| Oracle® Mobile Application Framework Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発 2.1.1.0.0 E64867-01 |
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この章では、MAFアプリケーションでデータの同期化とキャッシュを有効にする方法を説明します。
この章の内容は次のとおりです。
データの同期化は、モバイル・アプリケーションのユーザーに優れたユーザー操作性を提供するための重要な要素です。ユーザーは、モバイル・アプリケーションがいつでも使用でき、機能することを期待します。実際には、モバイル・アプリケーションの接続の信頼性が低いことはよく知られており、ネットワーク接続を使用できなかったり、接続の確立時につながったり切れたりを繰り返し、最終的に切断されることがあります。モバイル・アプリケーションで最適なユーザー操作性を実現するため、MAFには、オフライン時でも継続して機能するアプリケーションを開発できる同期APIが用意されているので、モバイル・アプリケーションでの最適なユーザー操作性が保証されます。ネットワーク接続が使用できない場合、アプリケーションではローカルに格納されているキャッシュ・データにアクセスして、シームレスなユーザー操作を確保します。
sync-config.xmlファイルにより、モバイル・アプリケーションが、様々なタイプのWebサービス(SOAP、REST-XML、JSONペイロードによるREST)を介してアクセスされるサーバー側リソースから取得されたデータをSQLite埋込みデータベースにキャッシュできるようになるだけでなく、キャッシュ内のこのデータおよびサーバー側リソースも更新できるようになります。
キャッシュ機能は、アプリケーション・コード内に実装しなくても、sync-config.xmlファイル内のプロパティを編集することで構成可能です。アプリケーションを作成すると、デフォルト・バージョンのsync-config.xmlファイルが格納されます(図25-1を参照)。sync-config.xmlファイルには「アプリケーション・リソース」ペインのADF-META-INFノードからアクセスでき、このファイルを変更するには、JDeveloperのソース・エディタを使用します。MAFランタイムは、デプロイ後にこのファイルを読み取ります。
データ同期を有効にするには、maf.properties内の次の行を非コメント化します。
# Sync functionality is disabled by default. Uncomment the line below to enable it. #java.commandline.argument=-DsyncEnabled=true
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注意: これはアプリケーション全体のリソースですが、sync-config.xmlファイルを機能アーカイブ(FAR)ファイルに含めることができます。FARをMAFアプリケーションに追加する場合は、FARのsync-config.xmlファイルがアプリケーションのsync-config.xmlとマージされます。詳細は、第25.1.2項「FARを使用したsync-config.xmlファイルの更新に関する必知事項」を参照してください。 |
例25-1は、デフォルトのsync-config.xmlファイルを示しています。このファイル内のプロパティを使用すると、次のものに対するキャッシュ・ポリシーを構成できます。
ほとんど変更されない静的リスト
頻繁に変更される大規模なコレクション(リスト全体をリフレッシュせずにデルタをフェッチします)
高度に動的なデータ(結果の文脈依存性が高いため、キャッシュを使用せずにリフレッシュする必要があります)
1対1および1対nのカーディナリティを持つ、個々のリソースおよびその直接の子のキャッシュ
例25-1 sync-config.xmlファイル
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<Settings xmlns="http://xmlns.oracle.com/sync/config">
<BaseUri>http://127.0.0.1</BaseUri>
<AppId/>
<LazyPersistence/>
<RefreshPolicy/>
<DbStorageFolderPath/>
<FileStorageFolderPath/>
<Policies>
<DefaultPolicy>
<FetchPolicy>FETCH_FROM_SERVICE</FetchPolicy>
<UpdatePolicy>UPDATE_IF_ONLINE</UpdatePolicy>
<ExpirationPolicy>NEVER_EXPIRE</ExpirationPolicy>
<EvictionPolicy>MANUAL_EVICTION</EvictionPolicy>
</DefaultPolicy>
</Policies>
</Settings>
ビュー・コントローラ・プロジェクトがFARとしてデプロイされると、sync-config.xmlファイルは機能アーカイブ・ファイルに含まれます。connections.xmlファイルと同様に、FARをアプリケーションに追加すると、MAFではFAR (jar-sync-config.xml)内のsync-config.xmlファイルの内容と、使用するアプリケーションのsync-config.xmlファイルの内容をマージします。sync-config.xmlファイルは、モバイル・アプリケーションによって使用されるWebサービスのエンドポイントを記述するため、モバイル・アプリケーションを構成するアプリケーション機能によって使用されるすべてのWebサービスのエンドポイントを、FARを追加することで更新できます(第8.4項「FARのビュー・コントローラ・プロジェクトとしての追加時に行われる処理」を参照)。
FARをアプリケーションに追加すると、MAFでは、アプリケーションのsync-config.xmlファイルおよびconnections.xmlファイルを確認し、必要に応じて変更するように求めるメッセージがログに記録されます。図25-2に示すように、これらのメッセージは、使用するアプリケーションのsync-config.xmlファイルの状態を反映します。
使用するアプリケーションにsync-config.xmlファイルがない場合、MAFではこのファイルをアプリケーションに追加し、次のようなメッセージを書き込みます。
oracle.adfmf.framework.dt.deploy.features.deployers.SyncConfigMerger _logNoSyncConfigInAppUsingFar WARNING: The application does not contain a synchronization file, "sync-config.xml". Creating one containing the synchronization configuration in the Feaure Archive.
sync-config.xmlファイルの<ServerGroup>要素に、使用するアプリケーションのconnections.xmlファイルで定義された対応する<Reference>要素がない場合、MAFでは接続の確認(または作成)をリクエストする次のようなログ・メッセージを書き込みます。
oracle.adfmf.framework.dt.deploy.features.deployers.SyncConfigMerger _logAddedServerGroups
WARNING: The following server groups were added sync-config.xml by the Add to Application
operation:
{
ServerGroup1 - there is no existing application connection defined for this server group.
Please create the connection.
ServerGroup2 - verify its configuration.
}
使用するアプリケーションのsync-config.xmlファイルの<ServerGroup>定義が、FAR内の対応するsync-config.xmlファイルの定義を複製する場合、MAFでは次のSEVEREレベルのメッセージをログに書き込みます。
oracle.adfmf.framework.dt.deploy.features.deployers.SyncConfigMerger _logDuplicateServerGroups SEVERE: Cannot merge the server groups from the Feature Archive because the following definitions already exist: ServerGroup1 ServerGroup2