Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド 11g リリース 1 (11.1.1) B61375-04 |
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この項では、Oracle Reportsのフォント構成に関連するすべてのファイルについて説明します。
注意: Oracle Reports 11g リリース1 (11.1.1)からは、フォントを構成する際、Oracle Enterprise Managerのみを使用する必要があります。Oracle Enterprise Managerによって構成設定を更新する方法の詳細は、第7章「Oracle Enterprise ManagerによるOracle Reports Servicesの管理」の第7.9.1項「フォントの構成」を参照してください。 |
このプリンタ構成ファイルには、アプリケーションに対してインストール済のプリンタの一覧が、プリンタのタイプ、バージョン、プリンタ定義ファイル名とともに記述されています。実行時に使用可能なフォントのリストは、プリンタ定義ファイルから取得されます。プリンタが存在しない場合は、Oracle ReportsではデフォルトのプリンタとしてPostScriptプリンタが選択され、default.ppd
ファイルがプリンタ定義ファイルとして使用されます。
例:
Printer: Printer_driver:Driver_specifying_language_and_level:Printer_ description:Printer_definition_file:
各行に5つのフィールドがあり、それぞれコロンで区切られています。
PCLプリンタを使用する場合、このエントリにはHPDファイルの名前が含まれます。
screenprinter.ppd
は、UNIX上でプリンタが使用できない場合に使用されます。詳細は、第10.8.1項「ScreenPrinter」を参照してください。
uifont.ali
ファイルは、WindowsおよびUNIXでは次の場所にあります。
Windowsの場合: ORACLE_INSTANCE\config\FRComponent\frcommon\tools\common
UNIXの場合: ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon/tk/admin
このファイルには、実行時に他のフォントで置換え可能なフォントのマッピング情報が含まれます。
注意: Oracle Reportsでは |
uifont.ali
ファイルに関する一般的な規則を次に示します。
フォント名やキャラクタ・セット名に複数の単語が含まれる場合(つまり、空白が含まれている場合)、二重引用符で囲む必要があります。
コメント行の場合は、行の先頭に#を使用します。
行を削除するかわりにコメント・アウトしておけば、その行を後で使用することができます。
フォント・エイリアシングは、フォント名-フォント名間またはキャラクタ・セット-CIDフォント間(Adobe)のみです。
フォント・サブセットは、TrueTypeフォントの場合にのみ可能です。
フォント・サブセットにはフォント名が使用され、TrueTypeフォント・ファイル名を使用してサブセットが作成されます。
フォント埋込みは、Type1フォントの場合にのみ可能です。これらのフォントには2つのファイルがあります。1つはメトリック・ファイルで、ファイル拡張子が.afm
または.pfm
のいずれかになります。もう1つは、ファイル拡張子が.pfb
のバイナリ・ファイルです。
フォント埋込みにはフォント名が使用され、Type1フォント・ファイル名を使用して埋込みが行われます(AFMファイルとPFBファイルの両方がこの順序で要求されます)。
次にuifont.ali
のエイリアシングにおける一般的フォーマットを示します。
"original_font"="font_to_be_aliased"
ここで、original_font
はフォント名またはその他の属性で、font_to_be_aliased
はマップ先のフォント名または属性です。
フォント名と属性は次のように指定できます。
Face.Size.Style.Weight.Width.CharSet=Face.Size.Style.Weight.Width.CharSet
Face
は、Courier
などのフォント・フェースの名前(文字列または識別子)です。Style
、Weight
、Width
およびCharSet
には、数値や定義済の文字列または識別子を指定できます。たとえば、Style
の値としてPlain
および0
のどちらも有効であり、同じスタイルを表します。Size
には、正確なサイズをポイント単位で指定します。
これらの属性は、フォント・エイリアシング、フォント・サブセットおよびフォント埋込みを行うときに有効になります。
たとえば、フォント・サブセットでは次のようになります。
Font_name=font_file_name Face.Size.Style.Weight.Width.CharSet=font_file_name
認識可能な名前と対応する数値を次に示します。
複数のスタイルを組み合せることができます。その場合は、プラス記号(+)を使用してスタイルの各部分を区切ります。例:
Arial..Italic+Overstrike = Helvetica.12.Italic.Bold
これは、イタリックと打消し線の両方のスタイルが指定されているArialフォントが、12ポイント、太字、イタリックのHelveticaフォントにマップされることを表します。
マルチバイト言語をサポートするには、キャラクタ・セットのエイリアスを作成し、Adobe社から提供されているアジア系言語フォント・パックに含まれるCIDフォント(第9.5.7項「CIDフォント」)を指定する必要があります。たとえば、日本語レポートでは、マルチバイトのキャラクタ・セットであるShift-JIS
のエイリアスとして、HeiseiKakuGo-W5-Acro
というCIDフォントを次のように指定します。
JA16SJIS = "HeiseiKakuGo-W5-Acro"
マッピングに指定する文字列では、大文字と小文字は区別されません。しかし、フォント・フェースの検索時、プラットフォームや画面によっては大文字と小文字が区別される可能性があります。したがって、名前を指定するときは注意が必要です。たとえば、左側(元のフォント)にarial
というフォント名を使用した場合は、フォントとしてarial
やArial
が指定されているすべてのレイアウト・オブジェクトがエイリアス先のフォントにマップされます。
詳細は、第9.4項「フォント・エイリアシング」を参照してください。
PPDファイルおよびAFMファイル(UNIXのみ)
PostScript Printer Definition (PPD)ファイルおよびAdobe Font Metrics (AFM)ファイルは、Adobe社およびプリンタのベンダーによって提供されるものです。PPDファイルにはプリンタに関する情報が含まれ、AFMファイルにはフォントのメトリック情報が含まれます。Oracle Reportsでは、プリンタで使用可能なフォントに関する情報が他のパラメータとともにこれらのファイルから読み取られます。PPDファイルに記述されているすべてのフォントについて、フォント名に応じて対応するAFMファイルが検索され、有効なAFMが存在するすべてのフォントがロードされます。
フォントの観点からは、新しいフォントをプリンタ用に追加する場合にこれらのファイルを変更し、変更がOracle Reportsに反映されるようにしてください。
例:
*% Font Information ===================== *DefaultFont: Error *Font AvantGarde-Demi: Standard "(001.001)" Standard *Font AvantGarde-DemiOblique: Standard "(001.001)" Standard *Font Courier: Standard "(001.004)" Standard *Font Courier-Bold: Standard "(001.004)" Standard
AFMファイルには、フォントの属性(スタイル、太さ、幅、コード体系)、固定幅かプロポーショナルかの区別、および各文字の大きさなどの情報が含まれます。
Oracle Reportsでは、PPDファイルからフォント名を検索した後、第9.3.1項「ファイルの検索」で説明している検索条件に従って、フォント名と同じ名前のAFMファイルが検索されます。たとえば、AvantGarde-Demi: Standard
がPPDファイル内で見つかった場合は、AvantGarde-Demi
という名前のAFMファイルがAFMディレクトリで検索されます。
AFMファイルはフォント・ファイルではありません。これらは、プリンタ用に文字を正しくフォーマットする方法に関する情報をOracle Reportsに提供するメトリック・ファイルです。AFMファイルがあっても、プリンタでフォントを使用できない場合、Oracle Reportsではフォントを生成できません。
AFMファイル自体はフォントではないので、使用可能なPostScriptプリンタ・フォントを増やすには、次のようにする必要があります。
フォントを購入して、プリンタにインストールします。
フォントおよびプリンタのベンダーから、修正済のAFMファイルおよびPPDファイルを入手します。
対応するXサーバー・ディスプレイ・フォントを入手します(必要な場合)。
HPDファイルおよびTFMファイル(UNIXのみ)
PCL (HP社のPrinter Control Language)では、HPD (Hewlett-Packard Document)ファイルおよびTFM (TEX Font Metrics)ファイルが使用されます。HPDファイルには、プリンタで使用できるフォントのリストが含まれます。フォントはそれぞれ特定のTFMファイルを参照します。HPDファイルは編集可能なASCIIファイルですが、TFMファイルはバイナリ・ファイルであるため編集できません。TFMファイルは編集不可能なバイナリ・ファイルですが、文字列操作を実行するとこのファイルから一部のキーワードを読み取ることができます。Oracle Reportsによって認識されるフォント名は、HPDファイルではなくTFMファイルに記述されているものです。TFMファイルはフォント・ベンダーから提供されており、TFMファイルをインストールすると、新しく追加されたフォントがプリンタのHPDファイルへ追加されます。
このファイルには、Oracle Toolkitに基づくすべてのOracle Motifツールのリソース設定が含まれます。フォント固有のリソース設定には、Tk2Motif*fontMapCs
およびTk2Motif*fontList
が使用されます。
Tk2Motif*fontMapCs
は、X-Windowディスプレイ上にあり、アプリケーションによって使用されるフォントのベース・キャラクタ・セットを決定します。
Tk2Motif*fontMapCs: iso8859-2=EE8ISO8859P2
の場合、NLS_LANG
はEE8ISO8859P2
に設定される必要があり、文字コード体系がiso8859-2
のフォントのみアプリケーションで使用されます。このコード体系のフォントが見つからない場合は、REP-3000
エラーが発生します。
Tk2Motif*fontList
は、アプリケーションによって使用されるデフォルトのシステム・フォントを指定します。次のように指定すると、標準の太さ、標準の幅であるサイズ12のHelveticaフォントが使用されます。
Tk2Motif*fontList: -*-helvetica-medium-r-normal-*-120*
このエントリの構文の説明は、Tk2Motif.rgb (ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon/tk/admin)
ファイル内にコメントとして記述されています。
ファイル検索の基準は、ファイルのタイプおよび対応する定義された環境変数の値によって決まります。
表9-4 ファイル情報
ファイル名 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
|
UNKNOWN |
プリンタ構成ファイル |
|
FONTALIAS |
フォント・エイリアシング・ファイル |
PPD |
PPD |
PostScriptプリンタ定義ファイル |
AFM |
AFM |
Adobeフォント・メトリック・ファイル |
HPD |
HPD |
HP glueファイル |
TFM |
TFM |
HP glueファイル |
変数の検索は、TK_
type
、ORACLE_
type
、グローバル・ディレクトリの順に行われます。たとえば、PPDファイルの検索を行うディレクトリは、TK_PPD
で指定されるディレクトリ、ORACLE_PPD
、ORACLE_HOME/guicommon/tk/admin/PPD
、$ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon/tk/admin/PPD
の順となります。
たとえば、uiprint.txt
を検索する場合は、最初に環境変数のTK_UNKNOWN
が検索され、次にORACLE_UNKNOWN
、デフォルト・ディレクトリの順に検索されます。