A 冗長Middlewareホームの作成

第7.5.1.3項「冗長バイナリ(Middlewareホーム)ディレクトリの使用について」では、Middlewareホームが単一の障害ポイントにならないように複製のMiddlewareホームを作成することが推奨されています。デプロイメント・ウィザードを使用している場合は、それを実現できません。デプロイメントを完了した後で、個別のタスクとして実行する必要があります。この付録では、複製のMiddlewareホームの作成方法について説明します。

この付録では、次のトピックについて説明します。

付録 A「複製のMiddlewareホームの作成方法」

A.1 複製のMiddlewareホームの作成

複製のMiddlewareホームを作成する手順は、次のとおりです。

MiddlewareホームのバックアップをSW_ROOTレベルで作成します。次に例を示します。
```
tar cvfz mwhomebackup.tar.gz SW_ROOT
```
元のSW_ROOTボリュームを作成したときと同じ方法で、共有記憶域に新しい共有ファイル・システムを作成します。
1. トポロジ全体を停止します。
2. SW_ROOTがマウントされている偶数のホストから、そのボリュームをディスマウントします。
  
  たとえば、現在、SW_ROOTがOAMHOST1、OAMHOST2、OIMHOST1およびOIMHOST2でマウントされているとします。
  
  ここではOAMHOST2およびOIMHOST2からディスマウントします。
3. SW_ROOTと同じ場所の偶数のホスト(OAMHOST2/OIMHOST2)に新しいSW_ROOTボリュームをマウントします。
偶数のホストのいずれかを使用してバックアップをリストアします。たとえば、OAMHOST2を使用して次のようにします。
```
tar xvfz mwhomebackup.tar.gz
```
偶数のホストのいずれかを使用してバックアップをリストアします。たとえば、OAMHOST2を使用して次のようにします。
```
tar xvfz mwhomebackup.tar.gz
```

複製のMiddlewareホームを作成した後、なんらかの理由でOAMHOST1のSW_ROOTが破損した場合は、OAMHOST1/OIMHOST1のみに影響があります。OAMHOST2およびOIMHOST2は影響を受けません。一方で、2セットのMiddlewareホームが存在することになり、各ホームで自動パッチ適用を使用する必要があります。

Oracle Identity Managementの場合、自動パッチ適用を使用する手順は、次のとおりです。

ファイルtopology.xmlのバックアップを作成します。

次のコマンドを使用して新しいMW_HOMEを作成します。

topotool.sh add -mwhome -mwhomename Identity:MW_HOME2 -path SW_ROOT/identity -shared true

Middlewareホームの各コンポーネントに対して新しいOracleホームを作成します。

topotool.sh add -home -mwhomename Identity:MW_HOME2 -type ORACLE_COMMON -path SW_ROOT/identity/oracle_common
topotool.sh add -home -mwhomename Identity:MW_HOME2 -type WLS -path SW_ROOT/identity/wlserver_10.3
topotool.sh add -home -mwhomename Identity:MW_HOME2 -type SOA -path SW_ROOT/identity/soa
topotool.sh add -home -mwhomename Identity:MW_HOME2 -type IAM -path SW_ROOT/identity/iam

コンポーネントを新しいMiddlewareホームに移動します。

topotool.sh modify -instance -name IAMGovernanceDomain:wls_soa2 -mwhomename Identity:MW_HOME2 -hometype SOA 
topotool.sh modify -instance -name IAMGovernanceDomain:wls_oim2 -mwhomename Identity:MW_HOME2 -hometype IAM 
topotool.sh modify -instance -name IAMGovernanceDomain:wls_bi2 -mwhomename Identity:MW_HOME2 -hometype IAM
topotool.sh modify -instance -name IAMGovernanceDomain:wls_opam2 -mwhomename Identity:MW_HOME2 -hometype IAM

Oracle Access Managementの場合の手順は、次のとおりです。

次のコマンドを使用して新しいMW_HOMEを作成します。

topotool.sh add -mwhome -mwhomename Access:MW_HOME2 -path /SW_ROOT/access -shared true

Middlewareホームの各コンポーネントに対して新しいOracleホームを作成します。

topotool.sh add -home -mwhomename Access:MW_HOME2 -type ORACLE_COMMON -path SW_ROOT/access/oracle_common
topotool.sh add -home -mwhomename Access:MW_HOME2 -type WLS -path SW_ROOT/access/wlserver_10.3
topotool.sh add -home -mwhomename Access:MW_HOME2 -type IAM -path SW_ROOT/access/iam

コンポーネントを新しいMiddlewareホームに移動します。

topotool.sh modify -instance -name IAMAccessDomain:wls_oam2 -mwhomename Access:MW_HOME2 -hometype IAM 
topotool.sh modify -instance -name IAMGovernanceDomain:wls_ampm2 -mwhomename Identity:MW_HOME2 -hometype IAM
topotool.sh modify -instance -name IAMGovernanceDomain:wls_msm2 -mwhomename Identity:MW_HOME2 -hometype IAM
topotool.sh modify -instance -name IAMGovernanceDomain:wls_oaam2 -mwhomename Identity:MW_HOME2 -hometype IAM
topotool.sh modify -instance -name IAMGovernanceDomain:wls_oaam_admin2 -mwhomename Identity:MW_HOME2 -hometype IAM

トポロジを再起動します。