コマンドライン・インタフェースについて説明します。
構文
tadm
コマンドライン・ユーティリティの使用方法は、次のとおりです。
tadm --version|-V
CLIのバージョンを表示します。
tadm --help|-?
このページをテキスト形式で表示します。
tadm
help
|-?
このページをテキスト形式で表示します。
tadm --user|-u admin-user [--password-file|-w] [admin-passwd-file] [--host|-h admin-host] [--port|-p admin-port] [[--rcfile|-R rcfile]
: tadm
をシェル・モードで起動します。
tadm
subcommand
--help
指定されたサブコマンドのヘルプを表示します。
tadm
subcommand
options
指定されたサブコマンドの使用構文を表示します。
プレーン・テキスト: テキストをそのまま入力します。
例: option
イタリック体のテキスト: オプションまたはオペランドの値のプレースホルダです。CLIコマンドを実行する場合、このようなプレースホルダは適切な値に置き換える必要があります。
例: parameter
大カッコ内のテキスト: オプションの引数です。
例: [argument
]
大カッコ内のテキストに続くアスタリスク(*): オプションの引数です。複数のインスタンスを指定できます。
例: [argument
]*
テキストに続くプラス記号(+): 必須の引数です。複数のインスタンスを指定できます。
例: [argument
]+
テキスト間の縦線記号(|): オプションの値です。いずれか1つを指定します。
例: opt1|opt2
説明
コマンドライン・インタフェース(CLI)によって、Oracle Traffic Directorを構成および管理できます。コマンドライン・ツールのtadm
を使用して、管理コマンドを実行します。
tadm
は、スタンドアロン・モード、シェル・モードまたはファイル・モードで起動できます。
スタンドアロン・モード - スタンドアロン・モードでは、目的のコマンド、オプションおよびオペランドを指定してCLIを直接起動できます。コマンドが完了すると、CLIはシェルに戻ります。
---------------------------------------------------------
シェル・モード - シェル・モードでは、tadm
内に埋め込まれたシェルからCLIを起動できます。コマンドが完了すると、CLIはシェルに戻ります。シェルを終了するには、exit
またはquit
と入力します。シェル・モードに移行する場合、user
、password
およびport
の各オプションが必須です。ポートの詳細を指定しないと、デフォルト・ポートが使用されます。デフォルト・ポート番号は8989です。
例:
---------------------------------------------------------
$ tadm --user=admin --port=8081 --password-file=./admin.passwd
tadm> list-configs
www.example.org
--------------------------------------------------------
ファイル・モード - ファイル・モードでは、有効なコマンドのリストを含むプレーン・テキストを作成できます。ファイル・モードでは、tadm
の起動時にuser
とpassword-file
が受け入れられます。
例:
---------------------------------------------------------
$ cat sample.tcl
set tadm::command false
set x [list-configs
]
puts $x
$ tadm --user=admin --password-file=./admin.passwd --commands-file=sample.tcl
--------------------------------------------------------
tadm変数
次のtadm
変数を設定して、tadm
の全体的な動作を変更することもできます。
tadm::command
: (ファイル・モード専用)すべてのコマンドをstdout
およびstderr
に出力できます。この変数をtrue
に設定すると、例外が発生してもコマンドの実行は停止されず、かわりに例外はstdout
に出力されて次のコマンドが実行されます。この変数はコマンド・ファイルに設定できます。
-------------------------------------------------------
$ cat commands.tcl
set tadm::command true
set x [list-configs
]
puts $x
この例で、commands.tcl
は有効なコマンドのリストを含むファイルの名前です。
--------------------------------------------------------
tadm::savehist
: (シェル・モード専用)true
に設定すると、実行するすべてのtadm
コマンドがtadm::histfile
ファイルに保存されます。tadm::histfile
は、ホーム・ディレクトリに保存されます。tadm
環境にこの変数を設定するには、tadm set tadm::savehist true
コマンドを使用します。
tadm::file
: ファイル・モードでtadm
コマンドを実行する場合、この変数をtrue
に設定します。
tadm::tokenize
: true
に設定すると、tadm
によってTCL対応形式のログ・ファイルが解析されます。
tadm::log_date_format
: この変数を使用して、ログ・ファイルの日付書式を定義します。デフォルトの書式はMM/dd/yyyy:HH:mm:ss
です。
tadm::date_format
: この変数を使用して、ユーザーが日付を入力できる日付書式を定義します。デフォルト値は、現在のロケールの日付書式です。
tadm::property_separator
: この変数を使用して、プロパティのセパレータを定義します。デフォルト値は等号(=)です。たとえば、tadm> set tadm::property_separator :
と入力します。
tadm::field_separator
: この変数を使用して、フィールドまたは列のセパレータを定義します。デフォルト値は空白( )です。たとえば、tadm> set tadm::field_separator |
と入力します。
tadm::field_format
: この変数を使用して、フィールドまたは列の表示形式を定義します。デフォルト値は%-15s
です。たとえば、tadm> set tadm::field_format %-15s|
と入力します。
共通オプション
共通オプションという用語は、このドキュメントとCLIのmanページで次のオプションを表す場合に使用されます。
--user
、--port
、--host
など、管理サーバーに接続するために必要なオプション。シェル・モードでは、これらのオプションを指定する必要はありません。
--echo
や--verbose
など、複数のコマンドに共通のオプション。
次に、共通オプションの完全なリストを示します。
--user|-u
権限のあるOracle Traffic Director管理者のユーザー名を指定します。
注意: --user|-u オプションは、次のCLIコマンドでは必須ではありません。
|
--password-file|-w
パスワード・ファイルの名前と場所を指定します。パスワード・ファイルには、管理サーバーを対象に管理者を認証するためのパスワードが含まれます。管理パスワードとは別に、bind-password
、user-password
、token-pin
などの他のパスワードを指定することもできます。このオプションを指定しない場合、コマンドの実行時にパスワードの入力を求められます。また、指定されたパスワード・ファイルに必須パスワードが記載されていない場合も、パスワードの入力を求められます。
サンプルのパスワード・ファイルは次のとおりです。
tadm_password=tadm-password tadm_bind_password=bind-password tadm_user_password=user-password tadm_token_pin=token-pin tadm_new_token_pin=new-token-password tadm_admin_password=admin-password tadm_<token_name>=token-pin
注意: tadm_<token_name> は、start-instance コマンドでのみ使用できます。tadm_<token_name> を使用して複数のトークンPINを設定し、複数のノードでインスタンスを起動できます。
たとえば、 |
--host|-h
管理サーバーが実行されているコンピュータの名前を指定します。デフォルト・ホストはlocalhost
です。
注意: このオプションは、管理サーバーにリモート接続する場合にのみ必要です。--host|-h オプションは、reset-admin-password コマンドの実行時には必要ありません。 |
--port|-p
管理サーバーのSSLポート番号を指定します。デフォルト・ポートは8989
です。
注意: --port|-p オプションは、reset-admin-password コマンドの実行時には必要ありません。
|
--no-ssl|-N
このオプションを指定して、管理サーバーと通信するためにプレーン・テキスト接続を使用します。デフォルト接続はSSL
です。
--rcfile|-R
tadm
の起動時にロードする必要のあるrcfile
の名前を指定します。デフォルト・ファイルは~/.tadmrc
です。.tadmrc
ファイルは、コマンドの実行前にロードされるTCLファイルです。オプション名のハイフン(-)をアンダースコア(_)に変更してtadm
という接頭辞を付けることで、長いオプションを変数として使用できます。次に例を示します。
--config
は、set tadm_config config1
として設定できます。
--key-type
は、set tadm_key_type ecc
として設定できます。
サンプルのrcfile
は次のとおりです。
set tadm_config sampleconfig set tadm_password mypassword set tadm_nodehost sample.mail.com
--echo|-e
このオプションを指定して、実行前に標準出力にこのコマンドを出力します。このオプションでは、コマンドに指定していない必須以外のすべてのオプションのデフォルト値も出力されます。
--no-prompt|-Q
このオプションを指定すると、tadm
では、このコマンドの実行時にパスワードの入力が求められません。このオプションは、パスワード・ファイルにすべてのパスワードを定義しており、--password-file
オプションを使用してそのファイルを指定している場合に使用します。
--verbose|-v
このオプションを指定すると、詳細な出力を表示できます。
--command|-C
tadm
コマンドのリストを含むコマンド・ファイルの名前を指定します。コマンド・ファイルの詳細は、ファイル・モードの説明を参照してください。