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Oracle® Fusion Middleware Oracle Access Management管理者ガイド
11g リリース2 (11.1.2.3) for All Platforms
E61950-08
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18.3 マルチデータ・センターの設定

MDC機能は、デフォルトでは無効になっています。Access Manager MDCを設定するには、最初にAccess Managerクラスタを1つ設定し、すべてのMDCグローバル構成を設定し、このクラスタをマスター・データ・センターとして指定します。

この後に、クローン・データ・センターを設定します。

ノート:

この手順を開始する前に、「マルチデータ・センターを設定する前に」に記載されている項目を完了していることを確認します。

次の各項では、MDCの設定のプロセスについて説明します。これらには、「マルチデータ・センターのためのWLSTコマンド」で説明するコマンドの実行も含まれています。

18.3.1 マスター・データ・センターの有効化

マスター・データ・センターを有効にできます。

有効にするには、次のようにします。

  1. プライマリのAccess Managerデータ・センターを設定し、マスターとして指定します。

    マスター・データ・センターは、既存のAccess Managerクラスタでも、バニラ・インストールでもかまいません。

    1. clusterIdをノートにとります。

      Access Managerブートストラップによって一意のclusterIdがAccess Managerクラスタに割り当てられます。カスタムclusterIdを設定するには、setMultiDataCentreClusterName WLSTコマンドを使用します。setMultiDataCentreClusterNameを参照してください。

    2. enableMultiDataCentreMode WLSTコマンドを実行して、マルチデータ・センター・モードを有効にします。

      enableMultiDataCentreModeは、デフォルトでAccess Managerクラスタをマスターとして設定し、グローバル構成を適用します。「enableMultiDataCentreMode」「主要なマルチデータ・センターのユースケース」を参照してください。

      ノート:

      DCタイプをマスターまたはクローンとして明示的に設定するには、「setMultiDataCenterType」で説明されているsetMultiDataCenterType WLSTコマンドを使用します。

    3. validateMDCConfig WLSTコマンドを実行して、MDC構成を検証します。

      「validateMDCConfig」を参照してください。

    4. 管理サーバーを再起動します。

18.3.2 クローン・データ・センターの設定

データ・センターが追加で必要な場合、マスター・データ・センターをクローニングできます。

「マスター・データ・センターの有効化」で設定したデータ・センターはマスターとして指定され、その他のデータ・センターのために、T2Pのツールを使用してクローニングされます。構成およびポリシーに関するすべての変更は、T2Pツールの一部として提供されているWLSTのコマンドを使用して、マスターからクローンに伝播されます。T2Pプロセスは、次のドキュメントに説明されています。

WebLogic Serverを使用しているときのT2Pの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』を参照してください。

  1. マスター・データ・センターで次のコマンドを実行します。

    AdminServerおよびすべての管理対象サーバーが実行されていることを確認します。$T2P_HOMEディレクトリは、このプロセスのすべてのアーティファクトが保存される場所にすぎません。

    $MIDDLEWARE_HOME/oracle_common/bin/copyBinary.sh -javaHome $JAVA_HOME
     -archiveLoc $T2P_HOME/oamt2pbin.jar
     -sourceMWHomeLoc $MIDDLEWARE_HOME
     -idw true
     -ipl $MIDDLEWARE_HOME/oracle_common/oraInst.loc
     -silent true
     -ldl $T2P_HOME/oam_cln_log;
    
    $MIDDLEWARE_HOME/oracle_common/bin/copyConfig.sh -javaHome $JAVA_HOME
     -archiveLoc $T2P_HOME/oamt2pConfig.jar
     -sourceDomainLoc $DOMAIN_HOME
     -sourceMWHomeLoc $MIDDLEWARE_HOME
     -domainHostName admin-dc1.us.example.com
     -domainPortNum 7001
     -domainAdminUserName weblogic
     -domainAdminPassword $T2P_HOME/t2p_domain_pass.txt
     -silent true
     -ldl $T2P_HOME/oam_cln_log_config
     -opssDataExport true
     -debug true;
    
  2. 次のファイルをクローン・マシンにコピーします。

    クローン・マシンには、Oracle Access Managementソフトウェアをインストールしないでください。

    $MIDDLEWARE_HOME/oracle_common/bin/pasteBinary.sh
    $MIDDLEWARE_HOME/oracle_common/jlib/cloningclient.jar
    $MIDDLEWARE_HOME/oracle_common/oraInst.loc
    
  3. クローン・データ・センターで次のコマンドを実行して、マスターの$T2P_HOMEディレクトリのすべての内容をクローンの$T2P_HOMEディレクトリにコピーします。

    $T2P_HOME/pasteBinary.sh -javaHome $JAVA_HOME -al $T2P_HOME/oamt2pbin.jar -tmw $MIDDLEWARE_HOME -silent true -idw true -esp false 
     -ipl $T2P_HOME/oraInst.loc -ldl $T2P_HOME/oam_cln_log_p -silent true
    
    $MIDDLEWARE_HOME/oracle_common/bin/extractMovePlan.sh -javaHome $JAVA_HOME -al $T2P_HOME/oamt2pConfig.jar -planDirLoc $T2P_HOME/moveplan/
    
  4. クローン・データ・センターで抽出したMoveplan.xmlを編集して、関連する詳細を指定します。

    ノート:

    編集前に、元のMoveplan.xmlをバックアップしてください。

    cp $T2P_HOME/moveplan/moveplan.xml $T2P_HOME/moveplan/moveplan.xml.org

    各クローン・データ・センターは、RCUを使用してそれぞれのデータベースに作成する必要のあるOAM関連のスキーマの新しいセットを使用します。新しいスキーマ名およびパスワードは、moveplanで参照する必要があります。

    $MIDDLEWARE_HOME/oracle_common/bin/pasteConfig.sh -javaHome $JAVA_HOME
     -archiveLoc $T2P_HOME/oamt2pConfig.jar
     -targetMWHomeLoc $MIDDLEWARE_HOME
     -targetDomainLoc $DOMAIN_HOME
     -movePlanLoc $T2P_HOME/moveplan/moveplan.xml
     -domainAdminPasswordFile $T2P_HOME/t2p_domain_pass.txt
     -ldl $T2P_HOME/oam_cln_log_paste_p
     -silent true
    
  5. packおよびunpackを使用して、管理対象サーバーを個別のホストにコピーします。

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』 を参照してください。

  6. クローン・データ・センターのいずれかまたは全部を次のように構成します。

    1. setMultiDataCentreClusterName WLSTコマンドを使用して、クローンDCに一意のデータ・センター識別子を設定します。

      setMultiDataCentreClusterName(clusterName="DC2")
      

      ノート:

      このステップは、T2Pプロセスによってすでに完了していれば省略できます。

    2. クローンのタイプをクローンDCに設定します。

      setMultiDataCenterType(DataCenterType="Clone")
      

      オプションで、setMultiDataCenterWrite(WriteEnabledFlag="false")を実行して、クローンで構成およびポリシーの更新を無効にすることもできます。このコマンドの実行後、クローンのポリシーおよび構成アーティファクトは読取り専用になります。詳細は、「setMultiDataCenterWrite」を参照してください。

  7. Oracle Access Managementコンソールへのアクセスおよびデータ・センター間のシングル・サインオンを確認します。

この時点で、1つのマスターと1つのクローンが設定されました。クローニング・プロセスを繰り返すことにより、必要に応じて複数のクローンを同様に設定できます。各クローンDCについて、トポロジに従って適切なクラスタ名をその都度使用して、前述のコマンドを実行する必要があります。