冗長性とデータ保護

論理ボリュームの冗長性レベルはOracle FS System がボリューム用に作成するパリティービットのコピーの数を決定します。パリティービットのコピーの数は、ボリュームデータを保持するドライブに障害が発生した場合に適用されるボリュームデータの保護レベルを決定します。
重要! システムのサイズ決定および論理ボリュームの作成について支援が必要な場合は、Oracle カスタマサポートに連絡してください。
冗長性サービス品質 (QoS) プロパティーでは、パリティーに関して次の選択肢が提示されます。
単一

消失データの回復に役立つように、元のユーザーデータに 1 セットのパリティービットを追加して格納します。1 台のドライブに障害が発生しても、データへのアクセスが維持されます。シングルパリティーは、RAID 5 テクノロジを使って実装され、パフォーマンス型メディアを指定するストレージクラスのデフォルトの冗長レベルになります。

二重

消失データの回復に役立つように、元のユーザーデータに 2 セットのパリティービットを追加して格納します。2 台のドライブに同時に障害が発生しても、データへのアクセスが維持されます。ダブルパリティーは、RAID 6 テクノロジを使って実装され、容量型メディアを指定するストレージクラスのデフォルトの冗長レベルになります。

ドライブグループとは次のものです: すべてが同じドライブエンクロージャーに収容されている、同じストレージクラスのドライブのコレクションを管理する論理オブジェクト。ドライブグループ内のドライブの数は、ドライブタイプによって異なります。ハードディスクドライブ (HDD) を含むドライブグループは、12 台のドライブから構成されます。ソリッドステートドライブ (SSD) を含むドライブグループは、6 台のドライブから構成されます。

次のリストは、通常の QoS (単一階層ボリューム) を使用する論理ボリュームの容量を割り当てるときに Oracle FS System が使用するドライブグループの数を示しています。ドライブグループの数はユーザーがボリュームに指定した優先度レベルにのみ基づいて決定されます。
  • 最高: 4 つのドライブグループ

  • 高: 4 つのドライブグループ

  • 中: 3 つのドライブグループ

  • 低: 2 つのドライブグループ

  • アーカイブ: 2 つのドライブグループ

注: ソリッドステートドライブ (SSD) の場合、ボリュームに指定されている優先度レベルとは関係なく、システムはストレージドメイン内で割り当てられているすべての SSD を使用してボリュームをストライピングします。

単一階層ボリュームのストライピングに Oracle FS System が使用するドライブグループの数が、前述のリストの数より少なくなる場合があります。使用するドライブグループの数が少なくなる可能性があるのは、ストレージドメイン内の多くのドライブグループに空き容量がほとんどないか、または空き容量がないなどの場合です。これらのいずれかの状況が発生した場合、新しいボリュームの複数のストライプが同じドライブグループ内で割り当てられることがあり、ボリューム全体のパフォーマンスが低下します。

通常よりも少ない数のドライブグループにボリュームがストライピングされているためにパフォーマンスが低下している場合、ストレージドメインにドライブグループを追加すると、ボリュームに高いパフォーマンスを再構築できます。

ドライブグループを追加すると Oracle FS System が割り当てのリバランスを行うため、適切な数のドライブグループがボリュームで使用されるようになります。リバランスは、ドライブグループ内の過剰なストライプを新しく追加したドライブグループに移動することで行われます。