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Oracle® Fusion Middleware DICOMコンポーネントの構成と使用
11gリリース1 (11.1.1)
E49669-01
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2 Oracle DICOMプロトコル・アダプタのインストールおよび構成

Oracle DICOMプロトコル・アダプタは、Oracle DICOMプロトコル・アダプタ・スイートのコア・コンポーネントで、標準のDICOMクライアント(PACSやDICOMビューアなど)とWebCenter Contentの間のブリッジとして機能します。この章では、アダプタ、クローラおよびプロキシをインストールして構成する方法について説明します。

このドキュメントは、WebLogic Serverにアプリケーションをデプロイするプロセスについて読者がよく理解していることを前提としています。アプリケーション・デプロイメントの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイを参照してください。

この章の内容は、次のとおりです。

2.1 Oracle DICOMプロトコル・アダプタについて

Oracle DICOMプロトコル・アダプタは、3つのコンポーネントで構成されます。すべてのコンポーネントまたは選択したコンポーネントのみをWebLogic Serverにデプロイできます。

次の項で、各コンポーネントの概要について詳細に説明します。

コンポーネントのデプロイの詳細は、次の項を参照してください。

各コンポーネントの構成の詳細は、次の項を参照してください。

2.1.1 Oracle DICOMプロトコル・アダプタ

DICOMアダプタは、Oracle WebLogic ServerにResourceAdapterアプリケーションとしてデプロイされます。アダプタでは、次のDICOMプロトコル・ロールがサポートされます。

  • C-ECHO SCP

  • C-FIND SCP

  • C-MOVE SCP

  • C-STORE SCP

  • C-STORE SCU

これらのプロトコル・ロールの詳細は、2.1.1.1項「プロトコル・メッセージの処理」を参照してください。

次の図は、プロトコル・アダプタが他のDICOMクライアント(DICOMビューアやPACSなど)およびWebCenter Contentと相互作用する方法を示しています。この例は、PACSがDICOMアダプタに画像をプッシュしてコンテンツ・サーバーにチェックインする方法を示しています。また、DICOMビューアがDICOMアダプタを通じてコンテンツ・サーバーのDICOM画像を問い合せ、取得する方法も示しています。

viewer_adapter.gifの説明が続きます
図viewer_adapter.gifの説明

2.1.1.1 プロトコル・メッセージの処理

DICOMアダプタでは、DICOM規格で指定されているとおり、DICOMネットワーク・プロトコルの次の操作がサポートされます。DICOMクライアントは、DICOMアダプタにこれらのDICOMコマンドを発行して、コンテンツ・サーバーに格納されているDICOM画像コンテンツを問い合せ、取得できます。

  • C-ECHO: DICOMアダプタとDICOMクライアントの間の接続を確認するために使用されます。C-ECHOリクエストを受信すると、DICOMアダプタは、メッセージが受信されたことと、接続が良好であることを示すC-ECHOレスポンスを発行します。

  • C-MOVE: DICOMアダプタを問い合せ、C-MOVEリクエストで定義されている特定のメタデータ属性に一致する画像をコンテンツ・サーバー・リポジトリから取得するために使用されます(ワイルドカードがサポートされます)。

  • C-STORE: DICOMアダプタに画像を転送するために使用されます。DICOMアダプタは、C-STOREリクエストを受信すると、関連するDICOM画像を取得し、その画像をコンテンツ・サーバーにチェックインします。

  • C-FIND: DICOMアダプタを問い合せ、特定の問合せに一致するコンテンツ・サーバー・リポジトリの画像メタデータを取得するために使用されます。問合せではワイルドカードがサポートされます。

2.1.2 Oracle DICOMクローラ

Oracle DICOMクローラは、DICOMプロトコルを使用して定期的にPACSのセットを問い合せるDICOMアダプタのスケジュール・サービスで、新しいDICOM画像またはDICOMメタデータ(あるいはその両方)をコンテンツ・サーバーにインポートします。これは、Oracle WebLogic ServerにResourceAdapterアプリケーションとしてデプロイされます。

ユーザーは、ユーザー指定の検索基準に基づいて特定のDICOM画像を識別する目的で、PACSにDICOM C-FINDリクエストを定期的に発行するようにDICOMクローラを構成できます。DICOMクローラは、このような画像を識別すると、コンテンツ・サーバー・リポジトリに画像または画像のメタデータをチェックインするDICOMアダプタに各画像を転送するために、PACSにC-MOVEリクエストを発行します。次の図は、DICOMクローラ、PACSおよびDICOMアダプタ間におけるこれらのメッセージの交換方法を示しています。

crawler.gifの説明が続きます
図crawler.gifの説明

2.1.3 Oracle DICOM WADOプロキシ

Oracle DICOM WADOプロキシは、画像メタデータがコンテンツ・サーバー内に存在し、画像がPACSに含まれる場合にWADO形式のURLを通じてDICOM画像を取得するサービスです。

WADOプロキシは、Oracle WebLogic ServerにJAX-RSサーブレット・アプリケーションとしてデプロイされます。このプロキシは、特定のPACSから特定のDICOM画像を取得する操作に対応するHTTP GETリクエストをリスニングします。PACSのAEタイトルと画像の一意のSOPインスタンスUIDは、両方ともWADO URLの一部としてエンコードされます。WADO URLの形式は、次のとおりです。

http://hostname:port/dicom-net/resource/AE_TITLE /wado?requestType=WADO&studyUID=study_uid&seriesUID=series_uid &objectUID=instance_uid

プロキシは、このようなWADOリクエストを受信すると、画像を取得するために、対応するPACSにC-MOVEリクエストを発行します。プロキシは、発行したC-MOVEに対応するDICOM画像データを含むPACSからC-STOREリクエストを受信した後、WADOリクエストを発行したHTTPクライアントにDICOM画像データを渡します。

次の図は、WADOクライアントからのWADOリクエストを処理するために必要なメッセージのセットが様々なコンポーネント間でどのように交換されるかを示しています。また、PACSから取得されたDICOM画像のチェックイン時に、このタイプのWADO URLがどのように生成されるかも示しています。

proxy.gifの説明が続きます
図proxy.gifの説明

2.2 Oracle DICOMプロトコル・アダプタのデプロイ

Oracle DICOMプロトコル・アダプタをデプロイするには、次の複数の手順を実行する必要があります。

このドキュメントは、WebLogic Serverにアプリケーションをデプロイするプロセスについて読者がよく理解していることを前提としています。アプリケーション・デプロイメントの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイを参照してください。

2.2.1 アーカイブ・ファイルのデプロイ

Oracle DICOMプロトコル・アダプタは、2つのWebLogicエンタープライズ・アーカイブ・ファイルとして配布されます。

OrdDicomLibrary.earアーカイブには、アダプタを実行するために必要なすべてのJavaクラスと他のJavaライブラリが含まれます。

OrdDicomAdapter.earアーカイブは、OrdDicomLibrary.earアーカイブ・ファイルを参照し、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのコンポーネントに対して基本的なデプロイメント構成を提供するために必要なXMLディスクリプタおよび構成ファイルを含みます。

WebLogicにOrdDicomLibrary.earアーカイブをデプロイするには、次のようなコマンドを発行してweblogic.Deployerツールを使用します。

java weblogic.Deployer -upload -name OrdDICOM -source OrdDicomLibrary.ear
-targets [target_name] -adminurl [weblogic_admin_url] -user [weblogic_user]
-deploy -library

Oracle DICOMプロトコル・アダプタの個々のコンポーネントをデプロイするには、Java jarツールを使用してOrdDicomAdapter.earアーカイブのコンテンツを抽出します。次に、2.3項「Oracle DICOMプロトコル・アダプタの構成」の説明に従って、デプロイの前にXML構成ファイルを変更します。

アーカイブがoracle-dicomというディレクトリに抽出される場合、ディレクトリのファイル構造は次のようになります。

oracle-dicom/META-INF/MANIFEST.MF
oracle-dicom/META-INF/application.xml
oracle-dicom/META-INF/weblogic-application.xml
oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_adapter.jar
oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_adapter.rar
oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_crawler.jar
oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_crawler.rar
oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_wado.war
oracle-dicom/APP-INF/classes/ordim_adapter_config.xml
oracle-dicom/APP-INF/classes/ordim_crawler_config.xml
oracle-dicom/APP-INF/classes/ordim_wado_config.xml

oracle-dicom/APP-INF/classesディレクトリのXMLファイルは、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの各コンポーネントを構成するために使用されるファイルです。2.3.1項「DICOMアダプタの構成」2.3.2項「DICOMクローラの構成」および2.3.3項「DICOM WADOプロキシの構成」を参照してください。

oracle-dicom/APP-INF/lib/ディレクトリのアーカイブ・ファイルは、Oracle DICOMプロトコル・アダプタを構成するモジュールに対応します。

oracle-dicom/META-INF/ディレクトリのXMLファイルは、アプリケーションで使用されるすべてのモジュールおよびリソースを記述したWebLogicデプロイメント・ディスクリプタに対応します。

2.2.2 標準デプロイメント


重要:

OrdDicomLibrary.earライブラリは、Oracle DICOMプロトコル・アダプタをデプロイする前に、WebLogicと、コンテンツ・サーバーにインストールされているWebCenterのOracle DICOMコンポーネントにデプロイする必要があります。詳細は、2.2.1項「アーカイブ・ファイルのデプロイ」および3.2項「WebCenter用のOracle DICOMコンポーネントのインストールおよび使用」を参照してください。


Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つの各コンポーネントの単一インスタンスをデプロイするには、oracle-dicom/APP-INF/classes/ディレクトリのXMLファイルを編集します。

構成ファイルを変更してから、次のようなコマンドを発行してWebLogicにアプリケーションをデプロイします。この例では、OrdDicomLibrary.earアーカイブをoracle-dicomというディレクトリに抽出していると仮定します。

java weblogic.Deployer -upload -name OracleDicomAdapterSuite -source 'oracle-dicom' -targets myserver -adminurl [weblogic_admin_url] -user [weblogic_user] -deploy

このコマンドによって、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのコンポーネントがWebLogicにデプロイされ、それらが起動されます。

2.2.3 拡張デプロイメント

Oracle DICOMプロトコル・アダプタの各コンポーネントは、1つのエンタープライズ・アーカイブにまとめられていますが、すべてのコンポーネントを一度にデプロイする必要はありません。特定のコンポーネントの複数のインスタンスをデプロイすることや、特定のコンポーネントのインスタンスを1つもデプロイしないことが可能です。

META-INF/application.xmlファイルは、デプロイ時に有効化されるモジュールを記述します。次に、このファイルの例を示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<application xmlns="http://java.sun.com/xml/ns/javaee"
             xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
             xsi:schemaLocation="http://java.sun.com/xml/ns/javaee http://java.sun.com/xml/ns/javaee/application_5.xsd"
             version="5">
    <!-- Oracle DICOM Protocol Adapter -->
    <module>
        <connector>/APP-INF/lib/dicom-net_adapter.rar</connector>
    </module>
    <module>
        <ejb>/APP-INF/lib/dicom-net_adapter.jar</ejb>
    </module>
    
    <!-- Oracle DICOM Crawler -->
    <module>
        <connector>/APP-INF/lib/dicom-net_crawler.rar</connector>
    </module>
    <module>
        <ejb>/APP-INF/lib/dicom-net_crawler.jar</ejb>
    </module>
    
    <!-- Oracle DICOM WADO Proxy -->
    <module>
        <web>
            <web-uri>/APP-INF/lib/dicom-net_wado.war</web-uri>
            <context-root>dicom-net</context-root>
        </web>
    </module>
</application>

この例では、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのすべてのコンポーネントが有効化されます。これらのコンポーネントのいずれかを無効化するには、削除するコンポーネントに対応するモジュール参照を削除(またはコメント・アウト)します。

DICOMアダプタ・コンポーネントとDICOMクローラ・コンポーネントの両方には、2つ以上のモジュール定義が必要です。

*.rarアーカイブは、コンポーネントのResourceAdapterアーカイブです(コンポーネントにはそのうちの1つが必要です)。

*.jarは、コンポーネントのMessageDrivenBean (MDB)アーカイブです(コンポーネントにはそのうちの1つ以上が必要です)。

DICOM WADOプロキシ・コンポーネントのインスタンスごとに、モジュール定義が1つのみ必要です(*.warアーカイブ)。

デフォルトでは、次のリストに示すとおり、Oracle DICOMプロトコル・アダプタ構成ファイルが、各MDBアーカイブに対して1つと、WADOプロキシ・アーカイブに対して1つあります。

  • dicom-net_adapter.jarとordim_adapter_config.xml

  • dicom-net_crawler.jarとordim_crawler_config.xml

  • dicom-new_wado.warとordim_wado_config.xml

Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのコンポーネントのいずれかについて、複数のインスタンスをデプロイするには、次の手順を実行します。

  1. 適切なMDB (*.jar)アーカイブまたはWADO (*.war)アーカイブのコピーを作成します。

  2. 2.2.3.1項「個々のコンポーネント・アーカイブの変更」の説明に従って、アーカイブのコピーを変更します。

  3. 変更したアーカイブを、APP-INF/lib/ディレクトリの元のアーカイブと一緒に配置します。

  4. 手順2で変更した新しいXML構成ファイルをAPP-INF/classes/ディレクトリに配置します。

  5. 新しいアーカイブのMETA-INF/application.xmlファイルに<module>エントリを追加します。

  6. weblogic.Deployerユーティリティを使用してコンポーネントをデプロイします(2.2.2項「標準デプロイメント」を参照)。

2.2.3.1 個々のコンポーネント・アーカイブの変更

この項では、様々なOracle DICOMプロトコル・アダプタ・コンポーネントに必要な変更について説明します。

2.2.3.1.1 DICOMアダプタ

アダプタの.jarアーカイブを変更するには、MDBの名前を変更し、使用するXML構成ファイルの名前を更新します。これを行うには、アーカイブのMETA-INF/ejb-jar.xmlファイルを編集し、(太字のイタリック体で示されている)次のパラメータ値を変更します。

<message-driven>
    <display-name>DICOM_ADAPTER</display-name>
    <ejb-name>DICOM_ ADAPTER</ejb-name>
    […]
</message-driven>
 
<container-transaction>
    <method>
        <ejb-name>DICOM_ ADAPTER</ejb-name>
        […]
    </method>
    […]
</container-transaction>
 
<activation-config-property>
  <activation-config-property-name>adapterConfig</activation-config-property-name>
  <activation-config-property-value>ordim_adapter_config.xml</activation-config-property-value>
 </activation-config-property>

アーカイブのMETA-INF/weblogic-ejb-jar.xmlファイルも編集し、(太字のイタリック体で示されている)次の追加パラメータ値を変更する必要があります。

<weblogic-enterprise-bean>
    <ejb-name>DICOM_ ADAPTER</ejb-name>
    […]
</ weblogic-enterprise-bean>
2.2.3.1.2 DICOMクローラ

*.jarアーカイブを変更してOracle DICOMクローラの新しいインスタンスを作成するには、MDBの名前を変更し、使用するXML構成ファイルの名前を更新する必要があります。

これを行うには、アーカイブのMETA-INF/ejb-jar.xmlファイルを編集し、(太字のイタリック体で示されている)次のパラメータ値を変更します。

<message-driven>
    <display-name>DICOM_CRAWLER</display-name>
    <ejb-name>DICOM_CRAWLER</ejb-name>
    […]
</message-driven>
 
<container-transaction>
    <method>
        <ejb-name>DICOM_CRAWLER</ejb-name>
        […]
    </method>
    […]
</container-transaction>
 
<activation-config-property>
  <activation-config-property-name>crawlerConfig</activation-config-property-name>
  <activation-config-property-value>ordim_crawler_config.xml</activation-config-property-value>
 </activation-config-property>

アーカイブのMETA-INF/weblogic-ejb-jar.xmlファイルも編集し、(太字のイタリック体で示されている)次の追加パラメータ値を変更する必要があります。

<weblogic-enterprise-bean>
    <ejb-name>DICOM_CRAWLER</ejb-name>
    […]
</ weblogic-enterprise-bean>
2.2.3.1.3 Oracle DICOM WADOプロキシ

WADOプロキシの新しいインスタンスを作成するには、最初にWADO .warアーカイブを変更します。これを行うには、サーブレットの名前を変更し、使用するXML構成ファイルの名前を更新するため、アーカイブのWEB-INF/web.xmlファイルを編集して(太字のイタリック体で示されている)次の値を変更します。

<context-param>
    <param-name>wadoConfig</param-name>
    <param-value>ordim_wado_config.xml</param-value>
 </context-param>
 
<servlet>  
    <display-name>JAX-RS Servlet</display-name>
    <servlet-name>jersey</servlet-name>
    […]
</servlet>
 
<servlet-mapping>
    <servlet-name>jersey</servlet-name>
    <url-pattern>/*</url-pattern>
</servlet-mapping>

2.3 Oracle DICOMプロトコル・アダプタの構成

この項では、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのコンポーネントを構成する方法について説明します。

2.3.1 DICOMアダプタの構成

DICOMアダプタを構成するには、ordim_adapter_config.xsdスキーマ(A.1項「ordim_adapter_config.xsd」を参照)に準拠するXMLファイルを作成します。

この項では、スキーマで構成可能な各要素について説明します。

2.3.1.1 adapter

DICOMアダプタのDICOMホスト情報を識別するために使用されます。

  • title: ホストのDICOM AEタイトルを指定します。

  • bind: ホストが着信DICOMアソシエーションをリスニングするポート番号を指定します。

次に、adapter要素の例を示します。

<adapter useSSL="false">
    <title>UCM</title>
    <bind port="11112"/>
</adapter>

2.3.1.2 UCM

コンテンツ・サーバー・チェックイン・プロパティによってWebCenter Contentサーバーに接続する方法を識別するために使用されます。

  • connection: DICOMアダプタでWebCenter Contentに接続するために必要なパラメータを指定します。

    • url: WebCenter Contentサーバーに接続するために使用するURL。

    • login: WebCenter Contentサーバーに接続するためのログイン資格証明(ユーザー名とパスワード)。パスワードが指定されない場合、DICOMアダプタのリソース・アダプタに関連付けられたデフォルトのWebLogicセキュリティ・レルムの資格証明マップを通じて取得されます。

  • properties: DICOMアダプタを通じてDICOM画像をチェックインする場合に使用するコンテンツ・サーバー・チェックイン・プロパティを識別するために使用します。

    • property: コンテンツ・サーバー・チェックイン・プロパティの名前と値を指定します。有効なプロパティは次のとおりです。

      • SECURITY_GROUP: チェックインに使用するWebCenter Contentセキュリティ・グループの名前を表す文字列値。

      • DICOM_DOC_CHECKIN: チェックイン時にDICOM画像の画像表現を格納するかどうかを表すブール値。

      • DICOM_DOC_TYPE: DICOM画像のチェックインに使用するコンテンツ・サーバー・ドキュメント・タイプを表す文字列値。

      • DICOM_DOC_FOLDER: DICOM画像を格納するコンテンツ・サーバー・フォルダの名前を表す文字列値。

      • DICOM_DOC_ORIGINAL: チェックイン時に元のDICOM画像を保持するかどうかを表すブール値。

      • DICOM_DOC_PREVIEW: チェックイン時にDICOM画像の画像プレビューを生成するかどうかを表すブール値。

      • DICOM_XML_CHECKIN: チェックイン時にDICOM画像のメタデータのXMLベース表現を生成するかどうかを表すブール値。

      • DICOM_XML_TYPE: チェックイン時にDICOM XMLメタデータに使用するコンテンツ・サーバー・ドキュメント・タイプを表す文字列値。

      • DICOM_XML_FOLDER: DICOM XMLメタデータを格納するコンテンツ・サーバー・フォルダの名前を表す文字列値。

      • DICOM_WADO_LINK_ENABLE: DICOM画像のチェックイン時にWADO URLを生成するかどうかを表すブール値。

      • DICOM_WADO_LINK_PREFIX: WADOリンク生成用のベースURL (接頭辞文字列)を表す文字列値。

次に、UCM要素の例を示します。

<UCM>
    <connection>
      <url location="http://hostname:16200/cs/idcplg"/>
      <login username="user" password="pass"/>
    </connection>
    <properties>
      <property name="SECURITY_GROUP"     value="DICOMGroup"/>
      <property name="DICOM_DOC_CHECKIN"  value="true"/>
      <property name="DICOM_DOC_TYPE"     value="DICOM"/>
      <property name="DICOM_DOC_FOLDER"   value="/Contribution Folders/DICOM"/>
      <property name="DICOM_DOC_ORIGINAL" value="true"/>
      <property name="DICOM_DOC_PREVIEW"  value="false"/>
      <property name="DICOM_XML_CHECKIN"  value="false"/>
      <property name="DICOM_XML_TYPE"     value="DICOMXML"/>
      <property name="DICOM_XML_FOLDER"   value="/Contribution Folders/DICOM"/>
      <property name="DICOM_WADO_LINK_ENABLE" value="true"/>
      <property name="DICOM_WADO_LINK_PREFIX" value="http://hostname:7001/dicom-net/resource"/>
    </properties>
</UCM>

2.3.1.3 DICOM

DICOM固有の構成(AEタイトルとIPアドレス/ポートのマッピングなど)を指定します。

  • hosts: アダプタへの接続を許可するDICOMクライアントのセットを指定します。

    • host: アダプタが接続できるリモートDICOMクライアントのAEタイトル、IPアドレスおよびポートを指定します。

次に、DICOM要素の例を示します。

<DICOM>
    <hosts>
      <host title="TESTPACS" address="testpacs.hostname" port="11112"/>
      <host title="WADO" address="127.0.0.1" port="12347"/>
    </hosts>
</DICOM>

2.3.2 DICOMクローラの構成

Oracle DICOMクローラを構成するには、ordim_crawler_config.xsdスキーマ(A.2項「ordim_crawler_config.xsd」を参照)に準拠するXMLファイルを作成します。この項では、スキーマで構成可能な各要素について説明します。

2.3.2.1 crawler

DICOMクローラのDICOMホスト構成を指定します。

  • title: クローラのDICOM AEタイトル。

次に、crawler要素の例を示します。

<crawler>
    <title>UCM_CRAWLER</title>
</crawler>

2.3.2.2 jobs

単一のクローラ・ジョブを表します。

  • target: 検索するDICOMクライアントのAEタイトル。

  • dest: DICOM画像が送信されるDICOMホストのAEタイトル。

  • period: ジョブ実行間の遅延間隔と時間単位。

  • search: ジョブ起動中に実行する問合せのリスト(実行順)。各問合せは、ある問合せの出力が次の問合せの基本データセットとなるように連鎖されます。

    • query: 単一の問合せを表し、データセットの名前および使用するDICOM検索ルートを指定します。

次に、jobs要素の例を示します。

<jobs>
    <job>
      <target title=" PACS "/>
      <dest title="UCM"/>
      <period duration="15" timeUnit="s"/>
      <search>
        <query searchRoot="study" dataset="Q1"/>
        <query searchRoot="study" dataset="Q2"/>
        <query searchRoot="study" dataset="Q3"/>
      </search>
    </job>
</jobs>

2.3.2.3 hosts

クローラの接続を許可するDICOMクライアントのセットを指定します。

  • host: クローラが接続できるリモートDICOMクライアントのタイトル、IPアドレスおよびポートを指定します。

次に、hosts要素の例を示します。

<hosts>
    <host title="UCM" address="localhost" port="12345"/>
    <host title="PACS " address="pacs.hostname" port="11112"/>
</hosts>

2.3.2.4 datasets

クローラ・ジョブの問合せの一部として使用するDICOMデータセットのセットを指定します。各データセットには、ジョブのqueryタグで参照できる名前が割り当てられます。

  • dataset: 単一のデータセットを指定します。

    • value: DICOMタグとそれに対応する値(タグ/値ペア)。

次に、datasets要素の例を示します。

<datasets>
    <dataset name="Q1">
      <value tag="00080052">STUDY</value>
      <value tag="0020000D">*</value>
    </dataset>
    <dataset name="Q2">
      <value tag="00080052">SERIES</value>
      <value tag="0020000E">*</value>
    </dataset>
    <dataset name="Q3">
      <value tag="00080052">IMAGE</value>
      <value tag="00080018">*</value>
    </dataset>
</datasets>

2.3.3 DICOM WADOプロキシの構成

Oracle DICOM WADOプロキシを構成するには、ordim_wado_config.xsdスキーマ(A.3項「ordim_wado_config.xsd」を参照)に準拠するXMLファイルを作成します。この項では、スキーマで構成可能な各要素について説明します。

2.3.3.1 wado

Oracle DICOM WADOプロキシのDICOMホスト情報を識別するために使用されます。

  • wado: プロキシのDICOMホスト情報を識別します。

    • title: ホストのDICOM AEタイトルを指定します。

    • bind: ホストが着信DICOMアソシエーションをリスニングするポート番号を指定します。

次に、wado要素の例を示します。

<wado useSSL="false">
    <title>WADO</title>
    <bind port="12347"/>
</wado>

2.3.3.2 hosts

プロキシの接続を許可するDICOMクライアントのセットを指定します。

  • host: プロキシが接続できるリモートDICOMクライアントのAEタイトル、IPアドレスおよびポートを指定します。

次に、hosts要素の例を示します。

<hosts>
    <host title="UCM" address="localhost" port="12345"/>
    <host title="PACS " address="pacs.hostname" port="11112"/>
</hosts>

2.4 サンプル構成シナリオ

典型的な2つのシナリオについて、1.2項「使用方法のシナリオ」で説明しました。この項では、各シナリオの構成方法の詳細について説明します。

各シナリオで、次の手順を実行する必要があります。

2.4.1 シナリオ1: 画像と画像メタデータのインポート

このシナリオでは、ユーザーがPACSのすべてのDICOM画像と画像メタデータをコンテンツ・サーバーに統合すると仮定します。

これを実現するには、DICOMアダプタ構成で次のプロパティを設定する必要があります。

<property name="DICOM_DOC_CHECKIN" value="true"/>
<property name="DICOM_DOC_ORIGINAL" value="true"/>

これらの設定によって、画像をPACSからインポートするときに、画像からメタデータを抽出してコンテンツ・サーバーのメタデータ・フィールドに移入し、元の画像をコンテンツ・サーバーに保持します。画像のインポート後は、そのメタデータに基づいて画像を検索し、直接コンテンツ・サーバーから、またはDICOMアダプタを通じて画像を取得できます。

2.4.2 シナリオ2: 画像メタデータのみのインポート

このシナリオでは、ユーザーがPACSのDICOM画像メタデータのみをコンテンツ・サーバーに統合すると仮定します。

WADOプロキシを構成して、すべてのPACSの接続詳細(DICOMクローラと同じセット)を含めるようにします。次のようにDICOMアダプタ構成にプロパティを設定します(hostname:portはWADOプロキシのホスト名とポートのセットに設定します)。

<property name="DICOM_DOC_CHECKIN" value="true"/>
<property name="DICOM_DOC_ORIGINAL" value="false"/>
<property name="DICOM_WADO_LINK_ENABLE" value="true"/>
<property name="DICOM_WADO_LINK_PREFIX" value="http://hostname:port/dicom-net/resource"/>

最初の2つのプロパティによって、画像がインポート時にコンテンツ・サーバーにチェックインされても、コンテンツ・サーバーによって、移入されたメタデータ・フィールドにDICOM画像メタデータのみが保持されます。

最後の2つのプロパティによって、コンテンツ・サーバーのメタデータ・フィールドの1つとしてWADOリンクを生成および追加します。このリンクは、WADOプロキシを示すURLで、画像が格納されているPACSから元の画像を取得するためにプロキシによって必要とされるすべての情報を含みます。そのため、ユーザーは、WADOリンクのURLを参照することで常に元の画像にアクセスできます。

このシナリオでは、メタデータに基づいてインポート済の画像を検索することはできますが(シナリオ1と同じ)、元の画像自体をコンテンツ・サーバーから直接取得することはできません。かわりに、画像を検索して、それを取得するために対応するWADOリンクを参照できます(コンテンツ・サーバーを通じて直接画像を検索する場合)。

または、画像を取得するためにDICOMアダプタを通じてDICOM問合せを発行できます。アダプタは、WADOリンクを通じてPACSから元の画像を透過的に取得し、リクエストを発行したDICOMクライアントに渡します。