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Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド
11gリリース1 (11.1.1.9.0)
B66694-04
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2 ADFデスクトップ統合のサンプル・アプリケーションの概要

この章では、ADFデスクトップ統合Summitサンプル・アプリケーションの概要を説明します。ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションには、サンプルのFusion Webアプリケーションと統合されたいくつかのMicrosoft Excelワークブックが含まれています。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションについて

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションは、ADFデスクトップ統合の主な機能を説明する、サンプルのデモンストレーションのセットです。各サンプルには、開発者ガイドでも確認することができる、特定の機能が含まれています。サンプルはすべて同じ基礎となるデータベース・スキーマを使用します。これにより簡単にソース・コードにアクセスでき、スタンドアロン方式で実行時の動作を経験できます。

2.2 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの設定と実行

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションをダウンロードおよび実行する前に、第3章「開発環境の設定」での説明のとおり開発環境を設定します。

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを実行するには、次の手順を実行する必要があります。

  1. 2.2.1項「アプリケーション・リソースのダウンロード方法」の説明に従って、アプリケーション・リソースをダウンロードします。

  2. 2.2.2項「Summit ADFスキーマのインストール方法」の説明に従って、Summit ADFスキーマをインストールします。

  3. 2.2.3項「ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの実行方法」の説明に従って、Summitサンプル・アプリケーションを実行します。

2.2.1 アプリケーション・リソースのダウンロード方法

Oracle Technology Networkからアプリケーション・リソースをダウンロードします。

始める前に:

Summitサンプル・アプリケーションの設定と実行に必要な手順の概要を理解しておくと役立ちます。詳細は、2.2項「ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの設定と実行」を参照してください。

アプリケーション・リソースをダウンロードする手順:

  1. Oracle JDeveloperリリース11gをダウンロードおよびインストールします。詳細は、『Oracle JDeveloperインストレーション・ガイド』を参照してください。

  2. ADFデスクトップ統合をインストールします。詳細は3.4項「ADFデスクトップ統合のインストール」を参照してください。


    注意:

    旧バージョンのADFデスクトップ統合がシステムにインストールされている場合、3.6項「ADFデスクトップ統合のアップグレード」の説明に従って、ADFデスクトップ統合をアップグレードします。

  3. Oracle Technology NetworkからSummit ADFスキーマをダウンロードおよびインストールします。

    http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/learnmore/adf11gsamples-1969708.html
    

    詳細は、2.2.2項「Summit ADFスキーマのインストール方法」を参照してください。

  4. Oracle Technology Networkから、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのZIPファイルをダウンロードおよびインストールします。

    http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/learnmore/adf11gsamples-1969708.html
    

    詳細は、2.2.3項「ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの実行方法」を参照してください。

2.2.2 Summit ADFスキーマのインストール方法

Summit ADFスキーマをインストールするには、スキーマ・ファイルを解凍し、データベース接続を構成して、build_summit_schema.sqlスクリプトをJDeveloperで実行します。

始める前に:

Summitサンプル・アプリケーションの設定と実行に必要な手順の概要を理解しておくと役立ちます。詳細は、2.2項「ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの設定と実行」を参照してください。

Summit ADFスキーマをデータベースにインストールするには:

  1. Summit ADFスキーマ・アーカイブ・ファイルをダウンロードした場所に移動し、それを解凍します。

  2. JDeveloperを起動し、メイン・メニューから「ファイル」「開く」を選択します。

  3. 「開く」ダイアログで、SummitADF_SchemaディレクトリのZIPファイルを開いた場所へ移動し、Summit_Schema.jwsアプリケーション・ワークスペースを選択して「開く」をクリックします。

  4. 「アプリケーション・ナビゲータ」ウィンドウで、「アプリケーション・リソース」パネルを開きます。

  5. 「接続」を右クリックし、「新規接続」「データベース」を選択します。

  6. 「データベース接続の作成」ダイアログで、表2-1のように、各自の環境に合せてプロパティを変更します。ダイアログのヘルプを参照するには、[F1]を押すか「ヘルプ」をクリックします。

    表2-1 Summit ADFサンプル・アプリケーションのインストールに必要なプロパティ

    プロパティ 説明

    接続名

    接続のわかりやすい名前。この名前は、system_for_summitなどの有効なJava識別子にする必要があります。

    ユーザー名

    データベースのシステム・ユーザー。例:

    system

    パスワード

    システム・ユーザーのパスワード。

    ドライバ

    データベースのJDBCドライバ。ドロップダウン・メニューから値を選択します。デフォルトはthinで、これは、Oracle Database XEおよびOracle Call Interface (OCI)を使用しない他のOracleデータベースの場合に指定するデフォルト値でもあります。

    ホスト名

    Oracleデータベースを実行しているサーバーの名前。IPアドレスまたはTCP/IPによって解決可能なホスト名を使用します。デフォルト値はlocalhostです。

    SID

    Oracle Databaseインスタンスの一意のシステム識別子(SID)。デフォルトはXEで、これはデータベース・サーバーがOracle Database XEを実行する場合に指定するデフォルト値でもあります。サーバーが別のOracleデータベースを実行している場合、SIDは通常ORCLです。

    JDBCポート

    データベースのポート。デフォルト値は、1521です。



    注意:

    サーバーがリモート・マシンに存在する場合は、スキーマを作成するスクリプトも変更する必要が生じることがあります。スクリプトを開くには、「build_summit_schema.sql」を右クリックして、「開く」を選択します。

    図2-1は完成した「データベース接続の作成」ダイアログを示しています。この例では、ローカル・マシンに存在するOracle Database XEインスタンスへの接続が確立されています。

    図2-1 Summit ADFスキーマの「データベース接続の作成」ダイアログ

    この図は周囲のテキストで説明しています
  7. 「接続のテスト」をクリックして、稼働中の接続があることを確認します。

  8. 「OK」をクリックして接続を作成し、ダイアログを終了します。

  9. アプリケーション・ナビゲータの「プロジェクト」パネルで、「データベース」を展開し、「リソース」を展開します。

  10. 「build_summit_schema.sql」を右クリックし、「SQL*Plusで実行」接続名の順に選択します。

    表示された接続名は、手順6で構成されたものです。

  11. 「SQL*Plus接続」ダイアログで、情報が手順6で指定した構成に一致することを確認し「OK」をクリックします。

  12. 「SQL*Plusの場所」ダイアログで、「参照」をクリックしデータベース用の実行可能ファイルsqlplus.exeを見つけます。

    通常、実行可能ファイルは$ORACLE_HOMEの下のBINディレクトリにインストールされます。$ORACLE_HOMEはOracleデータベース・インストールへのパスを表しています。

  13. 「開く」をクリックして実行可能ファイル「sqlplus.exe」を選択し、次に「OK」を選択してダイアログを終了します。

  14. 「SQL*Plus」ウィンドウで、手順6で指定したシステム・ユーザーのパスワードを入力します。

    パスワードを入力すると、Antビルド・スクリプトがSummit ADFサンプル・アプリケーション・ユーザーを作成し、Summit ADFスキーマの表に移入します。メッセージ - ログ・ウィンドウに、一連のSQLスクリプトが表示され、最終的に次のようになります。

    Commit complete.
    
    Commit complete.
    SQL> 
    
  15. SQLプロンプトで、quitと入力し「SQL*Plus」ウィンドウを終了します。

  16. JDeveloperでメイン・メニューから「アプリケーション」「閉じる」を選択し、Summit ADFスキーマ・アプリケーションを閉じます。

2.2.3 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの実行方法

Summitサンプル・アプリケーションを実行するには、zipファイルの内容を抽出し、JDeveloperで.JWSファイルを開きます。

始める前に:

Summitサンプル・アプリケーションの設定と実行に必要な手順の概要を理解しておくと役立ちます。詳細は、2.2項「ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの設定と実行」を参照してください。

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを実行するには:

  1. サンプル・アプリケーションを格納するzipファイルの内容をローカル・ディレクトリに抽出します。

  2. JDeveloperでSummitADFdi.jwsファイルを開きます。

    このファイルはSummit_ADFDIディレクトリにあります。

  3. アプリケーション・ナビゲータで、「モデル」プロジェクトをクリックして開きます。

  4. 「モデル」「アプリケーション・ソース」「oracle.summitdi.model」Model.jpxファイルを開きます。

  5. 「一般」タブで「接続」グループを展開し、「追加」アイコンをクリックして、データベース接続を作成します。

  6. 「データベース接続の作成」ダイアログで、表2-2のように、各自の環境に合せて接続情報を追加します。

    表2-2 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのデータベース接続プロパティ

    プロパティ 説明

    ユーザー名

    c##summit_adf

    パスワード

    summit_adf

    ホスト名

    データベースのホスト名。

    例:

    localhost

    JDBCポート

    データベースのポート。

    例:

    1521

    SID

    データベースのSID。

    例:

    ORCLまたはXE


    「接続テスト」をクリックして接続を確認し、「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。

  7. Model.jpxファイルを保存します。

  8. ViewControllerプロジェクトを選択して、JDeveloperのメイン・メニューの「実行」ボタンをクリックします。

2.3 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのFusion Webアプリケーションの概要

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのFusion Webアプリケーションにより、エンド・ユーザーは統合Excelワークブックをダウンロードできます。

2.3.1 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのFusion Webアプリケーションについて

エンド・ユーザーがJDeveloperでADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを実行すると、デフォルトのブラウザでアプリケーションのホーム・ページが開きます。エンド・ユーザーは、ホーム・ページから様々な統合Excelワークブックをダウンロードできます。

図2-2 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのホーム・ページ

この図は周囲のテキストで説明しています

2.3.2 統合Excelワークブックのダウンロード

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションでは、異なる要件を満たすために、様々な統合Excelワークブックが提供されます。エンド・ユーザーは、アプリケーションのMainPage.jsfから、様々なワークブックをナビゲートおよびダウンロードできます。

表2-3に、メニュー・オプションと、ダウンロードされる統合Excelワークブックを示します。

表2-3 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの統合Excelワークブック

メニュー・オプション 説明

顧客サンプルの編集

EditCustomers.xlsxワークブックをダウンロードします。

倉庫の在庫サンプルの編集

EditWarehouseInventory.xlsxワークブックをダウンロードします。

すべての在庫サンプルの編集

EditAllInventory.xlsxワークブックをダウンロードします。

顧客サンプルの検索

CustomerSearch.xlsxワークブックをダウンロードします。


2.4 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの統合Excelワークブックの概要

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションには、EditCustomers.xlsxEditWarehouses.xlsxEditCustomerSearch.xlsxおよびWarehouseLocations.xlsx統合Excelワークブックが用意されています。

EditCustomers.xlsxワークブックは、一般的に使用されるADFデスクトップ統合のADF表コンポーネント機能を示します。データをダウンロード、挿入、更新およびコミットできます。これは、選択リストから値を選択する複数の方法も示します。

EditWarehouseInventory.xlsxワークブックは、詳細な表を含むコンポーネントからADFデスクトップ統合を使用する方法を示します。マスター・フォームおよびその詳細表のデータをダウンロードおよび更新できます。このサンプルは、ワークブック・パラメータを使用してワークブックの初期化を制御する方法も示します。

EditAllInventory.xlsxワークブックは、非正規化されたマスター/詳細の関係を含む、編集可能な表を作成する方法を示します。これは、日付ピッカーの使用方法、列のグループ化の方法、および既存のデータ・レコードの削除方法も示します。

EditCustomerSearch.xlsxワークブックは、読取り専用として構成されたADF表コンポーネントにデータをダウンロードする前に、検索の実行にカスタムWebページをどのように使用できるかを示します。

この章の次の項では、ワークブックの機能の詳細な情報と実装の詳細への参照を提供します。

2.4.1 統合ExcelワークブックからのFusion Webアプリケーションへのログオン

実行時に、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの統合Excelワークブックは、エンド・ユーザーがFusion Webアプリケーションにログオンするのに使用できる、Excelのリボン・タブをレンダリングします。図2-3は、EditCustomers.xlsxワークブックのリボンの「顧客」実行時タブを示します。

図2-3 「顧客」実行時タブ

この図は周囲のテキストで説明しています

2.4.2 データ行のダウンロード

EditCustomers.xlsxワークブックなどの一部のワークブックでは、ADF表コンポーネントを使用して、Fusion Webアプリケーションから情報をダウンロードします。このコンポーネントを使用して、エンド・ユーザーは行を編集し、変更した行をFusion Webアプリケーションにアップロードできます。

次の項では、ダウンロード機能の実装方法の詳細を説明します。

  • Fusion Webアプリケーションに統合するそれぞれのワークシートには、関連するページ定義ファイルが必要です。

    たとえば、EditCustomers.xlsxワークブックのCustomersワークシートは、ページ定義ファイルExcelCustomers.xmlページ定義ファイルと関連付けられています。JDeveloperでこのファイルを見るには、アプリケーション・ナビゲータで次のノードを展開します。

    ViewController > 「アプリケーション・ソース」 > oracle.summitdi.view > pageDefs

    ページ定義ファイルの構成方法の詳細は、4.2項「統合Excelワークブックのページ定義ファイルの使用」を参照してください。

  • ADF表コンポーネントDownloadアクションは、Fusion Webアプリケーションからワークシートにデータをダウンロードします。このアクションの起動方法の詳細は、7.4項「ADF表コンポーネントへのデータのダウンロード」を参照してください。

  • EditCustomers.xlsxワークブックでは、ワークシートStartupイベントはADF表コンポーネントDownloadアクションを含むアクション・セットを起動します。ワークシート・イベントの構成の詳細は、9.2.4項「ワークシート・イベントからアクション・セットを起動する方法」を参照してください。

2.4.3 ワークブックの顧客および倉庫情報の変更

EditCustomers.xlsxおよびEditWarehouseInventory.xlsxワークブックを使用して、エンド・ユーザーは、ADF表コンポーネントおよびフォーム・コンポーネントによりFusion Webアプリケーションからダウンロードされた顧客および倉庫情報を編集できます。UpdateComponentプロパティが構成されている実行時ADF表コンポーネントの列を使用して、エンド・ユーザーは値を変更したり、変更をFusion Webアプリケーションにアップロードできます。たとえば、エンド・ユーザーはEditCustomers.xlsxNamePhoneおよびAddress列に表示される値を変更できます。

StatusChangedなど他の列は、ADF表コンポーネントに表示されて、アップロード操作や変更された列のステータス情報を提供します。

次の項では、この機能の実装方法の詳細を説明します。

2.4.4 Fusion Webアプリケーションへの変更済の情報のアップロード

統合ワークブックを使用すると、エンド・ユーザーはADF表コンポーネントの変更済データをFusion Webアプリケーションにアップロードできます。アクション・セットが、ADF表コンポーネントのUploadアクションを起動する「アップロード」実行時リボン・コマンド用に構成されています。この機能の実装の詳細は、7.8項「ADF表コンポーネントからの変更のアップロード」を参照してください。