Database Vaultオプションが必要。 |
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
Oracle Advanced Securityが必要 |
|
透過的機密データの保護 |
N |
N |
Y |
|
N |
N |
Y |
||
開発プラットフォーム |
||||
Y |
Y |
Y |
Oracle Programmerが必要 |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
Y |
Y |
Y |
Windowsのみ |
|
管理性 |
||||
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
Oracle Data Masking and Subsetting Pack for Oracle and Non-Oracle Databases |
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
Oracle Database Lifecycle Management Pack for Oracle Database |
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション。Oracle Diagnostics Packも必要。 |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
CPUリソース管理はすべてのプラットフォームで利用可能。I/Oリソース管理にはExadataまたはSuperclusterストレージが必要。 |
|
N |
注意事項を参照 |
Y |
SE2およびEEで使用可能 SE1およびSEで使用不可 |
|
N |
N |
Y |
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(注意1) |
N |
N |
Y |
複数のクラスタにわたってデプロイされる場合は、ターゲット上にLifecycle Management Packが必要。 |
VLDB、データ・ウェアハウス、ビジネス・インテリジェンス |
||||
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
N |
N |
Y |
追加費用オプション |
|
(注意1) |
N |
N |
Y |
Advanced Compressionオプションが必要 |
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
Exadata、Supercluster、ZFS、AxiomまたはFS1ストレージが必要 |
|
(注意1) |
N |
N |
Y |
Advanced CompressionオプションおよびExadata、Supercluster、ZFSまたはFS1ストレージが必要 |
N |
N |
Y |
Advanced CompressionオプションおよびExadataまたはSuperclusterが必要。 |
|
N |
N |
Y |
Advanced Compressionオプションが必要 |
|
N |
N |
Y |
Advanced Compressionオプションが必要 |
|
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
||
N |
N |
Y |
サポートされるトランスポータブル表領域をSE、SE1、SE2およびEEにインポート |
|
N |
N |
Y |
||
統合 |
||||
Y |
Y |
Y |
SE/SE1/SE2: 読取り専用、更新可能なマテリアライズド・ビュー |
|
N |
N |
Y |
マルチマスター・レプリケーション |
|
Y |
Y |
Y |
SE/SE1/SE2: REDOログからのキャプチャなし |
|
Y |
Y |
Y |
別個の製品ライセンス |
|
N |
N |
Y |
||
共有キュー |
N |
N |
Y |
Partitioningオプションが必要。 |
ネットワーク |
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N |
N |
Y |
Oracle Databaseクライアント(通常、別のマシンにインストールされる)のカスタム・インストールを介して使用可能 詳細は、「Oracle Connection Manager」を参照 |
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N |
N |
Y |
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ネットワーク圧縮 |
N |
N |
Y |
Advanced Compressionオプションが必要 |
ネットワーク暗号化(SSL/TLS) |
Y |
Y |
Y |
|
空間およびグラフ・データ |
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N |
N |
Y |
追加費用オプション |
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N |
N |
Y |
Spatial and GraphオプションおよびPartitioningオプションが必要。 |
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N |
N |
Y |
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N |
N |
Y |
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N |
N |
Y |
Partitioningオプションが必要。 |
注意1: この機能は、Oracle Database 12c リリース1 (12.1.0.2)から利用可能になりました。
表1-2は、Oracleエンジニアド・システムおよびOracleストレージに固有の機能を示したものです。
注意: 透過的な機能(スマート・スキャンやストレージ索引など)はリストされていません。 |
次の各項では、特殊な使用方法のライセンスについて説明します。
ライセンスを追加購入しなくても、独立した単一のインスタンスのOracle Databaseをインストールし、RMAN、Oracle Enterprise Manager Cloud Control、自動ワークロード・リポジトリ(AWR)ウェアハウス、グローバル・データ・サービス・カタログおよびグリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリのインフラストラクチャ・リポジトリとして使用できます。ただし、すべてのターゲットについて適切なライセンスを購入している場合にかぎられます。このデータベースは、他の用途で使用することもデプロイすることもできません。
RMAN、Oracle Enterprise Manager Cloud Control、AWRウェアハウスおよびグローバル・データ・サービス・カタログのインフラストラクチャ・リポジトリは、単一のデータベースで共有するか、または独立したデータベースにデプロイできます。Enterprise Editionは、インフラストラクチャ・リポジトリ・データベース用に使用される必要があります。
Oracle RACがインフラストラクチャ・データベースに使用されている場合、すべてのサービスについてOracle RACライセンス、および最初以外のすべてのサーバーについてEnterprise Editionライセンスが必要です。
Data Guardがインフラストラクチャ・データベースに使用されている場合、スタンバイ・サーバーにEnterprise Editionライセンスが必要です。
遠隔同期インスタンスは、Oracle Databaseがインストールおよび使用されているサーバーとは異なるサーバーでインストールおよび使用できます。遠隔同期インスタンスを実行しているサーバー用に別途ライセンスを取得する必要はありません。
GSMリスナーは、Oracle Databaseがインストールおよび使用されているサーバーとは異なるサーバーでインストールおよび使用できます。GSMリスナーを実行しているサーバー用に別途ライセンスを取得する必要はありません。
Oracle Advanced Securityおよびエンタープライズ・ユーザー・セキュリティ
Oracle Database Enterprise Editionでエンタープライズ・ユーザー・セキュリティを使用する場合、KerberosおよびPKIベース認証のOracle Advanced Securityオプションに対するライセンスは必要なくなりました。対応するOracle Identity Management Directory Services Plusのライセンス供与は必要ありません。
2004年4月5日以前に購入したOracle Advanced Securityライセンスでは、エンタープライズ・ユーザー・セキュリティをサポートするOracle Directory Services PlusのOracle Internet Directory (OID)コンポーネントの制限付きライセンスが含まれています。
Oracle ASMクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)
Oracle ACFSの機能に適用されるライセンス要件については、次の表を参照してください。
Oracle ACFSの機能 | Oracle Databaseファイル | 非Oracle Databaseファイル |
---|---|---|
以下にリストされているものを除くすべてのOracle ACFS機能 | 無償 | 無償 |
ACFSスナップショット | Oracle Database Enterprise Editionが必要* | 無償 |
ACFS暗号化 | 利用不可(Oracle Transparent Data Encryption (Oracle Advanced Securityオプションの一部)を使用してください*) | 無償 |
ACFSセキュリティ | 利用不可(Oracle Database Vaultを使用してください*) | 無償 |
ACFSレプリケーション | 利用不可(Oracle Data Guardを使用してください*) | 無償 |
ACFS監査 | 利用不可(Oracle Audit Vaultを使用してください*) | 無償 |
ACFSタグ付け | 無償 | 無償 |
Oracle ACFSが稼働しているサーバー上で、Oracleサポート契約の対象であるOracle製品(Oracle LinuxやOracle Solarisなど)も稼働している場合、Oracle ACFS専用のサポート・サービスを提供します。
* これらの製品やコンポーネントに対する適切なフル・ライセンスが必要です。
Oracle Clusterwareでは、クラスタ・メンバーシップと高可用性の監視およびフェイルオーバーを提供します。Oracle Clusterwareは、アプリケーションを保護する(障害発生時のアプリケーションの再起動またはフェイルオーバー)用途において無償で使用することができます。Oracleでは、サーバーでOracle製品が実行されている場合にのみClusterwareのサポートを提供しますが、これにはOracleサポートの適用内のOracle LinuxまたはOracle Solarisも含まれます。
Oracle Connection Managerは、Oracle Databaseがインストールおよび使用されているマシンと異なるマシン上にインストールし、使用できます。Oracle Connection Managerを実行しているマシン用に別途ライセンスを取得する必要はありません。
Oracle Database Backup Service
Oracle Database Backup Serviceでは、Oracle Advanced Security OptionまたはOracle Advanced Compression Optionの2つの機能を、追加費用なしで使用できます。
RMANバックアップの暗号化
すべてのRMANバックアップ圧縮のアルゴリズム
Oracle Advanced SecurityオプションまたはOracle Advanced Compressionオプションの追加機能を使用するには、それらのオプションのライセンスを別途購入する必要があります。また、直接ディスクにRMAN暗号化バックアップを実行する場合も、Oracle Advanced Securityオプションのライセンスが別途必要です。
Oracle Database Express Edition
Oracle Database Express Editionは、アプリケーションの開発、プロトタイプ構築および実行の目的で、無償で使用できます。また、デモンストレーションおよび研修を提供する際にも無償で使用できます。さらに、任意のアプリケーションとともに無償で配布できます。ただし、Oracle Database Express Editionを使用するには次の制限事項があります。
Express Editionは任意のサーバー上の単一インスタンスに制限されます。
Express Editionは複数のCPUサーバーにインストールできますが、いずれかのサーバーの1つのプロセッサでのみ実行できます。
Express Editionを使用した場合、サポートされるのは最大11GBのユーザー・データ(Express Editionシステム・データを含まない)のみです。
Express Editionは使用可能なメモリーのうち最大1GBのRAMを使用します。
Oracleサポート・サービスでは、Oracle Database Express Editionに関する技術サポート、電話サポートまたは更新を提供しません。
Oracle Database Gateway for ODBC
Oracle Database Gateway for ODBCは、Oracle Databaseがインストールおよび使用されているマシンと異なるマシン上にインストールし、使用できます。Oracle Gateway for ODBCを実行しているマシン用に別途ライセンスを取得する必要はありません。
Oracle Database Provider for DRDA
Oracle Database Provider for DRDAは、Oracle Databaseがインストールおよび使用されているマシンと異なるマシン上にインストールし、使用できます。Oracle Database Provider for DRDAを実行しているマシン用に別途ライセンスを取得する必要はありません。
Oracle Database Standard Edition/Standard Edition 2およびOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)
次のライセンス情報は、Oracle Database Standard EditionまたはOracle Database Standard Edition 2とともに、クラスタ・サーバー環境でOracle Real Application Clustersを使用する際に適用されます。
Oracle Clusterwareを使用する必要があります。サード・パーティのクラスタウェア管理ソリューションはサポートされません。
Oracleデータベースのすべてのファイル・タイプの作成および管理に、Oracle Automatic Storage ManagementまたはASM Cluster File System (ACFS)を使用する必要があります。ロー・ボリュームやロー・パーティション、サード・パーティのクラスタ・ファイルシステムは、Oracleデータベース・ファイルの格納に対応していません。データベース関連ファイル・タイプの一覧は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
すべての非データベース・ファイルの格納には、ASM Cluster File System (ACFS)またはローカルのOSファイルシステムを使用する必要があります。Oracleによって複製された非データベース関連ファイルは、次の例外を除いて、それ以外の領域に格納することはできません。
スタンバイ・データベースのメンテナンス・スクリプトを手動で記述する場合は、アーカイブ・ログの2つ目のコピーをOracle ASM以外のLOG_ARCHIVE_DEST_
n
パラメータによって指定されたローカル・ファイルシステム上にのみ作成できます。
ファイルのRMANバックアップは、ローカルまたはネットワークにマウントされたファイル・システム上に置くことができます。
OCFS、OCFS2、サード・パーティのクラスタウェア、サード・パーティのクラスタ・ボリューム・マネージャ、サード・パーティのクラスタ・ファイルシステムなど、その他のクラスタ・ソフトウェアはシステムにインストールできません。
Oracle Secure BackupおよびOracle Secure Backup Cloud Module
Oracle Database Enterprise Editionのバックアップの場合、Oracle Secure Backupには次の使用制限付きライセンスが含まれます。
テープまたはAmazon S3へのRMANバックアップの暗号化
LOW、MEDIUM、BASICまたはHIGHアルゴリズムを活用したRMANバックアップ圧縮
Oracle Secure Backupの特殊な使用方法のライセンスは、Oracle Advanced SecurityオプションのコンポーネントであるRMANバックアップの暗号化と、Oracle Advanced CompressionオプションのコンポーネントであるRMANバックアップ圧縮レベルに適用されます。Oracle Advanced SecurityオプションまたはOracle Advanced Compressionオプションの追加機能を使用するには、それらのオプションのライセンスを別途購入する必要があります。また、Oracle Secure Backupがメディア・マネージャであるかどうかにかかわらず、直接ディスクにRMAN暗号化バックアップを実行する場合も、Oracle Advanced Securityオプションのライセンスが必要です。
Oracle Secure Backup ExpressはOracle Databaseにバンドルされています。Oracle Secure Backup Expressに関するサポートは、オラクルの社員やコミュニティの専門家によってモニターされる無料のOracle Discussion Forumを通じてのみ提供されます。
Oracle Secure Backup Expressでは、Oracleデータベースおよびテープ保護を必要とするOracleホーム・ファイルおよびその他のファイル・システム・データをバックアップできます。
詳細は、『Oracle Secure Backupライセンス情報』を参照してください。
Oracle WalletはPKCS#12コンテナで、認証および暗号化鍵を格納するのに使用されます。Oracleデータベースのセキュアな外部パスワード・ストア機能により、Oracleデータベースに対するパスワード・ベースの認証用にOracle Walletにパスワードが格納されます。Oracle Walletは、Oracle Databaseに対するPKI認証用の資格証明、ネットワーク暗号化の構成(SSL/TLS)およびOracle Advanced Security透過的データ暗号化(TDE)マスター暗号化鍵を格納するのにも使用できます。厳密な認証サービス(Kerberos、PKIおよびRADIUS)とネットワーク暗号化(ネイティブ・ネットワークの暗号化およびSSL/TLS)は、Oracle Advanced Securityの一部ではなくなり、サポートされているすべてのOracleデータベース・リリースの、すべてのライセンス取得済みエディションに含まれるようになりました。
以前のリリースにおけるReal Application Testingのサポート
Oracle Real Application Testingのフル機能は、Oracle Database 11gリリース1以上でのみ利用可能です。ただし、Oracle9i Databaseリリース2またはOracle Database 10gからのアップグレードを希望しているお客様は、Oracle Real Application Testingの一部の機能を利用できます。
Oracle9i Databaseリリース2で利用可能な機能は次のとおりです。
データベース・リプレイ: ワークロードの取得機能のみがサポートされます。取得されたワークロードの再実行は、Oracle Database 11gでのみ可能です。この機能は、Oracle9i Databaseリリース2からOracle Database 11g以上へのアップグレードに役立てるためだけに使用できます。
Oracle Database 10gリリース2で利用可能な機能は次のとおりです。
データベース・リプレイ: ワークロードの取得機能のみがサポートされます。取得されたワークロードの再実行は、Oracle Database 11gでのみ可能です。この機能は、Oracle Database 10gリリース2からOracle Database 11gへのアップグレードに役立てるためだけに使用できます。
SQLパフォーマンス・アナライザ: リモートSQLのテスト実行、およびSQLチューニング・セットへのSQLの取得機能のみがサポートされます。これらの機能は、Oracle9i Databaseリリース2およびOracle Database 10gリリース1からOracle Database 10gリリース2以上へのアップグレードに役立てるためだけに使用できます。以前のリリース(Oracle 9i DatabaseまたはOracle Database 10gリリース1)からOracle Database 10gリリース2へアップグレードする際には、ターゲット・データベース(Oracle Database 10gリリース2)上でSQLをリモート実行するためにOracle Database 11gが必要です。Real Application Testingのライセンス取得は、Oracle Database 10gリリース2とOracle Database 11gの両方のシステムについて必要です。
XStreamは、クライアント・アプリケーションによるOracleデータベースからのリアルタイムのデータ変更の受信(XStream Out APIを使用)およびOracleデータベースへのリアルタイムのデータ変更の送信(XStream In APIを使用)を可能にするApplication Program Interface (API)を提供します。これらのデータ変更は、Oracleデータベースと他のシステム(ファイルシステムやOracle以外のデータベースなど)で共有可能です。XStreamは、Oracle GoldenGate製品を介してライセンス供与されます。この製品のライセンスの購入が、XStream APIを使用するには必要です。詳細は、Oracleサポート・サービスにお問い合せください。
使用制限付きライセンスは、Oracle Database 12cのエディションに、次のように含まれています。
Oracle Identity Management Directory Services PlusコンポーネントのOracle Internet Directory(OID)の使用制限付きライセンスが(Oracle Database Express Editionを除く)すべてのエディションに含まれていますが、これはユーザーがOracle Net Servicesの構成にディレクトリ・ネーミング機能を使用する場合に制限されています。OIDは、他の用途で使用することもデプロイすることもできません。
Oracle Application Server Containers for J2EE (OC4J)の使用制限付きライセンスが、(Oracle Database Express Editionを除く)すべてのエディションに含まれています。この組込みバージョンは、Oracle Enterprise Manager (DatabaseおよびCloud Control)、Advanced Queuing Servlet、Ultra Search、Application ExpressおよびWarehouse Builderをサポートする目的でのみ提供されており、他の目的で使用することもデプロイすることもできません。
Oracle HTTP Serverの使用制限付きライセンスは、HTTP Serverがデータベースと同じサーバー上で実行されている場合、(Oracle Database Express Editionを除く)すべてのエディションに含まれています。異なるサーバー上でOracle HTTP Serverを実行する場合は、Oracle DatabaseまたはOracle Application Serverのライセンスを通じて、そのサーバーにHTTP Serverの使用ライセンスが供与される必要があります。
Oracle Application Express Listenerの使用制限付きライセンスが、すべてのエディション(Oracle Database Express Editionを除く)に含まれています。これは、Oracle Databaseにインストールされている可能性のあるOracle Application Expressへの接続をサポートするためのものです。Oracle Application Express Listenerを別のサーバーで実行する場合、そのサーバーにはOracle Databaseを使用するためのライセンスは必要ありません。
Load Testing Accelerator for Oracle Database、Oracle Load TestingおよびOracle Load Testing Controllerの使用制限付きライセンスは、Oracle Databaseのテスティング用としてOracle Real Application Testingに含まれており、アプリケーションのテスティングには使用できません。