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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズ
11gリリース2 (11.1.2.3.0)
E61958-10
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25 Oracle Identity ManagerのBI Publisherについて

Oracle Business Intelligence (BI) Publisherは、Oracle Identity Managerで高度にフォーマットされたあらゆるドキュメントを作成、管理および配布するためのオラクル社の主要レポート・ツールです。BI PublisherはデフォルトでOracle Identity Manager 11gリリース2 (11.1.2.3.0)に付属しています。この章では、組込みBI Publisherを使用してOracle Identity Managerレポートを作成し、レポートをデプロイし、それを実行する方法を説明します。内容は次のとおりです。

25.1 概要

Oracle BI Publisherはオラクル社のエンタープライズ・レポート・ソリューションの1つで、すべてのレポートおよびビジネス文書を作成、管理および配信するための、単一のレポート環境を提供します。Microsoft Word、Microsoft ExcelまたはAdobe Acrobatなどの、一般的な一連のデスクトップ・ツールを利用して、Oracle Identity Management製品を含む様々なソースのデータに基づいてレポート・レイアウトを作成および管理できます。


関連項目:

Oracle BI Publisher機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Edition開発者ガイド』

BI Publisherバイナリは、同じMiddlewareホーム・ディレクトリにOracle Identity Managerとともにデフォルトでインストールされます。Oracle Identity Managerの構成中にBI Publisherの構成が自動的に実行されます。

Oracle BI Publisherは、Oracle Identity Managerのデフォルト・インストールの一部として次の機能を提供します。

  • BI Publisherスキーマを、Oracle Identity Managerリポジトリ・データベースにインストールします。

  • BI Publisherを、Oracle Identity Managerと同じWebLogicサーバー・ドメインに統合します。このプロセスは、bi_server1という名前のプライマリBI Publisherサーバーを構成します。

  • ヘッダー/フッターを使用した、高度にフォーマットされた業務用レポートを提供します。

  • PDF、Micorsoft WordおよびHTML形式をサポートします。

  • Oracle Identity Managerリポジトリに対して独自のカスタム・レポートを開発できます。

  • 電子メールなど、BI Publisherのスケジュール機能および配信メカニズムを使用できます。

25.2 埋込みBI Publisherの利点

管理者として、埋込みBI Publisherを構成することには、次の利点があります。

  • 早期のリリースのOracle Identity Managerでは、BI PublisherはダウンロードしてOracle Business Intelligence Enterprise Edition (OBIEE) Suiteとバンドルされました。埋込みBI Publisherは軽量で、完全なBISHIPHOMEよりも小さいサイズです。

  • 埋込みBI Publisherは、Oracle Identity Managerのインストール中に実行時にインストールでき、Oracle Identity Managerのデプロイ先と同じWebLogicドメイン内に構成できます。

  • BI Publisherレポート・アクセス権は、Oracle Identity ManagerロールBIReportAdministratorを介してデフォルトでOracle Identity Managerユーザー管理者に付与されます。このロールのユーザー・メンバーは、BI PublisherおよびOracle Identity Managerのレポートにアクセスできます。

  • デフォルトで、Oracle Identity Managerの管理ユーザーにはBI PublisherおよびOracle Identity Managerのレポートへのアクセス権があります。Oracle Identity Managerにログインすることによって、管理者は、必要に応じてBIReportAdministratorロールを他のOracle Identity Managerユーザーに付与できます。

25.3 BI PublisherとOracle Identity Managerの統合の確認

新しい構成モードでBI PublisherとOracle Identity Managerの統合を確認するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Identity Managerシステム管理者の資格証明を使用してBI Publisherにログインするには、次のURLに移動します。

    http://HOST_NAME:PORT/xmlpserver

    BI Publisherサーバーのデフォルト・ポートは9704です。


    注意:

    BI Publisher URLにアクセスする際には、BI Publisherサーバーが実行されていることを確認します。

  2. 「カタログ」をクリックします。レポートのあるOracle Identity ManagerディレクトリはShared Foldersディレクトリに表示されます。

    PDFレポート生成や電子メール配信など、BI Publisherのすべての機能を使用できます。


注意:

  • Oracle Identity Manager System管理者資格証明に加えて、WebLogic資格証明とBISystemUser資格証明を使用してBI Publisherにアクセスすることもできます。

  • デフォルトでは、BISystemUserパスワードはOracle Identity Managerシステム管理者パスワードと同じです。


25.4 他のOracle Identity ManagerユーザーへのBI Publisherアクセス権の付与

BI Publisherレポート・アクセス権は、Oracle Identity ManagerロールBIReportAdministratorを介してデフォルトでOracle Identity Managerユーザー管理者に付与されます。

このBIReportAdministratorロールのメンバーであるすべてのOracle Identity Managerユーザーは、BI Publisherのレポート・カタログと管理者タブへのアクセス権を持ちます。

デフォルトでは、Oracle Identity Manager System管理者はBI PublisherへのログインとOracle Manager Identityレポートへのアクセスの権利を持ちます。


注意:

BI Publisherがインストールされると、それに対してOPSSアプリケーション・ロールが作成されます。このOPSSアプリケーション・ロールは、BI Publisher固有のセキュリティ・ルールを実現するためにBI Publisherカタログの権限と結合されます。OPSSの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイド』を参照してください。

25.5 BI Publisherレポートの作成とデプロイ

BI Publisherを使用したレポートの作成およびデプロイに関する包括的な情報は、次のURLのBI Publisherドキュメント・ライブラリを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/bi-publisher/documentation/index.html

25.6 SSL対応電子メール・サーバーの構成

BI PublisherのSSL対応電子メール・サーバーを構成するには、次の手順を実行します。

  1. ターゲット・システムの証明書を、Oracle Identity Managerで使用されるJDK (またはJRE)にインポートします。例:

    keytool -import -keystore MY_CACERTS -file CERT_FILE_NAME -storepass PASSWORD
    

    このコマンドでは、次のように指定します。

    • MY_CACERTSは、証明書ストアのフルパスおよび名前です。デフォルトはcacertsです。

    • CERT_FILE_NAMEは、証明書ファイルのフルパスと名前です。

    • PASSWORDは、キーストアのパスワードです。

    例:

    keytool -import -keystore /home/OIM/java/jdk/lib/security/cacerts -file /home/target.cert -storepass kspassword
    
  2. 次に示すように、ターゲット・システムの証明書をOracle WebLogic Serverキーストアにインポートします。

    keytool -import -keystore WEBLOGIC_HOME/server/lib/DemoTrust.jks -file CERT_FILE_NAME -storepass PASSWORD
    

    ここで、CERT_FILE_NAMEは証明書ファイルのフルパスと名前で、PASSWORDはキーストアのパスワードです。

    例:

    keytool -import -keystore WEBLOGIC_HOME/server/lib/DemoTrust.jks -file /home/target.cert -storepass DemoTrustKeyStorePassPhrase
    
  3. (オプション) SOAを非SSLモードで実行するには、DemoTrustストア参照をSOA環境から削除します。これを行うには、次の手順を実行します。

    1. DemoTrust参照を削除するために、MSERVER_HOMEを変更します。

    2. 次の参照をsetDomainEnv.shから削除します。

      -Djavax.net.ssl.trustStore=$WEBLOGIC_HOME/server/lib/DemoTrust.jks from EXTRA_JAVA_PROPERTIES
      
    3. 管理サーバーおよび管理対象サーバーを再起動します。

25.7 Access Manager対応環境でのSSOの構成(オプション)

認証にデフォルトのLDAPソースを使用するOracle Access Manager (OAM)と統合されたOracle Identity Manager環境では、Oracle Identity Manager管理者はOracle BI Publisherへのアクセスに必要な権限を持ちません。特定のBI PublisherロールはLDAPリポジトリで管理者ユーザーに付与する必要があります。これを行うには、次の手順を実行します。

  1. WebLogic管理者ユーザー資格証明を使用してOracle Enterprise Managerにログインします。

  2. 「WebLogicドメイン」を開きます。「DOMAIN_NAME」を右クリックし、「セキュリティ」「アプリケーション・ロール」を選択します。

  3. 「アプリケーション・ストライプ」リストから、「obi」を選択します。「ロール名」フィールドに隣接する検索アイコンをクリックします。BISystemロールが表示されます。

  4. Oracle Identity Manager管理者ユーザーをBISystemロールに割り当てるには、行を選択し、「編集」をクリックします。「アプリケーション・ロールの編集: BISystem」ページが表示されます。

  5. 「追加」をクリックします。「プリンシパルの追加」ダイアログ・ボックスが表示されます。「タイプ」リストから、「ユーザー」を選択します。「プリンシパル名」フィールドにユーザー・ログインとしてOracleSystemUserを入力します。「表示名」フィールドに隣接する検索アイコンをクリックします。

  6. 検索したプリンシパル名を選択します。「OK」をクリックします。OracleSystemUserユーザーがメンバーとして追加されます。

  7. 「OK」をクリックします。

  8. BI Publisherにログインし、Oracle Identity Managerレポートにアクセスします。

25.8 組込みBI Publisherバイナリのパッチ適用

組込みBI Publisherには、Oracle Universal Installer (OUI)はありません。インストール可能で、外部OUIを使用してインストールできます。製品のインストール時に作成されるOUIインストール・ディレクトリを使用します。-oui_locオプションを使用してOUIディレクトリを指し、組込みBI PublisherバイナリのOpatchを適用します。

次のコマンドを例として使用して、組込みBI PublisherバイナリにOpatchを適用します。

opatch apply PATCH_LOCATION