この付録では、VLE 1.5 以降の VLE ネットワークについて説明します。構成例では、次のような一般的なネットワークシナリオを示します。
VLE 1.5 および X4-4 サーバーの導入に伴い、クワッドポート 1G ビット NIC 接続がデュアルポート 10G ビット NIC 接続で置き換えられました。IFF/レプリケーション接続の潜在的なネットワーク帯域幅は、16G ビット (=16 x 1G ビット) から、40G ビット以上の光帯域幅に増加しました。
追加の 10G ビット銅線/RJ-45 ポートも使用できます。この追加の帯域幅によってネットワークの設定が簡単になります。ただし、この追加の帯域幅に対応するには、顧客が追加のネットワークインフラストラクチャーを用意する必要があります。
一般に、機能は特定のポートの特定のネットワークに分離されます。これにより、特定の機能のための帯域幅が理論上は確保されます。
さらに、リンク障害によって同じサブネット上のほかの VLE ポートが停止する可能性があるため、すべてのインタフェース/アグリゲーションでサブネットを分離することがベストプラクティスとみなされます。
表A-1 に、X4-4 サーバーの VLE 1.5 の各ポートの位置と機能を示します。
比較のため、VLE 1.5 より前のバージョンに関する同じ情報を表A-2 に示します。
「Cu」は銅線/RJ45 を示します。
「O」は光を示します。
「O または Cu」はどちらか一方を示します。デフォルトは光で、Cu は 1G ビットのみです。
アポストロフィ (*) の付いたフィールドの場合、顧客は 10G ビットオープン接続を VSM5/VSM6 の IFF/レプリケーションに利用しています。
表A-1 VLE X4-4 の VLE ネットワーク構成 (VLE 1.5 で導入)
位置 |
ポート |
IFF/REP | 機能 |
---|---|---|---|
MB (Cu) |
0 1 2 3 |
0 |
ASR UUI UUI 保守用アクセス |
PCIE3 (O または Cu) |
0 1 |
1 2 |
IFF/レプリケーション IFF/レプリケーション |
PCIE5 (O または Cu) |
0 1 |
* |
ノードとノード間のグリッドトラフィック (VLE プライベート) リモートコピートラフィック (VLE と VLE 間) |
PCIE8 (O または Cu) |
0 1 |
* |
ノードとノード間のグリッドトラフィック (VLE プライベート) リモートコピートラフィック (VLE と VLE 間) |
PCIE10 (O または Cu) |
0 1 |
3 4 |
IFF/レプリケーショントラフィック IFF/レプリケーショントラフィック |
PCIE11 (Cu) |
0 1 |
5 6 |
IFF/レプリケーショントラフィック IFF/レプリケーショントラフィック |
比較のため、VLE 1.5 より前のバージョンに関する同じ情報を表A-2 に示します。
表A-2 VLE X4470/X4470M2/X2-4 ネットワーク構成 (VLE 1.5 より前)
位置 |
ポート |
IFF/REP | 機能 |
---|---|---|---|
MB (Cu) |
0 1 2 3 |
0 |
ASR UUI UUI 保守用アクセス |
PCIE0 |
0 1 2 3 |
1 2 3 4 |
IFF/レプリケーション IFF/レプリケーション IFF/レプリケーション IFF/レプリケーション |
PCIE3 (10G ビット) |
0 1 |
* |
ノードとノード間のグリッドトラフィック (VLE プライベート) リモートコピートラフィック (VLE と VLE 間) |
PCIE4 |
0 1 2 3 |
5 6 7 8 |
IFF/レプリケーション IFF/レプリケーション IFF/レプリケーション IFF/レプリケーション |
PCIE5 |
0 1 2 3 |
9 10 11 12 |
IFF/レプリケーショントラフィック IFF/レプリケーショントラフィック IFF/レプリケーショントラフィック IFF/レプリケーショントラフィック |
PCIE8 (10G ビット) |
0 1 |
* |
ノードとノード間のグリッドトラフィック (VLE プライベート) リモートコピートラフィック (VLE と VLE 間) |
PCIE9 |
0 1 2 3 |
13 14 15 16 |
IFF/レプリケーショントラフィック IFF/レプリケーショントラフィック IFF/レプリケーショントラフィック IFF/レプリケーショントラフィック |
この例では、図A-1 に示すように、ネットワークインフラストラクチャーを使用しない、複数の VTSS 対 VLE のネットワークレイアウト (レプリケーション/IFF/レプリケーション) を示します。
10G ビットの帯域幅をすべて利用するための追加のネットワークインフラストラクチャーが環境に存在しない場合で、リモートコピー機能が必要でないときは、最大 8 個の IFF/レプリケーションポートを VTSS ポートに直接接続できます。
これらのポートは銅線に変換される必要があり、1G ビットのリンク速度でのみ動作します (潜在的な合計帯域幅は 8G ビット)。
前述のとおり、リンク障害によって同じサブネット上のほかの VLE ポートが停止する可能性があるため、すべてのインタフェースでサブネットを分離することがベストプラクティスとみなされます。
表A-3 に、この例の IFF/レプリケーショントラフィックに使用できるポートを示します。
リンク |
デバイス |
場所 |
|
---|---|---|---|
ixgbe0 |
ixgbe0 |
/SYS/MB |
|
ixgbe1 |
ixgbe1 |
/SYS/MB |
|
ixgbe2 |
ixgbe2 |
/SYS/MB |
|
ixgbe3 |
ixgbe3 |
/SYS/MB |
|
ixgbe4 |
ixgbe4 |
/SYS/MB/PCI3 |
IFF/レプリケーショントラフィック |
ixgbe5 |
ixgbe5 |
/SYS/MB/PCI3 |
IFF/レプリケーショントラフィック |
ixgbe6 |
ixgbe6 |
/SYS/MB/PCI5 |
|
ixgbe7 |
ixgbe7 |
/SYS/MB/PCI5 |
IFF/レプリケーショントラフィック |
ixgbe8 |
ixgbe8 |
/SYS/MB/PCI8 |
|
ixgbe9 |
ixgbe9 |
/SYS/MB/PCI8 |
IFF/レプリケーショントラフィック |
ixgbe10 |
ixgbe10 |
/SYS/MB/PCI10 |
IFF/レプリケーショントラフィック |
ixgbe11 |
ixgbe11 |
/SYS/MB/PCI10 |
IFF/レプリケーショントラフィック |
ixgbe12 |
ixgbe12 |
/SYS/MB/PCI11 |
IFF/レプリケーショントラフィック |
ixgbe13 |
ixgbe13 |
/SYS/MB/PCI11 |
IFF/レプリケーショントラフィック |
このシナリオの VTSS および VLE 接続は次のとおりです。
VTSS1 | IFF/REP1 | 192.168.1.11/24 |
IFF/REP2 | 192.168.2.11/24 | |
IFF/REP3 | 192.168.3.11/24 | |
IFF/REP4 | 192.168.4.11/24 |
VTSS2 | IFF/REP1 | 192.168.5.11/24 |
IFF/REP2 | 192.168.6.11/24 | |
IFF/REP3 | 192.168.7.11/24 | |
IFF/REP4 | 192.168.8.11/24 |
VLE | ixgbe4 | 192.168.1.10/24 |
ixgbe5 | 192.168.2.10/24 | |
ixgbe7 | 192.168.3.10/24 | |
ixgbe9 | 192.168.4.10/24 | |
ixgbe10 | 192.168.5.10/24 | |
ixgbe11 | 192.168.6.10/24 | |
ixgbe12 | 192.168.7.10/24 | |
ixgbe13 | 192.168.8.10/24 |
この例では、図A-2 に示すように、ネットワークインフラストラクチャーを使用する、複数の VTSS 対 VLE のネットワークレイアウト (レプリケーション/IFF/レプリケーション) を示します。
クワッドポート NIC では直接接続が技術的に実現可能でしたが、デュアルポート 10G ビット NIC では不可能になりました。ただし、16 個の 1G ビット接続に必要な帯域幅を 2 つの 10G ビットポートで満たすことができます。そのためには、VLE ポートで 10G ビットのリンク速度と LACP アグリゲーションをサポートするためのネットワークインフラストラクチャーを顧客が用意する必要があり、VTSS 接続と VLE ポートが異なるサブネット上にある場合は適切なルーティングも必要です。
このシナリオの VTSS 接続は次のとおりです。
VTSS1 | IFF/REP1 | 192.168.1.11/24 |
IFF/REP2 | 192.168.2.11/24 | |
IFF/REP3 | 192.168.3.11/24 | |
IFF/REP4 | 192.168.4.11/24 |
VTSS2 | IFF/REP1 | 192.168.1.12/24 |
IFF/REP2 | 192.168.2.12/24 | |
IFF/REP3 | 192.168.3.12/24 | |
IFF/REP4 | 192.168.4.12/24 |
VTSS3 | IFF/REP1 | 192.168.1.13/24 |
IFF/REP2 | 192.168.2.13/24 | |
IFF/REP3 | 192.168.3.13/24 | |
IFF/REP4 | 192.168.4.13/24 |
VTSS4 | IFF/REP1 | 192.168.1.14/24 |
IFF/REP2 | 192.168.2.14/24 | |
IFF/REP3 | 192.168.3.14/24 | |
IFF/REP4 | 192.168.4.14/24 |
注意:
顧客は、すべての IFF/レプリケーション接続と VLE IP アドレスの間でルーティングが可能であることを確認する必要があります。このシナリオの VLE 接続は次のとおりです。
リンク | デバイス | 場所 |
ixgbe4 | ixgbe4 | /SYS/MB/PCI3 |
ixgbe5 | ixgbe5 | /SYS/MB/PCI3 |
ixgbe10 | ixgbe10 | /SYS/MB/PCI10 |
ixgbe11 | ixgbe11 | /SYS/MB/PCI10 |
各 VTSS の 4 つの IFF/レプリケーションサブネットの IP アドレスを構成します。
VLE1 | ixgbe4 | 192.168.1.10/24 |
ixgbe5 | 192.168.2.10/24 | |
ixgbe10 | 192.168.3.10/24 | |
ixgbe11 | 192.168.4.10/24 |
ixgbe4 と ixgbe10 を使用してアグリゲーションを作成し、単一の IP アドレスを割り当てます。これによって 20G ビットの帯域幅と冗長性が得られます。
注:
リンク障害によって帯域幅が 10G ビットに減少します。VLE2 |
aggr2 |
ixgbe4
ixgbe10 |
192.168.1.10/24 |
この例では、マルチノード VLE のネットワークレイアウトを示します。
VLE プライベートネットワーク (172.17.1.0/24) 内で動作するマルチノード VLE システムでは、最大 16 個の VLE ノードを構成できます。
1 つまたは 2 つのノードを含むシステムでは直接接続ポートを使用しますが、3 つ以上のノードを含むシステムには Oracle 72 スイッチが必要です。
表A-4 に、この例のマルチノードトラフィックに使用できるポートを示します。
リンク |
デバイス |
場所 |
|
---|---|---|---|
ixgbe0 |
ixgbe0 |
/SYS/MB |
|
ixgbe1 |
ixgbe1 |
/SYS/MB |
|
ixgbe2 |
ixgbe2 |
/SYS/MB |
|
ixgbe3 |
ixgbe3 |
/SYS/MB |
|
ixgbe4 |
ixgbe4 |
/SYS/MB/PCI3 |
|
ixgbe5 |
ixgbe5 |
/SYS/MB/PCI3 |
|
ixgbe6 |
ixgbe6 |
/SYS/MB/PCI5 |
マルチノードトラフィック |
ixgbe7 |
ixgbe7 |
/SYS/MB/PCI5 |
|
ixgbe8 |
ixgbe8 |
/SYS/MB/PCI8 |
マルチノードトラフィック |
ixgbe9 |
ixgbe9 |
/SYS/MB/PCI8 |
|
ixgbe10 |
ixgbe10 |
/SYS/MB/PCI10 |
|
ixgbe11 |
ixgbe11 |
/SYS/MB/PCI10 |
|
ixgbe12 |
ixgbe12 |
/SYS/MB/PCI11 |
|
ixgbe13 |
ixgbe13 |
/SYS/MB/PCI11 |
ポートはあらかじめ 1 つの集合に構成され、マルチノード VLE システムのノード数に基づいて IP アドレスが構成されています。
1 | 172.17.1.1/24 |
2 | 172.17.1.2/24 |
3 | 172.17.1.3/24 |
4 | 172.17.1.4/24 |
5 | 172.17.1.5/24 |
6 | 172.17.1.6/24 |
7 | 172.17.1.7/24 |
8 | 172.17.1.8/24 |
9 | 172.17.1.9/24 |
10 | 172.17.1.10/24 |
11 | 172.17.1.11/24 |
12 | 172.17.1.12/24 |
13 | 172.17.1.13/24 |
14 | 172.17.1.14/24 |
15 | 172.17.1.15/24 |
16 | 172.17.1.16/24 |
詳細については、VLE システムへの Oracle 72 ポート 10G ビット Ethernet TOR スイッチの設置に関する別のドキュメントを参照してください。
この例では、図A-3 に示すように、VLE と VLE 間のリモートコピートラフィックのネットワークレイアウトを示します。
通常、スロット 5 およびスロット 8 の下部のポートは、リモートサイトにあるほかの VLE サブシステムへのリモートコピートラフィック用に確保されています。IFF/レプリケーショントラフィックと同様に、これらのポートは 1 つのリンクとして集約することも、固有のサブネット上で独立して操作することもできます。
表A-5 に、この例のリモートコピートラフィックに使用できるポートを示します。
リンク |
デバイス |
場所 |
|
---|---|---|---|
ixgbe0 |
ixgbe0 |
/SYS/MB |
|
ixgbe1 |
ixgbe1 |
/SYS/MB |
|
ixgbe2 |
ixgbe2 |
/SYS/MB |
|
ixgbe3 |
ixgbe3 |
/SYS/MB |
|
ixgbe4 |
ixgbe4 |
/SYS/MB/PCI3 |
|
ixgbe5 |
ixgbe5 |
/SYS/MB/PCI3 |
|
ixgbe6 |
ixgbe6 |
/SYS/MB/PCI5 |
|
ixgbe7 |
ixgbe7 |
/SYS/MB/PCI5 |
リモートコピートラフィック |
ixgbe8 |
ixgbe8 |
/SYS/MB/PCI8 |
|
ixgbe9 |
ixgbe9 |
/SYS/MB/PCI8 |
リモートコピートラフィック |
ixgbe10 |
ixgbe10 |
/SYS/MB/PCI10 |
|
ixgbe11 |
ixgbe11 |
/SYS/MB/PCI10 |
|
ixgbe12 |
ixgbe12 |
/SYS/MB/PCI11 |
|
ixgbe13 |
ixgbe13 |
/SYS/MB/PCI11 |
注意:
顧客は、すべてのリモートコピーネットワークとポートの間でルーティングが可能であることを確認する必要があります。このシナリオの VLE 接続は次のとおりです。
サイト #1 | VLE1 | 192.168.10.101/24 |
VLE2 | 192.168.10.102/24 | |
VLE3 | 192.168.10.103/24 | |
VLE4 | 192.168.10.104/24 |
Site #2 | VLE1 | 172.27.10.101/24 |
VLE2 | 172.27.10.102/24 | |
VLE3 | 172.27.10.103/24 | |
VLE4 | 172.27.10.104/24 |
各サイトの 1 つの VLE ノード間に少なくとも 1 ペアの 10G ビットリンクが推奨されます。ただし、ネットワーク帯域幅が使用可能であれば、ほかのノードのリンクを必要に応じて追加することもできます。