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Oracle® Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド
リリース5.0
E64891-02
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E.3 JAWSを使用したフォーム・ページへのアクセス

Oracle Application Expressのページの多くは、アプリケーションのメタデータを保持するために設計されたフォーム・ページです。このセクションでは、これらのページの構造について理解し、JAWSなどのスクリーン・リーダーを使用して対話する方法について説明します。

E.3.1 ページの構造について

多くのフォーム・ページは、論理的に異なるリージョンに分けられます。たとえば、「ページ・アイテムの編集」ページには、ページ・アイテムに関する情報を保持するためのフォーム・フィールドを含む次のリージョンがあります。

  • 名前

  • Displayed

  • Label

  • 設定

  • LOV(アイテム・タイプに応じたもの)

  • 要素

  • ソース

  • デフォルト

  • クイック選択(アイテム・タイプに応じたもの)

  • 条件

  • 読取り専用

  • セキュリティ

  • 構成

  • ヘルプ・テキスト

  • コメント

Oracle Application Expressでは、その開発インタフェース全体を通じてヘッダー(Hn)・タグを使用し、ページ構造を定義します。たとえば、ページ・アイテムの編集ページには、カレント・アイテム名に関するテキストを含むH1ヘッダーが1つと、前述のリストのすべてのアイテム属性グループを含む、その他すべての個別のページ・セクション用のH2ヘッダーが含まれます。このようなページのナビゲートには、標準のスクリーン・リーダー・ヘッダー・ナビゲーションを使用してください。

E.3.2 ヘルプ・テキストへのアクセス

Application Express開発環境内の大部分のアイテムには、フィールドレベル・ヘルプが定義されています。フィールドレベル・ヘルプを実行するには、ヘルプが必要なアイテムにフォーカスを置いて、キーボード・ショートカット[Alt]+[F1]を押します。このキーボード・ショートカットを押すと、ヘルプ・テキストを含むポップアップ・ウィンドウが表示されます。

E.3.3 検証エラーの処理

Oracle Application Expressには、JAWSユーザーがフォーム・ページの検証エラーを処理する際に役立つ機能が多数組み込まれています。

E.3.3.1 「エラーが発生しました」の理解について

スクリーン・リーダー・モードの使用時にフォーム・ページで検証が失敗すると、ページ・タイトルの前に次の接頭辞が付けられます。

x errors have occurred - [page title]

ページがロードされると、JAWSによりページ・タイトルが通知されます。つまり、JAWSのユーザーには、検証が失敗したことがすぐに伝わります。


ヒント:

この動作は、スクリーン・リーダー・モードをプロビジョニングするカスタム・データベース・アプリケーションでも、デフォルトで使用可能です。「スクリーン・リーダー・モードの理解」を参照してください。

E.3.3.2 エラーの確認

エラー・メッセージが表示されているページのセクションにナビゲートするには、このセクションの上部で「通知メッセージ」というテキストを含むH2(ヘッダー・レベル2)タグを見つけます。このヘッダーは視覚的には非表示になっていますが、スクリーン・リーダーのユーザーは使用できます。

E.3.3.3 データベース・アプリケーションへの検証通知の追加

独自のデータベース・アプリケーションに簡単に検証通知を追加できます。これを行うには、ページ・テンプレートの「ページ・テンプレート」、「サブテンプレート」、「通知」セクションに、置換文字列#NOTIFICATION_MESSAGE_HEADING#を追加します。このプレースホルダにより、組込みシステム・メッセージAPEX.NOTIFICATION_MESSAGE_HEADINGの内容が「通知メッセージ」というテキストに置換されます。

この表示テキストをカスタマイズするには、ご使用のアプリケーションで、使用するテキストとともに、APEX.NOTIFICATION_MESSAGE_HEADINGという名前のテキスト・メッセージを定義してください。

たとえば、ページ・テンプレートの「通知」セクションに、次を追加できます。

<h2 class="hideMeButHearMe">#NOTIFICATION_MESSAGE_HEADING#</h2>

この例では、hideMeButHearMe CSSクラスの使用によりコンテンツが視覚的に非表示になりますが、スクリーン・リーダーのユーザーはこれを使用できます。

E.3.3.4 エラーを修正するために関連フィールドにナビゲート

特定のページ・アイテムに関連する検証では、Oracle Application Expressにより、該当するエラー・メッセージの隣にある「通知」セクションに「エラーに移動」リンクが表示されます。ユーザーが「エラーに移動」リンクをクリック(またはアクティブ化)すると、関連するアイテムにフォーカスが移動します。これにより、(スクリーン・リーダーのユーザーのみでなく)すべてのユーザーが、エラーに関連するページにすぐに移動できるようになります。

「エラーに移動」テキストを変更して、デフォルトのテキストを変更したり、Oracle Application Expressによってデフォルトでは翻訳されない言語に翻訳することができます。いずれの場合でも、必要なテキストと言語とともに、APEX.GO_TO_ERRORという名前のテキスト・メッセージを定義してください。さらに、APEX.GO_TO_ERRORテキスト・メッセージのテキストを単なるシングル・スペースに設定して、この機能を無効化し、「エラーに移動」リンクを削除できます。

E.3.3.5 WAI-ARIAサポートについて

スクリーン・リーダー・モードで実行する場合、Oracle Application Expressにより、無効なページ・アイテムにWeb Accessibility Initiative - Accessible Rich Internet Applications(WAI-ARIA)マークアップが含められます。この拡張により、WAI-ARIAをサポートするスクリーン・リーダーとブラウザの組合せに対するスクリーン・リーダーのユーザーの操作性が向上します。

特定のページ・アイテムに関連するエラーが発生すると、そのページ・アイテムに次の追加の属性が付けられます。

  • aria-invalid="true"

    これは、スクリーン・リーダーのユーザーがそのページ・アイテムにフォーカスすると、スクリーン・リーダーにより無効なエントリであることが通知されることを意味します。

  • aria-describedby="[page_item_name]_error"

    この属性値はそのアイテムに関連するエラー・メッセージに対応付けられているため、スクリーン・リーダーのユーザーがそのページ・アイテムにフォーカスすると、スクリーン・リーダーにより実際のエラーが通知されます。

この拡張が行われる前は、エラーのあるページ・アイテムにスクリーン・リーダーのユーザーがナビゲートすると、スクリーン・リーダーにより「ジョブ、編集、テキストのタイプ」と通知されることがありました。現在は、スクリーン・リーダーにより「ジョブの編集、無効なエントリ、ジョブに値が必要です、テキストのタイプ」と通知されます。


ヒント:

プラグイン・アイテムの開発者が独自のプラグインで同じWAI-ARIAサポートを提供するには、『Oracle Application Express APIリファレンス』APEX_ERROR.GET_ARIA_ERROR_ATTRIBUTESファンクションに関する説明を参照してください。