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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築
11gリリース1 (11.1.1.9.0)
E50013-05
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27 データ・プレゼンタの使用

この章では、データ・プレゼンタを使用して、各種のデータ・ソース(リレーショナル・データベースやWebサービスなどを含む)から説得力のあるデータの視覚表現を作成する方法について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。


権限:

共有データ・プレゼンタ・アセットでこの章のタスクを実行するには、個別のデータ・プレゼンタ・アセット(Data ControlsTask FlowsおよびTask Flow Styles)に対して、アプリケーション・レベルのCreate, Edit, and Delete権限が必要です。Application Specialistロールを持つユーザーは、これらの権限を自動的に付与されます。アプリケーション・レベルの権限の詳細は、Oracle WebCenter Portalの管理のアプリケーションのロールと権限の概要に関する項を参照してください。

ポータル・レベルのデータ・プレゼンタ・アセットでこの章のタスクを実行するには、個別のデータ・プレゼンタ・アセットに対してポータル・レベルの権限Create, Edit, and Delete Assets (標準権限)またはCreate, Edit, and Delete (アドバンスト権限)が必要です。ポータル・レベルの権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。


27.1 データ・プレゼンタについて

データ・プレゼンタを使用すると、リレーショナル・データベースやWebサービスなどのデータ・ソースからデータを取得して、そのデータを表、フォームまたはグラフとしてポータルに表示できます。

ユーザーは、ページまたはタスク・フローに対話型コンポーネントのコレクションを作成できます。これらは、必要に応じて異なるデータ・ソースを使用することもできます。

次に示すデータ・プレゼンタ・アセットを使用して、ポータルでデータを視覚化できます。

  • データ・コントロールは、リレーショナル・データベースやWebサービスのデータ・ソースからデータを取得します。詳細は、第27.2項「データ・コントロールの使用」を参照してください。

  • タスク・フローは、データ・コントロールを利用して、ポータルでデータを視覚化します。ポータル・ユーザーは、これらのタスク・フローをポータル内のページに追加できます。詳細は、第27.3項「タスク・フローの使用」を参照してください。

  • タスク・フロー・スタイルは、実行時に作成されるタスク・フローのレイアウトを決定します(データの視覚化に使用されるタスク・フローを含む)。詳細は、第27.4項「タスク・フロー・スタイルの使用」を参照してください。

タスク・フローにデータを追加すると、そのデータは次の方法で視覚化できます。

  • : データを表レイアウトで表示します。

  • フォーム: データをフォームで表示します。

  • グラフ: データをグラフ(棒グラフ、円グラフ、線グラフまたは面グラフなど)で表示します。これは、レポートを生成する際、分析のために役立ちます。

表、フォーム、またはグラフにどのデータを表示するかをユーザーが制御できるようにするには、データの視覚化とともにデータ・コントロールのパラメータを公開します。ユーザーは、これらのパラメータに独自の値を指定して、指定した値と一致するデータを表示できるようになります。

データ・コントロールのパラメータを、タスク・フローのパラメータに結び付けることもできます。

27.2 データ・コントロールの使用

データ・コントロールを使用して、ポータルに表示するデータを取得します。データ・コントロールは、リレーショナル・データベースまたはWebサービスのデータ・ソースに基づきます。

この項には次のトピックが含まれます:

27.2.1 サポートされるデータ・コントロール

データ・コントロールとは、本質的には、ソースからのデータをポータルのユーザー・インタフェースで使用できるようにするためのブリッジです。データ・コントロールのオブジェクト(アクセッサ、メソッドおよび属性)を使用すると、データ・バインドされたユーザー・インタフェース・コンポーネントを作成できます。

WebCenter Portalにデータ・コントロールを作成する利点は、ポータルを再デプロイしたり再起動する必要なしに、様々なデータ・ソースからデータを取得して視覚化を作成できることです。さらに、データの視覚化をいつでも変更できるようになり、データ・ソースから取得してページにレンダリングする内容も制御できます。

使用するデータ・コントロールのタイプは、データの格納場所と公開方法に応じて決まります。たとえば、Webサービスのデータを呼び出すには、Webサービス・データ・コントロールを使用します。データ収集のプロセスは、各データ・ソースによって異なります。

この項には次のトピックが含まれます:

27.2.1.1 SQLデータ・コントロール

SQLデータ・コントロールは、リレーショナル・データベースからデータを取得します。データを取得するには、SQL問合せを指定します。取得するデータを特定の条件で制限する場合は、WHERE句を指定します。例:

SELECT * FROM emp WHERE deptno = 40

注意:

SQLデータ・コントロールを作成するには、アプリケーション・サーバーからデータベースへのデータ・ソース接続が必要です。

SQL問合せの一部として1つ以上のバインド・パラメータを使用すると、取得するデータをエンド・ユーザーが指定できるようになります。例:

SELECT * FROM emp WHERE deptno = :dept AND job = :job

バインド・パラメータには、次の利点があります。

  • データ・コントロールを再利用できます。1つ以上のバインド変数を持つデータ・コントロールは、各インスタンスが異なるデータを表示する、様々な視覚化で何度も使用できます。

  • エンド・ユーザーが、データ・コントロールで取得するデータを制御できます。作成したデータ・コントロールはタスク・フローで使用され、最終的にポータルのページでエンド・ユーザーによって表示されます。データ・コントロールを表、フォームまたはグラフとしてタスク・フローに追加するときには、データの視覚化の上部のパラメータ・フォームでデータ・コントロールのパラメータを公開できます。ユーザーは、このパラメータ・フォームに値を入力して、データ・コントロールで取得するデータを変更できます。データ・コントロールのパラメータを、タスク・フローのパラメータに結び付けることもできます。詳細は、第27.3.6項「視覚化におけるデータの表示の制御」を参照してください。

  • データベースに入出力制限が適用されており、問合せで入出力制限を超える大量のレコードを移動する場合に、このようなデータ・コントロールをタスク・フローに追加すると、エラーが発生してレンダリングに失敗する可能性があります。データベースから取得するデータを特定の条件で制限するために、問合せにWHERE句を指定してください。


注意:

WebCenter Portalで作成したデータ・コントロールは、データベースの問合せにのみ使用できます。取得したデータは更新できません。ただし、設計時に読取り/書込み機能のあるJDeveloperで作成したデータ・コントロールは、取得したデータを更新できます。設計時のデータ・コントロールの詳細は、『Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』を参照してください。

SQLデータ・コントロールの作成方法の詳細は、第27.2.2.1項「SQLデータ・コントロールの作成」を参照してください。

27.2.1.2 Webサービス・データ・コントロール

Webサービス・データ・コントロールは、標準プロトコル(SOAPやHTTPなど)を使用してアクセスするビジネス・サービスからデータを取得します。Webサービスからデータを収集するには、Webサービス記述言語(WSDL)ファイルへのパスを知っている必要があります。WSDLファイルにはWebサービスが記述され、予期されるパラメータなど、コールできるメソッドが指定されます。また、戻されたデータも記述されます。

Webサービス・データ・ソースに対する権限に基づいて、そのWebサービスのメソッドで特定されるパラメータの値のみを指定できます。パラメータの追加や削除はできません。値を指定できるパラメータのタイプは、次のとおりです。

  • スカラー・パラメータ: 文字列またはEL値を直接指定してデータを表示できる、簡単なパラメータです。

  • 複合パラメータ: パラメータとしてオブジェクトを受け取る派生パラメータです。メソッドで公開されたスカラー・パラメータからも値を取得できます。

  • 配列パラメータ: 一度に複数の値を渡すことが可能になります。そのため、データ・ソースの複数のレコードを同時に更新できます。

Webサービス・データ・コントロールには、データ・ソースの問合せに加えて、レコードを更新するオプションもあります。ただし、基になるWebサービスがデータの更新を許可している場合にかぎります。

Webサービス・データ・コントロールの作成方法の詳細は、第27.2.2.2項「Webサービス・データ・コントロールの作成」を参照してください。

27.2.2 データ・コントロールの作成

ポータルにデータを表示するには、まずデータ・コントロールを作成して、基になるデータ・ソースからデータを取得する必要があります。

この項には次のトピックが含まれます:

27.2.2.1 SQLデータ・コントロールの作成

SQLデータ・コントロールを使用すると、SQL問合せを使用してリレーショナル・データベースからデータを取得できます。

始める前に

データ・コントロールのソースとしてデータベースを使用するには、まず、システム管理者がデータベースへの接続を作成する必要があります。詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』のJDBCデータ・ソースの作成に関する項を参照してください。

すべてのデータベース接続のデフォルトSQLスタイルは、Oracleです。データ・ソースがIBM DB2またはMicrosoft SQL Serverデータベースの場合、システム管理者は次の作業を実行する必要があります。

  • SQLスタイルを、DB2またはSQL Serverデータベースをサポートするものに手作業でオーバーライドします。これを実行するには、Javaシステム・プロパティjbo.SQLBuilderの値に、DB2またはSQLServerを指定します。この構成でOracle WebLogic Serverを起動すると、指定したSQLスタイルがサポートされます。

    次のいずれかの方法で、システム・プロパティをJavaコマンドライン・オプションとして指定します。

    • DomainHome/bin/setDomainEnv.shファイルを開いて、-Djbo.SQLBuilder=DB2または-Djbo.SQLBuilder=SQLServerJAVA_OPTIONSの行に追加します。

    • 管理対象サーバーの開始スクリプトをテキスト・エディタで編集し、-Djbo.SQLBuilder=DB2または-Djbo.SQLBuilder=SQLServerJAVA_OPTIONSの行に追加します。

      詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のWebLogic ServerインスタンスのJavaオプションの指定に関する項を参照してください。

    • WebLogic Server管理コンソールで、WC_Spaces管理対象サーバーに移動して、「サーバーの起動」タブをクリックし、「引数」テキスト領域にシステム・プロパティを指定します。

  • jbo.TypeMapEntriesプロパティを使用して、typemapエントリとしてJavaを指定します。

    -Djbo.TypeMapEntries="Java"
    

注意:

SQLスタイルの設定はアプリケーション全体に適用されるため、1つのアプリケーションに複数のSQLスタイルは使用できません。


ヒント:

Oracle以外のデータベースに対するサポートの有無についてのリストは、Oracle Fusion Middleware 11gR1のシステム要件とサポート対象プラットフォームに関するドキュメントを参照してください。このドキュメントは、Oracle Fusion Middlewareのサポート対象システム構成のページ(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html)にあります。

SQLデータ・コントロールを作成するには:

  1. 次のいずれかに移動します。

  2. サイドバーで、「統合」の下にある「データ・コントロール」をクリックします。

  3. ツールバーで、「作成」をクリックします。

  4. 「新規データ・コントロールの作成」ダイアログの「名前」フィールドに、データ・コントロールの名前を入力します。

    この名前は、リソース・カタログに表示されます。

  5. 「説明」フィールドに、データ・コントロールの簡単な説明を入力します。

    この説明は、リソース・カタログに表示されます。

  6. 「データ・コントロール・タイプ」ドロップダウン・リストから「SQL」を選択して、「続行」をクリックします。

  7. 「データソース」ドロップダウン・リストから、このSQLデータ・コントロールに使用するデータベース接続を選択します。

  8. 「パスワード」フィールドに、接続パスワードを入力します。

    このフィールドは、データ・ソースに接続するパスワードを知っているユーザーのみがデータ・コントロールを作成できるようにするためのものです。データ・コントロールを作成または編集するたびに、パスワードを指定する必要があります。

  9. 「SQL文」フィールドに、データを取得するためにデータ・コントロールで使用するSQL問合せを入力します。例:

    SELECT * FROM Persons WHERE City LIKE 'sa%'
    

    問合せの一部として、任意のバインド変数を指定します。バインド変数は、データ・コントロールに表示するデータの制御に役立ちます。

    次の例を検討してください。

    SELECT ename, empno, mgr, deptno FROM emp WHERE job IN (:job) ORDER BY empno ASC
    

    この問合せは、特定のジョブ・ロール(セールス・マネージャなど)の従業員全員の詳細を戻します。この問合せでは、:jobがパラメータjobを定義し、このパラメータはempデータベース表のjob列に対応します。問合せは、job値に基づいてデータを戻します(この指定方法は次の手順で説明します)。バインド変数は必要な数だけ追加できます。問合せには、同じ変数を複数回使用することもできます。


    ヒント:

    • バインド変数にはSQL予約語およびキーワードは使用しないでください。詳細は、Oracle Databaseドキュメント・ライブラリのOracle Database SQL言語リファレンスでOracle SQLの予約語およびキーワードに関する項を参照してください。

    • SQL Serverデータベースを使用している場合、問合せにNCHARデータ型またはNVARCHARデータ型の列が含まれると、エラーが発生する可能性があります。SQLデータ・コントロールがNCHARおよびNVARCHARを含む問合せを実行できない場合は、リソース・カタログのData Controlsフォルダに追加されません。この制限を回避するには、CONVERT関数を使用して問合せを修正する必要があります。例:

      SELECT CONVERT(VARCHAR(20), col1) col1, CONVERT(VARCHAR(20), col2) col2 FROM table1
      

  10. SQL問合せにバインド変数(たとえばjob)を含めた場合は、「バインド変数の入力」をクリックして、それらの変数の詳細を指定します。

    図27-1 SQLデータ・コントロールのバインド変数の指定

    図27-1の説明が続きます
    「図27-1 SQLデータ・コントロールのバインド変数の指定」の説明

    各バインド変数に対して、次の手順を実行します。

    1. 「値」フィールドに、バインド変数のデフォルト値を入力します。

      この値は、データ・コントロールで取得する初期データの決定に使用されます。

    2. 「タイプ」ドロップダウン・リストから、バインド変数のタイプが「テキスト」「ブール」のどちらになるかを選択します。

      これにより、基本的なデータ検証が行われ、ページ上でバインド変数をユーザーに表示する方法が決定されます。タイプが「テキスト」のバインド変数はテキスト・フィールドとして表示され、「ブール」の変数はチェック・ボックスとして表示されます。

    3. 「表示名」フィールドに、ユーザーがわかりやすい変数の名前を入力します。

      この名前は、ユーザーがタスク・フローでデータ・コントロールを使用するときに表示されます。

    4. 「ツールチップ」フィールドに、バインド変数の簡単な説明を入力します。

      これにより、ユーザーが変数の用途を判断できるように支援します。

  11. 「テスト」をクリックして、入力した問合せをテストします。

    パラメータを追加したときに、そのパラメータのデフォルト値を指定していないと、エラー・メッセージが表示されます。

    問合せに間違いがなければ、表に問合せの結果が表示されます。表内のすべてのデータを確認するには、スクロールバーを使用してください。

  12. 「作成」をクリックします。

新しく作成したデータ・コントロールが、「アセット」ページまたは「共有アセット」ページにリスト表示されます。「使用可能」列の空のチェック・ボックスは、データ・コントロールがまだ公開されていないことを示しています。そのため、ユーザーは、そのデータ・コントロールを選択して自分のタスク・フローに追加できません。データ・コントロールを公開するには、チェック・ボックスを選択します。詳細は、第20.5.3項「アセットの表示および非表示」を参照してください。

27.2.2.2 Webサービス・データ・コントロールの作成

Webサービス・データ・コントロールは、標準プロトコル(SOAPやHTTPなど)を使用してアクセスするビジネス・サービスからデータを取得します。

Webサービス・データ・コントロールを作成するには:

  1. 次のいずれかに移動します。

  2. サイドバーで、「統合」の下にある「データ・コントロール」をクリックします。

  3. ツールバーで、「作成」をクリックします。

  4. 「新規データ・コントロールの作成」ダイアログの「名前」フィールドに、データ・コントロールの名前を入力します。

    この名前は、リソース・カタログに表示されます。

  5. 「説明」フィールドに、データ・コントロールの簡単な説明を入力します。

    この説明は、リソース・カタログに表示されます。

  6. 「データ・コントロール・タイプ」ドロップダウン・リストから「Webサービス」を選択して、「続行」をクリックします。

  7. 「WSDL URL」フィールドに、WebサービスのWSDLファイルの場所を入力します。例:

    http://www.example.com/exampleservice/example.asmx?WSDL
    
  8. Webサービスがファイアウォールを挟んでポータルの反対側にある場合は、「ホスト」フィールドと「ポート」フィールドを使用して、プロキシ認証を構成します。

    Webサービスに安全に接続するには、まず、プロキシ認証を使用するようにアプリケーションを構成する必要があります。


    ヒント:

    • セントラルWebCenter Portalプロキシ(またはRSSプロキシ)がすでに構成されている場合、プロキシのフィールドには、プロキシのホスト名とポート番号が自動的に入力されます。プロキシを構成しない場合は、プロキシの詳細を変更したり、フィールドを消去できます。

      WebCenter Portalのセントラル・プロキシを変更しても、Webサービス・データ・コントロールに対するプロキシ設定は変更されません。ただし、Webサービス・データ・コントロールのプロキシ設定を変更すると、WebCenter Portalのセントラル・プロキシの設定が変更されます。

      RSSプロキシの詳細は、Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発のRSSサービスのプロキシ・サーバーの設定に関する項を参照してください。

    • WebLogicドメイン・プロキシがすでに構成されている場合と、Webサービス・データ・コントロールの作成時または編集時にプロキシを設定しないことを選択している場合は、デフォルト設定としてWebLogicドメイン・プロキシが使用されます。


  9. 保護されたWebサービスに接続する場合は、「ユーザー名」「パスワード」を入力して、Webサービス・エンドポイントにアクセスします。


    ヒント:

    WSDL自体へのアクセスが保護されている場合は、「新規データ・コントロールの作成」ページからWebサービスに接続できません。この制限を回避するには、ブラウザでユーザー名とパスワードを指定してWSDLにアクセスし、WSDLページをダウンロードして、そのページを.wsdlドキュメントの形式でローカルに保存します。その後で、このドキュメントへのパスを「WSDL URL」フィールドに指定します。

  10. 「メソッドの表示」をクリックし、指定したWSDLを使用するWebサービスへの接続を確立して、そのWebサービスに使用できるメソッドを表示します。

  11. 「サービス」ドロップダウン・リストから、データ・コントロールに使用するサービスを選択します。

  12. 「ポート」ドロップダウン・リストから、使用可能なポートを1つ選択します。

    「メソッド」フィールドに、指定したWebサービスに使用できるメソッドが表示されます。

    選択したポートのすべてのメソッドが、データ・コントロールに追加されます。これらのメソッドは、後からリソース・カタログで選択できます。

    図27-2 データ・コントロールへのWebサービスのメソッドの追加

    図27-2の説明が続きます
    「図27-2 データ・コントロールへのWebサービスのメソッドの追加」の説明

  13. OWSMを使用してWebサービスが保護されている場合は、表27-1に説明するように、「Oracle Web Service Managerのセキュリティ・ポリシー」セクションの各フィールドで、使用するポリシーを指定します。

    表27-1 OWSMセキュリティ情報

    名前 説明

    MTOM

    MTOM (メッセージ伝送最適化メカニズム)ポリシーです。

    信頼性

    信頼性ポリシーです。

    アドレス指定

    アドレス指定ポリシーです。

    セキュリティ

    必要に応じてセキュリティ・ポリシーを追加適用します。


    たとえば、Webサービスの保護にmycompany/wss_username_token_service_policyという名前のポリシーを使用している場合は、「セキュリティ」フィールドにクライアント・ポリシーmycompany/wss_username_token_service_policyを移入します。

    セキュリティ・ポリシーの詳細は、『Webサービスのためのセキュリティおよび管理者ガイド』を参照してください。

  14. 前の手順で指定した「セキュリティ」ポリシーのプロパティはオーバーライドできます。「プロパティの追加」ボタンと「プロパティの削除」ボタンを使用して、「OWSMポリシー・プロパティのオーバーライド」表にエントリを追加または削除します。


    ヒント:

    オーバーライドするプロパティは、ポリシーで定義されます。したがって、この手順を実行するには、使用されるポリシーおよびオーバーライドできるプロパティを把握しておく必要があります。

    たとえば、「セキュリティ」ポリシーmycompany/wss_username_token_client_policyを指定したときに、そのポリシーにcsf-keyプロパティがある場合は、オーバーライドのセクションで「プロパティの追加」をクリックして、csf-keyの値を追加します。このキーは、構成済のキーストアに存在している必要があります。

    資格証明ストアへのcsf-keyの追加の詳細は、『Webサービスのためのセキュリティおよび管理者ガイド』の資格証明ストアへのキーおよびユーザー資格証明の追加に関する項を参照してください。

  15. メソッドのパラメータに値を設定する場合は、メソッドを選択してから「次へ」をクリックします。

    Webサービスは、データ・コントロールで表示されるデータを制御するスカラー・パラメータおよび複合パラメータを公開していることがあります。詳細は、第27.2.1.2項「Webサービス・データ・コントロール」を参照してください。

  16. 各パラメータに対して、次の手順を実行します。


    ヒント:

    複合パラメータの場合は、まずパラメータを展開して、そのパラメータを構成するスカラー値を表示する必要があります。

    1. 「表示名」フィールドに、ユーザーがわかりやすいパラメータの名前を入力します。

      この名前は、ユーザーがタスク・フローでデータ・コントロールを使用するときに表示されます。

    2. 「ツールチップ・テキスト」フィールドに、パラメータの簡単な説明を入力します。

      これにより、ユーザーがパラメータの用途を判断できるように支援します。

    3. 「ユーザーに表示」を選択して、ユーザーがタスク・フローでデータ・コントロールを使用するときに、パラメータを表示します。


    注意:

    公開されたパラメータの値はタスク・フローでデータ・コントロールを使用する場合にのみ指定できます。詳細は、第27.3.6.2項「データ・コントロールのパラメータ値の編集」を参照してください。

  17. 「作成」をクリックします。

新しく作成したデータ・コントロールが、「アセット」ページまたは「共有アセット」ページにリスト表示されます。「使用可能」列の空のチェック・ボックスは、データ・コントロールがまだ公開されていないことを示しています。そのため、ユーザーは、そのデータ・コントロールを選択して自分のタスク・フローに追加できません。データ・コントロールを公開するには、チェック・ボックスを選択します。詳細は、第20.5.3項「アセットの表示および非表示」を参照してください。

27.2.3 データ・コントロールの編集

データ・コントロールを作成した後、各種のプロパティを編集できます。

この項には次のトピックが含まれます:

27.2.3.1 データ・コントロールの編集

データ・コントロールを変更するには、データ・コントロールを選択してから、「編集」クイック・リンクを選択します。「編集」ダイアログでは、データ・コントロールの作成時に指定した値を変更できます。


注意:

データ・コントロールを編集すると、タスク・フロー内のこのデータ・コントロールへの参照が壊れることがあります。そのため、データ・コントロールの「編集」オプションは、使用しているタスク・フローへの影響を考慮してから慎重に使用してください。

編集中のデータ・コントロールへの参照を修正するには、タスク・フローのソース・ファイルを編集する必要があります。詳細は、第20.4.2項「アセットのソース・コードの編集」を参照してください。


データ・コントロールを編集するには:

  1. 次のいずれかに移動します。

  2. サイドバーで、「統合」の下にある「データ・コントロール」をクリックします。

  3. 編集するデータ・コントロールの「編集」クイック・リンクをクリックします(図27-3)。

    図27-3 データ・コントロールの「編集」クイック・リンク

    図27-3の説明が続きます
    「図27-3 データ・コントロールの「編集」クイック・リンク」の説明

  4. 「データ・コントロールの編集」ページのフィールドは、「データ・コントロールの作成」ページのフィールドとよく似ています。これらのフィールドの詳細は、次の項を参照してください。

  5. 終了したら、「保存して閉じる」をクリックします。

27.2.3.2 SQLデータ・コントロールのバインド変数の編集

データ・コントロールで使用されるSQL問合せを編集することにより、既存のSQLデータ・コントロールのバインド変数を追加またはその名前を変更できます。SQL問合せは、「データ・コントロールの編集」ページで変更します。また、変数の詳細(表示名やデフォルト値)を編集することもできます。


注意:

バインド変数の名前を変更するときには注意が必要です。データ・コントロールがタスク・フローで使用されているときに、パラメータ・フォームで公開されているバインド変数の名前を変更すると、データの視覚化が壊れることがあります。

SQLデータ・コントロールのバインド変数を編集するには:

  1. データ・コントロールを編集します。詳細は、第27.2.3.1項「データ・コントロールの編集」を参照してください。

  2. 「データ・コントロールの編集」ページで、バインド変数を追加または削除して、「SQL文」フィールドで、問合せを編集します。

  3. バインド変数の詳細を指定するには、「バインド変数の入力」をクリックします。

  4. 各バインド変数に対して、次の手順を実行します。

    1. 「値」フィールドに、バインド変数のデフォルト値を入力します。

      この値は、データ・コントロールの表示時に示される初期データを決定するために使用されます。

    2. 「タイプ」ドロップダウン・リストから、バインド変数のタイプが「テキスト」「ブール」のどちらになるかを選択します。

      これにより、基本的なデータ検証が行われ、ページ上でバインド変数をユーザーに表示する方法が決定されます。タイプが「テキスト」のバインド変数はテキスト・フィールドとして表示され、「ブール」の変数はチェック・ボックスとして表示されます。

    3. 「表示名」フィールドに、ユーザーがわかりやすい変数の名前を入力します。

      この名前は、ユーザーがタスク・フローでデータ・コントロールを使用するときに表示されます。

    4. 「ツールチップ」フィールドに、バインド変数の簡単な説明を入力します。

      これにより、ユーザーが変数の用途を判断できるように支援します。

  5. 終了したら、「保存して閉じる」をクリックします。

    データ・コントロールがタスク・フローで使用されている場合は、指定した新しいパラメータ値固有のデータが、表、フォームまたはグラフに表示されるようになります。

ユーザーがデータ・コントロールを使用する際、データ・コントロールのパラメータに値を指定することで、視覚化におけるデータの表示を制御できます。詳細は、第27.3.6項「視覚化におけるデータの表示の制御」を参照してください。

27.2.4 データ・コントロールの管理

「アセット」ページと「共有アセット」ページの「データ・コントロール」ページでは、次に示すオプションを使用してデータ・コントロールを管理できます。

  • 作成: 詳細は、次のいずれかの項を参照してください。

  • 削除: データ・コントロールが不要になった場合に削除できます。

    詳細は、第20.5.9項「アセットの削除」を参照してください。

    データ・コントロールを削除すると、タスク・フロー内のこのデータ・コントロールへの参照が壊れることがあります。そのため、データ・コントロールの「削除」オプションは、使用しているタスク・フローへの影響を考慮してから慎重に使用してください。データ・コントロールへの壊れた参照を修正する方法の詳細は、第27.3.5.5項「データ・コントロールへの参照が壊れたタスク・フローの修復」を参照してください。

  • アップロード: データ・コントロールを含むアーカイブ・ファイルを別のポータルからアップロードできます。

    詳細は、第20.5.8項「アセットのアップロード」を参照してください。

    「アップロード」オプションは、JDeveloperからエクスポートしたデータ・コントロールのアップロードには使用できません。

    • SQLデータ・コントロールの場合、データ・コントロールで参照するデータベースは、ターゲット・インスタンスに存在していて、関連する表とビューのすべてを含んでいる必要があります。システム管理者は、データベースへの接続がターゲット・インスタンスに存在していることを確認する必要があります。この接続は、ソース・インスタンスでの接続と同じ名前にする必要があります。詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』のJDBCデータ・ソースの作成に関する項を参照してください。

    • Webサービス・データ・コントロールの場合、システム管理者は、Webサービスへの資格証明を完備したWebサービス接続がターゲット・システムに存在していることを確認する必要があります。

    データ・コントロールで使用する接続(たとえば、Webサービス・データ・コントロールで使用するWebサービス接続)は、その接続がソース・インスタンスからダウンロードした接続であればアップロードできます。接続をアップロードするには、importWebCenterPortalConnections WLSTコマンドを使用します。コマンドの構文と例は、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のimportWebCenterPortalConnectionsに関する項を参照してください。WLSTコマンドの実行方法は、Oracle WebCenter Portalの管理のOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行に関する項を参照してください。

  • ダウンロード: 別のポータルにアップロードするために、データ・コントロールをアーカイブ・ファイルにダウンロードできます。

    詳細は、第20.5.7項「アセットのダウンロード」を参照してください。

    WebCenter PortalからJDeveloperにダウンロードしたデータ・コントロールはインポートできません。

    データ・コントロールで使用している接続(たとえば、Webサービス・データ・コントロールで使用しているWebサービス接続)をダウンロードして、ターゲット・インスタンスにアップロードすることもできます。接続をダウンロードするには、exportWebCenterPortalConnections WLSTコマンドを使用します。コマンドの構文と例は、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のexportWebCenterPortalConnectionsに関する項を参照してください。WLSTコマンドの実行方法は、Oracle WebCenter Portalの管理のOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行に関する項を参照してください。

  • アクション

    • コピー: データ・コントロールのコピーを作成できます。データ・コントロールをバックアップしたり、使用中のオリジナルを保持してデータ・コントロールを更新する場合に、この機能を使用できます。

      詳細は、第20.5.4項「アセットのコピー」を参照してください。

    • セキュリティ設定: すべてのユーザーがデータ・コントロールにアクセスできるようにするか、特定のユーザーまたはグループにアクセスを制限するかを制御できます。

      詳細は、第20.5.6項「アセットのセキュリティの設定」を参照してください。

    • プロパティの編集: 各データ・コントロールには、そのデータ・コントロールをポータルに表示する方法を制御する、特定のプロパティが関連付けられています。これらのプロパティは、「プロパティの編集」ダイアログで編集できます。

      詳細は、第20.5.5項「アセットのプロパティの設定」を参照してください。

    • プロパティの表示: 各データ・コントロールには、そのデータ・コントロールをポータルに表示する方法を制御する、特定のプロパティが関連付けられています。これらのプロパティは、「プロパティの表示」ダイアログにまとめて表示されます。

      詳細は、第20.5.1項「アセットに関する情報の表示」を参照してください。

  • 使用可能: データ・コントロールをリソース・カタログに含めるかどうかを制御できます。これにより、そのデータ・コントロールをポータルで使用できるようにするかどうかを制御します。

    詳細は、第20.5.3項「アセットの表示および非表示」を参照してください。


    ヒント:

    リソース・カタログでのデータ・コントロールの表示または非表示の他に、WebCenter Portalの任意のポータル、すべてのポータルまたは選択されたポータルのいずれかで、共有データ・コントロールを使用できるように制御することも可能です。詳細は、第20.5.5項「アセットのプロパティの設定」を参照してください。

  • 編集: 詳細は、第27.2.3項「データ・コントロールの編集」を参照してください。

27.3 タスク・フローの使用

タスク・フローにデータ・コントロールを追加すると、取得したデータを視覚化できるようになります。タスク・フローとは、ページと同様に、ポートレット、コンテンツ、別のタスク・フローなどのコンポーネントを追加できるコンテナです。ただし、タスク・フローには、再利用できるという利点があるため、複数のページに同一のタスク・フローを使用できます。

データ・コントロールによって表示されるデータをユーザーが制御できるようにするには、データの視覚化とともにパラメータ・フォームを組み込みます。たとえば、あるSQLデータ・コントロールに従業員データベースからデータを取得するバインド変数jobが含まれている場合は、そのデータ・コントロールを表としてタスク・フローに追加して、その表の上部に表示するパラメータ・フォームにjobパラメータを含めます。このようにすると、データ・コントロールは、パラメータ・フォームのjobパラメータに指定された値に基づいてデータを取得します。また、データ・コントロールのパラメータをタスク・フローのパラメータと結び付けると、タスク・フローのパラメータに指定した値に基づいたデータをデータ・コントロールで取得できるようになります。ユーザーは、ページ・エディタでタスク・フローのパラメータ値を変更して、それに対応するデータをデータ・コントロールに要求できます。詳細は、第27.3.6項「視覚化におけるデータの表示の制御」を参照してください。

この項には次のトピックが含まれます:

27.3.1 組込みタスク・フローについて

デフォルトでは、WebCenter Portalには2つのタスク・フローが含まれており、これらは最新のページ・テンプレートでナビゲーションを提供するために使用されます(表21-1 「組込みページ・テンプレート」を参照)。これらのタスク・フローでのナビゲーションのスタイルは、これらのページ・テンプレートで使用されるSkyros v2スキンのCSSに依存します。別のスキンを使用しているページ・テンプレートでこれらのタスク・フローを使用する場合は、スキンのCSSの不一致により、ナビゲーションが予期したとおりに表示されないことがあります。ただし、ナビゲーション・セクションを、Skyros v2スキン・ソース・コードから現在のスキン・ソース・コードにコピーして貼り付けた場合は、予期したとおりの結果が得られます。

表27-2に、すぐに使用できるタスク・フローの説明を示します。

表27-2 組込みタスク・フロー

名前 説明

ポータル・サイド・ナビゲーション

サイド・ナビゲーション・レイアウトを実装するために、Skyrosサイド・ナビゲーションv2およびSkyrosサイド・ナビゲーション(ストレッチ) v2ページ・テンプレートで使用されるタスク・フロー。

ポータル・トップ・ナビゲーション

トップ・ナビゲーション・レイアウトを実装するために、Skyrosトップ・ナビゲーションv2およびSkyrosトップ・ナビゲーション(ストレッチ) v2ページ・テンプレートで使用されるタスク・フロー。


27.3.2 サポートされる視覚化

SQLデータ・コントロールやWebサービス・データ・コントロールを使用して取得したデータは、様々な方法でタスク・フローでレンダリングできます。タスク・フローの編集中に、リソース・カタログでデータ・コントロールのオブジェクトに対して「追加」をクリックすると、「追加」メニューに様々なドロップ・ハンドラが表示されます。ドロップ・ハンドラを使用すると、データ・コントロールのオブジェクトを表、グラフ、フォーム、ボタン、ラベルなどのUI要素として追加できます。サポートされるオブジェクトのタイプおよびフレーバに応じて、様々なUI要素を追加できます。

  • : このオプションは、表の列に表示できるオブジェクトのコレクションを戻すデータ・コントロール・アクセッサを選択したときに表示されます。このオプションを選択すると、データが表のレイアウトで表示されます。

    詳細は、第27.3.5.2項「表形式でのデータの表示」を参照してください。

  • フォーム: このオプションは、フォームに表示できるオブジェクトのコレクションを戻すデータ・コントロール・アクセッサを選択したときに表示されます。このオプションを選択すると、ソース・データがフォームに表示されます。

    詳細は、第27.3.5.3項「フォーム形式でのデータの表示」を参照してください。

  • グラフ: このオプションは、グラフ表示できるオブジェクトのコレクションを戻すデータ・コントロール・アクセッサを選択したときに表示されます。これは、レポートを生成する際、分析のために役立ちます。このオプションを選択すると、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフまたは面グラフで、グラフィカルにデータを表示できます。

    詳細は、第27.3.5.4項「グラフ形式でのデータの表示」を参照してください。

  • ボタンまたはリンク: 「ADFボタン」「ADFリンク」「ADFイメージ・リンク」、および「ADFツールバー・ボタン」の各オプションは、アクションを実行するデータ・コントロールのメソッドまたは操作を選択したときに表示されます。メソッドまたは操作(CreateUpdateDeleteCommitRollbackSaveCloseなど)を追加するときに、ボタンまたはリンクのオプションを選択します。データ・ソースにより公開されるメソッドに応じて、データ・コントロールが異なると、異なるオプションを使用できます。

    詳細は、第27.3.7項「視覚化からのデータ・ソースへの書込み」を参照してください。

  • テキストまたはラベル: 「ADF出力テキスト」「ラベル付ADF出力テキスト」「ADF出力フォーマット済」「ラベル付ADF出力フォーマット済」「ADF入力テキスト」「ラベル付ADF入力テキスト」、および「ADFラベル」の各オプションは、1つのオブジェクトを戻すデータコントロールの属性またはメソッドを選択したときに表示されます。属性は、アクセッサのスカラー・パラメータ、メソッド・リターンまたは複合パラメータのオブジェクト・メンバーを指定できます。テキストまたはラベルのオプションは、ユーザーにその値を表示する必要があるか、またはユーザーが値を指定する必要があるかどうかに応じて選択します。

タスク・フロー内にデータ・コントロールを追加するときに、データ・コントロールのパラメータをタスク・フローのパラメータに結び付けると、指定したパラメータ値に基づいたデータをデータ・コントロールで取得できるようになります。詳細は、第27.3.6.3項「データ・コントロール・パラメータのタスク・フロー・パラメータへのバインド」を参照してください。

27.3.3 データを視覚化するタスク・フローの作成

ポータルでデータを視覚化するには、データ・コントロールを使用するタスク・フローを作成する必要があります。このデータ・コントロールでデータを取得します。

タスク・フローを作成する手順は次のとおりです。

  1. 次のいずれかに移動します。

  2. サイドバーで、「UIコンポーネント」の下にある「タスク・フロー」をクリックします。

  3. ツールバーで、「作成」をクリックします。

  4. 「新規タスク・フローの作成」ダイアログで、「名前」フィールドに、タスク・フローの名前を入力します。

  5. (オプション)「説明」フィールドに、タスク・フローのわかりやすい説明を入力します。

    この名前と説明は、リソース・カタログに表示されます。

  6. 「マッシュアップ・スタイル」オプションから、タスク・フローに使用するタスク・フロー・スタイルを選択します。

    詳細は、第27.4項「タスク・フロー・スタイルの使用」を参照してください。

  7. 「作成」をクリックします。

    新しく作成したタスク・フローが、「アセット」ページまたは「共有アセット」ページにリストされます。「使用可能」列の空のチェック・ボックスは、タスク・フローがまだ公開されていないことを示しています。そのため、ユーザーは、そのタスク・フローを選択して自分のページに追加できません。タスク・フローを公開するには、チェック・ボックスを選択します。詳細は、第20.5.3項「アセットの表示および非表示」を参照してください。

これで、ページ・エディタを使用して新しいタスク・フローを編集し、リソース・カタログから選択できる様々なリソース(データ・コントロールなど)に移入できるようになります。詳細は、第27.3.4項「タスク・フローの編集」および第27.3.5項「タスク・フローでのデータ・コントロールの使用」を参照してください。

27.3.4 タスク・フローの編集

初めて作成したタスク・フローには、タスク・フロー・スタイルで指定したコンテンツのみが含まれています。タスク・フローに別のコンテンツを追加するには、タスク・フローのビュー・フラグメントを編集する必要があります。ビュー・フラグメントには、リソース・カタログから各種のリソース(データ・コントロールなど)を追加できます。また、タスク・フローを編集して、タスク・フローのパラメータを作成または変更することもできます。

WebCenter Portalでタスク・フローを編集する最も一般的な方法は、ページ・エディタを使用する方法です。


ヒント:

タスク・フローのソース・コードを直接編集することもできます。たとえば、参照先のコンポーネント(データ・コントロールなど)を削除したときにページ・フラグメントとページ定義をクリーンアップする場合、また、タスク・フローのコードをダウンロードし、JDeveloperで編集してから元のWebCenter Portalにアップロードすることなくそのコードを調整する場合などです。

詳細は、第20.4.2項「アセットのソース・コードの編集」を参照してください。


タスク・フローをページ・エディタで編集するには:

  1. タスク・フローを作成した場所に応じて、次のいずれかに移動します。

  2. サイドバーで、「UIコンポーネント」の下にある「タスク・フロー」をクリックします。

  3. 編集するタスク・フローの「編集」クイック・リンクをクリックします(図27-4)。

    図27-4 タスク・フローの「編集」クイック・リンク

    図27-4の説明が続きます
    「図27-4 タスク・フローの「編集」クイック・リンク」の説明

  4. ページ・エディタで、タスク・フローのビュー・フラグメントに必要なリソースを追加します。

  5. 「保存」をクリックして、変更を保存します。

27.3.5 タスク・フローでのデータ・コントロールの使用

データ・コントロールは、公開時に、自動的にリソース・カタログから選択できるようになり、タスク・フローに追加できるようになります。タスク・フローでデータ・コントロールを使用して、そのデータ・コントロールを様々な方法(表、グラフ、およびフォームなど)でレンダリングすることで、役立つデータの視覚化を作成できます。データ・コントロールでパラメータを定義している場合は、タスク・フローにパラメータ・フォームを組み込むと、ユーザーはデータ・コントロールのパラメータ値を指定して、その値に基づいたデータを表示できるようになります。


注意:

同じタスク・フローに同じデータ・コントロールを複数回追加すると、予期しない結果になる可能性があります。1つのページで同じデータ・コントロールを複数回使用する場合は、各インスタンスに対し別個のタスク・フローを作成する方法をお薦めします。

この項の内容は、次のとおりです。

27.3.5.1 タスク・フローへのデータ・コントロールの追加

データ・コントロールと、そのアクセッサまたはメソッドをタスク・フローに追加するときには、データを視覚化するための各種オプションを選択できます。選択したオブジェクトと、そのオブジェクトがサポートする視覚化に応じて、「追加」メニューには異なるオプションがリストされます。詳細は、第27.3.2項「サポートされる視覚化」を参照してください。

タスク・フローにデータ・コントロールを追加するには:

  1. ページ・エディタでタスク・フローを編集します。詳細は、第27.3.4項「タスク・フローの編集」を参照してください。

  2. リソース・カタログで、データ・コントロールを含むセクションに移動します。


    ヒント:

    データ・コントロールの場所は、ページの編集に使用するリソース・カタログによって異なります。たとえば、デフォルトのポータル・カタログでは、実行時に作成されるデータ・コントロールは、「統合」フォルダ内にネストされた「データ・コントロール」フォルダにあります。


    注意:

    SQLデータ・コントロールを作成したとすると、ページ・エディタのリソース・カタログにデータ・コントロールが含まれないことが確認できます。つまり、それをタスク・フローに追加することはできません。詳細は、第27.2.2.1項「SQLデータ・コントロールの作成」で、SQL文の入力の手順のヒントを参照してください。

  3. データ・コントロールの横にある「開く」をクリックして、コンテンツを表示します。

  4. データ・コントロール・アクセッサの横にある「追加」をクリックします。

  5. ドロップダウン・メニューから、データを視覚化する方法に応じて、次のいずれかのオプションを選択します。

27.3.5.2 表形式でのデータの表示

「表」オプションは、表の列に表示できるオブジェクトのコレクションを戻すデータ・コントロール・アクセッサのみに表示されます。

タスク・フローにデータ・コントロールを表として追加するときには、次の2つのオプションを選択できます。

  • 読取り専用表: データ・コントロールを読取り専用表として追加します。表のコンテンツは編集できません。

  • : データ・コントロールを編集可能な表として追加します。ユーザーは、表内の情報を編集して、それらの変更内容を元のデータ・ソースにコミットできます。現時点では、編集可能な表のサポートには制限があります。編集可能な表は、経験豊富な開発者のみが実装するようにしてください。

表形式でデータを表示するには:

  1. 第27.3.5.1項「タスク・フローへのデータ・コントロールの追加」の手順を実行して、ドロップダウン・メニューから「表」を選択します。

  2. 表の作成ウィザードの「タイプ」ページで、「読取り専用表」を選択します。

  3. (オプション)「動作」セクションで、次に示すオプションを1つ以上選択して表をカスタマイズできるようにします。

    • 行選択: ユーザーが任意の操作を実行できる行の選択を有効にします。

      表の行選択を有効にして行を選択すると、内部では、選択した行の列値が行選択Beanに追加されます。列値は次のEL形式で格納されます。

      #{dataComposerViewContext.dataSelection.COLUMN_NAME}
      

      この形式を使用して、タスク・フローの別の場所から表の列を参照できます。通常、これは視覚化がマスター/ディテール関係で結び付けられているタスク・フローで役立ちます。

      EL式に関してサポートが必要な場合、アプリケーション開発者がEL式を提供できます。詳細は、Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発の式言語式に関する付録を参照してください。


      注意:

      データ・コントロールにバインド・パラメータが含まれている場合は、行選択がサポートされません。

    • フィルタリング: 表の各列の上部にテキスト・フィールドが表示されます。ユーザーは、これらのテキスト・フィールドでフィルタ基準を指定して、その基準と一致する行のみを表示できます。

    • ソート: 各列のヘッダーに矢印と矢印を表示します。この矢印をクリックすると、ユーザーは、その列で表を昇順または降順にソートできます。

  4. 「次へ」をクリックします。

  5. 「アイテム」ページでは、表に表示するアクセッサ属性がデフォルトですべて選択されています。表に表示する必要のないアクセッサ属性がある場合は、その属性を「選択済アイテム」リストから選択して、「選択可能アイテム」リストに移動します。

  6. 「選択済アイテム」リストの横にある矢印アイコンを使用して、表の列として各属性が表示される順序を決定します。

  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「列」ページで、表内の各列に対して、次に示す表示オプションを指定します。

    • 列ヘッダー: 選択した列のヘッダーとして使用する名前を指定します。

    • 表示形式: 列の出力形式を選択します。

      • 出力テキスト: データ・レコードを、スタイル指定された読取り専用テキストとして表示します。

      • 出力フォーマット済: データ・レコードを、形式がかぎられた読取り専用テキストとして表示します。

      • ハイパーリンク: 選択した列のデータをリンクとして表示します。たとえば、従業員データベースに接続する場合は、従業員名をハイパーリンクとして表示して、ユーザーがリンクをクリックしたときに従業員のプロファイル・ページに移動できるようにします。

    • 位置合せ: 表のセル内のデータを、「中央」「終了」「左」「右」、または「開始」に位置合せする必要があるかどうかを選択します。

    • URL: データ・コントロールからの値に基づいて動的URLを作成します。URLは、URLに追加する必要のあるEL値とともに指定します。「URL」フィールドは、「表示形式」リストで「ハイパーリンク」を選択した場合にのみ使用できます。

      たとえば、現在のユーザーがメンバーになっているポータルをリストする表として、WebCenter Portalサービスのデータ・コントロールを追加する場合は、「URL」フィールドに/spaces/#{row.item}を入力すると、ポータル名をハイパーリンクとして表示できます。表に示されたポータル名をクリックすると、そのポータルが開きます。

    • 新規ウィンドウで開く: URLを別のウィンドウで開くかどうかを選択します。このチェック・ボックスは、「表示形式」リストで「ハイパーリンク」を選択した場合にのみ使用できます。

  9. データ・コントロールに、パラメータ・フォームで公開する関連パラメータが含まれている場合は、「次へ」をクリックして、第27.3.6.1項「データの視覚化へのパラメータ・フォームの追加」に進んでください。

    データ・コントロールに関連パラメータが含まれていない場合や、パラメータ・フォームを組み込む必要がない場合は、「作成」をクリックします。

27.3.5.3 フォーム形式でのデータの表示

「フォーム」オプションは、フォームの要素として表示できるオブジェクトのコレクションを戻すデータ・コントロール・アクセッサのみに表示されます。

タスク・フローにデータ・コントロールをフォームとして追加するときには、次の2つのオプションを選択できます。

  • 読取り専用フォーム: データ・コントロールを、読取り専用フォームとして追加します。フォームには、指定内容に基づいたデータが表示されますが、そのデータは編集できません。

  • フォーム: データ・コントロールを編集可能なフォームとして追加します。ユーザーは、取得された値を編集して、それらの変更内容を元のデータ・ソースにコミットできます。現時点では、編集可能なフォームのサポートには制限があります。編集可能なフォームは、経験豊富な開発者のみが実装するようにしてください。


    注意:

    実行時に作成されたデータ・コントロールは、データの編集をサポートしません。現在、デザインタイムBC4JベースのSQLデータ・コントロールのみが、表でのデータの編集をサポートしています。

フォーム形式でデータを表示するには:

データ・コントロールを表としてページに追加するときには、次の2つのオプションを選択できます。

  1. 第27.3.5.1項「タスク・フローへのデータ・コントロールの追加」の手順を実行して、ドロップダウン・メニューから「フォーム」を選択します。

  2. フォームの作成ウィザードの「タイプ」ページで、「読取り専用フォーム」を選択します。

  3. 「ナビゲーション・コントロールを含める」を選択すると、フォームに「最初」「前」「次」、および「最後」の各ボタンが表示されます。ナビゲーション・コントロールは、データ・ソースから複数のレコードを取得する場合に役立ちます。


    注意:

    ナビゲーション・コントロールは、データ・コントロールでバインド・パラメータを使用すると正常に動作しない場合があります。

  4. 「次へ」をクリックします。

  5. 「アイテム」ページでは、フォームに表示するアクセッサ属性がデフォルトですべて選択されています。フォームに表示する必要のないアクセッサ属性がある場合は、その属性を「選択済アイテム」リストから選択して、「選択可能アイテム」リストに移動します。

  6. 「選択済アイテム」リストの横にある矢印アイコンを使用して、フォームのフィールドとして各属性が表示される順序を決定します。

  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「フィールド」ページで、フォーム内の各フィールドに対して、次に示す表示オプションを指定します。

    • ラベル: 選択したフィールドのラベルとして使用するテキストを指定します。

    • フォーム・コンポーネント: 「読取り専用テキスト」を選択すると、フィールドは読取り専用テキストとして表示されます。

  9. データ・コントロールに、パラメータ・フォームで公開する関連パラメータが含まれている場合は、「次へ」をクリックして、第27.3.6.1項「データの視覚化へのパラメータ・フォームの追加」に進んでください。

    データ・コントロールに関連パラメータが含まれていない場合や、パラメータ・フォームを組み込む必要がない場合は、「作成」をクリックします。

27.3.5.4 グラフ形式でのデータの表示

「グラフ」オプションは、グラフとして表示できるオブジェクトのコレクションを戻すデータ・コントロール・アクセッサのみに表示されます。グラフは、データの表示専用です。データの編集はできません。データは、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフまたは面グラフで表示できます。

グラフ形式でデータを表示するには:

  1. 第27.3.5.1項「タスク・フローへのデータ・コントロールの追加」の手順を実行して、ドロップダウン・メニューから「グラフ」を選択します。

  2. グラフの作成ウィザードの「タイプ」ページで、目的のグラフのタイプ(「面」「棒」「折れ線」、または「円」)を選択し、「次へ」をクリックします。

  3. 「サブタイプ」ページで、選択したグラフ・タイプのサブタイプを選択して、「次へ」をクリックします。

    たとえば、棒グラフは、「棒」「二重-Y棒」「分割二重-Y棒」「パーセント」「積上げ棒」「二重-Y積上げ棒」「分割二重-Y積上げ棒」、または「フローティング積上げ棒」の各グラフ形式で表示できます。

  4. 「レイアウト」ページで、目的に適ったグラフ要素のレイアウト(タイトル、凡例、脚注など)を選択して、「次へ」をクリックします。

  5. 「配置」ページで、アクセッサ属性をどのようにグラフで使用するかを選択して、「次へ」をクリックします。

    たとえば、棒グラフのX軸と各棒の値を決定するために、どのアクセッサ属性を使用するかを選択します。アクセッサ属性を使用する必要がない場合は、「<なし>」を選択します。

  6. 「フォーマット」ページで、各グラフ要素(タイトル、凡例、脚注など)に使用するテキストを入力します。

  7. データ・コントロールに、パラメータ・フォームで公開する関連パラメータが含まれている場合は、「次へ」をクリックして、第27.3.6.1項「データの視覚化へのパラメータ・フォームの追加」に進んでください。

    データ・コントロールに関連パラメータが含まれていない場合や、パラメータ・フォームを組み込む必要がない場合は、「作成」をクリックします。

27.3.5.5 データ・コントロールへの参照が壊れたタスク・フローの修復

タスク・フローにデータ・コントロール追加し、後日そのデータ・コントロールを編集または削除すると、タスク・フローが壊れることがあります。このタスク・フローを修復するために、タスク・フローのソース・ファイルからデータ・コントロールへの参照を削除します。

データ・コントロールへの参照が壊れたタスク・フローを修復するには:

  1. タスク・フローのソース・コードを編集します。詳細は、第20.4.2項「アセットのソース・コードの編集」を参照してください。

  2. 「タスクフロー定義」「フラグメント」および「ページ定義」の3つのタブをそれぞれクリックして、データ・コントロールへのすべての参照をソース・ファイルから削除します。


    ヒント:

    適切にレンダリングしない無効のタスク・フローを作成しないよう、細心の注意を払ってソース・コードを編集してください。

  3. 「OK」をクリックします。

27.3.6 視覚化におけるデータの表示の制御

データ・コントロールのパラメータを使用すると、指定した基準に基づいてデータ・コントロールで取得するデータを制限できます。たとえば、データベースから従業員情報を取得するデータ・コントロールがある場合は、バインド・パラメータのjobを作成して、取得されるデータを指定したジョブ・ロールに限定できます。詳細は、第27.2.2項「データ・コントロールの作成」を参照してください。

データ・コントロールにパラメータが用意されている場合は、データ・コントロールをタスク・フローに追加した後でも、それらのパラメータの値を複数の方法で変更できます。

この項の内容は、次のとおりです。

27.3.6.1 データの視覚化へのパラメータ・フォームの追加

タスク・フローに表示されるデータをユーザーが変更できるようにするには、タスク・フローのパラメータ・フォームにデータ・コントロールのパラメータを含めます。ユーザーがパラメータ・フォームでデータ・コントロールのパラメータ値を入力すると、タスク・フローに表示されるデータは指定した値を反映するようになります。

データの視覚化にパラメータ・フォームを追加するには:

  1. データ・コントロールを、表、フォーム、またはグラフとしてタスク・フローに追加します。詳細は、第27.3.5項「タスク・フローでのデータ・コントロールの使用」を参照してください。

  2. 表の作成ウィザード、フォームの作成ウィザード、またはグラフの作成ウィザードの「視覚化パラメータ」ページで、ユーザーが独自の値を指定できるようにするパラメータの横にあるチェック・ボックスを選択します。

    このように選択したパラメータは、表、フォーム、またはグラフの上部のパラメータ・フォームに表示されます。ユーザーが値を指定してボタンをクリックすると、指定した値に応じてデータがリフレッシュされます。

  3. 「デフォルト値」フィールドに、パラメータに使用するデフォルト値を入力します。

    このフィールドに表示される初期値は、データ・コントロールを作成したときに指定した値になります。このデータ・コントロールの値をオーバーライドすることで、表、フォーム、またはグラフに表示される初期データを制御できます。

  4. 「「送信」ボタン・ラベル」フィールドに、ユーザーがパラメータ・フォームの値を送信するときにクリックするボタンに表示するテキストを入力します。

  5. 「作成」をクリックします。

27.3.6.2 データ・コントロールのパラメータ値の編集

データ・コントロールが視覚化されているタスク・フローを編集できる場合は、表、フォームまたはグラフの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログで、データ・コントロールのパラメータ値を編集してデータの表示を制御できます。


ヒント:

SQLデータ・コントロール場合も、基になるデータ・コントロールのパラメータ値を変更できます。詳細は、第27.2.3.2項「SQLデータ・コントロールのバインド変数の編集」を参照してください。

データ・コントロールのパラメータ値を編集するには:

  1. ページ・エディタでタスク・フローを編集します。詳細は、第27.3.4項「タスク・フローの編集」を参照してください。

  2. 表、フォーム、またはグラフのプロパティを編集します。


    ヒント:

    表、フォーム、またはグラフのプロパティ(それらを格納するレイアウト・コンポーネントのプロパティではなく)を確実に編集するための最良の方法として、「構造」ビューに切り替えて、表、フォーム、またはグラフを右クリックし、ポップアップ・メニューから「編集」を選択してください。

  3. 「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「データ」タブで、リストされているパラメータの値を変更します。

  4. 「OK」をクリックします。

  5. 「保存」をクリックして変更を保存します。

    これで、表、フォーム、またはグラフには、指定したパラメータ値で特定されるデータが表示されるようになります。

27.3.6.3 データ・コントロール・パラメータのタスク・フロー・パラメータへのバインド

データ・コントロールのパラメータをタスク・フローのパラメータにバインドすると、タスク・フローのパラメータに指定した値に基づいたデータをデータ・コントロールで取得できるようになります。

たとえば、タスク・フローに従業員情報データ・コントロールが含まれていて、取得するデータを指定のジョブ・ロールにのみ制限するバインド・パラメータがあるときには、それに対応するjobパラメータをタスク・フローに作成できます。タスク・フローを編集できるユーザーは、タスク・フローのパラメータに役職を指定すると、データ・コントロールは指定された役職の従業員を表示するようになります。

データ・コントロールのパラメータをタスク・フローのパラメータにバインドするには:

  1. 次の手順を実行して、タスク・フローのパラメータを作成します。

    1. ページ・エディタでタスク・フローを編集します。詳細は、第27.3.4項「タスク・フローの編集」を参照してください。

    2. 「タスク・フロー・プロパティ」アイコンをクリックします(図27-5)。

      図27-5 「タスク・フロー・プロパティ」アイコン

      図27-5の説明が続きます
      「図27-5 「タスク・フロー・プロパティ」アイコン」の説明

    3. タスク・フロー・パラメータの「名前」「タイプ」、および「記憶域」値を入力します。

      「記憶域」値は、パラメータの有効範囲を特定します。これは、パラメータ値の格納場所を指定します。デフォルトでは、表27-3に示すように、4つの記憶域オプションを選択できます。ただし、EL値を指定することで、任意のカスタム記憶域の場所を指定できます。

      EL式に関してサポートが必要な場合、アプリケーション開発者がEL式を提供できます。詳細は、Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発の式言語式に関する付録を参照してください。

      表27-3 「記憶域」の値

      名前 説明

      pageFlowScope

      この値は、ページのタスク・フローのすべてのインスタンスで使用できます。

      viewScope

      この値は、現在のユーザーに対して、選択したインスタンスのみで使用できます。

      applicationScope

      この値は、アプリケーション内またはアプリケーション間のタスク・フローのすべてのインスタンスで使用できます。

      sessionScope

      この値は、現在のセッションで、現在のユーザーのみで使用できます。


    4. 「記憶域」フィールドの値をメモしておきます。

    5. 「OK」をクリックします。

  2. データ・コントロールからのデータが表示される表、フォーム、グラフの「編集」アイコンをクリックします(図27-6)。


    ヒント:

    タスク・フローが含まれる領域のアイコンではなく、表、フォーム、またはグラフの「編集」アイコンをクリックしてください。

    図27-6 グラフの「編集」アイコン

    グラフの「編集」アイコン
  3. 「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「データ」タブで、タスク・フローのパラメータにバインドするデータ・コントロールのパラメータのフィールドに、前の手順でコピーしておいた「記憶域」の値を貼り付けます。

  4. 「OK」をクリックします。

    この時点で、データ・コントロールのパラメータは、タスク・フローのパラメータ値を使用して、表、フォーム、またはグラフのコンテンツを処理します。


    注意:

    SQLデータ・コントロールで、タスク・フロー・パラメータに初期値が定義されていない場合、データ・コントロールはバインド・パラメータの初期値に固有のデータを取得します。

    パラメータ値が定義されていないWebサービス・データ・コントロールを使用する場合は、タスク・フロー・パラメータに初期値を設定する必要があります。そうでない場合、タスク・フローには空白の視覚化(表、フォームまたはグラフ)が表示されます。そのため、Webサービス・データ・コントロールの「データ」タブでは、次の例に示すようにして、タスク・フロー・パラメータの初期値を渡す必要があります。

    #{empty pageFlowScope.stock_Quote ? 'ORCL' : pageFlowScope.stock_Quote}
    

27.3.7 視覚化からのデータ・ソースへの書込み


注意:

このタスクは難易度が高いため、経験が豊富な開発者のみが実行するようにしてください。

データ・コントロールを編集可能な表またはフォームとして追加すると、表またはフォームのレコードを更新できるようになり、更新した値をデータ・ソースに書き戻せるようになります。ただし、レコードの更新は、次の場合にのみ可能になります。

  • データ・コントロールが、更新をサポートするWebサービス・データ・ソース用に作成されていて、公開済のWebサービスのエンドポイントを通じて挿入または更新の操作が公開されている。

  • 編集可能な表の場合のみ: データ・コントロールは、設計時に作成されたBC4JベースのSQLデータ・コントロールである。実行時に作成されたSQLデータ・コントロールは、表のデータの編集をサポートしていません。

    表に対する変更をデータ・ソースに保存できるように、データ・コントロールのアクセッサをタスク・フロー内の表として追加し、更新メソッドを追加できます。

Webサービスで更新がサポートされている場合、Webサービス・データ・コントロールは、レコードの問合せおよび更新を行うメソッドを提供している可能性があります。さらに、複数のレコードを同時に更新できるように、実行時に作成されたWebサービス・データ・コントロールでは、配列パラメータを使用できます。配列パラメータをタスク・フローの複数の入力フィールドに結び付けて、フィールドで指定された値をデータソースに一度に渡すことができます。

この項の内容は、次のとおりです。

始める前に

この項の手順を実行するには:

27.3.7.1 データ・ソースの問合せ

まず、ユーザーがデータ・ソースを問合せできるようにする、ボタンまたはリンクを追加する必要があります。

タスク・フローに問合せオプションを追加するには:

  1. ページ・エディタでタスク・フローを編集します。詳細は、第27.3.4項「タスク・フローの編集」を参照してください。

  2. インライン・リソース・カタログで、使用するWebサービス・データ・コントロールに移動します。

  3. データ・コントロールを開いて、データ・ソースを問い合せるメソッドの横にある「追加」をクリックします。

  4. ドロップダウン・メニューから、「ボタンまたはリンク」を選択します。

27.3.7.2 データ・ソースのレコードの更新

さらに、ユーザーがデータ・ソースを更新できるようにする、ボタンまたはリンクも追加する必要があります。

データベースのレコードを表示するページに更新オプションを追加するには:

  1. ページ・エディタでタスク・フローを編集します。詳細は、第27.3.4項「タスク・フローの編集」を参照してください。

  2. インライン・リソース・カタログで、使用するWebサービス・データ・コントロールに移動します。

  3. データ・コントロールを開いて、データ・ソースを更新するメソッドの横にある「追加」をクリックします。

  4. ドロップダウン・メニューから、「ボタンまたはリンク」を選択します。


    ヒント:

    レコードを挿入または更新するメソッドは、Webサービスで更新がサポートされていて、データ・コントロールが編集可能な表またはフォームとして追加されている場合にのみ使用できます。

    通常、挿入メソッドまたは更新メソッドは、公開されたパラメータの値を必要とします(メソッドはそれらのパラメータに基づいて操作を実行します)。したがって、次の手順では、パラメータの値を指定するUI要素を指定します。

  5. メソッドのパラメータ値を指定するために、Input Textコンポーネントを追加します。


    ヒント:

    リソース・カタログには、ADF Facesコンポーネント(Input Textなど)がデフォルトでは用意されていないため、ページのソース・ファイルを編集して、該当するコンポーネントのコードを追加してください。

  6. 更新メソッドのパラメータを、Input Textコンポーネントのvalue属性に結び付けます。これには、次のことが含まれます。

    • 次の書式を使用して、Input Textコンポーネントのvalue属性を設定します。

      #{pageFlowScope.COLUMN_NAME}
      
    • 同じ場所、#{pageFlowScope.COLUMN_NAME}をメソッドのパラメータから参照します。これを設定するには、ページ・エディタの「構造」ビューでボタンまたはリンクを選択し、そのプロパティを編集して、「データ」タブで値を指定します。

    入力フィールドで値を指定して、更新メソッドのボタンまたはリンクをクリックすると、その値はWebサービスのパラメータ値として戻されます。

27.3.8 タスク・フローの管理

「アセット」ページおよび「共有アセット」ページの「タスク・フロー」ページでは、次に示す各オプションを使用してタスク・フローを管理できます。

  • 作成: 詳細は、第27.3.3項「データを視覚化するタスク・フローの作成」を参照してください。

  • 削除: タスク・フローが不要になった場合に削除できます。

    詳細は、第20.5.9項「アセットの削除」を参照してください。

  • アップロード: タスク・フローを含むアーカイブ・ファイルを別のポータルからアップロードできます。

    詳細は、第20.5.8項「アセットのアップロード」を参照してください。

    「アップロード」オプションは、JDeveloperからエクスポートしたタスク・フローのアップロードには使用できません。

    アップロードするタスク・フローがデータ・コントロールを使用している場合は、それらのデータ・コントロールを先にアップロードしておく必要があります。詳細は、第27.2.4項「データ・コントロールの管理」を参照してください。

  • ダウンロード: 別のポータルへのアップロードやJDeveloperへのインポートのために、タスク・フローをアーカイブ・ファイルにダウンロードできます。

    実行時に作成されたタスク・フローには、データ・コントロールにバインドされたコンポーネントが含まれている可能性があります。このようなタスク・フローをダウンロードする際、参照されるデータ・コントロールはダウンロードされません。このタスク・フローをJDeveloperで開くと、関連付けられたデータ・コントロールがJDeveloperでは使用できないため、タスク・フローが正常に実行された状態では表示されなくなります。タスク・フローは、WebCenter Portalに戻されたときにのみ正常に実行されます。

    詳細は、第20.5.7項「アセットのダウンロード」を参照してください。

  • アクション

    • コピー: タスク・フローのコピーを作成できます。「コピー」機能により、実行時環境のローカル・タスク・フローを、実際にタスク・フローをエクスポートおよびアップロードすることなく、レプリケートできます。

      詳細は、第20.5.4項「アセットのコピー」を参照してください。

    • セキュリティ設定: すべてのユーザーがタスク・フローにアクセスできるようにするか、特定のユーザーまたはグループにアクセスを制限するかを制御できます。

      詳細は、第20.5.6項「アセットのセキュリティの設定」を参照してください。

    • プロパティの表示: 各タスク・フローには、そのタスク・フローをポータルに表示する方法を制御する、特定のプロパティが関連付けられています。これらのプロパティは、「プロパティの表示」ダイアログにまとめて表示されます。

      詳細は、第20.5.1項「アセットに関する情報の表示」を参照してください。

    • ソースの編集: 詳細は、第20.4.2項「アセットのソース・コードの編集」を参照してください。 タスク・フローのソース・コードを編集するときには、次の点に注意してください。

      • ポータル・サーバーで使用できないJava Beanを参照してはいけません。

      • ポータル・サーバーで使用できないJavaScriptファイル内の関数を参照してはいけません。

      • ポータル・サーバーで使用できない他のタスク・フローを参照してはいけません。

      • JDeveloperで作成したデータ・コントロールをタスク・フローに追加してはいけません。そのデータ・コントロールは、ポータル・サーバーで使用できないことがあり、タスク・フローのレンディションが壊れる原因になります。

    • プロパティの編集: 各タスク・フローには、そのタスク・フローをポータルに表示する方法を制御する、特定のプロパティが関連付けられています。これらのプロパティは、「プロパティの編集」ダイアログで編集できます。

      詳細は、第20.5.5項「アセットのプロパティの設定」を参照してください。

  • プレビュー: タスク・フローがページに表示されたときの表示状態をプレビューできます。

    詳細は、第20.5.2項「アセットのプレビュー」を参照してください。

  • 使用可能: タスク・フローをリソース・カタログに含めるかどうかを制御できます。これにより、そのタスク・フローをポータルで使用できるようにするかどうかを制御します。

    詳細は、第20.5.3項「アセットの表示および非表示」を参照してください。


    ヒント:

    リソース・カタログでのタスク・フローの表示または非表示の他に、WebCenter Portalの任意のポータル、すべてのポータルまたは選択されたポータルのいずれかで、共有タスク・フローを使用できるように制御することも可能です。詳細は、第20.5.5項「アセットのプロパティの設定」を参照してください。

  • 編集: 詳細は、第27.3.4項「タスク・フローの編集」を参照してください。

27.3.9 ページでのタスク・フローの使用

データの視覚化をページに追加する場合は、その視覚化を含むタスク・フローを追加します。データの視覚化を含むタスク・フローを作成する方法の詳細は、第27.3.3項「データを視覚化するタスク・フローの作成」を参照してください。

ページでタスク・フローを使用するには:

  1. ページ・エディタで、データを表示するページを開きます。

    詳細は、第12.4.3項「ページ・エディタ(コンポーザ)でのページのオープン」を参照してください。

  2. タスク・フローをページに追加する方法は、リソース・カタログのその他のコンポーネントにおける方法と同じです。詳細は、第14.2項「ページへのコンポーネントの追加」を参照してください。


    ヒント:

    リソース・カタログでのタスク・フローの場所は、ページの編集に使用するリソース・カタログによって異なります。たとえば、デフォルトのポータル・カタログでは、タスク・フローは「UIコンポーネント」フォルダ内にネストされた「タスク・フロー」フォルダにあります。

  3. データ・コントロールでパラメータを定義している場合は、表、フォーム、またはグラフの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログでデータ・コントロールのパラメータ値を編集すると、タスク・フローで表示するデータを変更できます。詳細は、第27.3.6.2項「データ・コントロールのパラメータ値の編集」を参照してください。

    基になるデータ・コントロールのパラメータがタスク・フローのパラメータにバインドされている場合、表示されるデータはタスク・フローのパラメータで処理されます。タスク・フローのパラメータ値は、そのタスク・フローの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログにある「パラメータ」タブで変更できます。

  4. 「保存」をクリックして変更を保存します。

    データの視覚化にパラメータ・フォームを組み込むと、ユーザーは値を入力してページに表示されるデータを変更できるようになります。

27.4 タスク・フロー・スタイルの使用

タスク・フロー・スタイルは、実行時にタスク・フローを作成する際に使用するテンプレートです。ポータル内の異なるタスク・フローでカスタムの視覚化を再利用する場合に役立ちます。タスク・フローの作成時には、使用可能なすべてのタスク・フロー・スタイルが、「タスク・フローの作成」ダイアログに表示されます。

この項には次のトピックが含まれます:

27.4.1 組込みタスク・フロー・スタイルについて

表27-4に、デフォルトで使用できるタスク・フロー・スタイルの説明を示します。

表27-4 タスク・フロー・スタイル

名前 説明

空白

追加のレイアウト・コンポーネントを含めて、コンテンツを追加できるレイアウト・ボックスが1つ含まれている1列で構成されたタスク・フロー。

このタスク・フローは切替え可能です。

拡張

タスク・フローを最大化して、使用可能なスペースをすべて占有します。

「拡張」スタイルに基づくページの例は、WebCenter Portalの「ドキュメント」ページまたは「お知らせ」ページを参照してください。

このスタイルに基づくタスク・フローは切り替えできません。


27.4.2 タスク・フロー・スタイルの作成

WebCenter Portalでは、既存のタスク・フロー・スタイルをコピーし、要件に合せてソース・コードを編集することで、新しいタスク・フロー・スタイルを作成できます。詳細は、第20.5.4項「アセットのコピー」および第20.4.2項「アセットのソース・コードの編集」を参照してください。タスク・フロー・スタイルが、すでに要件をほとんど満たしていて、最小限のコード編集のみが必要な場合は、この方法が適しています。

ただし、タスク・フロー・スタイルのソース・コードを大幅に変更する必要がある場合は、それらの変更をJDeveloperで行い、タスク・フロー・スタイルをWebCenter Portalにアップロードすることをお薦めします。ラウンドトリップ開発のこの方法の詳細は、第20.8項「JDeveloperでのポータル・アセットの使用」を参照してください。

JDeveloperでタスク・フロー・スタイルを作成するには:

  1. 要件を最も満たしている既存のタスク・フロー・スタイルのコピーを作成します。詳細は、第20.5.4項「アセットのコピー」を参照してください。

  2. 新しいタスク・フロー・スタイルをダウンロードします。詳細は、第20.5.7項「アセットのダウンロード」を参照してください。

  3. ダウンロードしたタスク・フロー・スタイルをJDeveloperにインポートします。詳細は、Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発のポータル・リソースのJDeveloperへのインポート方法に関する項を参照してください。

  4. JDeveloperで、要件を満たすようにタスク・フロー・スタイルを編集します。詳細は、Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発のタスク・フロー・スタイルの開発に関する項を参照してください。

  5. タスク・フロー・スタイルをJDeveloperからエクスポートします。

    詳細は、Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発のポータル・リソースをJDeveloperからエクスポートする方法に関する項を参照してください。

  6. エクスポートしたタスク・フロー・スタイルのアーカイブ・ファイルをポータルにアップロードします。

    詳細は、第20.5.8項「アセットのアップロード」を参照してください。

27.4.3 タスク・フロー・スタイルの編集

タスク・フロー・スタイルのタスク・フロー定義ファイル、ビュー・フラグメント、またはフラグメントのページ定義ファイルのソース・コードを編集するには、「ソースの編集」オプションを使用します。タスク・フロー・スタイルを編集すると、レイアウトを変更できます。必要なUIコンポーネントを含むカスタム視覚化を作成して、ダミーのEL値#{dataPresenter.dummyData.collectionModel}を実際のデータのプレースホルダとして使用できます。このスタイルを使用してタスク・フローを作成する際には、ダミーのEL値を実際のバインディングと置き換えることができます。カスタムのタスク・フロー・スタイルの作成例は、第C.5項「事前定義されている列を持つカスタム・タスク・フロー・スタイルの構築と使用」を参照してください。

EL式に関してサポートが必要な場合、アプリケーション開発者がEL式を提供できます。詳細は、Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発の式言語式に関する付録を参照してください。

タスク・フロー・スタイルのソース・ファイルの編集方法の詳細は、第20.4.2項「アセットのソース・コードの編集」を参照してください。


ヒント:

より高度な編集タスクを実行する場合は、タスク・フロー・スタイルをダウンロードしてJDeveloperで編集し、WebCenter Portalにアップロードしなおすことが必要になることがあります。詳細は、第20.8項「JDeveloperでのポータル・アセットの使用」を参照してください。

27.4.4 タスク・フロー・スタイルの管理

「アセット」ページおよび「共有アセット」ページの「タスク・フロー・スタイル」ページでは、次に示すオプションを使用してタスク・フロー・スタイルを管理できます。

  • 削除: タスク・フロー・スタイルが不要になった場合に削除できます。組込みタスク・フロー・スタイルは削除できません。

    詳細は、第20.5.9項「アセットの削除」を参照してください。

  • アップロード: 別のポータルやJDeveloperで作成または編集したタスク・フロー・スタイルをアップロードできます。

    詳細は、第20.5.8項「アセットのアップロード」を参照してください。

  • ダウンロード: 別のポータルへのアップロードやJDeveloperへのインポートのために、タスク・フロー・スタイルをアーカイブ・ファイルにダウンロードできます。

    詳細は、第20.5.7項「アセットのダウンロード」を参照してください。

  • アクション

    • コピー: タスク・フロー・スタイルのコピーを作成できます。タスク・フロー・スタイルをコピーすると、タスク・フロー・スタイルを実際にはエクスポートおよびアップロードすることなく、実行時環境のローカル・スタイルをレプリケートできます。タスク・フロー・スタイルを一から作成するオプションはないため、デフォルト・スタイルのコピーを作成して、作成しようとしているカスタム視覚化のコードに置き換えます。

      詳細は、第20.5.4項「アセットのコピー」を参照してください。

      コピーしたタスク・フロー・スタイルのソース・コードの編集の詳細は、第20.4.2項「アセットのソース・コードの編集」を参照してください。

    • セキュリティ設定: すべてのユーザーがタスク・フローにアクセスできるようにするか、特定のユーザーまたはグループにアクセスを制限するかを制御できます。

      詳細は、第20.5.6項「アセットのセキュリティの設定」を参照してください。

    • プロパティの表示: 各タスク・フロー・スタイルには、ポータルでの表示方法を制御する、特定のプロパティが関連付けられています。これらのプロパティは、「プロパティの表示」ダイアログにまとめて表示されます。

      詳細は、第20.5.1項「アセットに関する情報の表示」を参照してください。

    • ソースの編集: 詳細は、第20.4.2項「アセットのソース・コードの編集」を参照してください。

    • プロパティの編集: 各タスク・フロー・スタイルには、特定のプロパティが関連付けられています。これらのプロパティは、「プロパティの編集」ダイアログで編集できます。

      詳細は、第20.5.5項「アセットのプロパティの設定」を参照してください。

  • プレビュー: タスク・フローにタスク・フロー・スタイルを適用したときに、タスク・フロー・スタイルの表示状態をプレビューできます。

    詳細は、第20.5.2項「アセットのプレビュー」を参照してください。

  • 使用可能: 「新規タスク・フローの作成」ダイアログにタスク・フロー・スタイルを含めるかどうかを制御できます。これにより、そのタスク・フロー・スタイルをポータルで使用できるようにするかどうかを制御します。

    詳細は、第20.5.3項「アセットの表示および非表示」を参照してください。


    ヒント:

    「新規タスク・フローの作成」ダイアログでのタスク・フロー・スタイルの表示または非表示の他に、WebCenter Portalの任意のポータル、すべてのポータル、または選択されたポータルのいずれかで共有タスク・フロー・スタイルを使用できるように制御することも可能です。詳細は、第20.5.5項「アセットのプロパティの設定」を参照してください。

27.5 データ・プレゼンタの例

データ・プレゼンタの使用に関するタスクについての理解を深めるために、付録C「データ・プレゼンタの例」では、データ・プレゼンタのユースケースを数多く示しています。

さらに、様々なデータ・プレゼンタ機能を紹介するために開発されたサンプル・アプリケーションが、Oracle Technology Network (OTN)で公開されています。次のOTNのページには、データ・プレゼンタ固有のサンプルや、WebCenter Portalの様々な機能を説明する、その他のサンプル・アプリケーションへのリンクが用意されています。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/webcenter/ps3-samples-176806.html

このページの各サンプルで使用可能なREADMEファイルは、アプリケーションが実際のユースケース用にアプリケーションを拡張またはカスタマイズするためのガイダンスを提供する内容について説明します。