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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B66703-08
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4 エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備

この章では、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備方法について説明します。推奨されるディレクトリ構造とその場所に関する情報を示し、共有記憶域の構成手順も説明します。

この章には次の項が含まれます:

4.1 エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備の概要

ファイル・システムの設定では、構成と管理が容易でわかりやすいエンタープライズ・デプロイメントを作成できるようにすることが重要です。この章の情報に従ってファイル・システムを設定することをお薦めします。この章で定義されている用語は、このガイド内のダイアグラムおよび手順で使用されます。

この章を参照情報として使用すると、インストールおよび構成手順で使用されているディレクトリ変数について理解できます。その他のディレクトリ・レイアウトも可能であり、サポートされていますが、このマニュアルで採用するモデルは、可用性を最大化するために選択されており、コンポーネントの最良の独立性と構成の対称性の両方を実現し、バックアップおよび災害からのリカバリを容易にします。ドキュメントの残りの部分では、このディレクトリ構造およびディレクトリ用語を使用します。

4.2 ディレクトリ用語とディレクトリ環境変数

この項では、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントを構成するためにこのガイドで使用されるディレクトリ環境変数について説明します。Oracle WebCenter Contentには2つの異なるドメイン設定があります。1つはOracle WebCenter Contentドメイン用で、もう1つはWebCenter Contentユーザー・インタフェースのドメイン用です。2つのドメインはファイルシステム・レイアウトが異なっています。

表4-1に、このガイド全体でアプリケーション層のディレクトリを表すディレクトリ変数を示します。

表4-1 Oracle WebCenter Contentドメインにあるアプリケーション層のディレクトリ変数

ディレクトリ変数 説明 参照トポロジのアプリケーション層のディレクトリ

ORACLE_BASE

Oracle Fusion Middleware製品のインストール・ファイルおよび構成ファイルへのディレクトリ・パス。

/u01/oracle

または

/u02/oracle

MW_HOME

Oracle Fusion Middleware製品がインストールされる、Middlewareホームへのディレクトリ・パス。Middlewareホームには、WebLogic Serverホーム(WL_HOME)、Oracle共通ホーム(ORACLE_COMMON_HOME)、オプションで、JDKホーム(JAVA_HOME)、およびOracle Fusion Middlewareコンポーネントと製品用に1つ以上のOracleホーム(Oracle WebCenter Content (WCC_ORACLE_HOME)を含む)が含まれています。

Middlewareホームは、ローカル・ファイル・システム上、またはネットワーク・ファイル・システム(NFS)経由でアクセス可能なリモートの共有ディスク上に配置できます。

/u01/oracle/products/fmw_home

WL_HOME

WebLogic Serverホームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle WebLogic Serverにインストールされたファイルが含まれています。

/u01/oracle/products/fmw_home/wlserver_10.3

WCC_ORACLE_HOME

Oracle WebCenter ContentがインストールされているOracleホームへのディレクトリ・パス。

/u01/oracle/products/fmw_home/wcc_home

SOA_ORACLE_HOME

Oracle SOA SuiteがインストールされているOracleホームへのディレクトリ・パス。

/u01/oracle/products/fmw_home/soa

ORACLE_COMMON_HOME

ドメインのOracle共通フォームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびOracle Java Required Files (JRF)に必要なバイナリ・ファイルとライブラリ・ファイルが含まれています。

/u01/oracle/products/fmw_home/oracle_common

JAVA_HOME

Oracle JRockitまたは別のJDKがインストールされている場所です。

/u01/oracle/products/fmw_home/JRockit_version

ASERVER_HOME

WebLogic Server管理サーバーのドメイン構成のプライマリ・ロケーションへのディレクトリ・パス。ドメイン情報および構成アーティファクトが格納されています。各種のOracle WebLogic Serverは、同じノード内にある場合でも異なるドメイン・ディレクトリを使用できます。

/u01/oracle/config/domains/WCCDomain

MSERVER_HOME

WebLogic Server管理対象サーバーのドメイン構成のプライマリ・ロケーションへのディレクトリ・パス。ドメイン情報および構成アーティファクトが格納されています。各種のOracle WebLogic Serverは、同じノード内にある場合でも異なるドメイン・ディレクトリを使用できます。

管理対象サーバーの起動および停止に使用されるドメイン構成のコピーです。

/u02/oracle/config/domains/WCCDomain

APPLICATION_HOME

各ノードに対してローカルな管理サーバーおよび管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所へのディレクトリ・パス。

/u01/oracle/config/applications/WCCDomain


表4-2に、このガイド全体でOracle Web層のディレクトリを表すディレクトリ変数を示します。

表4-2 Oracle Web層のディレクトリ変数

ディレクトリ変数 説明 Oracle Web層のサンプル値

WT_ORACLE_HOME

Oracle Web層のOracleホームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle Web層のインストールに必要なバイナリ・ファイルおよびライブラリ・ファイルが含まれています。

/u02/oracle/products/fmw_home/web_home

ORACLE_INSTANCE

Oracleインスタンス・ディレクトリへのディレクトリ・パス。これには更新可能なファイルがあります。それらのファイルの例には、構成ファイル、ログ・ファイル、一時ファイルなどがあります。Oracleインスタンスには、Oracle Web Cache、Oracle HTTP Server、Oracle Internet Directoryなど、システム・コンポーネントが1つ以上含まれています。

/u02/oracle/config/web1

または

/u02/oracle/config/web2

WEBGATE_ORACLE_HOME

Webゲート・インストールへのディレクトリ・パス。

/u02/oracle/products/fmw_home/WebGate_home


表4-3に、このガイド全体でWebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインのアプリケーション層のディレクトリを表すディレクトリ変数を示します。

表4-3 WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインにあるアプリケーション層のディレクトリ変数

ディレクトリ変数 説明 アプリケーション層のサンプル値

WCCUI_MW_HOME

Oracle Fusion Middleware製品がインストールされる、Middlewareホームへのディレクトリ・パス。Middlewareホームには、WebLogic Serverホーム(WCCUI_WL_HOME)、Oracle共通ホーム(WCCUI_ORACLE_COMMON_HOME)、オプションで、JDKホーム(WCCUI_JAVA_HOME)、およびOracle Fusion Middlewareコンポーネントと製品用に1つ以上のOracleホームが含まれています(WebCenter Contentユーザー・インタフェースを含む)。

Middlewareホームは、ローカル・ファイル・システム上、またはネットワーク・ファイル・システム(NFS)経由でアクセス可能なリモートの共有ディスク上に配置できます。

/u01/oracle/products/fmw_home

WCCUI_WL_HOME

WebLogic Serverホームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle WebLogic Serverにインストールされたファイルが含まれています。

/u01/oracle/products/fmw_home/wlserver_10.3

WCCUI_ORACLE_COMMON_HOME

ドメインのOracle共通フォームへのディレクトリ・パス。これには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびOracle Java Required Files (JRF)に必要なバイナリ・ファイルとライブラリ・ファイルが含まれています。

/u01/oracle/products/fmw_home/oracle_common

WCCUI_JAVA_HOME

Oracle JRockitまたは別のJDKがインストールされている場所です。値

/u01/oracle/products/fmw_home/JRockit_version

WCCUI_ASERVER_HOME

WebLogic Server管理サーバーのドメイン構成のプライマリ・ロケーションへのディレクトリ・パス。ドメイン情報および構成アーティファクトが格納されています。各種のOracle WebLogic Serverは、同じノード内にある場合でも異なるドメイン・ディレクトリを使用できます。

/u01/oracle/config/domains/WCCUIDomain

WCCUI_MSERVER_HOME

WebLogic Server管理対象サーバーのドメイン構成のプライマリ・ロケーションへのディレクトリ・パス。ドメイン情報および構成アーティファクトが格納されています。各種のOracle WebLogic Serverは、同じノード内にある場合でも異なるドメイン・ディレクトリを使用できます。

管理対象サーバーの起動および停止に使用されるドメイン構成のコピーです。

/u02/oracle/config/domains/WCCUIDomain

WCCUI_APPLICATION_HOME

各ノードに対してローカルな管理サーバーおよび管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所へのディレクトリ・パス。

/u01/oracle/config/applications/WCCUIDomain



ヒント:

この項で説明している場所には、ショートカットとして環境変数を使用し、ディレクトリに簡単に移動できます。たとえば、$MW_HOMEと呼ばれる環境変数を使用すると、/u01/oracle/products/fmw_home (すなわち、ディレクトリ・パスでMW_HOMEで表される、Middlewareホームの推奨の場所)を参照できます。

4.3 ディレクトリ構造と構成

次の図および表に、推奨ディレクトリ構造と共有記憶域を示します。

図4-1に、管理サーバー・ドメイン・ディレクトリのディレクトリ構造を示します。

図4-1 製品バイナリおよびASERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト(共有記憶域)

図4-1の説明が続きます
「図4-1 製品バイナリおよびASERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト(共有記憶域)」の説明

図4-2に、管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリのディレクトリ構造を示します。

図4-2 MSERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト

図4-2の説明が続きます
「図4-2 MSERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト」の説明

図4-3に、Web層のディレクトリ構造を示します。

図4-3 ローカル記憶域のWeb層インスタンス・ディレクトリのファイル・レイアウト

図4-3の説明が続きます
「図4-3 ローカル記憶域のWeb層インスタンス・ディレクトリのファイル・レイアウト」の説明

図4-4に、WebCenter Contentユーザー・インタフェースの管理サーバー・ドメイン・ディレクトリのディレクトリ構造を示します。

図4-4 WebCenter Contentユーザー・インタフェースの製品バイナリおよびASERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト(共有記憶域)

図4-4の説明が続きます
「図4-4 WebCenter Contentユーザー・インタフェースの製品バイナリおよびASERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト(共有記憶域)」の説明

図4-5に、WebCenter Contentユーザー・インタフェースの管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリのディレクトリ構造を示します。

図4-5 WebCenter Contentユーザー・インタフェースのMSERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト

図4-5の説明が続きます
「図4-5 WebCenter Contentユーザー・インタフェースのMSERVERドメイン・ディレクトリのファイル・レイアウト」の説明

表4-4は、記憶域を共有するOracle WebCenter ContentおよびOracle SOA Suiteの管理対象サーバーを含むOracle WebLogic Serverドメインのディレクトリ構造を要約しています。

表4-4 Oracle WebCenter Contentドメインの共有記憶域の内容

WebLogic Server データのタイプ 共有記憶域のボリューム マウント・ポイント ファイルおよび
サブディレクトリ
マウント・ホスト

WCCHOST1上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー

FMW製品のインストール

VOL1a

/u01/oracle/products

このボリュームはWCCHOST1のローカル記憶域としてマウントされます。VOL1aには、WCCHOST1で実行されるWebLogic Serverが使用するインストール済バイナリ・ファイルおよびサブディレクトリがすべて含まれています。

WCCHOST1

WCCHOST2上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー

FMW製品のインストール

VOL1b

/u01/oracle/products

このボリュームはWCCHOST2のローカル記憶域としてマウントされます。VOL1bには、WCCHOST2で実行されるWebLogic Serverが使用するインストール済バイナリ・ファイルおよびサブディレクトリがすべて含まれています。

WCCHOST2

管理サーバー

ドメイン
構成

VOL1c

/u01/oracle/config

この共有ボリュームは、管理サーバー・ドメイン構成およびクラスタ関連のサブディレクトリに使用されます。(WCCHOST1およびWCCHOST2がVOL1cをマウントしています。)

WCCHOST1
WCCHOST2

WLS_WCC1、WLS_IBR1、WLS_SOA1、WLS_IMG1、WLS_CPT1

ドメイン構成

VOL1d

/u02/oracle

このボリュームはOraInventoryおよび管理対象サーバー・ドメイン構成のローカル記憶域としてマウントされます。WCCHOST1がVOL1dをマウントしています。

WCCHOST1

WLS_WCC2、WLS_IBR2、WLS_SOA2、WLS_IMG2、WLS_CPT2

ドメイン構成

VOL1e

/u02/oracle

このボリュームはOraInventoryおよび管理対象サーバー・ドメイン構成のローカル記憶域としてマウントされます。WCCHOST2がVOL1eをマウントしています。

WCCHOST2

Oracle Web Tier

Web層
インストールおよび
構成

VOL1f

/u02/oracle

このボリュームはOHSインストールのローカル記憶域にマウントされます。WCCHOST1がVOL1fをマウントしています。

WEBHOST1

Oracle Web Tier

Web層インストールおよび
構成

VOL1g

/u02/oracle

このボリュームはOHSインストールのローカル記憶域にマウントされます。WCCHOST2がVOL1gをマウントしています。

WEBHOST2


表4-5は、WebCenter Contentユーザー・インタフェースを含むOracle WebLogic Serverドメインのディレクトリ構造を要約しています。

表4-5 WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインの共有記憶域の内容

WebLogic Server データのタイプ 共有記憶域のボリューム マウント・ポイント ファイルおよび
サブディレクトリ
マウント・ホスト

WCCUIHOST1上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー

FMW製品のインストール

VOL2a

u01/oracle/products

このボリュームはWCCUIHOST1のローカル記憶域としてマウントされます。VOL2aには、WCCUIHOST1で実行されるWebLogic Serverが使用するインストール済バイナリ・ファイルおよびサブディレクトリがすべて含まれています。(WCCUIHOST1がVOL2aをマウントしています。)

WCCUIHOST1

WCCUIHOST2上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー

FMW製品のインストール

VOL2b

u01/oracle/products

このボリュームはWCCUIHOST2のローカル記憶域としてマウントされます。VOL2bには、WCCUIHOST2で実行されるWebLogic Serverが使用するインストール済バイナリ・ファイルおよびサブディレクトリがすべて含まれています。(WCCUIHOST2がVOL2bをマウントしています。)

WCCUIHOST2

管理サーバー

ドメイン
構成

VOL2c

u01/oracle/config

この共有ボリュームは、管理サーバー・ドメイン構成に使用されます。(WCCUIHOST1およびWCCUIHOST2がVOL2cをマウントしています。)

WCCUIHOST1

WCCUIHOST2

WLS_WCCUI1

ドメイン構成

VOL2d

/u02/oracle

このボリュームはOraInventoryおよび管理対象サーバー・ドメイン構成のローカル記憶域としてマウントされます。(WCCUIHOST1がVOL2dをマウントしています。)

WCCUIHOST1

WLS_WCCUI2

ドメイン構成

VOL2e

/u02/oracle

このボリュームはOraInventoryおよび管理対象サーバー・ドメイン構成のローカル記憶域としてマウントされます。(WCCHOST2がVOL2eをマウントしています。)

WCCUIHOST2


4.4 各種ディレクトリの推奨場所

次の各項では、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジで共有記憶域を使用するための基本的な推奨事項についていくつか説明します。

4.4.1 バイナリ(Oracleホーム)・ディレクトリ用の共有記憶域に関する推奨事項

次の項では、Oracle Fusion Middleware Oracleホーム・ディレクトリで共有記憶域を使用するためのガイドラインについて説明します。

4.4.1.1 バイナリ(Oracleホーム)・ディレクトリについて

Oracle Fusion Middleware製品をインストールする際には、Oracleホームに製品バイナリをインストールします。Oracleホームにインストールされたバイナリ・ファイルは読取り専用で、Oracleホームにパッチをあてるか、新しいバージョンにアップグレードするまで変更されません。

通常の本番環境では、Oracleホーム・ファイルはドメイン構成ファイルとは別の場所に保存されます。その場所は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して作成されます。

Oracle Fusion Middlewareインストール用のMiddlewareホームには、Oracle WebLogic Serverのバイナリ、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ・ファイルおよび任意のOracle Fusion Middleware製品固有のディレクトリが含まれています。

Oracle Fusion Middleware Oracleホームの構造と内容の詳細は、Oracle Fusion Middlewareコンセプトを参照してください。

4.4.1.2 複数のドメインによる単一のOracleホームの共有について

Oracle Fusion Middlewareでは、1つのOracleホームから複数のOracle WebLogic Serverドメインを構成できます。これにより、共有ボリューム上の1つの場所にOracleホームをインストールしたり、複数のホストをインストールするためにOracleホストを再利用したりすることもできます。


注意:

管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリは、ローカルまたは共有記憶域に配置できます。WebCenter Content管理対象サーバーやInbound Refinery管理対象サーバーで共有記憶域を使用する場合、各管理対象サーバーはノード固有のファイルを使用するため、これらのサーバーで別々のボリュームを使用する必要があります。

Middlewareホームが異なるホスト上の複数のサーバーにより共有されている場合、留意するべきいくつかのベスト・プラクティスがあります。特に、整合性およびパッチの適用のため、各ホストにあるOracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)が更新されていることを確認してください。

ホストのoraInventoryを更新して、Middlewareホームを共有記憶域に追加するには、次のコマンドを使用します。

MW_HOME/oui/bin/attachHome.sh

エンタープライズ・デプロイメントのOracle WebCenter Contentの参照トポロジで、MW_HOME/u01/oracle/products/fmw_homeディレクトリです。

Oracleインベントリの詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』のOracle Universal Installerインベントリに関する項を参照してください。

4.4.1.3 冗長バイナリ(Oracleホーム)・ディレクトリの使用について

可用性を最大限にするには、共有記憶域での冗長バイナリ・インストールの使用をお薦めします。

このモデルでは、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの2つの同じMiddlewareホームを2つの異なる共有ボリュームにインストールします。まず、Middlewareホームの1つをサーバーの1セットにマウントし、もう一方を残りのサーバーにマウントします。いずれのMiddlewareホームも同じマウント・ポイントを持つため、サーバーがどのMiddlewareホームを使用しているかにかかわらず、Middlewareホームは常に同じパスを持ちます。

一方のMiddlewareホームが破損または使用不可になっても、影響を受けるのは半分のサーバーのみです。さらに保護を強化するために、これらのボリュームでディスクをミラー化することをお薦めします。

共有記憶域で個別ボリュームが使用不可の場合、同じボリューム内の別々のディレクトリを使用して個別ボリュームをシミュレートしたり、ホスト側の同じマウント場所に個別ボリュームをマウントしたりすることをお薦めします。これによって複数ボリュームが提供するような保護が保証されるわけではありませんが、ユーザーによる削除や個々のファイルの破損からの保護は可能になります。

4.4.2 ドメイン構成ファイル用の共有記憶域に関する推奨事項

次の項では、エンタープライズ・デプロイメントでOracle Fusion Middleware製品を構成する際に作成するOracle WebLogic Serverドメイン構成ファイルで共有記憶域を使用するためのガイドラインについて説明します。

4.4.2.1 Oracle WebLogic Server管理サーバーおよび管理対象サーバーのドメイン構成ファイルについて

Oracle Fusion Middleware製品を構成すると、Oracle WebLogic Serverドメインが作成または拡張されます。各Oracle WebLogic Serverドメインは、1つの管理サーバーおよび1つ以上の管理対象サーバーで構成されます。

Oracle WebLogic Serverドメインの詳細は、Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解を参照してください。

エンタープライズ・デプロイメントでは、ドメインの管理対象サーバーがアクティブ/アクティブ型の高可用性のために構成される場合があることを理解しておく必要があります。ただし管理対象サーバーは構成できません。管理サーバーはシングルトン・サービスです。つまり、常に1つのホストのみでアクティブになります。

4.4.2.2 管理サーバーおよび管理対象サーバーのドメイン構成ファイル用の共有記憶域の要件

ドメイン構成ファイルのコピーを2つ作成することをお薦めします。

  • コピーのうち1つは管理サーバーの構成ファイル用です。

    共有記憶域にこのディレクトリをインストールし、管理サーバーを実行しているホストに排他的にマウントします。

    ホストで障害が発生した場合に、このディレクトリを別のホストにマウントし、そのホストで管理サーバーを起動できます。

  • もう一方のコピーは管理対象サーバーの構成ファイル用です。

    管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリは、ローカルまたは共有記憶域に配置できます。WebCenter Content管理対象サーバーやInbound Refinery管理対象サーバーで共有記憶域を使用する場合、次に示すように、各管理対象サーバーはノード固有のファイルを使用するため、これらのサーバーで別々のボリュームを使用する必要があります。

    • WebCenter Contentでは、MSERVER_HOME/ucm/cs/bin/intradoc.cfgを使用します。

      参照トポロジで、MSERVER_HOME/u02/oracle/config/domains/WCCDomainディレクトリです。

    • Inbound Refineryでは、MSERVER_HOME/ucm/ibr/bin/intradoc.cfgを使用します。

    管理対象サーバーがドメイン・ディレクトリを共有すると、スケール・アウト手順が容易になります。ただし、管理対象サーバーの構成ファイルを共有すると、パフォーマンスに影響する可能性もあります。

    よって、デプロイメントではストレージ・システムの要件があればそれに適合させる必要があります。ストレージ・システムには、複数のマシンで同じ共有ボリュームのマウントが容易になるような構成オプションを提供するものもあります。

    この参照トポロジで用意されている構成手順では、管理対象サーバーごとに各ノードのローカル・ドメイン・ディレクトリが使用されることを想定しています。

4.4.3 参照トポロジでのディレクトリの場所

前述の前提条件に基づいて、次に示す各項目では推奨ディレクトリについて説明します。共有記憶域の場所が直接指定されている場合は必ず、そのディレクトリでは共有記憶域が必要とされることを意味します。ローカル・ディスクが使用されたり共有記憶域がオプションの場合、マウント指定では「共有記憶域を使用している場合」の語句で修飾されます。

共有記憶域は記憶域デバイスの共有(ボリューム)上のパスです。共有記憶域の場所は例であり、指定されたマウント・ポイントが使用されているかぎり変更できます。共有記憶域デバイスでは整合性と単純化のためこの構造をお薦めします。

4.4.3.1 Oracle WebCenter Contentドメインのディレクトリの場所

Oracle WebCenter Contentドメインのディレクトリには、次のファイルシステムの場所をお薦めします。

  • Middlewareホーム(MW_HOME)

    /u01/oracle/products/fmw_home
    

    注意:

    共有記憶域に利用できるボリュームが1つしかない場合に、誤ってファイルを削除しないように、あるいはパッチを適用できるように、別のディレクトリを使用して冗長に構成することができます。2つのMiddlewareホームを利用可能にできます。たとえば、/u01/oracle/products/fmw_home1ディレクトリおよび/u01/oracle/products/fmw_home2ディレクトリです。これらのMiddlewareホームは、すべてのノードで同じマウント・ポイントにマウントされます。

  • WebLogic Serverホーム(WL_HOME)

    /u01/oracle/products/fmw_home/wlserver_10.3
    
  • Oracle WebCenter Content Oracleホーム(WCC_ORACLE_HOME)

    /u01/oracle/products/fmw_home/wcc_home
    
  • Oracle共通ホーム(ORACLE_COMMON_HOME)

    /u01/oracle/products/fmw_home/oracle_common
    
  • 管理サーバーのドメイン・ディレクトリ(ASERVER_HOME)

    /u01/oracle/config/domains/WCCDomain
    

    Fusion Middleware構成ウィザードではWCCDomainディレクトリを追加します。

  • 管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリ(MSERVER_HOME)

    /u02/oracle/config/domains/WCCDomain
    

    Fusion Middleware構成ウィザードではWCCDomainディレクトリを追加します。

  • JMSファイルベースのストアおよびtlogを含む、すべてのコンポーネントのクラスタ関連ファイルの場所

    すべてのコンポーネントのクラスタ関連のファイルおよびInbound Refineryファイルは、両方のホストにマウントした一方の共有記憶域にあります。各クラスタのサブディレクトリおよびInbound Refineryサーバーのサブディレクトリは、次のように、ASERVER_HOMEの下に作成されます。

    /u01/oracle/config/domains/WCCDomain/WCC_Cluster
    /u01/oracle/config/domains/WCCDomain/SOA_Cluster
    /u01/oracle/config/domains/WCCDomain/IMG_Cluster
    /u01/oracle/config/domains/WCCDomain/CPT_Cluster
    /u01/oracle/config/domains/WCCDomain/IBR_Servers
    

    参照トポロジで、ASERVER_HOME/u01/oracle/config/domains/WCCDomainディレクトリです。

  • 管理サーバーおよび管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所

    /u01/oracle/config/applications/WCCDomain
    

    注意:

    このディレクトリは、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント環境ではローカルになります。intradoc.cfgなどのドメイン内のいくつかのファイルは、各ノードに固有なため、Oracle WebCenter Content Serverの管理対象サーバーではドメイン・ディレクトリを共有できません。

  • Web層のOracleホーム(WT_ORACLE_HOME)

    /u02/oracle/products/fmw_home/web_home
    

    注意:

    Web層のインストールは通常、WEBHOSTnノードのローカル記憶域で実行されます。共有記憶域を使用する場合は、層を横断する記憶域デバイスへのアクセスには、適切なセキュリティ制限をかける必要があります。

  • Oracle HTTP Server Oracleインスタンス(OHS_ORACLE_INSTANCE)

    /u02/oracle/products/fmw_home/ohs_instance_name
    

4.4.3.2 WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインのディレクトリの場所

WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインのディレクトリには、次のファイルシステムの場所をお薦めします。

  • WebCenter Contentユーザー・インタフェースのMiddlewareホーム(WCCUI_MW_HOME)

    /u01/oracle/products/WCCUI_MW_HOME
    
  • WebCenter Contentユーザー・インタフェースのWebLogic Serverホーム(WCCUI_WL_HOME)

    /u01/oracle/products/WCCUI_MW_HOME/wlserver_10.3
    
  • WebCenter Contentユーザー・インタフェースのOracleホーム(WCCUI_ORACLE_HOME)

    /u01/oracle/products/WCCUI_MW_HOME/wccui_home
    
  • WebCenter Contentユーザー・インタフェースのOracle共通ホーム(WCCUI_ORACLE_COMMON_HOME)

    /u01/oracle/products/WCCUI_MW_HOME/oracle_common
    
  • 管理サーバーのWebCenter Contentユーザー・インタフェースのドメイン・ディレクトリ (WCCUI_ASERVER_HOME)

    /u01/oracle/config/domains/WCCUIDomain
    

    Fusion Middleware構成ウィザードではWCCUIDomainディレクトリを追加します。

  • 管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリ(WCCUI_MSERVER_HOME)

    /u02/oracle/config/domains/WCCUIDomain
    

    Fusion Middleware構成ウィザードではWCCUIDomainディレクトリを追加します。

  • JMSファイルベースのストアおよびtlogを含む、すべてのコンポーネントのクラスタ関連ファイルの場所

    すべてのコンポーネントのクラスタ関連のファイルは、両方のホストにマウントした一方の共有記憶域にあります。次のように、WebCenter Contentユーザー・インタフェース・クラスタのサブディレクトリはWCCUI_ASERVER_HOMEに作成されます。

    /u01/oracle/config/domains/WCCUIDomain/WCCUI_Cluster
    
  • WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ドメインにある管理サーバーおよび管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所

    /u01/oracle/config/applications/WCCUIDomain
    

4.5 共有記憶域の構成

次のコマンドを使用して共有記憶域の場所を作成しマウントすることで、WCCHOST1およびWCCHOST2からは別々の2つのボリュームのバイナリ・インストールが同じ場所に見えます。


注意:

共有記憶域のファイル・システムの作成に使用されるユーザーIDは、これらのファイルに対する読取り、書込みおよび実行権限を持ちます。オペレーティング・システム・グループにおける他のユーザーは、ファイルの読取りや実行は可能ですが、書込み権限はありません。インストールと構成の権限に関する詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のインストールと構成の権限およびユーザーに関する項を参照してください。

コマンドでnasfilerは共有記憶域ファイラです。

WCCHOST1から:

mount nasfiler:/export/wcc_edg/vol1a /u01/oracle/products/fmw_home -t nfs

WCCHOST2から:

mount nasfiler:/export/wcc_edg/vol2a /u01/oracle/products/fmw_home -t nfs

共有ストレージの構成の検証

構成した共有記憶域にテスト・ファイルを作成し、新しくマウントしたディレクトリでファイルの読取りおよび書込みができることを確認します。

例:

cd newly_mounted_directory
touch testfile

所有者と権限が正しいことを確認します。

ls -l testfile

ファイルを削除します。

rm testfile