数値引数

数値引数の構文は次のとおりです:

(numeral1, numeral2,...numeraln)

この場合、数値1からnは、小数および負数を含む任意の数字です。たとえば、Average(10,20,30)は、値20を戻します。

行、列、セルの参照引数

行、列またはセルの引数の構文は次のとおりです:

FunctionName(GridName.GridElement[segment(range)].Property)

表20. 引数のコンポーネント

引数

説明

GridName

(オプション)グリッドの名前。

たとえば、Difference (grid1.row[5], grid2.row[5])は、グリッド1の行とグリッド2の行の差を戻します。

GridNameを指定しない場合、デフォルトは式を挿入した現在のグリッドになります。

GridElement

(オプション)キーワードrowcolcolumnまたはcellのいずれかです。

たとえば、Max(row[1], row[2], row[3])は、これらの3行の最大値を戻します。(キーワードrowcolumncolはオプションです。)

行および列のセグメントIDを指定する必要があります。たとえば、cell[2, A]は、行2と列Aの交差であるセルを参照します。

キーワードcellは、オプションです。たとえば、[5,B]は、行5と列Bの交差であるセルを参照します。セルの参照には、[row, col]構文または[col, row]構文を使用できます。

GridElementが指定されている場合、文字は列を、数字は行を示します。たとえば、Max ([1,A], [2,A], [3,A])という構文が使用できます。

segment

(必須)グリッド内の行、列またはセルの参照番号。展開される行また列に対しては、セグメントを指定する必要があります。たとえば、row[2]は、行セグメント2を指します。セグメントは、角カッコ[ ]で囲んで示します。

range

(オプション)指定されたセグメントから展開される行、列またはセル。rangeが指定されている場合は、指定された範囲のみを使用して式が計算されます。たとえば、row[2(3:5)]では、展開されたセグメント2の3番目から5番目までの行のみが使用されます。

rangeが指定されていない場合、展開されるセルのすべてが使用されます。

注:

セグメントが1行または1列のみの場合は、range引数を使用しないでください。

property

(オプション)キーワードaverageaverageAcountcountAmaxminproductまたはsumのいずれかです。プロパティは、指定済の展開される行、列またはセルを集約するために使用されます。

参照が引数の場合にはプロパティを指定しないでください。プロパティを指定しないと、関数による参照の計算が最適な方法で実行されます。たとえば、次の式は、行1と行 2にあるセルの平均を戻します。

Average(row[1], row[2])

一方、次の式は、最初にrow[1]の平均を計算してからrow[2]の平均を計算し、次にこれらの2つの値を足して2で割ります。

Average(row[1].average, row[2].average)

関数の引数として使用されていない行、列またはセル参照のデフォルトのプロパティは、sumプロパティです。たとえば、次の式のデフォルトのプロパティはsumです。

row[2].

集約プロパティ引数および参照プロパティ引数を参照してください。

segmentのみが参照の必須コンポーネントなので、次の参照は同じになります。

 Grid1.row[1].sum
 [1]

AverageACountAの計算には、#missingおよび#errorのセルも含まれます。たとえば、行1が、Qtr1 = 100、Qtr2 = 200、Qtr3 = #missing、Qtr4 = 400と展開するセグメント行の場合、次の関数は4という結果を戻します。

row[1].CountA

これ以外のすべての関数は、#missingデータまたは#errorセルを計算から除外します。たとえば、前述のQtr1 = 100、Qtr2 = 200、Qtr3 = #missing、Qtr4 = 400と展開する行1で、次の例は3という結果を戻します。

row[1].Count

集約プロパティ引数

集約行、集約列、集約セルは、それぞれ複数の行、列、セルを含んでいます。集約プロパティ引数は、次の算術関数の構文の最後にある引数です。

FunctionName(GridName.Gridelement[segment(range)].property)

集約プロパティは、行、列またはセルの参照に適用します。集計プロパティには次が含まれます:

算術関数引数として使用される場合は、プロパティのデフォルトはその関数と同じになります。次の例では、デフォルトのプロパティはAverageです。

Average(row[2])

算術関数引数として使用されない場合は、プロパティのデフォルトはsumになります。次の例では、デフォルトのプロパティは集約行のsumです。

row[2]

参照プロパティ引数

参照プロパティ引数は、式の参照結果の処理方法を指定します。この引数は、他のプロパティとともに使用します。

参照プロパティ引数には、IfNonNumber/IFFNがあります。

IfNonNumberは、#Missing値および#Error値のかわりに使用する特定の数値を指定します。

構文は、次のとおりです。

AXIS[segment(range)].IfNonNumber(arg).AggregateProperty

表21. 引数のコンポーネント

引数説明

AXIS

(オプション) row、columnまたはcellのキーワード。

Segment(range)

行番号または列の文字などの軸の参照。

IfNonNumber

AxisRef内でのデータがない場合やエラーの場合の処理方法。

(arg)

AxisRef内での欠落データやエラー・データのかわりに使用する数値。

AggregateProperty

(オプション)集約セグメントで使用される集約関数。集約プロパティ引数を参照してください。

例:

cell[1,A] = 3およびcell[1,B] = #Missingの場合、

次の式は#Errorを戻します。

  cell[1,A] / cell[1,B] 

次の式は、cell[1,B]を1に置換し、3を戻します。

  cell[1,A] / cell[1,B].ifNonnumber(1)

注意:

グリッドの#Missing#Errorを抑制している場合にグリッドの行や列にIfNonNumberプロパティを含む式がある場合は、#Missing#Errorは抑制されたままになります。

注意:

Financial Managementデータベース接続を使用しているときにJConsoleのMissingValuesAreZeroInFormulas (以前はMissingValuesAreZeroInFormulasInHFM)オプションが(1)に設定されている場合、#Missing値は、IfNonNumberプロパティの設定にかかわらず0になります。ただし、このファイルでの設定が0の場合は、前述のようにIfNonNumberプロパティによる置換を行います。(JConsoleの詳細は、Oracle Hyperion Financial Reporting管理者ガイドのプロパティ情報に関する項を参照してください。

引数としての埋込み関数

関数の引数に、関数を埋め込むことができます。次の例では、Average関数がSum関数に埋め込まれています。

sum(row[3:5], avg(row[4:6], 40, 50), row[7; 9], 70, 80)

  • 行セグメント3、4、5

  • 行セグメント4、5、6と、数値40と50の平均

  • 行セグメント7と9

  • 数値70と80