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Oracle® Fusion Middleware Oracle Access Management管理者ガイド
11g リリース2 (11.1.2.3) for All Platforms
E61950-08
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38.6 フェデレーション認証方式からAccess Manager認証スキームへのマッピング

フェデレーション認証方式(FAM)は、フェデレーション・メッセージ内で認証メカニズムを表す識別子です。

この識別子は、既知の識別子(SAML仕様で定義されているurn:oasis:names:tc:SAML:2.0:ac:classes:PasswordProtectedTransporturn:oasis:names:tc:SAML:1.0:am:passwordなど)でも、2つの通信パートナ間で同意されている任意の識別子でも構いません。

IdPとしての役割上、Identity Federationでは、ユーザーが認証された方法に関する情報が含まれるアサーション(SAMLまたはOpenID)を生成します。アサーション生成プロセス中、IdPは、ユーザーが認証された認証スキームを取得し、これをFAMにマッピングしようとします。このようなマッピングが存在していれば、IdPはFAMを送信アサーションに含めます。マッピングが存在していない場合、IdPは、FAMとして定義されている認証スキームをアサーションに含めます。

ノート:

セッション属性は、マッピングが定義されていない場合にプロキシ・モードで使用できます。IdPとして機能するIdentity Federationでは、両方のプロトコルが同じ場合、アサーションを作成するときにFAM値に対してセッション属性を使用できます。

表38-10は、FAMとAccess Manager認証スキーム間のデフォルトの設定不要なマッピングを示しています。

表38-10 フェデレーション認証方式からAccess Manager認証スキームへのデフォルト・マッピング

プロトコル マッピング

saml20-sp-partner-profile

urn:oasis:names:tc:SAML:2.0:ac:classes:PasswordProtectedTransportから:

  • LDAPScheme (SPパートナがurn:oasis:names:tc:SAML:2.0:ac:classes:PasswordProtectedTransportを要求したときに使用されるスキーム)

  • FAAuthScheme

  • BasicScheme

  • BasicFAScheme

saml11-sp-partner-profile

urn:oasis:names:tc:SAML:1.0:am:passwordから:

  • LDAPScheme (SPパートナがurn:oasis:names:tc:SAML:1.0:am:passwordを要求したときに使用されるスキーム)

  • FAAuthScheme

  • BasicScheme

  • BasicFAScheme

詳細は、次の各トピックを参照してください。

38.6.1 IdPとしてのフェデレーションSSOについての理解

IdPとして機能するIdentity Federationは、SPパートナから送信される着信認証リクエスト・メッセージを処理します。

これらのメッセージは、ユーザーがAccess Manager (IdP)からチャレンジを受ける必要があるFAMを指定します。認証リクエストにFAMが含まれていれば、IdPはこれをAccess Managerの認証スキームにマッピングしようとします。このようにマッピングが定義されている場合、Access Managerは、ユーザーがチャレンジを必要とする場合のみ、このスキームを使用してユーザーを認証します。たとえば、セッションがタイムアウトしたり、セッションが存在していなかったり、現在のセッションの認証レベルが、マッピングされている認証スキームのレベルより低かったり、ユーザーがAccess Managerによってまだ認証されていない場合に、そのユーザーはチャレンジを受けることが必要になります。マッピングが定義されていない場合、IdPはSPにエラーを返し、FAMが不明であることを示します。

IdP認証モジュールにはユーザーにチャレンジを渡すAccess Managerが含まれているので、次のいずれかの方法で、使用できる認証スキームが判断されます。

  • SPが、フェデレーション認証リクエストによりユーザーを認証する特別な方法を要求します。

  • IdP構成内のSP設定により、デフォルト・スキームを定義します。パートナ構成が最初にチェックされ、次に、パートナ・プロファイル構成、そして最後に、IdP構成で定義されているグローバル・デフォルト認証スキーム(LDAPScheme)がチェックされます。

ノート:

デフォルトでは、パートナ構成とパートナ・プロファイル構成は、デフォルトの認証スキームを定義しません。つまり、グローバル・デフォルト認証スキームLDAPSchemeが有効になります。

認証後、IdPはアサーションを作成し、Access Manager認証スキーム(と適切なレベル)をFAMにマッピングします(マッピングが存在する場合)。FAMは、認証コンテキストとして設定されます。マッピングが存在しない場合、Identity FederationはデフォルトのAccess Manager認証スキームを認証コンテキストとして送信します。このプロセスの後、ユーザーはIdentity Federationにリダイレクトされます。

38.6.2 SPとしてのフェデレーションSSOについての理解

フェデレーションSSOプロセスでSPとして機能するIdentity Federationは、IdPパートナによって生成される着信アサーションを処理します。

このプロセスにより、そのユーザーに対するAccess Managerセッションが生成され、アサーションに含まれているFAMがデフォルトSchemeID/Access Manager認証スキームにマッピングされます。Identity Federationは、Access Managerがユーザー・セッションを作成する際に使用する認証レベル(設定されている場合)を提供します。(デフォルトでは、Access Managerセッションの認証レベルは、定義されているFederationSchemeの認証レベルに設定されます。)FAMは、セッション属性として保存されます。

管理者が定義するマッピングにより、SPは、アサーションに含まれるFAMに対してマッピングされている認証レベルで、Access Managerセッションを生成します。これは、ユーザーがIdPによって元々認証されていたメカニズムの強度を反映する方法を提供します。

38.6.3 代替認証スキームの構成

代替認証スキームは、Oracle Access Managementコンソールではなく、WLSTコマンドによってのみ構成可能です。

フェデレーションSSO中、ユーザーがAccess Managerで認証されていなかったり、Access Managerセッションが長い間非アクティブ状態だったり、タイムアウトしていたり、サービス・プロバイダからユーザーの再チャレンジが要求された場合、IdPは、Access Manager認証モジュールを起動して、ユーザーに対するチャレンジを渡します。特定のクライアントに対して、IdPは、別の認証スキームを使って、デフォルト以外の方法でユーザーのチャレンジを渡すこともできます。このことは、たとえば、HTTP基本認証スキームではなく、モバイル・クライアント用のスキームを使用するなど、コンピュータベースのブラウザで使用される認証スキーム以外の認証スキームでユーザーのチャレンジを渡すことが必要になる携帯電話用の認証において発生します。

IdPとして機能するIdentity Federationは、ユーザーのブラウザから送信されるHTTPヘッダーを確認することにより、構成済の認証スキーム以外の代替認証スキームを使用するかどうかを評価するように構成できます。Identity Federationでは、次の構成可能な設定に基づいて評価を行います。

  • ユーザーのブラウザから送信されるHTTPヘッダー属性を示す設定。

  • 前述のHTTPヘッダー属性の値を評価する正規表現を含む設定。

  • 使用する代替認証スキームを含む設定。

ノート:

SPが特別な認証スキームを要求した場合は、評価は適用されません。

代替認証スキームの構成に使用するWLSTコマンドsetSPPartnerAlternateSchemeおよびsetSPPartnerProfileAlternateSchemeの詳細は、『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』を参照してください。

38.6.4 WLSTを使用したマッピングの管理

認証方式、認証スキーム、認証レベルのマッピングはすべて、WLSTコマンドを使って構成されます。

これは、パートナ・レベル、またはこのレベルでの定義がない場合は、パートナ・プロファイル・レベルで構成します。

「WLSTを使用したIdentity Federationの管理」を参照してください。