必須およびデフォルトのデスクトップ設定をカスタマイズできるのは、システム管理者だけです。ただし、標準的なユーザーはデフォルトのデスクトップ設定のみカスタマイズできます。デフォルトおよび必須のデスクトップ設定の詳細は、デスクトップ設定を参照してください。
次の種類の最適化をカスタマイズできます。
GConf ベースの最適化 – GConf ベースの最適化のカスタマイズについての詳細は、GConf ベースの最適化をカスタマイズするを参照してください。
Mozilla Firefox の最適化 – Mozilla Firefox のカスタマイズについての詳細は、Mozilla Firefox の最適化をカスタマイズするを参照してください。
デスクトップ設定は、GConf を使用して管理されます。Oracle Solaris 11 デスクトップ設定によって使用されるデスクトップ設定の値は、優先順位に基づいています。次の表に、デスクトップによって使用される設定値を示します。
|
たとえば、application/gconf/multi-user-desktop SMF サービスが /desktop/gnome/background/draw_background の設定値を false に設定し、ユーザーが同じ設定をオーバーライドして値を true に設定した場合、デスクトップによって使用される実際の値は true です。この値が使用される理由は、ユーザーによってデフォルト設定に設定される値の方が、SMF サービスによって設定される値よりも高い優先順位を持つためです。
同様に、必須の設定については、システム管理者が SMF サービスを有効にする前に設定を変更した場合、デスクトップによって使用される設定の実際の値は、SMF サービスではなく、システム管理者によって設定されたものになります。
標準的なユーザーは、すべてのデフォルト設定を変更できます。設定は、デスクトップから使用可能な「表示」設定などの GUI ツールを使用してカスタマイズできます。GUI ツールを使用してアクセスできない設定については、gconftool-2 コマンド行ユーティリティーを使用して設定を変更します。
次の例は、gconftool-2 コマンド行ユーティリティーの使用法を示しています。
デスクトップ設定の現在の値を読み取るには、次のように入力します。
$ gconftool-2 --get /desktop/gnome/lockdown/allowed_applications
デスクトップ設定の値を設定するには、次のように入力します。
$ gconftool-2 --type string --set /desktop/gnome/font_rendering/hinting "full"
デスクトップ設定の値を設定解除するには、次のように入力します。
$ gconftool-2 --unset /desktop/gnome/font_rendering/hinting
GConf 設定を XML ファイルに保存し、このファイルを gconftool-2 ユーティリティーの入力として提供することができます。gconftool-2 は、XML ファイルにある情報に基づいて設定を構成します。
次の例は、XML ファイルによる gconftool-2 ユーティリティーの使用法を示しています。
設定の現在の値を読み取るには、次のように入力します。
$ gconftool-2 --dump /desktop/gnome/lockdown > /tmp/settings.xml
設定の値を設定するには、次のように入力します。
$ gconftool-2 --load /tmp/settings.xml
設定の値を設定解除するには、次のように入力します。
$ gconftool-2 --unload /tmp/settings.xml
次のサンプル XML ファイルは、gconftool-2 ユーティリティーを使用して設定される値を示しています。
<?xml version="1.0"?> <gconfentryfile> <entrylist base="/desktop/gnome/background"> <entry> <key>draw_background</key> <value> <bool>true</bool> </value> </entry> <entry> <key>picture_options</key> <value> <string>zoom</string> </value> </entry> </entrylist> </gconfentryfile>
システム管理者は、デフォルトおよび必須のすべてのデスクトップ設定を変更できます。システム管理者によって行われた変更は、すべてのユーザーに影響します。
gconf.xml.admin.defaults
gconf.xml.admin.mandatory
local-defaults.path
local-mandatory.path
xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.admin.defaults
xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory
例:
$ gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.admin.defaults --load /tmp/default-settings.xml $ gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory --load /tmp/mandatory-settings.xml
例:
$ chmod -R 755 /etc/gconf/gconf.xml.admin.defaults $ chmod -R 755 /etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory
システム管理者として、/desktop/gnome/lockdown/allowed_applications 設定の値を変更することによって、ユーザーが起動できるアプリケーションの種類を制限できます。この設定は、ユーザーによる起動が許可されているアプリケーションのリストを指定します。要件に基づいて、アプリケーションをこのリストに追加または削除できます。
次の例は、許可されるアプリケーションのリストに新規アプリケーションを追加する方法を示しています。
使用例 1 許可されるアプリケーションのリストに新規アプリケーションを追加する/usr/bin/new_app という新規アプリケーションをインストールしたとします。ユーザーがこの新規アプリケーションを使用できるようにするには、/desktop/gnome/lockdown/allowed_applications 設定の値を更新することによって、許可されるアプリケーションのリストにこのアプリケーションを追加する必要があります。次の例は、設定の値を更新する方法を示しています。
/desktop/gnome/lockdown/allowed_applications 設定の既存の値を XML ファイルにコピーします。
$ gconftool-2 --dump /desktop/gnome/lockdown > /tmp/new-settings.xml
/tmp/new-settings.xml ファイル内で、新規アプリケーションを allowed_applications のリストに追加します。
<value> <string>/usr/bin/new_app</string> </value>
/etc/gconf ディレクトリ内に gconf.xml.admin.mandatory ディレクトリを作成します。
/etc/gconf/2 ディレクトリ内に local-mandatory.path ファイルを作成します。
local-mandatory.path ファイルに次の行を追加します。
xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory
手順 3 で作成した必須ディレクトリに新しい設定を保存します。
例:
$ gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory --load /tmp/new-settings.xml
設定を使用できるユーザーに読み取り権限を付与します。
例:
chmod -R 755 /etc/gconf/gconf.xml.admin.mandatory
同様に、「許可されるアプリケーション」のリストからアプリケーションを削除するには、XML ファイルからアプリケーションのエントリを削除し、新しい設定をロードする必要があります。
Mozilla Firefox Web ブラウザに設定されている最適化された値をオーバーライドできるのは、システム管理者だけです。最適化された値は、/usr/lib/firefox/defaults/pref/all-multi-user-desktop.js ファイルに存在します。
次のコードは、all-multi-user-desktop.js ファイルの値を示しています。
// Disable "safe browsing" feature that hogs CPU, HDD, etc. pref("browser.safebrowsing.enabled", false); pref("browser.safebrowsing.malware.enabled", false); // Limit the "location-bar suggestions" pref("browser.urlbar.maxRichResults", 3); // Disable offline/disk caching of web pages pref("browser.cache.offline.enable", false); pref("browser.cache.disk.enable", false); // Change the default cache: pref("browser.cache.memory.enable",true); pref("browser.cache.memory.capacity", 1024);
all-multi-user-desktop.js ファイルに存在する最適化された値をオーバーライドするには、新しい値を使用した新規ファイルを /usr/lib/firefox/defaults/pref/ ディレクトリ内に作成します。ファイル名は all-multi-user-desktop.js ファイルよりもアルファベット順で上位にする必要があります。たとえば、ファイルの名前を all-admin.js とすることができます。