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Oracle® Fusion Middleware DICOMコンポーネントの構成と使用
11gリリース1 (11.1.1)
E49669-01
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3 WebCenter用のOracle DICOMコンポーネントのインストールおよび構成

WebCenter用のOracle DICOMコンポーネントは、ユーザーがコンテンツ・サーバーにDICOMコンテンツをチェックインして処理できるようにするサービスのコレクションです。この章では、DICOMコンポーネントをインストールして構成する方法について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

3.1 WebCenter用のOracle DICOMコンポーネントについて

DICOMコンポーネントには、コンテンツ・サーバー・リポジトリにDICOM画像をチェックインできるフィルタが含まれます。また、DICOM以外の画像ソースおよび対応するDICOM XMLメタデータからDICOM画像を作成することもできます。

次の図は、ユーザーがコンテンツ・サーバーにDICOMソース画像をチェックインする場合の例を示しています。

checkin_config.gifの説明が続きます
図checkin_config.gifの説明

チェックイン構成オプションに応じて、フィルタは次の1つ以上の処理手順を実行します。

フィルタは、その処理を完了すると、結果データを標準のコンテンツ・サーバー・チェックイン・サービスに渡します。

次の図は、同様のチェックイン・シナリオを示していますが、この例では、フィルタはDICOM以外のソース画像とXML形式のDICOMメタデータを結合して最初にソースDICOM画像を作成しています。

dicom_checkin.gifの説明が続きます
図dicom_checkin.gifの説明

3.2 WebCenter用のOracle DICOMコンポーネントのインストールおよび使用

この項では、コンテンツ・サーバーにコンポーネントをインストールして有効化する方法と、有効化後にコンポーネントを使用するための前提条件について説明します。内容は次のとおりです。

3.2.1 コンポーネントのインストールおよび有効化

WebCenter用のOracle DICOMコンポーネントは、OracleDicom.zipという1つのzipアーカイブ・ファイルとして配布されます。

コンテンツ・サーバー・インスタンスにコンポーネントをインストールして有効化するには、次の手順を実行します。

  1. メイン・メニューで、「管理」「管理サーバー」の順にクリックします。

  2. 画面の一番上にあるテキストの「拡張コンポーネント・マネージャ」リンクをクリックします。

  3. 「新規コンポーネントのインストール」プロンプトの横にある「参照」をクリックします。ファイルが格納されている場所に移動してOracleDicom.zipファイルを選択します。

  4. 「インストール」をクリックします。インストールされる要素が画面に表示されます。「続行」をクリックします。

  5. ファイルをインストールすると、情報ページが表示されます。リンクをクリックしてコンポーネントを有効化し、コンテンツ・サーバーを再起動します。

コンポーネントを有効化したら、WebCenter用のOracle DICOMコンポーネントを使用するために次の操作を実行します。

コンポーネントを初期化したら、オプションでそれを使用するために構成できます(3.3.1項「oracle_dicom_config.hdaファイルの編集」を参照)。

3.2.2 使用の前提条件

最初にWebCenter用のOracle DICOMコンポーネントを使用する前に、次の手順を実行する必要があります。

  1. FrameworkFoldersコンポーネントを有効化します。

  2. domain/ucm/cs/config/config.cfgファイルの次のパラメータを変更します。

    • AllowPrimaryMetaFileをTRUEに設定します。

    • SocketHostAddressSecurityFilter: DICOMアダプタがインストールされているWebLogic ServerのIPアドレスを追加します。

    • IntradocServerPort: IDCプロトコルで使用するポート番号(通常は4444)に値を設定します。

    • IsAutoNumberをTRUEに設定します。

  3. oracle_dicom_config.hdaファイルとoracle_dicom_meta_init.hdaファイルがdomain/ucm/cs/data/OracleDicomに存在することを確認します。このディレクトリは、最初のインストールの前には存在しないことに注意してください。このディレクトリを作成してそこに.hdaファイルをコピーする必要があります。

  4. 次の.jarファイルがJava CLASSPATHに存在することを確認します。これらのファイルは、OracleDicomインストール・ディレクトリの/libディレクトリに含まれます。jai*./jarをdomain/lib/ディレクトリにリンクまたはコピーしてから、WebLogicおよびWebCenter Contentサーバーを両方とも再起動します。

    • aurora.jar

    • orddcmmt.jar

    • clibwrapper_jiio.jar

    • ordimdcm.jar

    • jai_codec.jar

    • ordimimg.jar

    • jai_core.jar

    • ordim.jar

    • jai_imageio.jar

    • xmlparserv2.jar

3.3 コンポーネントのカスタマイズ

oracle_dicom_config.hdaおよびoracle_dicom_meta_init.hdaファイルは、OracleDicomコンポーネントのインストール・ディレクトリの/dataディレクトリに存在します。これらのファイルを編集して、コンポーネントをカスタマイズできます。

ユーザーは、これらのファイルを必要に応じて変更し、コンポーネントを有効化する前にdomain/ucm/cs/data/OracleDicom/ディレクトリにリンクまたはコピーできます。

3.3.1 oracle_dicom_config.hdaファイルの編集

構成ファイルは、WebCenter用のOracle DICOMコンポーネントの外観と動作を構成するために使用します。ファイルは、Oracle WebCenter Contentアプリケーション・データ・ファイルとしてフォーマットされ、domain/ucm/cs/data/OracleDicomのインスタンスに格納されます。ファイルの名前は、oracle_dicom_config.hdaです。

次の項目を前もってWebCenter Contentに作成し、必要に応じて構成ファイルで参照および使用できます。

  • DICOM画像またはメタデータのセキュリティ・グループ

  • 次の要素のドキュメント・タイプ

    • DICOM画像

    • DICOM XMLメタデータ

    • 新規作成されたDICOM画像

  • DICOMメタデータ・タグにマップされているカスタム・メタデータ・フィールド

  • DICOM画像またはメタデータが格納されているフォルダ

  • 生成されたWADOリンクにマップされているカスタム・メタデータ・フィールド

この項では、構成可能なoracle_dicom_config.hdaファイルのResultSetエントリについて説明します。

3.3.1.1 UCM_DICOM_MAP

このResultSetでは、コンテンツ・サーバーのカスタム・メタデータ・フィールドをDICOMメタデータ属性にマップする方法を指定します。これには、3つの列(コンテンツ・サーバーのカスタム・メタデータ・フィールドの名前、DICOMメタデータ・タグ、およびチェックイン時にDICOM画像からこのタグ値を抽出するかどうかを示すフラグ)が含まれます。

たとえば、コンテンツ・サーバーのカスタム・メタデータ・フィールドのDICOM_STUDY_INSTANCE_UIDをDICOM属性の(0020, 000D)にマップし、コンテンツ・サーバーのメタデータ・フィールドのDICOM_PATIENT_NAMEをDICOM属性の(0010, 0010)にマップするには、構成ファイルに次の行を含めます。

@ResultSet UCM_DICOM_MAP
3
ucm_metadata_name
dicom_metadata_tag
extracted
DICOM_STUDY_INSTANCE_UID
0020000D
1
DICOM_PATIENT_NAME
00100010
1
@end

3.3.1.2 ORACLE_DICOM_FILTER_ALLOWED_GROUPS

このResultSetでは、チェックインしたDICOM画像をDICOMコンポーネントで処理する場合のセキュリティ・グループのセットを指定します。次の例は、このResultSetを指定する方法を示しています。

@ResultSet ORACLE_DICOM_FILTER_ALLOWED_GROUPS
1
security_group_name
DICOMGroup
@end

3.3.1.3 ORACLE_DICOM_FILTER_ALLOWED_TYPES

このResultSetでは、DICOM画像のチェックイン時にDICOMコンポーネントによって処理するドキュメント・タイプのセットを指定します。次の例は、このResultSetを指定する方法を示しています。

@ResultSet ORACLE_DICOM_FILTER_ALLOWED_TYPES
1
doc_type_name
DICOM
@end

3.3.1.4 ORACLE_DICOM_FILTER_ALLOWED_CREATEDDICOM_TYPES

このResultSetでは、DICOM画像の作成で、チェックインしたDICOM以外のソース画像をDICOMコンポーネントによって処理する場合のドキュメント・タイプのセットを指定します。

これらのタイプは、対応するDICOM XMLメタデータを使用してJPEGなどのDICOM以外の画像ソースからDICOM画像を作成する場合に、チェックイン時に指定されます。次に、このResultSetの例を示します。

@ResultSet ORACLE_DICOM_FILTER_ALLOWED_CREATEDDICOM_TYPES
1
doc_type_name
CREATEDDICOM
@end

3.3.1.5 ORACLE_DICOM_FILTER_ALLOWED_XML_TYPES

このResultSetでは、DICOM XMLメタデータの生成で、チェックインしたDICOM画像をDICOMコンポーネントで処理する場合のドキュメント・タイプのセットを指定します。

これらのタイプは、ユーザーがチェックインしたソースDICOM画像に基づいてDICOM XMLメタデータ・ドキュメントを作成する場合に、チェックイン時に指定されます。次に、このResultSetの例を示します。

@ResultSet ORACLE_DICOM_FILTER_ALLOWED_XML_TYPES
1
doc_type_name
DICOMXML
@end

3.3.1.6 ORACLE_DICOM_IMAGE_CONFIG

このResultSetでは、DICOM画像のチェックイン時におけるDICOMコンポーネントの動作を構成する一連の属性/値ペアを指定します。ユーザーは、次の属性の値を設定できます。

  • DICOM_PREFIX: チェックイン時にDICOM画像に割り当てられるドキュメント・タイトルの接頭辞を表す文字列。

  • DICOM_SUFFIX: チェックイン時にDICOM画像に割り当てられるドキュメント・タイトルの接尾辞を表す文字列。

  • IF_DICOM_CHECKIN_PACS: DICOMアダプタから画像をチェックインする場合に元のDICOM画像を保持するかどうかを表すブール値。

  • IF_DICOM_CHECKIN_FILE: コンテンツ・サーバーのWebインタフェースから画像をチェックインする場合に元のDICOM画像を保持するかどうかを表すブール値。

  • IF_THUMBNAIL_CHECKIN: チェックインした元のDICOM画像のDICOM以外のプレビュー画像を生成するかどうかを表すブール値。

  • IF_THUMBNAIL_PRIMARY: チェックインした元のDICOM画像を保持しない場合に、プレビュー画像をドキュメントのプライマリ・ファイルにするかどうかを表すブール値。

  • IF_FILL_CUSTOM_METADATA: DICOMタグに対応するコンテンツ・サーバーのカスタム・メタデータ・フィールドに移入する目的で、チェックインしたDICOM画像からメタデータを抽出するかどうかを表すブール値。

  • THUMBNAIL_SUFFIX: DICOM画像のチェックイン時に生成されるプレビュー画像に割り当てられるドキュメント・タイトルの接尾辞を表す文字列。

  • THUMBNAIL_VERB: チェックインしたDICOM画像から画像プレビューを生成する方法を表す文字列。たとえば、JPEG画像プレビューを生成するには、この属性にfileFormat=jpegという値を指定します。

次に、これらのオプションに値を指定する例を示します。

@ResultSet ORACLE_DICOM_IMAGE_CONFIG
2
attribute_name
attribute_value
DICOM_PREFIX
dicom
DICOM_SUFFIX
.dcm
IF_DICOM_CHECKIN_PACS
true
IF_DICOM_CHECKIN_FILE
true
IF_THUMBNAIL_CHECKIN
true
IF_THUMBNAIL_PRIMARY
false
IF_FILL_CUSTOM_METADATA
true
THUMBNAIL_SUFFIX
.jpg
THUMBNAIL_VERB
fileFormat=jpeg
@end

3.3.1.7 ORACLE_DICOM_XML_CONFIG

このResultSetでは、DICOM XMLメタデータの生成で、DICOM画像のチェックイン時におけるDICOMコンポーネントの動作を構成する一連の属性/値ペアを指定します。ユーザーは、次の属性の値を設定できます。

  • SUFFIX: チェックイン時に生成されるDICOM XMLメタデータ・ファイルに割り当てられるドキュメント・タイトルの接尾辞を表す文字列。

  • IF_DICOM_CHECKIN: DICOM XMLメタデータ・ファイルを生成する場合に元のDICOM画像を保持するかどうかを表すブール値。

  • IF_XML_PRIMARY: チェックインした元のDICOM画像を保持しない場合に、DICOM XMLメタデータ・ファイルをドキュメントのプライマリ・ファイルにするかどうかを表すブール値。

  • IF_FILL_CUSTOM_METADATA: DICOMタグに対応するコンテンツ・サーバーのカスタム・メタデータ・フィールドに移入する目的で、チェックインしたDICOM画像からメタデータを抽出するかどうかを表すブール値。

次にこの結果セットの例を示します。

@ResultSet ORACLE_DICOM_XML_CONFIG
2
attribute_name
attribute_value
SUFFIX
.xml
IF_DICOM_CHECKIN
false
IF_XML_PRIMARY
true
IF_FILL_CUSTOM_METADATA
false
@end

3.3.1.8 ORACLE_DICOM_EXTRA_CONFIG

このResultSetでは、他のResultSet構成セクションで定義されていないDICOMコンポーネントによって使用される属性/値ペアのセットを指定します。現在のところ、有効な属性はOracleDicomWADOLinkのみです。この属性の値は、生成されたWADOリンクがDICOM画像のチェックイン時に格納されるコンテンツ・サーバーのカスタム・メタデータ・フィールドの名前を指定する文字列です。

次に、このResultSetの例を示します。

@ResultSet ORACLE_DICOM_EXTRA_CONFIG
2
attribute_name
attribute_value
OracleDicomWADOLink
ORACLE_DICOM_WADO_LINK
@end

3.3.2 oracle_dicom_meta_init.hdaファイル

oracle_dicom_meta_init.hdaファイルには、OracleDicomコンポーネントをインストールして有効化したときに作成されるカスタム・メタデータ・フィールドを指定するResultSetのUCM_DICOM_META_LISTが含まれます。

ResultSetのUCM_DICOM_META_LISTには、次の3つの列が含まれます。

  • ucm_dicom_metadata_name

  • ucm_dicom_metadata_caption

  • ucom_dicom_metadata_type

これらによって、作成されるカスタム・メタデータのキャプションとタイプをリストします。

たとえば、名前がDICOM_STUDY_DATE、キャプションがDICOM Study Date、タイプがDateであるカスタム・メタデータを作成するには、ResultSetに次の行を含めます。

@ResultSet UCM_DICOM_META_LIST
3
ucm_dicom_metadata_name
ucm_dicom_metadata_caption
ucm_dicom_metadata_type
DICOM_STUDY_DATE
DICOM Study Date
Date
@end