非同期レプリケーションについて

非同期レプリケーションは、通常プライマリストレージサイトからリモートに存在するセカンダリストレージサイトに書き込まれる、データの時間差コピーを提供します。

非同期レプリケーションには、2 台以上のレプリケーションエンジンが必要です。非同期レプリケーションはほとんどの場合、プライマリの場所とセカンダリの場所が地理的に分散しており、各場所に個別のレプリケーションエンジンが存在する状態で通信が WAN (広域ネットワーク) リンク経由であるときにサポートされます。データがプライマリストレージに書き込まれると常に、そのデータのコピーがあとで WAN 接続経由でセカンダリストレージサイトに転送するために準備されます。

たとえば、一般的な非同期レプリケーション構成は、インターネットプロトコル (IP) WAN によって接続されたプライマリサイトとセカンダリサイトから構成されます。各プライマリおよびセカンダリサイトは、Oracle MaxRep レプリケーションエンジンおよびOracle FS Systemから構成されます。

アプリケーションホストからのデータがプライマリOracle FS Systemに書き込まれると、データのコピーが必要なジャーナル情報とともに、プライマリレプリケーションエンジンへの転送の準備がされます。次に、プライマリレプリケーションエンジンがそのデータをセカンダリレプリケーションエンジンに転送し、データがセカンダリOracle FS Systemに書き込まれます。

図 1 非同期レプリケーションの基本構成 非同期レプリケーションの基本構成 
凡例
1 プライマリサイト 7 ソース LUN
2 セカンダリサイト 8 セカンダリOracle FS System
3 ホスト 9 保持 LUN
4 レプリケーションエンジン 10 バックアップ LUN
5 ホーム LUN 11 ターゲット LUN
6 プライマリOracle FS System  

非同期レプリケーションの別の例 には、レプリケーションエンジンを各既存のレプリケーションエンジンに追加して、高可用性構成を提供することが含まれます。2 つのレプリケーションエンジンは、アクティブ/パッシブクラスタを形成します。各クラスタ化されたペアの一方のレプリケーションエンジンがアクティブモードになります。他方のレプリケーションエンジンはパッシブモードになり、アクティブなレプリケーションエンジンで障害が発生した場合に引き継ぐ準備がされます。

完全な高可用性構成は、2 つのレプリケーションエンジンとプライマリサイト上のプライマリOracle FS Systemのクラスタから構成されます。セカンダリサイトには、2 つのレプリケーションエンジンとセカンダリOracle FS Systemのクラスタから構成されます。高可用性は両方のサイトで必要ではありません。別のレプリケーションエンジンを追加することによって、任意のレプリケーションエンジンを高可用性として構成できます。