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Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Framework管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1.9.0)
B65033-05
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4 ADFデスクトップ統合の管理

この章では、WebサーバーからのADFデスクトップ統合クライアント・インストーラの実行やサーバー構成設定の調整などのADFデスクトップ統合のシステム管理タスクについて説明します。

エンド・ユーザーが統合Excelワークブック使用できるようにするためには、あらかじめADFデスクトップ統合のアドインをエンド・ユーザーのシステムにインストールする必要があります。

この章の内容は次のとおりです。

4.1 ADFデスクトップ統合のインストールおよびアップグレード

第4.1.3項「WebサーバーからのADFデスクトップ統合アドインのインストール方法」の説明に従って、エンド・ユーザーがADFデスクトップ統合インストーラをインストールできるようにすることができます。または、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』のADFデスクトップ統合のインストールに関する項の説明に従ってインストールすることができます。


注意:

ADFデスクトップ統合アドインのインストールは、現在のWindowsユーザー・プロファイルに対して固有です。1つのシステム上に複数のWindowsユーザー・プロファイルがあり、それらのユーザー・プロファイルのうち複数のADFデスクトップ統合Excelワークブックを使用する場合は、それぞれのユーザー・プログラムファイルにログインしてADFデスクトップ統合のアドインをインストールする必要があります。

ADFデスクトップ統合インストーラを実行すると、必要なソフトウェアがシステムにインストールされているかどうかが検証されます。必要なソフトウェアの詳細は、第4.1.1項「ADFデスクトップ統合アドインのインストールの前提条件」を参照してください。ADFデスクトップ統合アドインのインストールに加えて、第4.1.2項「ADFデスクトップ統合とともに機能するエンド・ユーザーのMicrosoft Excelの構成」に示すように、ExcelをADFデスクトップ統合からアクセスできるようにMicrosoft Excelの設定を構成する必要があります。

4.1.1 ADFデスクトップ統合アドインのインストールの前提条件

ADFデスクトップ統合アドインをインストールする前に、必要なOracle ADFモジュールとサード・パーティ製ソフトウェアをインストールして構成する必要があります。

  • Microsoft Windows

    Microsoft Windowsオペレーティング・システムは、Fusion Webアプリケーションと統合するExcelワークブックの開発とデプロイメントを支援します。サポートされているWindowsのバージョンの詳細は、OTNの「Oracle JDeveloperおよびApplication Development Frameworkの証明書情報」のページを参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/index-091111.html

  • Microsoft Excel

    サポートされているExcelのバージョンの詳細は、OTNの「Oracle JDeveloperおよびApplication Development Frameworkの証明書情報」のページを参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/index-091111.html

  • Internet Explorer

    ADFデスクトップ統合の一部の機能は、Microsoft .NET FrameworkのWebブラウザのコントロールを使用します。このブラウザのコントロールが正しく機能するかどうかは、ローカルInternet Explorerのインストールに依存します。

    ADFデスクトップ統合は、Internet Explorerを使用してExcel内にWebページをレンダリングします。システムに別のブラウザがインストールされていたり、デフォルト・ブラウザとして設定されていても関係ありません。

ADFデスクトップ統合アドインをインストールする前に次のソフトウェアが必要です。このソフトウェアがない場合、ADFデスクトップ統合インストーラにより、ADFデスクトップ統合アドインのインストール前に、自動的にダウンロードおよびインストールされます。

  • Microsoft .NET Framework 4

    Microsoft .NET Framework 4は、Microsoft .NET Frameworkをターゲットに開発されるアプリケーションの実行に必要な実行時ファイルおよび関連ファイルを提供します。フレームワークはhttp://www.microsoft.com/download/からダウンロードできます。


    注意:

    ADFデスクトップ統合はMicrosoft .NET Framework 4.5.2と互換性があります。クライアント・マシンにいつでもダウンロードしてインストールできます。

  • Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtime

    Microsoft OfficeシステムのVSTOソリューションを実行するには、Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtime(バージョン4)が必要です。Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtimeはhttp://www.microsoft.com/download/からダウンロードできます。

4.1.2ADFデスクトップ統合とともに機能するエンド・ユーザーのMicrosoft Excelの構成

エンド・ユーザーのMicrosoft Excelのインストールは、ADFデスクトップ統合からアクセスできるように構成する必要があります。この手順を1回実行します。

Excelで統合Excelワークブックを実行可能にするには:

  1. Excelを起動します。

  2. 「Microsoft Office」ボタンをクリックして、「Excelオプション」を選択します。

  3. 「Excelオプション」ダイアログで、Trust Centerタブを選択し、「Trust Centerの設定」をクリックします。

  4. トラスト・センター・ダイアログで、マクロ設定タブを選択し、図4-1に示すようにVBAプロジェクト・オブジェクト・モデルに対するアクセスを信頼チェック・ボックスをクリックします。

    図4-1 Excelのトラスト・センター・ダイアログ

    Excelのトラスト・センター・ダイアログ
  5. 「OK」をクリックします。

4.1.3 WebサーバーからADFデスクトップ統合アドインをインストールする方法

ADFデスクトップ統合インストーラを、Fusion Webアプリケーションが実行中のWebサービスから使用できるようにすることができます。インストーラはoracle.adf.desktopintegration.warファイルに組み込まれており、エンド・ユーザーがADFデスクトップ統合対応のFusion Webアプリケーションからダウンロードできます。

Webサーバーからインストーラをダウンロードするには、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザで開くことのできる、次の形式のURLをエンド・ユーザーに伝えます。

    http://<hostname>:<portnumber>/<context-root>/adfdiRemoteServlet?excel-addin-installer

    次に例を示します。

    http://127.0.0.1:7101/summit/adfdiRemoteServlet?excel-addin-installer

  2. ブラウザにより、エンド・ユーザーはadfdi-excel-addin-installer.exeインストーラ・ファイルのダウンロードを要求されたり、またはダウンロードおよび実行を要求されます。

    Windowsシステムでのインストーラの実行の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』のADFデスクトップ統合のインストールに関する項を参照してください。


注意:

Fusion WebアプリケーションがADFデスクトップ統合対応の場合にのみ、ADFデスクトップ統合アドインをダウンロードできるようにすることができます。『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』の統合ExcelワークシートのFusion Webアプリケーションへの追加に関する項で説明されているように、Fusion Webアプリケーションの開発者は、統合ExcelワークシートをFusion Webアプリケーションに追加することにより、ADFデスクトップ統合を暗黙的に有効にできます。または、Webアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタのADFデスクトップ統合設定に関する付録で説明されているように、アプリケーションのweb.xmlファイルを構成することで明示的に有効にできます。統合ExcelワークブックをFusion Webアプリケーションへ追加することの方が、web.xmlファイルを直接構成するよりも推奨されます。開発者が統合ExcelワークブックをFusion Webアプリケーションに追加するときに、JDeveloperが多くの必要な構成変更を行うからです。

4.1.4 ADFデスクトップ統合アドインのアップグレード方法

エンド・ユーザーはADFデスクトップ統合を2種類の方法でアップグレードできます。

  • アップグレードのためにADFデスクトップ統合インストーラを実行します。

    インストーラのダウンロードの詳細は、第4.1.3項「WebサーバーからADFデスクトップ統合アドインをインストールする方法」を参照してください。

  • 統合Excelワークブックを開いて実行します。

    エンド・ユーザーが統合ExcelワークブックからFusion Webアプリケーションにログインするたびに、ADFデスクトップ統合はクライアントにインストールされているバージョンがサーバーのバージョンと一致するかどうかを確認します。バージョンが一致しないと、エンド・ユーザーはADFデスクトップ統合の最新バージョンをダウンロードすることを求められます。エンド・ユーザーが最新バージョンをインストールするプロンプトを受け入れると、インストールの完了後に変更を有効にするために、Excelアプリケーションを再起動する必要もあります。詳細は、第4.4項「ADFデスクトップ統合のクライアント・バージョンの確認」を参照してください。

4.1.5 コマンド・ラインからADFデスクトップ統合インストーラを実行する方法

ADFデスクトップ統合インストーラはコマンド・ライン・オプションもサポートします。表4-1に、インストーラの実行可能ファイルで指定できるスイッチを示します。

表4-1 ADFデスクトップ統合インストーラのコマンド・ライン・スイッチ

スイッチ 説明

/help

サポートされているスイッチと説明のリストを表示します。

/quiet

インストーラの対話型モードが抑止され、不足している前提条件ソフトウェアはインストールされません。

消音モードを使用してADFデスクトップ統合をインストールする前に、前庭条件ソフトウェアがエンド・ユーザーのシステムにインストールされていることを確認します。前提条件ソフトウェアの詳細は、第4.1.1項「ADFデスクトップ統合アドインのインストールの前提条件」を参照してください。

DESIGNER=1

デザイナ・ツールを有効にしてアドインをインストールします。

アプリケーション開発者はデザイナ・ツールを使用して統合Excelワークブックを構成します。デザイナ・ツールはエンド・ユーザー向けではありません。この理由で、エンド・ユーザー向にADFデスクトップ統合アドインをインストールしている場合には、デザイナ・ツールを有効にしないでください。

/log <path>

インストーラを実行し、指定したログ・ファイルにログ出力をダイレクトします。


4.2 ADFデスクトップ統合のログ

ADFデスクトップ統合はインストール中、および様々なクライアントおよびサーバー・イベントへの応答でログ・ファイルを生成します。

インストール・ログ・ファイル

ADFデスクトップ統合のインストール・ログ・ファイルのデフォルトの場所は%TEMP%\adfdi-installer-log.txtです。たとえば、C:\Users\UserID\AppData\Local\Temp\adfdi-installer-log.txtです。第4.1.5項「コマンド・ラインからADFデスクトップ統合インストーラを実行する方法」で説明しているように、/log <path>コマンド・ライン・スイッチを使用して、インストール・ログ・ファイルの場所をリダイレクトできます。

サーバー・サイド・ログ・ファイル

ADFデスクトップ統合のサーバー・サイド・ログ・ファイルの生成は、他のOracle ADFモジュールの場合と同じように構成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』のサーバー・サイド・ログに関する項を参照してください。Oracle Diagnostics Log Analyzerを使用して、各ADFデスクトップ統合サーブレット・リクエストの実行に費やされた経過時間の階層ブレークダウンを表示することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』のADFデスクトップ統合のサーブレット・リクエストを分析するためのOracle Diagnostics Log Analyzerの使用に関する項を参照してください。

クライアント・サイド・ログ・ファイル

クライアント・サイド・ログ・ファイルの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』のクライアント・サイド・ログに関する項を参照してください。

Oracle Fusion Middleware環境でのログに関する一般的な情報の詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のログ・ファイルおよび診断データの管理に関する項を参照してください。

4.3 ADFデスクトップ統合でのセキュリティ

Fusion Webアプリケーションで認証を施行する場合、統合Excelワークブックはアプリケーションとの間でデータを転送する前に認証済のエンド・ユーザー・セッションが確立されているかどうかを確認します。クライアント側の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』の統合Excelワークブックでのセキュリティの概要に関する項を参照してください。

4.3.1 エンド・ユーザー認証

エンド・ユーザーが統合Excelワークブックの使用時および保護されたFusion Webアプリケーションの操作時にユーザー資格証明を要求されない場合、Fusion Webアプリケーションのセキュリティ構成を調査する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』の統合Excelワークブックのエンド・ユーザー認証の確認に関する項を参照してください。

ADFデスクトップ統合のセキュリティの詳細は、OTNのOracle ADFデスクトップ統合のセキュリティに関するホワイトペーパーを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/adf/overview/index-085534.html

4.3.2 Fusion Webアプリケーションでのセキュリティ構成に関する必知事項

アプリケーションをセキュリティで保護する場合は、次の点に注意してください。

  • Oracle Access Managerを使用している環境で実行しているアプリケーションに対し、システム管理者は、ADFデスクトップ統合のリモート・サーブレットのURLがOracle Access Manager用の保護されたリソースとして構成されていることを確認する必要があります。

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Access Manager管理者ガイド』を参照してください。

  • WebGate 11gを使用する環境でアプリケーションを実行するには、ユーザー定義のパラメータfilterOAMAuthnCookieFalseに設定します。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Access Manager管理者ガイドのパートナ(エージェントおよびアプリケーション)のリモート登録に関する章を参照してください。

  • ADFデスクトップ統合を使用するアプリケーションで、web.xmlにADFデスクトップ統合のリモート・サーブレットを保護するセキュリティの制約が構成されていることを確認してください。

    web.xmlに含まれる次のコードは、リモート・サーブレットを保護するセキュリティの制約の例を示しています。

    <security-constraint>
      <web-resource-collection>
        <web-resource-name>adfdiRemote</web-resource-name>
        <url-pattern>/adfdiRemoteServlet</url-pattern>
      </web-resource-collection>
      <auth-constraint>
        <role-name>valid-users</role-name>
      </auth-constraint>
    </security-constraint>
    
  • Oracle WebGateおよびSSL URLを使用してFusion Webアプリケーションにアクセスする場合(https:// ...など)、次のようにWebGateのmod_wl_ohs.conf構成ファイルを構成する必要があります。

    <IfModule mod_weblogic.c>
            WLProxySSLPassThrough ON
            WLProxySSL ON
            MatchExpression /TestApp 
            WebLogicHost=test.host.com|WebLogicPort=7101|
    </IfModule>
    

    ここで、/TestAppはアプリケーションのコンテキスト・ルート、test.host.comはホスト名およびドメイン、さらに7101はWebアプリケーションのポート番号です。

  • 統合ExcelワークブックやMicrosoft OfficeドキュメントをFusion Webアプリケーション内のリンクから直接(ファイルをダウンロードせずに)開く場合、ユーザー資格証明を求めるWindowsログイン・ダイアログが2回表示される場合があります。これは、Microsoft Officeから独自の認証リクエストがWebサーバーに送信されるため、ログイン・ダイアログが2回表示される結果になるものです。エンド・ユーザーは「キャンセル」をクリックして、最初の認証リクエストを無視できます。

  • クライアントがhttps URLを使用してアプリケーションにアクセスするデジタル証明書によって保護されているアプリケーションでは、証明書が有効であることを確認する必要があります。有効な証明書とは、デプロイ先のホストと一致するホスト名を持ち、有効期限切れではなく、信頼できる発行認証局への有効なパスを持つものです。証明書が無効な場合、クライアントはログイン中に無効な証明書を受け入れるように要求されます。

  • ADFでは、サーバーへのリクエストの一部にチャンク化されたエンコーディングを使用します。コンテンツ長ヘッダーを含まないリクエストをブロックするように構成されたネットワーク・デバイスがExcelとWebアプリケーション・サーバーの間にある場合は、チャンク化されたエンコーディング(コンテンツ長ヘッダーを含まない)を許可するようにデバイスを構成する必要があります。コンテンツ・キャッシュ・サーバーなどの一部のネットワーク・デバイスは、コンテンツ長ヘッダーを持たないリクエストをブロックするようにデフォルトで構成されています。

  • フォーム・ベースの認証により保護されたアプリケーションは、ログイン・フォームに.HTMLページを使用する必要があります。.JSFページの使用はサポートされません。

統合Excelワークブックの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』の統合Excelワークブックの保護に関する必知事項を参照してください。

4.3.3 Webページのリソース権限に関する必知事項

統合Excelワークブックでは、各ワークシートが特定のページ定義にバインドされています。ユーザーのページへのアクセスがリソース権限によって制御される場合があります。ページ定義を操作する権限を持たないエンド・ユーザーの場合、ADFデスクトップ統合によってそのページ定義にバインドされたワークシートでのすべてのデータ・トランザクションが拒否され、エラー・メッセージが表示され、統合ワークシートが無効化されます。エンド・ユーザーはワークシート内の既存のデータの変更はできますが、ダウンロードまたはアップロードはできません。ADF表コンポーネント内の変更の追跡も無効化されます。エンド・ユーザーは、同じワークブック内の他のワークシートがバインドされているページ定義の操作権限を持っている場合は、引き続きそのワークシートでADFデスクトップ統合機能を使用できます。

エンド・ユーザーが対応するページ定義に対する必要なリソース権限を取得した場合は、エンド・ユーザーがワークブックを再度開き、新しいセッションを確立したときに、ワークシートが再有効化されます。

Fusion Webアプリケーションの保護の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development FrameworkのためのFusion開発者ガイド』の「Fusion WebアプリケーションでのADFセキュリティの有効化」の章を参照してください。

4.4 ADFデスクトップ統合のクライアント・バージョンの確認

エンド・ユーザーがランタイム統合ExcelワークブックからFusion Webアプリケーションとのセッションを確立するたびに、ADFデスクトップ統合は、クライアントおよびサーバーのバージョンが一致するかどうかを確認します。バージョンが一致しない場合、ADFデスクトップ統合は図4-2に示すようなダイアログを表示します。バージョンが一致すれば、エンド・ユーザーにダイアログは表示されません。

図4-2 「クライアントサーバー・バージョン確認」ダイアログ

「クライアントサーバー・バージョン確認」警告ダイアログ

エンド・ユーザーがクリックする場合:

  • インストール: ADFデスクトップ統合はクライアントをサーバーと一致するバージョンに更新するために、サーバーからインストーラのダウンロードを開始します。

  • 「スキップ」および「このバージョン({0})を再度表示しない。」チェック・ボックス: ADFデスクトップ統合は通常どおりに機能を続行しようとします。エンド・ユーザーが統合ExcelワークブックからFusion Webアプリケーションの同じバージョンに接続していれば、その後はダイアログは表示されません。

予期しない動作またはエラーを避けるために、常にサーバーのバージョンと一致するクライアント・バージョンを使用することを強くお薦めします。エンド・ユーザーが、ADFデスクトップ統合のより新しいクライアント・バージョンのインストールをスキップするいずれかのオプションを選択した場合、図4-3に示すように、統合Excelワークブックの「バージョン情報」ダイアログに表示される「更新の確認」リンクをクリックして、後でインストールすることもできます。

図4-3 エンド・ユーザーのための「更新の確認」リンク

この図については周囲のテキストで説明しています

エンド・ユーザーに新しいクライアント・バージョンをインストールさせたくない、またはマシンにソフトウェアをインストールするのに必要な権限がないためにインストールできない場合のシナリオでは、ADFデスクトップ統合が新しいバージョンをインストールするオプションを表示するデフォルトの動作を無効にできます。新しいクライアント・バージョンをインストールするオプションを無効にすると、「クライアントサーバー・バージョン確認」ダイアログが表示され、エンド・ユーザーに不一致を通知しますが、新しいバージョンをインストールするオプションは表示されません。図4-4に、このダイアログを示します。さらに、図4-3に示す「バージョン情報」ダイアログには、インストール・プロセスを開始する「更新の確認」リンクがなくなります。アップグレードのためのオプションを無効にする方法の詳細は、第4.4.1項「「クライアントサーバー・バージョン確認」ダイアログの「「インストール」オプションを無効にする方法」を参照してください。

図4-4 「インストール」オプションを指定しない「クライアントサーバー・バージョン確認」ダイアログ

この図については周囲のテキストで説明しています

次の点に注意してください。

  • ADFデスクトップ統合では、統合ExcelワークブックがFusion Webアプリケーションとのセッションを確立するたびに、クライアントサーバー・バージョン確認が実行されます。

  • サーバーで実行されているADFデスクトップ統合のバージョンはいつでも変更される可能性がありますが(たとえば、サーバーのアップグレード)、ADFデスクトップ統合でのクライアントサーバー・バージョン確認はユーザー・セッションが再確立されたときにのみ実行されます。

  • エンド・ユーザーがサーバー・バージョンと一致しないバージョンをインストールできない状況に対し、その他のメカニズムの使用を検討してください。たとえば、集中管理されたITソースからソフトウェア更新を自動的に押出し、クライアント・ソフトウェアの一致バージョンがインストールされていることを確認します。

4.4.1 「クライアントサーバー・バージョン確認」ダイアログの「インストール」オプションを無効にする方法

デフォルトでは、ADFデスクトップ統合はエンド・ユーザーに、「クライアントサーバー・バージョン確認」ダイアログから新しいクライアント・バージョンをインストールするオプションを表示します。図4-4に示すように、ADFデスクトップ統合がエンド・ユーザーに不一致を通知するようにこのオプションを無効にできますが、エンド・ユーザーには新しいクライアント・バージョンをインストールすることは許可されません。

始める前に:

ADFデスクトップ統合によってクライアントおよびサーバー・バージョンが一致しているかどうかの確認方法を理解しておくと役立ちます。詳細は、第4.4項「ADFデスクトップ統合のクライアント・バージョンの確認」を参照してください。

「クライアントサーバー・バージョン確認」ダイアログの「インストール」オプションを無効にするには、次の手順を実行します。

  1. Fusion Webアプリケーションのweb.xmlファイルを開きます。

  2. 表4-2に示すように、adfdiRemoteサーブレットに初期化パラメータを追加して、「クライアントサーバー・バージョン確認」ダイアログからインストールするオプションを無効化します。

    表4-2 「クライアントサーバー・バージョン確認」ダイアログの「インストール」オプションの無効化

    プロパティ

    Name

    次の初期化パラメータ名を入力します。

    ClientUpgradePrompt.Enabled

    名前は大/小文字が区別されることに注意してください。

    Value

    ClientUpgradePrompt.Enabledの値をFalseに設定します。

    False以外の値はすべてTrueとして解釈されることに注意してください。


  3. web.xmlファイルを保存します。

    Fusion Webアプリケーションのweb.xmlファイルにClientUpgradePrompt.Enabledエントリが含まれるようになります。

    <servlet>
        <servlet-name>adfdiRemote</servlet-name>
        <servlet-class>oracle.adf.desktopintegration.servlet.DIRemoteServlet</servlet-class>
        <init-param>
          <param-name>ClientUpgradePrompt.Enabled</param-name>
          <param-value>False</param-value>
        </init-param>
      </servlet>
    
  4. Fusion Webアプリケーションを再起動します。

4.5 統合Excelワークブックのメタデータの確認

ワークブックの構成が不当に変更されていないことをエンド・ユーザーが確信できるように、ADFデスクトップ統合では、改ざんチェック機能を使用して、ワークブック・メタデータの整合性が自動的に確認されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』の統合Excelワークブック・メタデータの整合性確認に関する項を参照してください。

4.5.1 Fusion Webアプリケーションでのメタデータ改ざんチェックを無効にする方法

デフォルトでは、ワークブックの開発者がエンド・ユーザーにExcelワークブックをパブリッシュした後に、ADFデスクトップ統合によってワークブック構成メタデータが改ざんされていないことが確認されます。Fusion Webアプリケーションのデプロイメント・ディスクリプタ・ファイル(web.xml)のパラメータを構成すれば、メタデータの改ざんチェックを無効化できます。

始める前に:

ADFデスクトップ統合が、統合Excelワークブックのメタデータの整合性をどのように検証するかを理解しておくと役立ちます。詳細は、第4.5項「統合Excelワークブックのメタデータの確認」を参照してください。

Fusion Webアプリケーションでメタデータの改ざんチェックを無効化するには:

  1. Fusion Webアプリケーションのweb.xmlファイルを開きます。

  2. 表4-3に示すように、adfdiRemoteサーブレットに初期化パラメータを追加して、メタデータの改ざんチェックを無効化します。

    表4-3 メタデータ改ざんチェックの無効化

    プロパティ

    Name

    次の初期化パラメータ名を入力します。

    TamperingCheck.Enabled

    名前は大/小文字が区別されることに注意してください。

    Value

    TamperingCheck.Enabledの値をFalseに設定します。

    False以外の値はすべてTrueとして解釈されることに注意してください。


    図4-5にJDeveloperのweb.xmlエディタを示します。

    図4-5 JDeveloperでのメタデータ改ざんチェックの無効化

    JDevでメタデータ改ざんチェックを無効化する方法を示します
  3. web.xmlファイルを保存します。

    Fusion Webアプリケーションのweb.xmlファイルにTamperingCheck.Enabledエントリが含まれるようになります。

    <servlet>
            <servlet-name>adfdiRemote</servlet-name>
            <servlet-class>...</servlet-class>
            <init-param>
                <param-name>TamperingCheck.Enabled</param-name>
                <param-value>False</param-value>
            </init-param>
    </servlet>
    
  4. Fusion Webアプリケーションを再起動します。

web.xmlTamperingCheck.Enabledパラメータが存在しない場合、改ざんチェックは有効になります。web.xmlファイルの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』のWebアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタのADFデスクトップ統合設定に関する付録を参照してください。

4.6 ADFデスクトップ統合の一般的なエラー・メッセージと問題

ADFデスクトップ統合が有効なFusion Webアプリケーションまたはワークブックの使用または構成中、エラー・メッセージまたは問題が発生する可能性があります。次のリストでは、最も一般的なエラー・メッセージおよびその原因と解決策を説明しています。

『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』のADFデスクトップ統合の一般的なエラー・メッセージと問題に関する項およびOracle Fusion Middlewareエラー・メッセージのADFDI-00100からADFDI-55516の章も参照してください。

エラー・メッセージ: このWebサーバーはBasic認証により制御されており、Secure Socket Layer (SSL)を使用しないため、このWebサーバーへのアクセスは無効です。
原因: ユーザーが、Microsoft Office 2010を使用して公開されたワークブックを、Basic認証を使用して保護されているFusion Webアプリケーションからダウンロードして開こうとしています。
処置: デフォルトでは、Microsoft Office 2010アプリケーションは非SSL接続を介したBasic認証を無効にします。このエラーを解決するには、次のいずれかの方法を使用します。
  • Fusion WebアプリケーションでBasic認証のかわりにフォームベース認証を使用します。

  • ワークブックをダウンロードおよび保存してから開きます。

  • SSL暗号化を有効にします。

SSLを経由しないBasic認証を使用する場合は、Microsoftサポートのソリューション(http://support.microsoft.com/kb/2123563)を参照してください。

エラー・メッセージ: UnableToEstablishUnauthenticatedSessionException: ADFDI-00502: クライアントは、Webアプリケーションとの未認証のセッションを確立できませんでした。
原因: Fusion Webアプリケーションでのセキュリティ構成が正しくありません。
処置: セキュリティ構成を確認および修正してください。/adfdiRemoteServlet URLweb.xml<security-constraint>で保護されていることを確認します。

Oracle WebGateでSSLが使用される場合は、mod_wl_ohs.confファイル内の設定も確認が必要になる場合があります。

次に例を示します。

<IfModule mod_weblogic.c>
 WLProxySSLPassThrough ON
 WLProxySSL ON
 MatchExpression /TestApp 
 WebLogicHost=test.host.com|WebLogicPort=7101|
</IfModule>

ここで、/TestAppはアプリケーションのコンテキスト・ルート、test.host.comはホスト名およびドメイン、さらに7101はWebアプリケーションのポート番号です。

問題: Fusion Webアプリケーションから統合Excelワークブックをダウンロードする際に「編集オプション」ダイアログが表示され、WebAppRootを要求されます。
原因: web.xmladfdiExcelDownloadフィルタが正しく構成されていないため、ダウンロードされるワークブックにこのフィルタがWebAppRootプロパティを設定できません。
処置: web.xml内にadfdiExcelDownloadフィルタが正しく構成されていることを確認します。このフィルタを使用している場合、それがADFライブラリWebアプリケーション・サポートに対して正しい順序で指定されていることを確認します。また、adfdiExcelDownloadフィルタのフィルタ・マッピングが正しいことも確認してください(『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド』の「ADFデスクトップ統合Excelダウンロード・フィルタの構成」を参照)。また、ブラウザによりファイルがダウンロードされるディレクトリをクリアする必要もあります。
問題: Oracle Access Manager環境で、有効な資格証明を送信した後にログイン・ウィンドウが閉じない
原因: /myApp/adfdiRemoteServletがOracle Access Manager構成に保護されたリソースとして適切に追加されていません。
処置: /myApp/adfdiRemoteServletをOracle Access Manager構成に保護されたリソースとして追加します。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Access Management管理者ガイド』rのリソースの保護とSSOの有効化のためのポリシーの管理に関する項を参照してください。

問題: Oracle Access Manager環境でWebGate 11gを使用してログインするときにUserSessionRequiredExceptionが発生する
原因: WebGate 11g構成で、ユーザー定義パラメータfilterOAMAuthnCookieが設定されていません。
処置: WebGate 11g構成で、filterOAMAuthnCookiefalseに設定します。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Access Manager管理者ガイドのパートナ(エージェントおよびアプリケーション)のリモート登録に関する章を参照してください。

問題: DIRemoteServlet「無効なXMLを戻しました: レスポンスの予期しない終了です。」のエラー・メッセージを返す
原因: ADFモデル・コード、カスタム・アプリケーション・モジュールまたはビュー・オブジェクトで例外が発生しました。
処置: 詳細は、サーバーのログを確認してください。