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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B63036-05
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4 エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備

この章では、Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムを準備する方法について説明します。推奨されるディレクトリ構造とその場所に関する情報を示し、共有記憶域の構成手順も説明します。

この章の内容は次のとおりです。

4.1 エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備の概要

ファイル・システムは、エンタープライズ・デプロイメントがわかりやすくなり、構成および管理が容易になるように設定することが重要です。この章の情報に従ってファイル・システムを設定することをお薦めします。この章で定義されている用語は、このガイド内のダイアグラムおよび手順で使用されます。

この章を参照情報として使用すると、インストールおよび構成手順で使用されているディレクトリ変数について理解できます。その他のディレクトリ・レイアウトも可能であり、サポートされていますが、このマニュアルで採用するモデルは、可用性を最大化するために選択されており、コンポーネントの最良の独立性と構成の対称性の両方を実現し、バックアップおよび災害からのリカバリを容易にします。ドキュメントの残りの部分では、このディレクトリ構造およびディレクトリ用語を使用します。

4.2 ディレクトリとディレクトリ変数の用語

この項では、Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメントを構成するためにこのガイドで使用するディレクトリ変数について説明します。このガイドでは、インストールして構成するディレクトリを次のディレクトリ変数を使用して説明しています。


ヒント:

この項で説明している場所には、ショートカットとして環境変数を使用し、ディレクトリに簡単に移動できます。たとえば、Linuxでは$ORACLE_BASEという環境変数を使用して、/u01/app/oracle(つまり、推奨されるORACLE_BASEの場所)を参照できます。Windowsでは、%ORACLE_BASE%とWindowsに固有のコマンドを使用できます。


4.3 各種ディレクトリの推奨場所について

次の各項では、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジで共有記憶域を使用するための基本的な推奨事項について説明します。

4.3.1 バイナリ(Oracleホーム)ディレクトリに対する共有記憶域の推奨事項

次の各項では、Oracle Fusion Middleware Oracleホーム・ディレクトリで共有記憶域を使用するためのガイドラインについて説明します。

4.3.1.1 バイナリ(Oracleホーム)ディレクトリについて

Oracle Fusion Middleware製品をインストールするときには、製品をOracleホームにインストールします。Oracleホームにインストールされたバイナリ・ファイルは読取り専用であり、Oracleホームにパッチが適用されるか、新しいバージョンにアップグレードされるまで変更されません。

通常の本番環境では、Oracleホームはドメイン構成ファイルとは別の場所に保存されます。その場所は、Oracle Fusion Middleware構成アシスタントを使用して作成します。

Oracle Fusion MiddlewareインストールのMiddlewareホームには、Oracle WebLogic Serverのバイナリ・ファイル、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ・ファイルおよびOracle Fusion Middleware製品固有のディレクトリが含まれます。

Oracle Fusion Middleware Oracleホームの構造と内容の詳細は、Oracle Fusion Middlewareコンセプトを参照してください。

4.3.1.2 複数ドメインでの単一Oracleホームの共有について

Oracle Fusion Middlewareでは、1つのOracleホームから複数のOracle WebLogic Serverドメインを構成できます。この機能により、共有ボリューム上の1つの場所にOracleホームをインストールしたり、複数のホストをインストールするためにOracleホストを再利用したりすることもできます。

Oracleホームが異なるホスト上の複数のサーバーで共有されている場合、いくつかの実施するべきベスト・プラクティスがあります。特に、各ホスト上のOracleインベントリ(oraInventory)が一貫性とパッチの適用のために更新されていることを確認してください。

ホストのoraInventoryを更新して、共有記憶域内のOracleホームに追加するには、次のコマンドを入力します。

ORACLE_HOME/oui/bin/attachHome.sh

oraInventoryの詳細は、Oracle Universal Installerコンセプト・ガイドのOracle Universal Installerインベントリに関する項を参照してください。

Middlewareホームの一覧を更新してMW_HOMEを追加または削除するには、user_home/bea/beahomelistファイルを編集します。

4.3.1.3 冗長なバイナリ(Oracleホーム)ディレクトリの使用について

可用性が最大になるように、共有記憶域上でバイナリの冗長インストールを使用することをお薦めします。

このモデルでは、2つの異なる共有ボリューム上に、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアに対する2つの同じOracleホームをインストールします。まず、Oracleホームの1つをサーバーの1セットにマウントし、もう一方を残りのサーバーにマウントします。いずれのOracleホームも同じマウント・ポイントを持つため、サーバーがどのOracleホームを使用しているかにかかわらず、Oracleホームは常に同じパスを持ちます。

1つのOracleホームが壊れたり使用できなくなった場合は、サーバーの半分のみが影響を受けます。さらに保護を強化するために、これらのボリュームでディスクをミラー化することをお薦めします。

共有記憶域上で別個のボリュームが使用できない場合は、同じボリューム内の異なるディレクトリを使用して別個のボリュームをシミュレートし、これらをホスト側の同じマウント位置にマウントすることをお薦めします。この方法によって複数ボリュームが提供するような保護が保証されるわけではありませんが、ユーザーによる削除や個々のファイルの破損からの保護は可能になります。

4.3.2 ドメイン構成ファイルに対する共有記憶域の推奨事項

次の各項では、エンタープライズ・デプロイメントでOracle Fusion Middleware製品を構成するときに作成したOracle WebLogic Serverドメイン構成ファイルに対して共有記憶域を使用する際のガイドラインについて説明します。

4.3.2.1 Oracle WebLogic Server管理および管理対象サーバー・ドメイン構成ファイルについて

Oracle Fusion Middleware製品を構成すると、Oracle WebLogic Serverドメインが作成または拡張されます。各Oracle WebLogic Serverドメインは、1つの管理サーバーおよび1つ以上の管理対象サーバーで構成されます。

ドメインの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』を参照してください。

エンタープライズ・デプロイメントでは、ドメインの管理対象サーバーがアクティブ/アクティブ型の高可用性のために構成される場合があることを理解してください。ただし、管理サーバーではできません。管理サーバーはシングルトン・サービスです。つまり、一度に1つのホストでのみアクティブにできます。

4.3.2.2 管理サーバーと管理対象サーバーのドメイン構成ファイルの共有記憶域要件

ドメイン構成ファイルのコピーを2つ作成することをお薦めします。

  • 1つは管理サーバーの構成ファイル用のコピーです。

    このディレクトリは共有記憶域上にインストールし、管理サーバーを実行しているホストに排他的にマウントします。

    ホストで障害が発生した場合に、このディレクトリを別のホストにマウントし、そのホストで管理サーバーを起動できます。

  • もう一方のコピーは管理対象サーバーの構成ファイル用です。

    管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリは、ローカルの記憶域にも共有記憶域にも配置できます。管理対象サーバーがドメイン・ディレクトリを共有すると、スケール・アウト手順が容易になります。ただし、管理対象サーバーの構成ファイルを共有すると、パフォーマンスに影響する可能性もあります。

    よって、使用するデプロイメントは、ストレージ・システムの要件があればそれに適合させる必要があります。ストレージ・システムには、複数のマシンで同じ共有ボリュームのマウントが容易になるような構成オプションを提供するものもあります。

    このエンタープライズ・デプロイメント・トポロジで用意されている構成手順では、管理対象サーバーごとに各ノードのローカル・ドメイン・ディレクトリが使用されると想定しています。

4.3.3 JMSファイル・ストアとJTAトランザクション・ログ用の共有記憶域に関する推奨事項

サーバーの障害や移行の場合にリカバリで複数のホストを利用可能にするには、JMSファイル・ストアとJTAトランザクション・ログは共有記憶域に配置する必要があります。

ファイル・ストア内のJMSおよびJTA情報の使用方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバー環境の構成のWebLogic永続ストアの使用方法に関する項を参照してください。

4.3.4 ディレクトリの推奨場所

この項では、推奨されるディレクトリについて説明します。共有記憶域の場所が直接指定されている場合は必ず、そのディレクトリでは共有記憶域が必要とされることを意味します。ローカル・ディスクが使用されたり共有記憶域がオプションの場合、マウント指定では「共有記憶域を使用している場合」の語句で修飾されます。共有記憶域の場所は例であり、指定のマウント・ポイントが使用されるかぎり、これを変更できます。ただし、共有記憶域デバイスでは整合性と単純化のためこの構造をお薦めします。

ORACLE_BASE:

推奨ディレクトリ= /u01/app/oracle

管理サーバー・ドメイン・ディレクトリのドメイン・ディレクトリ:

ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name

  • システムのマウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver

  • マウント元: このディレクトリをマウントする必要があるのは、管理サーバーが稼働しているノードのみです。管理サーバーが別のノードに再配置(フェイルオーバー)されたら、そのノードが同じマウント・ポイントで同じ共有記憶域をマウントします。トポロジ内の残りのノードがこの場所をマウントする必要はありません。

管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリのドメイン・ディレクトリ:

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name

  • 共有ディスクを使用している場合、システムのマウント・ポイントは、ORACLE_BASE/admin/domain_name/Noden/mserver/にマウントされたORACLE_BASE/admin/domain_name/mserverになります(各ノードで、管理対象サーバー用に異なるドメイン・ディレクトリが使用されます)。


注意:

この手順は共有記憶域によって異なります。前述の箇条書きの例はNASに特有ですが、他の記憶域タイプでは別のタイプのマッピングによりこの冗長性が実現される場合があります。


JMSファイルベース・ストアとTlogs用の場所:

ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name/jms

ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name/tlogs

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • マウント元: Oracle BIコンポーネントが稼働するすべてのノードでは、別のノードへのサーバー移行が発生したときにトランザクション・ログおよびJMSストアを使用できるように、この共有記憶域の場所をマウントする必要があります。

管理サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所:

ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/applications

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver

  • マウント元: このディレクトリをマウントする必要があるのは、管理サーバーが稼働しているノードのみです。管理サーバーが別のノードに再配置(フェイルオーバー)されたら、そのノードが同じマウント・ポイントで同じ共有記憶域をマウントします。トポロジ内の残りのノードがこの場所をマウントする必要はありません。

管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所:

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications


注意:

このディレクトリは、Oracle Business Intelligenceのエンタープライズ・デプロイメントのコンテキストではローカルになります。


MW_HOME(アプリケーション層):

推奨ディレクトリ = ORACLE_BASE/product/fmw

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/product/fmw

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/product/fmw(VOL1およびVOL2)

  • マウント元: 少なくとも半分のノードで1つのインストールを使用し、残りの半分で他方のインストールを使用するように、ノードではVOL1とVOL2を互換的にマウントします。Oracle Business Intelligenceのエンタープライズ・デプロイメントでは、APPHOST1はVOL1をマウントし、APPHOST2はVOL2をマウントします。使用可能なボリュームが1つのみの場合は、ノードは共有記憶域の2つの異なるディレクトリをかわりにマウントします(つまり、たとえばAPPHOST1ではORACLE_BASE/product/fmw1、APPHOST2ではORACLE_BASE/product/fmw2を、それぞれ共有記憶域の場所として使用します)。


    注意:

    共有記憶域に利用できるボリュームが1つしかない場合に、誤ってファイルを削除しないように、あるいはパッチを適用できるように、別のディレクトリを使用して冗長に構成することができます。2つのMW_HOMEを使用可能にする場合は、少なくとも1つはORACLE_BASE/product/fmw1、もう一方はORACLE_BASE/product/fmw2とします。これらのMW_HOMEは、すべてのノードで同じマウント・ポイントにマウントされます。


MW_HOME(Web層):

推奨ディレクトリ = ORACLE_BASE/product/fmw/web

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/product/fmw

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/product/fmw(VOL1およびVOL2)

  • マウント元: 共有記憶域へのインストールの場合、少なくとも半分のノードで1つのインストールを使用し、残りの半分で他方のインストールを使用するように、ノードではVOL1とVOL2を互換的にマウントします。BIのEDGでは、WEBHOST1はVOL1をマウントし、WEBHOST2はVOL2をマウントします。使用可能なボリュームが1つのみの場合は、ノードは共有記憶域の2つの推奨ディレクトリをかわりにマウントします(つまり、たとえば共有記憶域の場所としてWEBHOST1ではORACLE_BASE/product/fmw1/、WEBHOST2ではORACLE_BASE/product/fmw2/が使用されます)。


    注意:

    Web層のインストールは通常、WEBHOSTノードのローカル記憶域で実行されます。共有記憶域を使用する場合は、層を横断する記憶域デバイスへのアクセスには、適切なセキュリティ制限をかけることを検討してください。


WL_HOME:

推奨ディレクトリ = MW_HOME/wlserver_10.3

ORACLE_HOME:

推奨ディレクトリ = MW_HOME/Oracle_BI1

ORACLE_COMMON_HOME:

推奨ディレクトリ = MW_HOME/oracle_common

ORACLE_INSTANCE:

推奨ディレクトリ = ORACLE_BASE/admin/instance_name

  • 共有ディスクを使用している場合、システムのマウント・ポイントは、ORACLE_BASE/admin/instance_name (VOL1)にマウントされたORACLE_BASE/admin/instance_nameになります。


    注意:

    (VOL1)はオプションです。また、(VOL2)も使用できます。


Oracle BI Presentation Catalogの場所:

推奨ディレクトリ = ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name/catalog/customCatalog(customCatalogはカテゴリ名の例)

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • マウント元: クラスタ内のプレゼンテーション・サービスのインスタンスを含むすべてのノードではこの場所をマウントします(すべてのノードには読取りと書込みの権限が必要です)。

Oracle BI Presentation Catalogは、Fusion Middleware Controlではプレゼンテーション・サービス・リポジトリということを留意してください。

リポジトリ公開ディレクトリの場所:

推奨ディレクトリ = ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name/ClusterRPD

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • マウント元: クラスタ内のBIサーバーのインスタンスを含むすべてのノードではこの場所をマウントします。マスターBIサーバーは、このディレクトリに対する読取りおよび書込み権限が必要です。その他のすべてのBIサーバーには読取り権限が必要です。

リポジトリ公開ディレクトリは、Fusion Middleware ControlではBIサーバー・リポジトリの共有の場所であることを留意してください。

Essbaseエージェント共有フォルダ・パスの場所:

推奨ディレクトリ = ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name/Essbase/essbaseserver1

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • マウント元: クラスタ内のEssbaseエージェントのインスタンスを含むすべてのノードではこの場所をマウントします(すべてのノードには読取りと書込みの権限が必要です)。

BIサーバーのグローバル・キャッシュの場所:

推奨ディレクトリ = ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name/GlobalCache

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

    共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

    マウント元: クラスタ内のBIサーバーのインスタンスを含むすべてのノードではこの場所をマウントします。マスターBIサーバーは、このディレクトリに対する読取りおよび書込み権限が必要です。その他のすべてのBIサーバーには読取り権限が必要です。

BI Publisher構成フォルダの場所:

推奨ディレクトリ = ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name/bipublisher/config

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • マウント元: クラスタ内のBI Publisherのインスタンスを含むすべてのノードでは、この場所を読取りと書込みの権限付きでマウントします。

BI Publisherスケジューラの一時ディレクトリの場所:

推奨ディレクトリ = ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name/bipublisher/temp

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/cluster_name

  • マウント元: クラスタ内のBI Publisherのインスタンスを含むすべてのノードでは、この場所を読取りと書込みの権限付きでマウントします。

4.3.5 ディレクトリ構造と構成

この項では、推奨されるディレクトリ構造および共有記憶域についてわかりやすく説明するダイアグラムを示します。

図4-1 は推奨ディレクトリ構造について説明しています。

図4-1 Oracle Business IntelligenceのEDGのディレクトリ構造

図4-1の説明は次にあります。
「図4-1 Oracle Business IntelligenceのEDGのディレクトリ構造」の説明

図4-1のディレクトリ構造には、oracle_commonなど他の必要な内部ディレクトリが示されてないことに注意してください。この構造には、RPD公開ディレクトリ、共有Oracle BI Presentation Catalog、グローバル・キャッシュおよびEssbase共有フォルダのパスなどのアプリケーション構成ファイルに対するディレクトリが示されています。共有ディレクトリの詳細は、第4.4項「共有記憶域の構成」を参照してください。

表4-1は、図4-1で色分けされた様々な要素の意味を説明します。

表4-1 ディレクトリ構造の要素

要素 説明

管理サーバーの要素


管理サーバーのドメイン・ディレクトリ、アプリケーション、デプロイメント・プラン、ファイル・アダプタ制御ディレクトリ、JMSとTXのログ、およびMW_HOME全体は共有ディスク上に配置されます。

管理対象サーバーの要素


管理対象サーバー・ドメインのディレクトリは、ローカル・ディスクまたは共有ディレクトリに配置できます。管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリを複数のコンピュータで共有する場合、それらのコンピュータ全体において同じ共有ディスクの場所をマウントする必要があります。Web層のinstance_nameディレクトリは、ローカル・ディスクまたは共有ディスクに配置できます。

固定名の要素


固定名です。

インストール依存名の要素


インストール依存名です。


4.4 共有記憶域の構成

次のコマンドを使用して共有記憶域の場所を作成およびマウントすることで、APPHOST1とAPPHOST2では、2つの別のボリュームにあるバイナリ・インストールが同じ場所で参照できるようになります。


注意:

共有記憶域のファイル・システムの作成に使用されるユーザーIDは、これらのファイルに対する読取り、書込みおよび実行権限を持ちます。オペレーティング・システム・グループにおける他のユーザーは、ファイルの読取りや実行は可能ですが、書込み権限はありません。インストールと構成の権限に関する詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のインストールと構成の権限およびユーザーに関する項を参照してください。


nasfilerは共有記憶域ファイラです。

APPHOST1から:

APPHOST1> mount nasfiler:/vol/vol1/u01/app/oracle/product/fmw
/u01/app/oracle/product/fmw -t nfs

APPHOST2から:

APPHOST2> mount nasfiler:/vol/vol2/u01/app/oracle/product/fmw
/u01/app/oracle/product/fmw -t nfs

使用可能なボリュームが1つのみの場合は、共有記憶域の2つの異なるディレクトリを使用してAPPHOSTサーバーの同じディレクトリにマウントすることで、バイナリ・ファイルの冗長性を実現できます。

APPHOST1から:

APPHOST1> mount nasfiler:/vol/vol1/u01/app/oracle/product/fmw1
/u01/app/oracle/product/fmw -t nfs

APPHOST2から:

APPHOST2> mount nasfiler:/vol/vol2/u01/app/oracle/product/fmw2
/u01/app/oracle/product/fmw -t nfs

次のコマンドは、異なるノード間においてJTAトランザクション・ログを共有する方法を示します。

APPHOST1> mount nasfiler:/vol/vol1/u01/app/oracle/stores/bifoundation_domain/
bi_cluster/tlogs /u01/app/oracle/admin/bifoundation_domain/
bi_cluster/tlogs -t nfs

APHOST2> mount nasfiler:/vol/vol1/u01/app/oracle/stores/bifoundatin_domain/
bi_cluster/tlogs /u01/app/oracle/admin/bifoundation_domain/
bi_cluster/tlogs -t nfs

注意:

共有記憶域には、NASデバイスまたはSANデバイスを使用できます。次は、NASデバイスの記憶域をAPPHOST1から作成する例を示しています。オプションは、具体的な記憶域デバイスに応じて異なる場合があります。

APPHOST1> mount nasfiler:/vol/vol1/fmw11shared ORACLE_BASE/wls -t 
nfs -o rw,bg,hard,nointr,tcp,vers=3,timeo=300,rsize=32768,wsize=32768

使用する環境に適切なオプションについては、ストレージ・ベンダーとコンピュータ管理者と相談してください。


共有ストレージの構成の検証

構成した共有記憶域にテスト・ファイルを作成し、新しくマウントしたディレクトリでファイルの読取りおよび書込みができることを確認します。

例:

$ cd newly mounted directory
$ touch testfile

所有者と権限が正しいことを確認します。

$ ls -l testfile

ファイルを削除します。

$ rm testfile

4.4.1 共有ネットワーク・ファイルがWindows環境でアクセス可能であることの確認

通常Windows環境では、共有記憶域は汎用命名規則(UNC)を使用して指定します。UNCは、Local Area Network(LAN)上のリソースの場所を指定するためのPCにおける形式です。UNCでは、次の形式を使用します。

\\server_name\shared_resource_path_name

また、共有ネットワーク・ファイルにアクセスできるように、Windows環境では名前付きユーザーを使用してOPMNプロセスを実行する必要があります。

名前付きユーザーを使用してOPMNプロセスを実行する手順は次のとおりです。

  1. 「サービス」ダイアログを開きます。たとえば、「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「サービス」の順に選択します。

  2. OracleProcessManager_instancen」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。

  3. 「ログオン」タブを選択します。

  4. アカウント」を選択し、ユーザー名とパスワードを入力します。

  5. 「OK」をクリックします。