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Oracle® Fusion Middleware Oracle Access Management管理者ガイド
11g リリース2 (11.1.2.3) for All Platforms
E61950-08
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60.2 Outlook Webアプリケーションとの統合の概要

この項では、この章で説明する統合についての次の情報を提供します。

60.2.1 Microsoft Windowsによる偽装について

偽装により、サーバーは、クライアントができることをでき、クライアントができないことはできない、という状況になります。サービスは、クライアントのセキュリティ・コンテキストで実行すると、特定の範囲についてクライアントとして機能します。ユーザーの認証後、サービスは、偽装経由でそのユーザーのアイデンティティを受け取ります。

サービスのスレッドの1つは、アクセス・トークン(偽装トークンとも呼ばれます)を使用して、クライアントがアクセスできるオブジェクトへのアクセス権を取得します。アクセス・トークンは、クライアントの資格証明を表す保護されたオブジェクトです。偽装トークンでは、クライアント、クライアントのグループおよびクライアントの権限が識別されます。トークン内の情報は、スレッドがクライアントのかわりにリソースへのアクセスをリクエストする際に、アクセス・チェックに使用されます。サーバーがクライアントを偽装するとき、そのサーバーによって実行される操作はすべて、そのクライアントの資格証明を使用して実行されます。

偽装により、サーバーは、クライアントができることをでき、クライアントができないことはできない、という状況になります。リソースへのアクセスは、そのリソースに対してクライアントが持つ権限に応じて制限したり拡張したりできます。偽装には、クライアントとサーバーの両方の参加が必要です。クライアントは、サーバーが自分のアイデンティティを使用することを許可し、サーバーはクライアントのアイデンティティをプログラムで明示的に実装する必要があります。

偽装が終了すると、スレッドはプライマリ・トークンを使用して、クライアントのセキュリティ・コンテキストではなくサービス独自のセキュリティ・コンテキストで動作します。プライマリ・トークンは、プロセスに関連付けられているユーザー・アカウント(アプリケーションを起動したユーザー)のセキュリティ・コンテキストを示します。

サービスは、サービス独自のアカウントで実行し、サービス独自の権限を持つユーザーとして動作します。たとえば、オペレーティング・システムとともにインストールされたシステム・サービスは、ローカル・システム・アカウントで実行されます。その他のサービスは、ローカル・システム・アカウントで実行するように構成することも、ローカル・システム上またはActive Directory内の別のアカウントで実行するように構成することもできます。

IIS Webサーバーは、偽装機能を提供します。ただし、OAMサーバーは、IISの認証機能、認可機能および偽装機能をオーバーライドします。詳細は、次の項の「Windows偽装に対するAccess Manager 11gのサポート」を参照してください。

60.2.2 Windows偽装に対するAccess Manager 11gのサポート

Windows偽装のサポートを有効にして、保護対象アプリケーションに対して追加のアクセス制御を提供することができます。

信頼できるユーザーをWebgateにバインドして、認証ルールに偽装アクションが含まれるアプリケーション・ドメインによりアプリケーションを保護します。認証プロセス中、保護対象アプリケーションは偽装トークンを作成します。

詳細は、「ヘッダー変数による偽装の有効化」を参照してください。ヘッダー変数を使用して偽装を実装するための前提条件および詳細が記載されています。

60.2.3 認証済Access ManagerユーザーのExchangeへのシングル・サインオン

認証済Access ManagerユーザーのExchangeへのシングル・サインオンもWindows偽装機能を使用してサポートされます。

Outlook Web Access (OWA)は、Exchangeメール・サービスへのWebアクセスを提供し、次のいずれかで構成できます。

  • Exchangeサーバーと同じホスト上にないIIS Webサーバー(フロントエンド・サーバーとも呼ばれます)

  • Exchangeサーバーと同じホスト上にあるIIS Webサーバー(バックエンド・サーバーとも呼ばれます)

フロントエンド・サーバー構成では、フロントエンドOWAサーバーがユーザーを認証し、ユーザーのメールボックスをホストするバックエンドExchangeサーバーを決定し、そのバックエンドExchangeサーバーにリクエストを取り次ぎます。追加で渡される資格証明情報はありません。委任も行いません。バックエンドExchangeサーバー上に偽装を設定することにより、このExchangeサーバーは、アクセスの付与に際して事前に資格証明を要求する必要がなくなります。

詳細は、「Outlook Webアプリケーション(OWA)に対する偽装の設定」を参照してください。

60.2.4 要件の確認

ここでは、OAMサーバーとMicrosoft Exchange Server 2013を統合するための偽装機能の設定を示す例を示します。

原則は、アプリケーションを問わず共通です。この章で特定のバージョンおよびプラットフォームについて言及している場合、それらは例示のみの目的で記載されています。Access Managerの最新の動作保証情報は、次のOracle Technology Networkを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html