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マルチユーザー環境の Oracle® Solaris デスクトップの最適化

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更新: 2015 年 10 月
 
 

デスクトップ設定をカスタマイズする

必須およびデフォルトのデスクトップ設定をカスタマイズできるのは、システム管理者だけです。ただし、標準的なユーザーはデフォルトのデスクトップ設定のみカスタマイズできます。デフォルトおよび必須のデスクトップ設定の詳細は、デスクトップ設定を参照してください。

次の種類の最適化をカスタマイズできます。

GConf ベースの最適化をカスタマイズする

デスクトップ設定は、GConf を使用して管理されます。Oracle Solaris 11 デスクトップ設定によって使用されるデスクトップ設定の値は、優先順位に基づいています。次の表に、デスクトップによって使用される設定値を示します。

優先順位
デスクトップ設定の種類
所有者
1
必須
システム管理者によって設定
2
必須
application/gconf/multi-user-desktop SMF サービスによって設定
3
デフォルト
ユーザーによって設定
4
デフォルト
システム管理者によって設定
5
デフォルト
application/gconf/multi-user-desktop SMF サービスによって設定

たとえば、application/gconf/multi-user-desktop SMF サービスが /desktop/gnome/background/draw_background の設定値を false に設定し、ユーザーが同じ設定をオーバーライドして値を true に設定した場合、デスクトップによって使用される実際の値は true です。この値が使用される理由は、ユーザーによってデフォルト設定に設定される値の方が、SMF サービスによって設定される値よりも高い優先順位を持つためです。

同様に、必須の設定については、システム管理者が SMF サービスを有効にする前に設定を変更した場合、デスクトップによって使用される設定の実際の値は、SMF サービスではなく、システム管理者によって設定されたものになります。

標準的なユーザーとして GConf 設定を変更する

標準的なユーザーは、すべてのデフォルト設定を変更できます。設定は、デスクトップから使用可能な「表示」設定などの GUI ツールを使用してカスタマイズできます。GUI ツールを使用してアクセスできない設定については、gconftool-2 コマンド行ユーティリティーを使用して設定を変更します。

gconftool-2 コマンド行ユーティリティーを使用する

次の例は、gconftool-2 コマンド行ユーティリティーの使用法を示しています。

  • デスクトップ設定の現在の値を読み取るには、次のように入力します。

    $ gconftool-2 --get /desktop/gnome/lockdown/allowed_applications
  • デスクトップ設定の値を設定するには、次のように入力します。

    $ gconftool-2 --type string --set /desktop/gnome/font_rendering/hinting "full"
  • デスクトップ設定の値を設定解除するには、次のように入力します。

    $ gconftool-2 --unset /desktop/gnome/font_rendering/hinting
XML ファイルで gconftool-2 ユーティリティーを使用する

GConf 設定を XML ファイルに保存し、このファイルを gconftool-2 ユーティリティーの入力として提供することができます。gconftool-2 は、XML ファイルにある情報に基づいて設定を構成します。

次の例は、XML ファイルによる gconftool-2 ユーティリティーの使用法を示しています。

  • 設定の現在の値を読み取るには、次のように入力します。

    $ gconftool-2 --dump /desktop/gnome/lockdown > /tmp/settings.xml

    注 - 設定の値を XML ファイルに保存するには、--dump オプションに対して設定階層の 1 レベル上を指定する必要があります。たとえば、/desktop/gnome/lockdown/allowed_applications 設定の値が必要な場合、--dump オプションに対して /desktop/gnome/lockdown を指定する必要があります。
  • 設定の値を設定するには、次のように入力します。

    $ gconftool-2 --load /tmp/settings.xml
  • 設定の値を設定解除するには、次のように入力します。

    $ gconftool-2 --unload /tmp/settings.xml

次のサンプル XML ファイルは、gconftool-2 ユーティリティーを使用して設定される値を示しています。

<?xml version="1.0"?>
<gconfentryfile>
<entrylist base="/desktop/gnome/background">
<entry>
             <key>draw_background</key>
             <value>
                 <bool>true</bool>
             </value>
         </entry>
         <entry>
             <key>picture_options</key>
             <value>
                 <string>zoom</string>
             </value>
         </entry>
     </entrylist>
</gconfentryfile>

システム管理者として GConf 設定を変更する

システム管理者は、デフォルトおよび必須のすべてのデスクトップ設定を変更できます。システム管理者によって行われた変更は、すべてのユーザーに影響します。

GConf 設定をシステム管理者として変更する方法

  1. /etc/gconf ディレクトリに次のディレクトリを作成します。
    • gconf.xml.admin.defaults

    • gconf.xml.admin.mandatory

  2. /etc/gconf/2 ディレクトリに次のファイルを作成します。
    • local-defaults.path

    • local-mandatory.path

  3. local-defaults.path ファイルに次の行を追加します。
    xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.admin.defaults
  4. local-mandatory.path ファイルに次の行を追加します。
    xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory
  5. 手順 1 で作成したデフォルトおよび必須のディレクトリに設定を保存します。

    例:

    $ gconftool-2 --direct 
    --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.admin.defaults 
    --load /tmp/default-settings.xml
    
    $ gconftool-2 --direct 
    --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory 
    --load /tmp/mandatory-settings.xml
  6. 設定を使用できるすべてのユーザーに読み取り権限を付与します。

    例:

    $ chmod -R 755 /etc/gconf/gconf.xml.admin.defaults
    $ chmod -R 755 /etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory
アプリケーションを制限する

システム管理者として、/desktop/gnome/lockdown/allowed_applications 設定の値を変更することによって、ユーザーが起動できるアプリケーションの種類を制限できます。この設定は、ユーザーによる起動が許可されているアプリケーションのリストを指定します。要件に基づいて、アプリケーションをこのリストに追加または削除できます。

次の例は、許可されるアプリケーションのリストに新規アプリケーションを追加する方法を示しています。

使用例 1  許可されるアプリケーションのリストに新規アプリケーションを追加する

/usr/bin/new_app という新規アプリケーションをインストールしたとします。ユーザーがこの新規アプリケーションを使用できるようにするには、/desktop/gnome/lockdown/allowed_applications 設定の値を更新することによって、許可されるアプリケーションのリストにこのアプリケーションを追加する必要があります。次の例は、設定の値を更新する方法を示しています。

  1. /desktop/gnome/lockdown/allowed_applications 設定の既存の値を XML ファイルにコピーします。

    $ gconftool-2 --dump /desktop/gnome/lockdown > /tmp/new-settings.xml
  2. /tmp/new-settings.xml ファイル内で、新規アプリケーションを allowed_applications のリストに追加します。

    <value>
    <string>/usr/bin/new_app</string>
    </value>

    注 - /tmp/new-settings.xml ファイルでは、allowed_applications 設定以外の設定を削除できます。
  3. /etc/gconf ディレクトリ内に gconf.xml.admin.mandatory ディレクトリを作成します。

  4. /etc/gconf/2 ディレクトリ内に local-mandatory.path ファイルを作成します。

  5. local-mandatory.path ファイルに次の行を追加します。

    xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory
  6. 手順 3 で作成した必須ディレクトリに新しい設定を保存します。

    例:

    $ gconftool-2 --direct 
    --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory 
    --load /tmp/new-settings.xml
  7. 設定を使用できるユーザーに読み取り権限を付与します。

    例:

    chmod -R 755 /etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory

同様に、「許可されるアプリケーション」のリストからアプリケーションを削除するには、XML ファイルからアプリケーションのエントリを削除し、新しい設定をロードする必要があります。


注 - 許可されるアプリケーションのリストに存在しないアプリケーションは自動的に起動されず、デスクトップ、メニュー、またはファイルブラウザに表示されません。

Mozilla Firefox の最適化をカスタマイズする

Mozilla Firefox Web ブラウザに設定されている最適化された値をオーバーライドできるのは、システム管理者だけです。最適化された値は、/usr/lib/firefox/defaults/pref/all-multi-user-desktop.js ファイルに存在します。

次のコードは、all-multi-user-desktop.js ファイルの値を示しています。

// Disable "safe browsing" feature that hogs CPU, HDD, etc.
pref("browser.safebrowsing.enabled", false);
pref("browser.safebrowsing.malware.enabled", false);
//  Limit the "location-bar suggestions"
pref("browser.urlbar.maxRichResults", 3);
// Disable offline/disk caching of web pages
pref("browser.cache.offline.enable", false);
pref("browser.cache.disk.enable", false);
// Change the default cache:
pref("browser.cache.memory.enable",true);
pref("browser.cache.memory.capacity", 1024);

all-multi-user-desktop.js ファイルに存在する最適化された値をオーバーライドするには、新しい値を使用した新規ファイルを /usr/lib/firefox/defaults/pref/ ディレクトリ内に作成します。ファイル名は all-multi-user-desktop.js ファイルよりもアルファベット順で上位にする必要があります。たとえば、ファイルの名前を all-admin.js とすることができます。