currentキーワードを特定のテキスト関数で使用すると、重複が少なく、より動的で役立つ式を作成できます。currentキーワードは、テキスト関数内で要求されたパラメータを置換します。ハードコードされたパラメータでも同じ結果を得られますが、currentキーワードでは動的な値が結果として戻されます。たとえば、currentを複数ページのグリッドにあるPageパラメータで使用すると、ページごとに該当する値を生成できます。
currentまたはcurのいずれの形式もcurrentキーワードとして使用できます。Currentキーワードでは、大文字と小文字は区別されません。
注意:
currentキーワードは、次のテキスト関数を使用している場合のみ、テキスト・オブジェクトでサポートされます: MemberName、MemberAliasおよびMemberDescription。currentはページ・ディメンション・パラメータを指定します。ただし、グリッド名、行および列が定義されている必要があり(該当する場合)、currentキーワードは使用できません。
例1:
GetCell関数では、パラメータの多くは、関数が挿入されている現在のセルに対して相対的である可能性があります。このため、currentキーワードがこの関数に適用できます。GetCell関数の構文は、次のとおりです。
<<GetCell ("GridName", Row, Column, Page)>>
次の例では、GetCellのパラメータがハード・コードされています。そのため、複数のページに関数を挿入しても、同じグリッド1、セル1A、ページ1にあるセルの値が戻されます:
<<GetCell ("Grid1", 1, A, 1)>>
次に示す例では、GetCell関数でcurrentキーワードを使用しています。関数が挿入されているセルには、ページごとに異なる値が表示されます。currentキーワードが、グリッド名にも適用されていることに注意してください。グリッド名が変わっても、テキスト式は適正なまま維持されます。
<<GetCell ("current", 1, current, current)>>
例2
展開されるセルでcurrentキーワードを使用すると、展開されたセルに基づいた値が戻されます。
次の例では、展開されるセルでGetCell関数が使用されています(列Aが、列「第1四半期」、「第2四半期」、「第3四半期」に、行1が行「東部」と行「西部」に展開します)。テキスト行1では、Columnパラメータとしてcurrentキーワードが、テキスト行2では、Columnパラメータにハードコードされた値が使用されています。
| 名前 | 説明 |
|---|---|
| . | 第1四半期、第2四半期、第3四半期 |
東部、西部 |
# |
テキスト行1 |
|
テキスト行2 |
|
次の表に結果を示します。
| 名前 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 |
|---|---|---|---|
東部 |
5,120 |
4,502 |
7,304 |
西部 |
3,405 |
2,300 |
4,462 |
テキスト行1 |
5,120 |
4,502 |
7,304 |
テキスト行2 |
5,120 |
5,120 |
5,120 |
テキスト行1では、currentキーワードを列パラメータで使用しています。このキーワードは、展開される各セル(第1四半期、第2四半期、第3四半期)の現在の列で更新を実行します。また、currentキーワードがページ・パラメータで使用されているので、テキスト行1の値は、グリッドの現在のページに相当するページで更新されます。
テキスト行2では、列パラメータ(A)にハードコードされた値を使用しています。この結果、すべての四半期に対して同じ値5,120が戻されます。列パラメータでのハードコードされた参照は、列値と行値の両方に一番左上の値を戻します。
表11-5 Currentキーワードをサポートするテキスト関数
| テキスト関数 | 例 |
|---|---|
<<DataSource(“GridName.Axis[ID]”,InfoType)>> パラメータ(該当する場合):
|
<<DataSource(current, "App")>> 注意: 現在のグリッド名が使用されます。 |
<<GetCell("GridName",Row,Col,Page)>>
パラメータ(該当する場合):
|
<<GetCell(cur, 1, cur, current)>> <<GetCell(cur, 1(3), cur, current)>> 注意: 行1の3番目の(展開された)行の値を表示します。 <<GetCell(cur, cur, A, current)>> <<GetCell(cur, cur, A(B), current)>> 注意: 列Aの2番目の(展開された)列の値を表示します。 |
データ行または列の見出しでは、次を使用します: <<MemberName("DimName")>>
データ以外の行や列の見出しでは、次を使用します: <<MemberName("GridName",Row/Col/Page,"DimName")>>
該当する場合は、次のパラメータを使用します。
|
<<MemberName(current)>> <<MemberName("current", Row/Col/Page, "current")>>
注意: 見出しセルがあるディメンションに相当するデータ行、列、またはページのメンバー名を戻します。このパラメータは、 |
<<CalcStatus("GridName",Row,Col,Page)>>
注意:
|
<<CellText("GridName", Row, Column, Page)>>
<<CellText("GridName", Row, Column, Page, MemberOverride)>>
|
<<GridDimension("GridName","Axis",index)>>
注意:
|
<<MemberAlias("DimName")>>
<<MemberAlias("GridName", "DimName")>> <<MemberAlias("GridName", Row|Col|Page, "DimName")>>
<<MemberDesc("DimName")>>
<<MemberDesc("GridName", "DimName")>>
<<MemberDesc("GridName", Row|Col|Page, "DimName")>>
<<MemberName("DimName")>>
<<MemberName("GridName", "DimName")>>
<<MemberName("GridName", Row|Col|Page, "DimName")>>
<<MemberQualifiedName("DimName")>>
<<MemberQualifiedName("GridName", "DimName")>>
<<MemberQualifiedName("GridName", Row|Col|Page, "DimName")>>
<<MemberProperty(DimensionName, Property)>>
<<MemberProperty("GridName", DimensionName, Property)>>
<<MemberProperty("GridName", Row|Col|Page, DimensionName, Property)>>
|
<<ProcessManagementStatus("GridName",Row,Column,Page)>>
注意:
|
|
<<ListOfCellDocuments("GridName",FileName)>>
注意:
|
|
<<GridDimension("GridName","Axis",Index)>>
パラメータ(該当する場合):
|
<<GridDimension(cur,"Page",1)>> <<GridDimension(cur,cur,cur)>> 注意: 見出しセルに対応するディメンション名が表示されます。 |
<<GetHeading("GridName",Page,Ref,Offset)>>
<<GetHeading("GridName",Page,Ref,"Delim")>>
パラメータ(該当する場合):
|
<<GetHeading(cur, cur, A, " - ")>> <<GetHeading(cur, cur, 1, " - ")>> 注意: 上の例では、現在のページの列Aと行1のすべての見出しが表示されます。 <<GetHeading(cur, cur, A, cur)>> 注意: 式を含む見出しセルの位置に対応するディメンションの列Aの見出しが表示されます。 <<GetHeading(cur, cur, cur, " - ")>> 注意: 行のテキスト・セルで使用した場合、現在の列にあるすべての見出しが「-」で区切られて戻されます。この結果を使用すると、手動で改ページを実行した場合に、列見出しを繰り返すことができます。 |
*参照パラメータでのcurrentキーワードの使用には制限があります。GetHeading関数がカスタム見出しとして行また列に挿入されている場合には、currentキーワードは使用できません。これは、循環参照が生成されるためです。currentキーワードは、グリッドの見出し領域にないテキスト行またはテキスト列の一部であるセル内の3番目のパラメータとして使用できます。たとえば、行3がテキスト行であるセルA3で式<<GetHeading(cur,cur,cur,1)>>を追加すると、列Aの最初の見出しが戻されます。GetHeading関数は、見出しセル内で使用できます。しかし、referenceパラメータにはcurrentキーワードは使用できません。たとえば、列Bの見出しセル内に<<GetHeading(cur, cur, A, cur)>>を入力すると、列Aの見出しが戻されます。 |
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