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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理
11gリリース1 (11.1.1.9.0)
E51441-06
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1 Oracle WebCenter Portalの管理の概要

この章では、Oracle WebCenter Portalおよび管理ツールの概要を示します。

この章には次のトピックが含まれます:

『Oracle WebCenter Portalの管理』は、特にOracle WebLogic Server (Oracle WebCenter PortalなどのOracle Fusion Middlewareソフトウェア・コンポーネントのためのプライマリ・プラットフォーム)向けに記述されています。IBMのWebSphereなどのオラクル社以外のベンダーが提供するサード・パーティ製のアプリケーション・サーバーを使用している場合は、サード・パーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドを参照してください。

1.1 Oracle WebCenter Portalの概要

Oracle WebCenter Portalへようこそ。

Oracle WebCenter Portalは、標準ベースの、サービス指向アーキテクチャの上に構築された、統合された一連のコンポーネントであり、ソーシャル・アプリケーション、エンタープライズ・ポータル、コラボレイティブ・コミュニティおよびコンポジット・アプリケーションを作成できます。Oracle WebCenter Portalは、機能豊富なインターネット・アプリケーション、統合されたマルチチャネルのポータル・フレームワークの柔軟性と力、およびコンテンツ、コラボレーション、プレゼンスおよびソーシャル・ネットワーキング機能を実現する一連のツールとサービスを開発するために、動的なユーザー・インタフェース・テクノロジを結合します。これらのコンポーネントを基に、Oracle WebCenter Portalは、個人およびグループがより効果的に作業およびコラボレーションできる構成可能な作業環境とともに、WebCenter Portalと呼ばれる、すぐに利用できる、エンタープライズ対応のカスタマイズ可能なアプリケーションも提供します。

Oracle WebCenter Portalは、ポータルまたはアプリケーションのコンテキスト内から、インスタント・メッセージ、ドキュメント、コンテンツ管理、ディスカッション・フォーラム、Wiki、ブログ、およびタグ付けなどのツールとユーザーが直接対話できる、オープンで拡張可能なソリューションを提供します。これらのツールおよびサービスは、エンド・ユーザーおよびITに、次世代のコラボレイティブなアプリケーションおよびポータルの構築およびデプロイを可能にします。

この項では、Oracle WebCenter Portalのコンポーネントおよびアーキテクチャについて説明します。この項の内容は次のとおりです。

1.2 Oracle WebCenter Portalのアーキテクチャ

Oracle WebCenter Portalは、次のコンポーネントで構成されています(図1-1)。

図1-1 Oracle WebCenter Portalのアーキテクチャ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle WebCenter Portalのアーキテクチャ」の説明

1.2.1 WebCenter Portal Framework

次のものを含むポータル機能をADFに挿入します。

  • ランタイム・アプリケーションのカスタマイズ(アプリケーションを再デプロイすることなく、コンポーザを使用してWebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションにインプレース変更を行うことができます)

  • JSR-168およびJSR-286標準ベースのWSRPポートレット、およびPDK-Javaポートレットのサポート

  • Oracle WebCenter Content ServerおよびOracle Portalなどのコンテンツ・リポジトリへの、JCR (JSR170)を介したコンテンツ統合

  • JSFページおよびOracle ADFタスク・フローを標準ベースのポートレットとして公開できる、Oracle JSF Portlet Bridge

1.2.2 Application Development Framework

Oracle Application Development Framework (ADF)は、JSFの上に存在する生産性レイヤーであり、次のものを提供します。

  • データベース、Webサービス、XML、CSV、BPELなどのバックエンドへの統合されたアクセス

  • バックエンドのデータ制御によりユーザー・インタフェースに接続する、データ・バインディング(JSR 227)

  • 100個を超えるデータ認識JSFビュー・コンポーネント

  • タスク・フローを含むネイティブ・コンポーネント・モデル

  • ファイングレインJAASセキュリティ・モデル

1.2.3 コンポーザ

コンポーザは、次のものを提供します。

  • ブラウザでランタイム・アプリケーションおよびインプレースのユーザー・カスタマイズを実行する能力

  • 次のことが行える、機能豊富で直観的なユーザー・エクスペリエンス

    • タスク・フローおよびポートレットなど、リソースの参照およびページへの追加

    • ページ・レイアウトの再配置

    • ページおよびコンポーネント・プロパティの設定

    • 前後関係によるコンポーネントの関連付け

1.2.4 WebCenter Portal

JSF、Oracle ADF、WebCenter Portal Framework、WebCenter Portalのツールとサービス、およびコンポーザを使用して構築された、即時利用可能なアプリケーション。

WebCenter Portalは、次のものを提供します。

  • エンタープライズ・ポータル、複数のサイト、およびコミュニティを作成するためのブラウザ・ベースのプラットフォーム

  • ユーザーごとのホーム・ポータル(個人コンテンツを格納するためのプライベートな作業領域の提供、ビジネス・プロセスの割当ての表示および応答、電子メールの送受信など)

  • スレッドで構成されるディスカッション、ブログ、Wiki、ワークリスト、お知らせ、RSS、最近のアクティビティ、検索など

1.2.5 ツールとサービス

表1-1に、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションで使用可能なサービスとツールの一覧を示します。

表1-1 WebCenter Portalのツールとサービス

AからNまでのサービス PからWまでのサービス

アクティビティ・グラフ

ノート脚注 1 

分析

ピープル・コネクション

お知らせ

パーソナライズ

ディスカッション

投票

ドキュメント(Wikiおよびブログを含む)

RSS脚注 2 

イベント脚注参照 1

最近のアクティビティ

インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)

検索

リンク

タグ

リスト脚注参照 1

ワークリスト

メール



脚注 1 WebCenter Portalのみ。

脚注 2 RSSニュース フィードは、WebCenter Portalでのみ利用できます。RSSビューア・タスク フローは、WebCenter Portalと、その他のPortal Frameworkアプリケーションで利用できます。

WebCenter Portalのツールとサービスは、次のものを提供します。

  • エンタープライズレベルのサービスとのシームレスな統合

  • バックエンド・サービスを抽象化するシン・アダプタ・レイヤー。例:

    • コンテンツ・アダプタ: Content ServerおよびOracle Portal

    • プレゼンス・アダプタ: Microsoft Live Communications Server、Microsoft Office Communications ServerおよびMicrosoft Lync

  • 統合された接続アーキテクチャによって表されるバックエンド・システム

  • 機能豊富なタスク・フロー・コンポーネントによって提示されるサービスへのユーザー・インタフェース

1.2.6 ディスカッション・サーバー

ディスカッション・サーバーは、Oracle WebCenter Portalとともに提供されるため、アプリケーションにディスカッション・フォーラムおよびお知らせを統合できます。

1.2.7 分析

WebCenter Portalの分析機能により、ユーザーは、次のような様々なユーザー・アクティビティを表示できます。

  • ログイン・データ

  • ページ・ビュー

  • ポートレット・ビュー

  • ドキュメント・ビュー

  • 検索メトリック

  • ページ・レスポンス・データ

  • ポータルの使用状況

1.2.8 アクティビティ・グラフ

アクティビティ・グラフにより、ユーザーは、WebCenter Portal分析で収集した各種の統計を分析できます。オブジェクトおよびユーザーのための様々な類似度スコアが収集され、推奨を提示するために使用されます。スコアは、アクティビティ・グラフ・データベースに格納されます。

1.2.9 パーソナライズ・サーバー

WebCenter Portalのパーソナライズ・サーバーにより、選択した条件に基づいて、対象とするユーザーにアプリケーションのコンテンツを提供できます。

1.2.10 ポータル

ポータルは、パーソナライズされた、Webベース・アプリケーションと対話できる単一の場所、および個々のユーザーまたはユーザーのクラスに関連する情報への、共通のインタフェース(Webページ)を提供します。WebCenter Portal Frameworkアプリケーション・テンプレートを使用して、JDeveloperでポータルを作成する方法の詳細は、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』を参照してください。

または、初期設定のアプリケーションであるWebCenter Portalを使用して、ポータルを作成します。詳細は、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』を参照してください。

1.2.11 コンポジット・アプリケーション

コンポジット・アプリケーションは、単一のアプリケーションとして設計されデプロイされた、サービス、サービス・コンポーネント、ワイヤおよび参照の集合体です。コンポジット・アプリケーションの詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』を参照してください。

1.3 Oracle WebCenter Portalのトポロジ

この項では、Oracle WebCenter Portalのトポロジおよび構成について説明します。この項の内容は次のとおりです。

1.3.1 初期設定のOracle WebCenter Portalトポロジ

Oracle WebCenter Portalのインストールにより、Oracle Middlewareホーム・ディレクトリの下にWebCenter Portal Oracleホーム(WCP_ORACLE_HOME)が作成されます。また、WebCenter Portalのバイナリとサポート・ファイルが含まれるOracle共通ホーム・ディレクトリ(ORACLE_COMMON_HOME)が作成されます(図1-2)。

図1-2 Oracle WebCenter Portalのインストールのディレクトリ構造

図1-2の説明が続きます
「図1-2 Oracle WebCenter Portalのインストールのディレクトリ構造」の説明

また、インストールによって、様々なWebCenter Portalコンポーネントをホストする管理サーバーおよび複数の管理対象サーバーを含むWebCenter Portalドメイン(base_domain)も作成されます。図1-3では、アプリケーションは黄色で表示され、それらが実行される管理対象サーバーは茶色で表示されます。

図1-3 初期設定のWebCenter Portalトポロジ

図1-3の説明が続きます
「図1-3 初期設定のWebCenter Portalトポロジ」の説明

初期設定の管理対象サーバーは、次のOracle WebCenter Portalコンポーネントをホストします。

  • WC_Spaces: WebCenter Portal (Oracleの初期設定のポータル・アプリケーション)をホストします

  • WC_Portlet: 初期設定のポートレット、ページレット・プロデューサ、およびWebCenter Portalサービス・プロデューサをホストします

  • WC_Collaboration: ディスカッション・サーバーおよび統合のために選択した追加のサービスをホストします

  • WC_Utilities: アクティビティ・グラフ、分析およびパーソナライズ・サービスをホストします

オプションの5台目の管理対象サーバー(アプリケーション・サーバー)は、WebCenter Portal Frameworkアプリケーション・テンプレートを使用して開発者がJDeveloperで構築したアプリケーションを実行するために使用できます。このようなアプリケーションは、Portal Frameworkアプリケーションと呼ばれます。追加の管理対象サーバーを作成するときに、それらのサーバーは、WebCenter Portalと同じ外部リソースを利用できるよう、適切なライブラリでプロビジョニングされます。管理対象サーバーの詳細は、管理者ガイドのOracle Fusion Middlewareの概念の理解に関する項を参照してください。

1.3.2 Oracle WebCenter Portal管理対象サーバー

Oracle WebCenter Portalのインストール時に、管理対象サーバーは、システム・ライブラリおよびOracle ADFライブラリでプロビジョニングされます。表1-2に、管理対象サーバー、およびそれらで実行するアプリケーションをリストします。

表1-2 Oracle WebCenter Portal管理対象サーバーおよびアプリケーション

管理対象サーバー インストールされるアプリケーション アプリケーション名

WC_Spaces

WebCenter Portal

WebCenter Portalオンライン ヘルプ

webcenter

webcenter-help

WC_Portlet

OmniPortletおよびWebクリッピング

WSRPツール

ページレット・プロデューサ

サービス・プロデューサ

portalTools

wsrp-tools

pagelet-producer

services-producer

WC_Collaboration

ディスカッション・サーバー

owc_discussions

WC_Utilities

分析コレクタ

アクティビティ・グラフ・エンジン

パーソナライズ・サービス

analytics-collector

activitygraph-engines

wcps-services


1.3.3 Oracle WebCenter Portalの起動順序

管理対象サーバーの起動時には、アプリケーションおよびライブラリは次の順序で起動されます。

  1. JRFライブラリとして知られるOracleシステム・ライブラリ。

  2. Oracle ADFライブラリ。

  3. Oracle DMSおよびOracle Web Services Manager (wsm-pm)アプリケーションなどのインストゥルメンテーション・アプリケーション。

  4. 表1-2に示したOracle WebCenter Portalアプリケーション。

起動順序は、依存の順序でもあります。依存するコンポーネントが正常にデプロイされない場合は、後のコンポーネントが正しく機能しない可能性があります。

アプリケーションの起動は、ディスカッション・サーバーまたは他のバックエンド・サーバーなどの外部サービスが使用可能かどうかには依存しません。詳細は、第1.3.4項「Oracle WebCenter Portalの依存性」を参照してください。

1.3.4 Oracle WebCenter Portalの依存性

WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションは、複数の外部サーバー、ツールおよびサービスを使用します(表1-3)。「構成」列に、接続を構成または初期化するためにWebCenter Portalに提供される情報のタイプをリストします。「アクセス」列には、サービスの実行時アクセスで使用されるプロトコルの一覧を示します。

表1-3 依存するリソース - アクセス・タイプ

外部サーバー、ツールまたはサービス 構成 アクセス

分析

分析コレクタへのUDPアクセス

UDP

アクティビティ・グラフ

アクティビティ・グラフ管理へのHTTPアクセス

HTTP

ディスカッション・サーバー

ディスカッション・サーバー管理へのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

Content Server(ドキュメント)

管理サーバーへのソケット接続。WebCenter Portalの外側にあるContent Serverへのアクセスが必要な場合にのみ、HTTPアクセスが必要になります。

ソケットまたはHTTPでのJCR 1.0

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー管理へのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

メール・サーバー

IMAP/SMTPサーバー

IMAP/SMTP

個人イベント・サーバー

カレンダ・サービスへのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

パーソナライズ・サーバー

パーソナライズ・サーバーへのJDBCアクセス

JDBC REST

ポートレット

プロバイダWSDLのHTTPロケーション

SOAP/HTTP

検索サーバー

検索サーバーへのHTTPアクセス

HTTP

ワークリスト

BPELサーバーへのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

MDSおよびスキーマ

JDBC

JDBC


サーバーまたはサービスが利用できないときでも、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションの起動は可能ですが、アプリケーションの実行時にエラーが表示される場合があります。唯一の例外は、Oracle Metadata Services Repository (MDS)です。MDSがない場合は、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションが機能しなくなります。

WebCenter Portalは、リポジトリなしでも部分的に機能しますが、そのリポジトリがMDSリポジトリと異なる物理データベースの場合に限定されます。WebCenter Portalリポジトリには、イベント、リンク、リスト、ピープル・コネクション、投票およびタグを含む、複数のサービスのための情報が格納されます。これらのサービスは、このリポジトリが利用できない場合には機能しません。

1.3.5 Oracle WebCenter Portalの構成に関する考慮事項

WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションの主な構成ファイルの一覧と説明を、表1-4に示します。これらのファイルは、アプリケーションのデプロイメントの.EARファイル内で供給されます。

表1-4 WebCenter Portalの構成ファイル

アーティファクト 用途

adf-config.xml

Application Development Framework (ADF)およびアプリケーションの設定(ディスカッション・サーバーまたはメール・サーバーのWebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションが現在使用しているもの)のための基本構成を格納します。

connections.xml

外部サービスへの接続のための基本構成を格納します。


WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションは、それぞれの構成データを格納するためにOracle Metadata Services (MDS)リポジトリを使用します。これらは、Oracle WebLogicフレームワーク内のJDBCデータ・ソースとしてMDSリポジトリにアクセスします。

MDSリポジトリは、アプリケーションのカスタマイズとして、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションへのデプロイ後の構成変更を格納します。MDSは、デプロイされた元バージョンのadf-config.xmlおよびconnections.xmlをベース・ドキュメントとして使用し、単一のカスタマイズ・レイヤーを使用して後続のすべてのアプリケーション・カスタマイズを別個にMDSに格納します。

WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションの起動時に、MDSに格納されたアプリケーション・カスタマイズが該当するベース・ドキュメントに適用され、アプリケーションは、マージされたドキュメント(カスタマイズされているベース・ドキュメント)を構成プロパティの最終セットとして使用します。

サーバー・クラスタにデプロイされるアプリケーションの場合、クラスタのすべてのメンバーは、MDSリポジトリ内の同じ場所から読み取ります。

Oracleはデプロイ後構成のための複数の管理ツールを提供するため、一般には、管理者は、adf-config.xmlおよびconnections.xmlなどのファイルのためにベース・ドキュメントのコンテンツ(またはMDSカスタマイズ・データ)を調べたり手動で変更したりする必要はありません。ベース・ドキュメントの場所を特定する必要がある場合や、MDS内の情報を確認する必要がある場合は、付録A「Oracle WebCenter Portalの構成」を参照してください。

利用可能な構成ツールの詳細は、第1.13項「Oracle WebCenter Portalの管理ツール」を参照してください。


注意:

構成ミスをもたらす可能性があるため、adf-config.xmlまたはconnections.xmlを手動で編集することはお薦めしません。

WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションは、デプロイ後の構成情報をMDSに格納しますが、ポートレット・プロデューサおよびディスカッション・サーバーのための構成情報は、ファイル・システムまたはデータベースに格納されます(表1-5)。

表1-5 WebCenter Portalの構成の場所

アプリケーション 構成はMDSに
格納されている
構成はファイル・システムに
格納されている
構成はデータベースに
格納されている

WebCenter Portal

はい

いいえ

いいえ

Portal Frameworkアプリケーション

はい

いいえ

いいえ

ポートレット・プロデューサ

いいえ

はい

いいえ

ディスカッション・サーバー

いいえ

はい

はい


ディスカッション・サーバー

Oracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバーは、構成情報をそのデータベースに格納します。また、起動構成情報をDOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WC_COLLABORATION/owc_discussionsに格納します。このディレクトリには、jive_startup.xmljive.licenseファイル、およびディスカッション・サーバー・インスタンスのためのログ・ファイルを含むlogsディレクトリが含まれます。

1.3.6 Oracle WebCenter Portalの状態および構成の永続性

WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションは、MDSリポジトリにアプリケーションの状態および構成が永続化されるJ2EEアプリケーションとして動作します。アプリケーション内のユーザー・セッション情報は、ローカルでメモリーに保持されます。クラスタ環境では、この状態は、クラスタの他のメンバーにレプリケートされます。

ポートレットまたはサービス環境内のアプリケーション・カスタマイズは、そのサービスによって存続します。初期設定では、Oracleポートレット、構築した任意のカスタム・ポートレット、およびディスカッション・サーバーには、すべて、それら固有のデータベース永続性メカニズムがあります。

分析

WebCenter Portalの分析機能には、状態はありません。分析コレクタによって受け取られた要求は、すぐに実行されます。WebCenter Portalによって開始される要求、または分析コレクタによって処理される要求など、転送中の状態は保証されません。

アクティビティ・グラフ

WebCenter Portalのアクティビティ・グラフは、次の2つのコンポーネントで構成されています。

  • アクティビティ・グラフ: インメモリー状態は維持しません。アクティビティ・グラフ・タスク・フローは、アクティビティ・グラフ・データベースを照会し、推奨のリストとして結果を表示します。状態は、次のものによって更新されます。

    • タスク・フロー構成パラメータ

    • パーソナライズ設定

    • "関心のない"機能

    最初の2つは、状態を管理する、標準のOracle コンポーザ/Oracle ADF/MDSフレームワーク上に構築されます。最後は、ユーザーが、特定の推奨に関心がないと示すことができる機能です。この入力は、データベースで同期的に存続します。

  • アクティビティ・グラフ・エンジン: データベース内の表をトランザクションで更新する、バッチ・データ分析プロセスを実行します。エンジンはクラスタ化またはフェイルオーバーをサポートしていませんが、障害からリカバリできます。

管理者は、アクティビティ・グラフ・スケジューラを使用して、夜間のスケジュールを設定およびモニターします。分析の結果(推奨)は、アクティビティ・グラフ・タスク・フローによって提示されます。

アクティビティ・グラフ・エンジンは、数時間存続する、夜間のジョブの実行時間かどうかをチェックするために定期的に起動するバックグラウンド・スレッドがあるシングルトン・アプリケーションです。スケジュールはデータベースで存続します。管理対象サーバーに障害が発生した場合、ジョブは、管理対象サーバーの次回起動時に続きます。

パーソナライズ・サーバー

WebCenter Portalのパーソナライズ・サーバーは、ステートレスRESTfulアプリケーションです。すべての状態は、クライアントの要求において管理されます。

1.3.7 Oracle WebCenter Portalのログ・ファイルの場所

WebCenter Portal、Portal Frameworkアプリケーション、ポートレット・プロデューサ、ディスカッション・サーバーなどで実行される操作は、アプリケーションを実行しているWebLogic管理対象サーバーに直接ログ記録されます。

base_domain/servers/Server_Name/logs/Server_Name-diagnostic.log

たとえば、WebCenter Portalの診断は、/base_domain/servers/WC_Spaces/logs/WC_Spaces-diagnostic.logにログ記録されます。

各WebLogic管理対象サーバーのログ・ファイルは、Oracle WebLogic Server管理コンソールから表示できます。ログを表示するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールhttp://<admin_server_host>:<port>/consoleにアクセスし、診断ログ・ファイルをクリックします。

Fusion Middleware Controlから診断ログを表示および構成することもできます。第28.2項「ログ情報の表示および構成」を参照してください。

1.4 WebCenter Portal

WebCenter Portalは、ソーシャル・ネットワーキング、コミュニケーション、コラボレーションおよび個人の生産性のための最新テクノロジを提供する、Webベースのアプリケーションです。WebCenter Portalは、堅牢な一連のサービスとアプリケーションにより、他のユーザーとの意見交換、個人的な作業と仕事関連の作業の経過記録、重要なアプリケーションとの対話、および独自のプロジェクトと関心事に専念するために必要なあらゆるものを単一の統合環境にまとめます。

サービスとツールの自動構成

一部のツールとサービスは、WebCenter Portal用にインストール・プロセス中に自動的に構成されます。詳細は、『Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』を参照してください。

デフォルトの接続名を表1-6に示します。

表1-6 WebCenter Portal用に自動的に構成される接続

ツール/サービス デフォルト接続名

ディスカッションおよびお知らせ

WebCenterSpaces-Discussions

ドキュメント

WebCenterSpaces-ucm

ページレット・プロデューサ

WebCenterSpaces-PageletProducer

パーソナライズ

Conductor-WCPSSpacesおよびProperties-WCPSSpaces

事前構成済ポートレット・プロデューサ

wc-OmniPortlet

wc-WebClipping

wc-WSRPTools

ワークリスト

Portalワークフロー

WebCenterSpaces-Worklist


WebCenter Portalのインストール後の構成

作業の開始前に、第2章「WebCenter Portalの起動および実行」を参照してください。

WebCenter Portalの管理の詳細は、第47.2項「「ポータル・ビルダー管理」ページへのアクセス」を参照してください。

1.5 Portal Frameworkアプリケーション

JDeveloperのWebCenter Portal Frameworkアプリケーション・テンプレートを使用して独自のポータル・アプリケーションを開発し、そのアプリケーションをカスタムWebLogic管理対象サーバーにデプロイできます。JDeveloperを使用して構築されたポータル・アプリケーションは、Portal Frameworkアプリケーションと呼ばれます。

独自のポータル・アプリケーションの開発の詳細は、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』を参照してください。

作業の際は次を参照してください。

1.6 Oracle WebCenter Portalのインストールの計画

WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションのインストールには、多少の計画が必要です。考慮する質問の一部には、次のものがあります。

  • どのOracle WebCenter Portalコンポーネントを使用しますか。

  • 何人のユーザーがこのデプロイメントにアクセスしますか。

  • エンタープライズ・デプロイメントのためにどのように高可用性を提供できますか。

  • WebCenter Portalをどのように保護できますか。

Oracle WebCenter Portalのインストールの計画の詳細は、『Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』『Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』および高可用性ガイドを参照してください。

1.7 Oracle WebCenter Portal 11gのインストールの理解

初期設定のトポロジは、第1.3項「Oracle WebCenter Portalのトポロジ」で簡単に説明しています。 特定の分野のトポロジについては、それに対応する章で説明しています。たとえば、セキュリティ関連の側面は、第30章「Oracle WebCenter Portalセキュリティの管理」で説明しています。

Oracle WebCenter Portalのインストールおよびインストール後の管理作業の詳細は、『Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』を参照してください。


注意:

インストールしているOracle WebCenter Portalのバージョンを確認する場合は、付録G「インストールされているWebCenter Portalのバージョンを調べる方法」を参照してください。

インストール後のエンタープライズ構成は、『Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。

インストール後の高可用性構成は、高可用性ガイドを参照してください。

インストール後のセキュリティ構成は、第30章「デプロイ後のセキュリティ構成タスク」を参照してください。

1.8 管理操作、ロールおよびツールの理解

Oracle WebCenter Portalは、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションのデプロイ、構成、起動と停止、および維持のための複数の異なるツールを提供します。これらすべてのツールは、第1.13項「Oracle WebCenter Portalの管理ツール」で説明しています。

管理作業を実行する能力は、割り当てられているOracle WebLogic Serverロール(AdminOperatorまたはMonitor)によって異なります。表1-7に、一般的な操作のために必要なOracle WebLogic Serverロールをリストします。これらのロールは、操作がFusion Middleware Control、WLSTコマンドまたはWebLogic Server管理コンソールを介して実行されるかどうかに該当します。

表1-7 WebCenterポータルの操作およびOracle WebLogic Serverロール

操作 Admin
ロール
Operator
ロール
Monitor
ロール

WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーション




起動および停止

はい

はい

いいえ

パフォーマンス・メトリックの表示

はい

はい

はい

ログ情報の表示

はい

はい

はい

ログ・ファイルの構成

はい

はい

はい

構成の表示

はい

はい

はい

新しい接続の構成

はい

はい

いいえ

接続の編集

はい

はい

いいえ

接続の削除

はい

はい

いいえ

アプリケーションのデプロイ

はい

いいえ

いいえ

セキュリティの構成

はい

いいえ

いいえ

セキュリティの表示(アプリケーション・ロール/ポリシー)

はい

はい

はい

WebCenter Portalのみ




アプリケーション全体のエクスポート

はい

いいえ

いいえ

アプリケーション全体のインポート

はい

いいえ

いいえ


表1-8に、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションに関連する様々な管理操作を実行するために使用できるツールをまとめています。

表1-8 WebCenter Portalの操作および管理ツール

操作 Fusion Middleware Control
WLSTコマンド
WebLogic Server管理コンソール WebCenter Portal管理/
Portal Frameworkアプリケーション管理

WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーション





起動および停止

はい

はい

はい

いいえ

パフォーマンス・メトリックの表示

はい

いいえ

いいえ

いいえ

ログ情報の表示

はい

いいえ

いいえ

いいえ

ログ・ファイルの構成

はい

いいえ

いいえ

いいえ

構成の表示

はい

はい

いいえ

いいえ

新しい接続の構成

はい

はい

いいえ

いいえ

接続の編集

はい

はい

いいえ

いいえ

接続の削除

はい

はい

いいえ

いいえ

ポートレット・プロデューサの管理

はい

はい

いいえ

はい

外部アプリケーションの管理

はい

はい

いいえ

はい

アプリケーションのデプロイ

はい

はい

はい

いいえ

セキュリティの構成

はい

はい

はい

いいえ

WebCenter Portalのみ





ワークフローの構成

はい

はい

いいえ

いいえ

アプリケーション全体のエクスポート

はい

はい

いいえ

いいえ

アプリケーション全体のインポート

はい

はい

いいえ

いいえ

WebCenter Portalのカスタマイズ

いいえ

いいえ

いいえ

はい

アプリケーション・ユーザーおよびロールの管理

いいえ

いいえ

いいえ

はい

ページの管理

いいえ

いいえ

いいえ

はい

ポータルの管理

いいえ

いいえ

いいえ

はい

ポータルのエクスポート

いいえ

いいえ

いいえ

はい

ポータルのインポート

いいえ

いいえ

いいえ

はい


1.9 パフォーマンスのモニタリングおよび診断

パフォーマンスのモニタリングにより、管理者は、環境内の問題およびパフォーマンスのボトルネックを識別できます。第27章「Oracle WebCenter Portalのパフォーマンスのモニタリング」では、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションで使用できるパフォーマンス・メトリックの範囲、およびFusion Middleware Controlを使用したパフォーマンス・メトリックのモニター方法について説明します。また、診断ログ・ファイルに記録された情報を分析することにより、問題をトラブルシューティングする方法についても説明します。

1.10 セキュリティの理解

Oracle WebCenter Portalの推奨セキュリティ・モデルは、Java Authentication and Authorization Service (JAAS)モデルを実装するOracle ADF Securityに基づいています。次の章では、WebCenter Portalアプリケーションのセキュリティ構成について説明します。

1.11 WebCenter Portalアプリケーションのデプロイ

第42章「Portal Frameworkアプリケーションのデプロイ」では、Oracle JDeveloperで作成した.EARファイルからのPortal Frameworkアプリケーションのデプロイ、再デプロイおよびアンデプロイについて説明します。

第21.11項「ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのデプロイ」では、WSRPおよびPDK-Javaポートレット・プロデューサ・アプリケーションのデプロイについて説明します。


注意:

WebCenter Portalは、インストール時にデプロイされます。(EARファイルとしてデプロイすることはできません)。詳細は、『Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』のOracle WebCenter Portalのインストールに関する項を参照してください。

1.12 データの移行、バックアップおよびリカバリ

Oracle WebCenter Portalでは、様々な機能領域についての構成および内容に関連するデータが複数の場所に格納されています。Oracle WebCenter Portalには、障害回復や、開発からステージングおよび本番までの本番ライフサイクル全体を容易にするための一連のユーティリティが用意されており、それによりこのデータをバックアップし、ステージング環境と本番環境間でデータを移動できます。

第41章「WebCenter Portalのバックアップ、リカバリおよびクローニングの管理」では、これらの作業に利用可能なバックアップ、インポートおよびエクスポートの機能とツールについて説明します。

1.13 Oracle WebCenter Portalの管理ツール

Oracle WebCenter Portalには、次の管理ツールがあります。

これらの管理ツールは、WebCenter Portalを含む、すべてのアプリケーションに適用します。また、管理者は、管理作業を実行するために、構成ファイルを編集するのではなく、これらのツールを使用する必要があります。最適なツールを決定するためのヘルプは、付録A「構成ツール」を参照してください。

システム管理ツールのほかに、個々のアプリケーションは、次の実行時管理ページも提供します。

1.13.1 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールは、Oracle WebCenter Portalをインストールする際にデプロイされるブラウザ・ベースの管理アプリケーションです。Fusion Middleware Controlコンソールから、ファーム(Oracle WebCenter Portal、WebCenter Portal、およびPortal Frameworkアプリケーションを含むものなど)をモニターおよび管理できます。

Fusion Middleware Controlでは、多種多様なパフォーマンス・データおよび管理機能を整理し、個別のWebベースのホームページで提供しています。これらのホームページでは、Webブラウザから、WebCenter Portalコンポーネントの最も重要なモニタリング・データおよび最も一般的な管理機能をすぐに見つけることができます。Fusion Middleware Controlコンソールの一般情報は、管理者ガイドのOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用のスタート・ガイドに関する項を参照してください。

Fusion Middleware Controlは、Oracle WebCenter Portalの主要管理ツールです。このツールを使用して、次のことができます。

  • Portal Frameworkアプリケーションのデプロイ、アンデプロイおよび再デプロイ

  • バックエンドのサービスとツールの構成

  • セキュリティ管理の構成

  • プロセス・ライフサイクルの制御

  • ログ・ファイルへのアクセスおよびログ構成の管理

  • データ移行の管理

  • パフォーマンスのモニター

  • 実行時の問題の診断

  • 関連コンポーネントの管理(親管理対象サーバー、MDS、ポートレット・プロデューサなど)

1.13.1.1 Fusion Middleware Controlコンソールの表示

Fusion Middleware Controlの起動の詳細は、第6.1項「Fusion Middleware Controlコンソールの表示」を参照してください。

1.13.2 Oracle WebLogic Server管理コンソール

Oracle WebLogic Server管理コンソールは、WebLogic Serverドメインの管理に使用されるブラウザ・ベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。

管理サーバーは、管理コンソール(管理サーバー管理対象サーバーのホスト・アプリケーションへネットワーク・アクセスできる、サポートされている任意のWebブラウザからアクセス可能なWebアプリケーション)をホストします。

管理コンソールは、次のことのために使用します。

  • WebLogic Serverインスタンスの構成、起動および停止

  • WebLogic Serverクラスタの構成

  • データベース接続性(JDBC)およびメッセージング(JMS)などのWebLogic Serverサービスの構成

  • ユーザー、グループおよびロールの作成および管理を含むセキュリティ・パラメータの構成

  • アプリケーションの構成およびデプロイ

  • サーバーおよびアプリケーションのパフォーマンスのモニター

  • サーバーおよびドメイン・ログ・ファイルの表示

  • アプリケーションのデプロイメント記述子の表示

  • 選択したランタイム・アプリケーションのデプロイメント記述子エレメントの編集

Oracle WebLogic Server管理コンソールの詳細は、管理者ガイドのOracle WebLogic Server管理コンソールの表示に関する項を参照してください。

ドメイン構成のロック

構成を変更する前に、ドメインの構成設定をロックする必要があります。管理コンソールのチェンジ・センター(図1-4)に移動し、「ロックして編集」をクリックします。

構成の更新が完了したら、「構成の解放」をクリックして変更を解放します。

図1-4 Oracle WebLogic Server管理コンソール内のチェンジ・センター

チェンジ・センターのロックおよび編集

1.13.3 Oracle WebLogic Scripting Tool(WLST)

WebLogic Scripting Tool (WLST)により、コマンド行から、Oracle WebCenter PortalなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを管理できます。

WLSTは、Javaスクリプト・インタプリタであるJythonに基づいた、Oracle WebLogic Serverドメインを管理するための完全なコマンド行スクリプト環境です。WLSTは、ローカル変数、条件変数およびフロー制御文などのJythonの標準機能に対するサポートに加えて、Oracle WebLogic Serverに固有の一連のスクリプト機能(コマンド)も提供します。Jython言語構文に従って、要件に合せてWebLogicスクリプト言語を拡張できます。

(コンテンツ・リポジトリ、ポートレット・プロデューサ、外部アプリケーションおよび他のバックエンド・サービスへの)接続、およびアプリケーション移行を管理するためのWLSTコマンドも用意されています。Oracle WebCenter PortalのすべてのWLSTコマンドは、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』の「WebCenter PortalのカスタムWLSTコマンド」で説明されています。


注意:

オラクル社以外のベンダーが提供するサード・パーティ製のアプリケーション・サーバーを使用している場合は、サード・パーティ製コマンド行ツール(IBM WebSphereのWSADMなど)の情報について、サード・パーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドを参照してください。

1.13.3.1 Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行

Oracle WebCenter PortalのすべてのWLSTコマンドは、WebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリ(WCP_ORACLE_HOME)から実行する必要があります


注意:

間違ったディレクトリからOracle WebCenter PortalのWLSTコマンドを起動しようとすると、NameErrorが表示されます。このエラーを回避するには、次に説明するように、常にWLSTコマンドをWebCenter PortalのOracleホーム(WCP_ORACLE_HOME/common/bin)から実行してください。

付録G「Oracle WebCenter Portalのトラブルシューティング」も参照してください。


コマンド行からWLSTを実行するには:

  1. 次のように、WebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリに移動してWLSTスクリプトを起動します。

    (UNIX) WCP_ORACLE_HOME/common/bin/wlst.sh

    (Windows) WCP_ORACLE_HOME\common\bin\wlst.cmd

  2. WLSTコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力してOracle WebCenter Portalの管理サーバーに接続します。

    wls:/offline>connect('user_name','password', 'host_name:port_number')
    

    ここで

    • user_nameは、管理サーバーに接続しているオペレータのユーザー名です。

    • passwordは、管理サーバーに接続しているオペレータのパスワードです。

    • host_nameは、管理サーバーのホスト名です。

    • port_numberは、管理サーバーのポート番号です。

    例:

    connect(username='weblogic', password='mypassword', url='myhost.example.com:7001')
    

    次のように、対話モードでパラメータなしで管理サーバーに接続することもできます。

    wls:/offline> connect()
    Please enter your username :weblogic
    Please enter your password :
    Please enter your server URL [t3://localhost:7001]:t3://myhost.example.com:7001
    Connecting to t3://myhost.example.com:7001 with userid weblogic ...
    Successfully connected to Admin Server 'AdminServer' that belongs to domain 'wc_domain'.
    

    このコマンドのヘルプについては、WLSTコマンド・プロンプトでhelp('connect')と入力してください。


    注意:

    SSLが有効な場合は、wlst.shまたはwlst.cmdファイルを編集して、次の行をJVM_ARGSに追加する必要があります。
    -Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true
    -Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust
    

    またはsetenv CONFIG_JVM_ARGS

    -Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true
    -Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust
    

  3. 管理サーバーに接続すると、Oracle WebCenter PortalのWLSTコマンドや、その他の汎用WLSTコマンドを実行できます。

Oracle WebCenter Portal WLSTコマンドの実行のヒント

  • Oracle WebCenter PortalのWLSTコマンドをリストするには、WLSTコマンド・プロンプトで、help('webcenter')と入力します。

    メッセージNo help for webcenter found...が表示される場合は、WLSTスクリプトを誤ったディレクトリから実行している可能性があります。たとえば、wlst.shまたはwlst.cmdを、WCP_ORACLE_HOME/common/binではなくoracle_commonディレクトリから実行している可能性があります。

  • 特定のコマンドのヘルプについては、WLSTコマンド・プロンプトで、help('WLST_command_name')と入力します。

  • コマンドの実行時と、特にWLSTスクリプトの記述時に、引数名を含めます。たとえば、次のように入力することをお薦めします。

    createExtAppConnection(appName='webcenter', name='myXApp'...

    次のように入力することはお薦めしません。

    createExtAppConnection('webcenter', 'myXApp'...

    どちらの構文も有効ですが、引数名を含める場合に、エラーまたは構成ミスの可能性が少なくなります。また、将来、引数を追加する場合も、コマンドが失敗することや誤ったプロパティを構成することがありません。

  • クラスタ化環境では、コマンドを実行するときに、必ず「server」引数を指定してください。Oracle WebCenter PortalのすべてのWLSTコマンドには、server引数が含まれています。この引数は、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションがクラスタにデプロイされている場合には必須になります。『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』の「WebCenter PortalのカスタムWLSTコマンド」も参照してください。

  • Oracle WebCenter PortalのWLSTコマンドのオンライン・ドキュメントは、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』の「WebCenter PortalのカスタムWLSTコマンド」から入手可能です。

1.13.4 システムMBeanブラウザ

Fusion Middleware Controlは、Oracle WebLogic Serverまたは選択されたアプリケーションのMBeanを参照できる、一連のMBeanブラウザを提供します。


注意:

システムMBeanブラウザから、WebCenter PortalおよびPortal FrameworkアプリケーションのMBeanをモニターおよび構成できますが、構成のためのツールとしてはお薦めしません。WLSTコマンドを使用するか、Fusion Middleware ControlのWebCenter Portalの設定メニュー・オプション(アプリケーションのホームページから使用可能)を介してアプリケーションを構成することをお薦めします。

アプリケーションのMBeanにアクセスするには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • WebCenter Portalの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「システムMBeanブラウザ」を選択します。

    • Portal Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「システムMBeanブラウザ」を選択します。

  3. 「アプリケーション定義のMBean」を開きます。

  4. 表示または構成するMBeanに移動します。

    たとえば、Portal Frameworkアプリケーションの場合は、次のようにして、adf-config.xmlおよびconnections.xmlのMBeanに移動できます(図1-5)。

    • adf-config - 「oracle.adf.share.config」「サーバー: (サーバー名)」「アプリケーション: (アプリケーション名)」「ADFConfig」「ADFConfig」「ADFConfig」をクリックします。

    • connections - 「oracle.adf.share.connections」「サーバー: (サーバー名)」「アプリケーション: (アプリケーション名)」「ADFConnnections」「ADFConnnections」をクリックします。

  5. MBeanの属性を表示するには、「属性」タブを選択します。一部の属性は、値を変更できます。これを行うには、「値」列に値を入力します。

    図1-5 システムMBeanブラウザ

    図1-5の説明が続きます
    「図1-5 システムMBeanブラウザ」の説明

  6. 「適用」をクリックして属性値を更新します。

  7. 親MBean (たとえば、ADFConfigまたはADFConnections)に移動して「操作」タブを選択し、「保存」をクリックして変更を保存します。

  8. WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動します。詳細は、第7.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

1.13.5 WebCenter Portal: ポータル・ビルダーの管理ページ

WebCenter Portalには、複数の独自の管理ページがあります。ポータル・ビルダーの管理ページは、管理者のユーザー名とパスワードを使用してアプリケーションにログインしたユーザーのみに表示されます。

ポータル・ビルダーの管理ページでは、次のことができます。

  • WebCenter Portalのカスタマイズ

  • ユーザーおよびロールの管理

  • ツールとサービスの設定の管理

  • ポートレット・プロデューサおよび外部アプリケーションの管理

  • 個々のポータルおよびポータル・テンプレートの管理

  • ビジネス・ロール・ページの作成および管理

  • 個人用ページの管理

  • 個々のポータルおよびポータル・テンプレートのエクスポートとインポート

詳細は、第47.2項「「ポータル・ビルダー管理」ページへのアクセス」を参照してください。

1.13.6 Portal Frameworkアプリケーション: 管理コンソール

WebCenter Portal Frameworkアプリケーションを使用してJDeveloperで構築されたポータル・アプリケーションには、管理者が実行時に一般的な管理作業を実行できる、管理ページを含めることもできます。詳細は、第1章「Oracle WebCenter Portalの管理の概要」を参照してください。