Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド 11gリリース1 (11.1.1) B66703-08 |
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この章では、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備方法について説明します。推奨されるディレクトリ構造とその場所に関する情報を示し、共有記憶域の構成手順も説明します。
この章には次の項が含まれます:
ファイル・システムの設定では、構成と管理が容易でわかりやすいエンタープライズ・デプロイメントを作成できるようにすることが重要です。この章の情報に従ってファイル・システムを設定することをお薦めします。この章で定義されている用語は、このガイド内のダイアグラムおよび手順で使用されます。
この章を参照情報として使用すると、インストールおよび構成手順で使用されているディレクトリ変数について理解できます。その他のディレクトリ・レイアウトも可能であり、サポートされていますが、このマニュアルで採用するモデルは、可用性を最大化するために選択されており、コンポーネントの最良の独立性と構成の対称性の両方を実現し、バックアップおよび災害からのリカバリを容易にします。ドキュメントの残りの部分では、このディレクトリ構造およびディレクトリ用語を使用します。
この項では、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントを構成するためにこのガイドで使用されるディレクトリ環境変数について説明します。Oracle WebCenter Contentには2つの異なるドメイン設定があります。1つはOracle WebCenter Contentドメイン用で、もう1つはWebCenter Contentユーザー・インタフェースのドメイン用です。2つのドメインはファイルシステム・レイアウトが異なっています。
表4-1に、このガイド全体でアプリケーション層のディレクトリを表すディレクトリ変数を示します。
表4-1 Oracle WebCenter Contentドメインにあるアプリケーション層のディレクトリ変数
ディレクトリ変数 | 説明 | 参照トポロジのアプリケーション層のディレクトリ |
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Oracle Fusion Middleware製品のインストール・ファイルおよび構成ファイルへのディレクトリ・パス。 |
または
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Oracle Fusion Middleware製品がインストールされる、Middlewareホームへのディレクトリ・パス。Middlewareホームには、WebLogic Serverホーム(WL_HOME)、Oracle共通ホーム(ORACLE_COMMON_HOME)、オプションで、JDKホーム( Middlewareホームは、ローカル・ファイル・システム上、またはネットワーク・ファイル・システム(NFS)経由でアクセス可能なリモートの共有ディスク上に配置できます。 |
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WebLogic Serverホームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle WebLogic Serverにインストールされたファイルが含まれています。 |
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Oracle WebCenter ContentがインストールされているOracleホームへのディレクトリ・パス。 |
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Oracle SOA SuiteがインストールされているOracleホームへのディレクトリ・パス。 |
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ドメインのOracle共通フォームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびOracle Java Required Files (JRF)に必要なバイナリ・ファイルとライブラリ・ファイルが含まれています。 |
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Oracle JRockitまたは別のJDKがインストールされている場所です。 |
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WebLogic Server管理サーバーのドメイン構成のプライマリ・ロケーションへのディレクトリ・パス。ドメイン情報および構成アーティファクトが格納されています。各種のOracle WebLogic Serverは、同じノード内にある場合でも異なるドメイン・ディレクトリを使用できます。 |
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WebLogic Server管理対象サーバーのドメイン構成のプライマリ・ロケーションへのディレクトリ・パス。ドメイン情報および構成アーティファクトが格納されています。各種のOracle WebLogic Serverは、同じノード内にある場合でも異なるドメイン・ディレクトリを使用できます。 管理対象サーバーの起動および停止に使用されるドメイン構成のコピーです。 |
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各ノードに対してローカルな管理サーバーおよび管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所へのディレクトリ・パス。 |
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表4-2に、このガイド全体でOracle Web層のディレクトリを表すディレクトリ変数を示します。
表4-2 Oracle Web層のディレクトリ変数
ディレクトリ変数 | 説明 | Oracle Web層のサンプル値 |
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Oracle Web層のOracleホームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle Web層のインストールに必要なバイナリ・ファイルおよびライブラリ・ファイルが含まれています。 |
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Oracleインスタンス・ディレクトリへのディレクトリ・パス。これには更新可能なファイルがあります。それらのファイルの例には、構成ファイル、ログ・ファイル、一時ファイルなどがあります。Oracleインスタンスには、Oracle Web Cache、Oracle HTTP Server、Oracle Internet Directoryなど、システム・コンポーネントが1つ以上含まれています。 |
または
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Webゲート・インストールへのディレクトリ・パス。 |
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表4-3に、このガイド全体でWebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインのアプリケーション層のディレクトリを表すディレクトリ変数を示します。
表4-3 WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインにあるアプリケーション層のディレクトリ変数
ディレクトリ変数 | 説明 | アプリケーション層のサンプル値 |
---|---|---|
Oracle Fusion Middleware製品がインストールされる、Middlewareホームへのディレクトリ・パス。Middlewareホームには、WebLogic Serverホーム(WCCUI_WL_HOME)、Oracle共通ホーム(WCCUI_ORACLE_COMMON_HOME)、オプションで、JDKホーム( Middlewareホームは、ローカル・ファイル・システム上、またはネットワーク・ファイル・システム(NFS)経由でアクセス可能なリモートの共有ディスク上に配置できます。 |
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WebLogic Serverホームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle WebLogic Serverにインストールされたファイルが含まれています。 |
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ドメインのOracle共通フォームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびOracle Java Required Files (JRF)に必要なバイナリ・ファイルとライブラリ・ファイルが含まれています。 |
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Oracle JRockitまたは別のJDKがインストールされている場所です。値 |
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WebLogic Server管理サーバーのドメイン構成のプライマリ・ロケーションへのディレクトリ・パス。ドメイン情報および構成アーティファクトが格納されています。各種のOracle WebLogic Serverは、同じノード内にある場合でも異なるドメイン・ディレクトリを使用できます。 |
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WebLogic Server管理対象サーバーのドメイン構成のプライマリ・ロケーションへのディレクトリ・パス。ドメイン情報および構成アーティファクトが格納されています。各種のOracle WebLogic Serverは、同じノード内にある場合でも異なるドメイン・ディレクトリを使用できます。 管理対象サーバーの起動および停止に使用されるドメイン構成のコピーです。 |
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各ノードに対してローカルな管理サーバーおよび管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所へのディレクトリ・パス。 |
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ヒント: この項で説明している場所には、ショートカットとして環境変数を使用し、ディレクトリに簡単に移動できます。たとえば、$MW_HOME と呼ばれる環境変数を使用すると、/u01/oracle/products/fmw_home (すなわち、ディレクトリ・パスでMW_HOME で表される、Middlewareホームの推奨の場所)を参照できます。 |
次の図および表に、推奨ディレクトリ構造と共有記憶域を示します。
図4-1に、管理サーバー・ドメイン・ディレクトリのディレクトリ構造を示します。
図4-1 製品バイナリおよびASERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト(共有記憶域)
図4-2に、管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリのディレクトリ構造を示します。
図4-3に、Web層のディレクトリ構造を示します。
図4-4に、WebCenter Contentユーザー・インタフェースの管理サーバー・ドメイン・ディレクトリのディレクトリ構造を示します。
図4-4 WebCenter Contentユーザー・インタフェースの製品バイナリおよびASERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト(共有記憶域)
図4-5に、WebCenter Contentユーザー・インタフェースの管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリのディレクトリ構造を示します。
図4-5 WebCenter Contentユーザー・インタフェースのMSERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト
表4-4は、記憶域を共有するOracle WebCenter ContentおよびOracle SOA Suiteの管理対象サーバーを含むOracle WebLogic Serverドメインのディレクトリ構造を要約しています。
表4-4 Oracle WebCenter Contentドメインの共有記憶域の内容
WebLogic Server | データのタイプ | 共有記憶域のボリューム | マウント・ポイント | ファイルおよび サブディレクトリ |
マウント・ホスト |
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WCCHOST1上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー |
FMW製品のインストール |
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このボリュームはWCCHOST1のローカル記憶域としてマウントされます。 |
WCCHOST1 |
WCCHOST2上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー |
FMW製品のインストール |
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このボリュームはWCCHOST2のローカル記憶域としてマウントされます。 |
WCCHOST2 |
管理サーバー |
ドメイン |
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この共有ボリュームは、管理サーバー・ドメイン構成およびクラスタ関連のサブディレクトリに使用されます。(WCCHOST1およびWCCHOST2が |
WCCHOST1 |
WLS_WCC1、WLS_IBR1、WLS_SOA1、WLS_IMG1、WLS_CPT1 |
ドメイン構成 |
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このボリュームはOraInventoryおよび管理対象サーバー・ドメイン構成のローカル記憶域としてマウントされます。WCCHOST1が |
WCCHOST1 |
WLS_WCC2、WLS_IBR2、WLS_SOA2、WLS_IMG2、WLS_CPT2 |
ドメイン構成 |
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このボリュームはOraInventoryおよび管理対象サーバー・ドメイン構成のローカル記憶域としてマウントされます。WCCHOST2が |
WCCHOST2 |
Oracle Web Tier |
Web層 |
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このボリュームはOHSインストールのローカル記憶域にマウントされます。WCCHOST1が |
WEBHOST1 |
Oracle Web Tier |
Web層インストールおよび |
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このボリュームはOHSインストールのローカル記憶域にマウントされます。WCCHOST2が |
WEBHOST2 |
表4-5は、WebCenter Contentユーザー・インタフェースを含むOracle WebLogic Serverドメインのディレクトリ構造を要約しています。
表4-5 WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインの共有記憶域の内容
WebLogic Server | データのタイプ | 共有記憶域のボリューム | マウント・ポイント | ファイルおよび サブディレクトリ |
マウント・ホスト |
---|---|---|---|---|---|
WCCUIHOST1上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー |
FMW製品のインストール |
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u01/oracle/products |
このボリュームはWCCUIHOST1のローカル記憶域としてマウントされます。 |
WCCUIHOST1 |
WCCUIHOST2上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー |
FMW製品のインストール |
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u01/oracle/products |
このボリュームはWCCUIHOST2のローカル記憶域としてマウントされます。 |
WCCUIHOST2 |
管理サーバー |
ドメイン |
|
u01/oracle/config |
この共有ボリュームは、管理サーバー・ドメイン構成に使用されます。(WCCUIHOST1およびWCCUIHOST2が |
WCCUIHOST1 WCCUIHOST2 |
WLS_WCCUI1 |
ドメイン構成 |
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/u02/oracle |
このボリュームはOraInventoryおよび管理対象サーバー・ドメイン構成のローカル記憶域としてマウントされます。(WCCUIHOST1が |
WCCUIHOST1 |
WLS_WCCUI2 |
ドメイン構成 |
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/u02/oracle |
このボリュームはOraInventoryおよび管理対象サーバー・ドメイン構成のローカル記憶域としてマウントされます。(WCCHOST2が |
WCCUIHOST2 |
次の各項では、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジで共有記憶域を使用するための基本的な推奨事項についていくつか説明します。
次の項では、Oracle Fusion Middleware Oracleホーム・ディレクトリで共有記憶域を使用するためのガイドラインについて説明します。
Oracle Fusion Middleware製品をインストールする際には、Oracleホームに製品バイナリをインストールします。Oracleホームにインストールされたバイナリ・ファイルは読取り専用で、Oracleホームにパッチをあてるか、新しいバージョンにアップグレードするまで変更されません。
通常の本番環境では、Oracleホーム・ファイルはドメイン構成ファイルとは別の場所に保存されます。その場所は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して作成されます。
Oracle Fusion Middlewareインストール用のMiddlewareホームには、Oracle WebLogic Serverのバイナリ、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ・ファイルおよび任意のOracle Fusion Middleware製品固有のディレクトリが含まれています。
Oracle Fusion Middleware Oracleホームの構造と内容の詳細は、Oracle Fusion Middlewareコンセプトを参照してください。
Oracle Fusion Middlewareでは、1つのOracleホームから複数のOracle WebLogic Serverドメインを構成できます。これにより、共有ボリューム上の1つの場所にOracleホームをインストールしたり、複数のホストをインストールするためにOracleホストを再利用したりすることもできます。
注意: 管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリは、ローカルまたは共有記憶域に配置できます。WebCenter Content管理対象サーバーやInbound Refinery管理対象サーバーで共有記憶域を使用する場合、各管理対象サーバーはノード固有のファイルを使用するため、これらのサーバーで別々のボリュームを使用する必要があります。 |
Middlewareホームが異なるホスト上の複数のサーバーにより共有されている場合、留意するべきいくつかのベスト・プラクティスがあります。特に、整合性およびパッチの適用のため、各ホストにあるOracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory
)が更新されていることを確認してください。
ホストのoraInventory
を更新して、Middlewareホームを共有記憶域に追加するには、次のコマンドを使用します。
MW_HOME/oui/bin/attachHome.sh
エンタープライズ・デプロイメントのOracle WebCenter Contentの参照トポロジで、MW_HOME
は/u01/oracle/products/fmw_home
ディレクトリです。
Oracleインベントリの詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』のOracle Universal Installerインベントリに関する項を参照してください。
可用性を最大限にするには、共有記憶域での冗長バイナリ・インストールの使用をお薦めします。
このモデルでは、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの2つの同じMiddlewareホームを2つの異なる共有ボリュームにインストールします。まず、Middlewareホームの1つをサーバーの1セットにマウントし、もう一方を残りのサーバーにマウントします。いずれのMiddlewareホームも同じマウント・ポイントを持つため、サーバーがどのMiddlewareホームを使用しているかにかかわらず、Middlewareホームは常に同じパスを持ちます。
一方のMiddlewareホームが破損または使用不可になっても、影響を受けるのは半分のサーバーのみです。さらに保護を強化するために、これらのボリュームでディスクをミラー化することをお薦めします。
共有記憶域で個別ボリュームが使用不可の場合、同じボリューム内の別々のディレクトリを使用して個別ボリュームをシミュレートしたり、ホスト側の同じマウント場所に個別ボリュームをマウントしたりすることをお薦めします。これによって複数ボリュームが提供するような保護が保証されるわけではありませんが、ユーザーによる削除や個々のファイルの破損からの保護は可能になります。
次の項では、エンタープライズ・デプロイメントでOracle Fusion Middleware製品を構成する際に作成するOracle WebLogic Serverドメイン構成ファイルで共有記憶域を使用するためのガイドラインについて説明します。
Oracle Fusion Middleware製品を構成すると、Oracle WebLogic Serverドメインが作成または拡張されます。各Oracle WebLogic Serverドメインは、1つの管理サーバーおよび1つ以上の管理対象サーバーで構成されます。
Oracle WebLogic Serverドメインの詳細は、Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解を参照してください。
エンタープライズ・デプロイメントでは、ドメインの管理対象サーバーがアクティブ/アクティブ型の高可用性のために構成される場合があることを理解しておく必要があります。ただし管理対象サーバーは構成できません。管理サーバーはシングルトン・サービスです。つまり、常に1つのホストのみでアクティブになります。
ドメイン構成ファイルのコピーを2つ作成することをお薦めします。
コピーのうち1つは管理サーバーの構成ファイル用です。
共有記憶域にこのディレクトリをインストールし、管理サーバーを実行しているホストに排他的にマウントします。
ホストで障害が発生した場合に、このディレクトリを別のホストにマウントし、そのホストで管理サーバーを起動できます。
もう一方のコピーは管理対象サーバーの構成ファイル用です。
管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリは、ローカルまたは共有記憶域に配置できます。WebCenter Content管理対象サーバーやInbound Refinery管理対象サーバーで共有記憶域を使用する場合、次に示すように、各管理対象サーバーはノード固有のファイルを使用するため、これらのサーバーで別々のボリュームを使用する必要があります。
WebCenter Contentでは、MSERVER_HOME
/ucm/cs/bin/intradoc.cfg
を使用します。
参照トポロジで、MSERVER_HOME
は/u02/oracle/config/domains/WCCDomain
ディレクトリです。
Inbound Refineryでは、MSERVER_HOME
/ucm/ibr/bin/intradoc.cfg
を使用します。
管理対象サーバーがドメイン・ディレクトリを共有すると、スケール・アウト手順が容易になります。ただし、管理対象サーバーの構成ファイルを共有すると、パフォーマンスに影響する可能性もあります。
よって、デプロイメントではストレージ・システムの要件があればそれに適合させる必要があります。ストレージ・システムには、複数のマシンで同じ共有ボリュームのマウントが容易になるような構成オプションを提供するものもあります。
この参照トポロジで用意されている構成手順では、管理対象サーバーごとに各ノードのローカル・ドメイン・ディレクトリが使用されることを想定しています。
前述の前提条件に基づいて、次に示す各項目では推奨ディレクトリについて説明します。共有記憶域の場所が直接指定されている場合は必ず、そのディレクトリでは共有記憶域が必要とされることを意味します。ローカル・ディスクが使用されたり共有記憶域がオプションの場合、マウント指定では「共有記憶域を使用している場合」の語句で修飾されます。
共有記憶域は記憶域デバイスの共有(ボリューム)上のパスです。共有記憶域の場所は例であり、指定されたマウント・ポイントが使用されているかぎり変更できます。共有記憶域デバイスでは整合性と単純化のためこの構造をお薦めします。
Oracle WebCenter Contentドメインのディレクトリには、次のファイルシステムの場所をお薦めします。
/u01/oracle/products/fmw_home
注意: 共有記憶域に利用できるボリュームが1つしかない場合に、誤ってファイルを削除しないように、あるいはパッチを適用できるように、別のディレクトリを使用して冗長に構成することができます。2つのMiddlewareホームを利用可能にできます。たとえば、/u01/oracle/products/fmw_home1 ディレクトリおよび/u01/oracle/products/fmw_home2 ディレクトリです。これらのMiddlewareホームは、すべてのノードで同じマウント・ポイントにマウントされます。 |
/u01/oracle/products/fmw_home/wlserver_10.3
Oracle WebCenter Content Oracleホーム(WCC_ORACLE_HOME
)
/u01/oracle/products/fmw_home/wcc_home
Oracle共通ホーム(ORACLE_COMMON_HOME
)
/u01/oracle/products/fmw_home/oracle_common
管理サーバーのドメイン・ディレクトリ(ASERVER_HOME
)
/u01/oracle/config/domains/WCCDomain
Fusion Middleware構成ウィザードではWCCDomain
ディレクトリを追加します。
管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリ(MSERVER_HOME
)
/u02/oracle/config/domains/WCCDomain
Fusion Middleware構成ウィザードではWCCDomain
ディレクトリを追加します。
JMSファイルベースのストアおよびtlogを含む、すべてのコンポーネントのクラスタ関連ファイルの場所
すべてのコンポーネントのクラスタ関連のファイルおよびInbound Refineryファイルは、両方のホストにマウントした一方の共有記憶域にあります。各クラスタのサブディレクトリおよびInbound Refineryサーバーのサブディレクトリは、次のように、ASERVER_HOME
の下に作成されます。
/u01/oracle/config/domains/WCCDomain/WCC_Cluster /u01/oracle/config/domains/WCCDomain/SOA_Cluster /u01/oracle/config/domains/WCCDomain/IMG_Cluster /u01/oracle/config/domains/WCCDomain/CPT_Cluster /u01/oracle/config/domains/WCCDomain/IBR_Servers
参照トポロジで、ASERVER_HOME
は/u01/oracle/config/domains/WCCDomain
ディレクトリです。
管理サーバーおよび管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所
/u01/oracle/config/applications/WCCDomain
注意: このディレクトリは、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント環境ではローカルになります。intradoc.cfg などのドメイン内のいくつかのファイルは、各ノードに固有なため、Oracle WebCenter Content Serverの管理対象サーバーではドメイン・ディレクトリを共有できません。 |
Web層のOracleホーム(WT_ORACLE_HOME
)
/u02/oracle/products/fmw_home/web_home
注意: Web層のインストールは通常、WEBHOSTnノードのローカル記憶域で実行されます。共有記憶域を使用する場合は、層を横断する記憶域デバイスへのアクセスには、適切なセキュリティ制限をかける必要があります。 |
Oracle HTTP Server Oracleインスタンス(OHS_ORACLE_INSTANCE
)
/u02/oracle/products/fmw_home/ohs_instance_name
WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインのディレクトリには、次のファイルシステムの場所をお薦めします。
WebCenter Contentユーザー・インタフェースのMiddlewareホーム(WCCUI_MW_HOME
)
/u01/oracle/products/WCCUI_MW_HOME
WebCenter Contentユーザー・インタフェースのWebLogic Serverホーム(WCCUI_WL_HOME
)
/u01/oracle/products/WCCUI_MW_HOME/wlserver_10.3
WebCenter Contentユーザー・インタフェースのOracleホーム(WCCUI_ORACLE_HOME
)
/u01/oracle/products/WCCUI_MW_HOME/wccui_home
WebCenter Contentユーザー・インタフェースのOracle共通ホーム(WCCUI_ORACLE_COMMON_HOME
)
/u01/oracle/products/WCCUI_MW_HOME/oracle_common
管理サーバーのWebCenter Contentユーザー・インタフェースのドメイン・ディレクトリ (WCCUI_ASERVER_HOME
)
/u01/oracle/config/domains/WCCUIDomain
Fusion Middleware構成ウィザードではWCCUIDomain
ディレクトリを追加します。
管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリ(WCCUI_MSERVER_HOME
)
/u02/oracle/config/domains/WCCUIDomain
Fusion Middleware構成ウィザードではWCCUIDomain
ディレクトリを追加します。
JMSファイルベースのストアおよびtlogを含む、すべてのコンポーネントのクラスタ関連ファイルの場所
すべてのコンポーネントのクラスタ関連のファイルは、両方のホストにマウントした一方の共有記憶域にあります。次のように、WebCenter Contentユーザー・インタフェース・クラスタのサブディレクトリはWCCUI_ASERVER_HOME
に作成されます。
/u01/oracle/config/domains/WCCUIDomain/WCCUI_Cluster
WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインにある管理サーバーおよび管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所
/u01/oracle/config/applications/WCCUIDomain
次のコマンドを使用して共有記憶域の場所を作成しマウントすることで、WCCHOST1およびWCCHOST2からは別々の2つのボリュームのバイナリ・インストールが同じ場所に見えます。
注意: 共有記憶域のファイル・システムの作成に使用されるユーザーIDは、これらのファイルに対する読取り、書込みおよび実行権限を持ちます。オペレーティング・システム・グループにおける他のユーザーは、ファイルの読取りや実行は可能ですが、書込み権限はありません。インストールと構成の権限に関する詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のインストールと構成の権限およびユーザーに関する項を参照してください。 |
コマンドでnasfiler
は共有記憶域ファイラです。
mount nasfiler:/export/wcc_edg/vol1a /u01/oracle/products/fmw_home -t nfs
WCCHOST2から:
mount nasfiler:/export/wcc_edg/vol2a /u01/oracle/products/fmw_home -t nfs
共有ストレージの構成の検証
構成した共有記憶域にテスト・ファイルを作成し、新しくマウントしたディレクトリでファイルの読取りおよび書込みができることを確認します。
例:
cd newly_mounted_directory
touch testfile
所有者と権限が正しいことを確認します。
ls -l testfile
ファイルを削除します。
rm testfile