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Oracle® Exadata Storage Server Softwareユーザーズ・ガイド
12c リリース1 (12.1)
E52920-09
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11 exadcliユーティリティの使用

exadcliユーティリティは、セルのセットでExaCLIコマンドを自動的に実行し、exadcliユーティリティが実行された集中管理ロケーションに出力結果を返すことにより、Oracle Exadata Storage Server Softwareレルムの集中管理を容易にします。この章の内容は次のとおりです。

exadcliの概要

exadcliユーティリティでは、複数のセルでコマンドをパラレル・スレッドで実行します。ただし、このユーティリティでは、セル上のリモート・アプリケーションとの対話型セッションをサポートしていません。exadcliユーティリティは、計算ノードのイメージ化の際にインストールされます。

複数のセルで実行するExaCLIコマンドを発行できます。セルはホスト名またはIPアドレスで参照されます。dcliとは異なり、exadcliではexacliコマンドのみを実行できます。その他のコマンド、たとえばシェル・コマンドは、exadcliを使用して実行できません。

exadcliユーティリティを使用するには、すべてのセルにユーザーおよびロールを設定する必要があります。ユーザー、ロールおよび権限の詳細は、「ユーザーおよびロールの作成」を参照してください。exadcliは、セルに並列に接続し、ユーザーを認証します。

指定したセルでコピーおよびコマンド実行が終了すると、コマンド出力(stdoutおよびstderr)が収集されて表示されます。

exadcliの構文

exadcliは、次のように実行します。

exadcli [options] [command]

exadcliでは、次のオプションがサポートされます。

表11-1 exadcliのオプション

オプション 説明

-c host [,host]

--connect host [,host]

exacliコマンドの送信先となるターゲット・セルのカンマ区切りのリストを指定します。

-g filename

--group-file filename

コマンドの送信先のターゲット・セルのリストを含むファイルを指定します。セルはセル名またはIPアドレスで識別できます。

-l username

--login-user username

セル上でログインするユーザー名を指定します。これは、オペレーティング・システムのユーザーではなく、セルのユーザーです。

-t

--target

-cオプションで名前を指定したターゲット・セルまたは-gオプションで指定したグループ・ファイル内のターゲット・セルを表示します。

-x filename

--exec-file filename

セルで実行するコマンド・ファイルを指定します。このコマンド・ファイルには、exacliコマンドのリストが含まれています。

--cookie-jar [filename]

Cookie jarファイルを指定します。このオプションはExaCLIに渡されます。詳細は、「ExaCLIの起動」を参照してください。

--max-lines maxlines

セルからの最大出力行を制限します。デフォルトは100,000行です。

--xml

これにより、出力がXML形式で表示されます。このオプションはExaCLIに渡されます。

-h

--help

ヘルプ・メッセージを表示します。


コマンド - ExaCLIから実行できる任意のコマンドです。複数のコマンドを指定するには、コマンドをセミコロン文字「;」で区切ります。

 

exadcliからの戻り値は次のとおりです。

0: コマンドは、すべてのセルで正常に実行されました。

1: 1つ以上のセルにアクセスできず、リモート実行により0以外のステータスが返されました。

2: ローカルのエラーによりコマンドを実行できませんでした。

いずれかのセルが停止し応答がない場合は、メッセージがstderrに書き込まれ、応答のないセルが表示されます。その他のセルは操作が続行され、完了後の戻り値は1になります。

exadcliの例

例1: セル「exam08cel01-03」に「celladministrator」ユーザーで接続し、「list cell detail」コマンドを実行します。

$ exadcli -c exam08cel01,exam08cel02,exam08cel03 -l celladministrator list cell detail

例2: 「mycells」ファイルにリストされているセルに「celladministrator」ユーザーで接続し、「list cell detail」コマンドを実行します。

$ cat mycells
exam08cel01
exam08cel02
exam08cel03

$ exadcli -g mycells -l celladministrator list cell detail

例3: 「mycells」ファイルにリストされているセルに「celladminstrator」ユーザーで接続し、usercommands.txt内のexaCLIコマンドを実行します。

$ cat usercommands.txt
list cell

$ exadcli -g mycells -l celladministrator -x usercommands.txt
exam08cel01 : exam08cel01   online
exam08cel02 : exam08cel02   online
exam08cel03 : exam08cel03   online

例4: 「mycells」ファイルにリストされているセルに「celladminstrator」ユーザーで接続し、デフォルトのCookie jarにCookieを保存します。

$ exadcli -g mycells -l celladministrator --cookie-jar list cell
Password: ************
exam08cel01    online
exam08cel02    online
exam08cel03    online

例5: (例4からの続き)「mycells」ファイルにリストされているセルに「celladminstrator」ユーザーで接続します。例4でデフォルトのCookie jarに格納されたCookieを使用できるため、exadcliからパスワードの入力は要求されません。

$ exadcli -g mycells -l celladministrator list cell
exam08cel01    online
exam08cel02    online
exam08cel03    online