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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11gリリース1 (11.1.1.9.0)
B55900-11
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8 エンタープライズ・デプロイメント用のドメインの作成

この章では、構成ウィザード、Oracle WebLogic Server管理コンソール、Oracle Enterprise ManagerおよびOracle WSM Policy Managerを使用してドメインを作成する方法を説明します。ドメインを拡張してWebCenter Portalコンポーネントを追加できます。


注意:

セットアップのプロセスを開始する前に、Oracle Fusion Middlewareリリース・ノートを読み、インストールとデプロイメントに関する追加情報を確認してください。

この章には次のトピックが含まれます:

8.1 ドメイン作成の概要

表8-1に、構成後タスクを含む、WebLogic Serverドメインの作成手順を示します。

表8-1 WebLogic Serverドメインの作成手順

手順 説明 詳細

SOAHOST1でのVIP1の有効化

SOAHOST1ホスト名に対しVIP1を有効にします。

第8.2項「SOAHOST1でのVIP1の有効化」


WebLogic Serverドメインの作成

構成ウィザードを実行してWebLogic Serverドメインを作成します。

第8.3項「SOAHOST1での構成ウィザードによるドメインの作成」


構成後タスクおよび検証タスクの実行

構成後タスクおよび検証タスクの手順に従います。

第8.4項「構成後タスクおよび検証タスク」


SOAHOST2へのドメイン構成の伝播

起動スクリプトとクラスパス構成を管理サーバーのドメイン・ディレクトリから管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに伝播します。

第8.5項「SOAHOST2へのドメイン構成の伝播」


WebLogic ServerドメインでのOracle HTTP Serverの構成

WebLogic ServerドメインのOracle HTTP Serverを構成し、構成を検証します。

第8.7項「WebLogic ServerドメインのOracle HTTP Serverの構成」


ドメインのバックアップ

新しく構成したWebLogic Serverドメインをバックアップします。

第8.8項「WebLogic Serverドメイン構成のバックアップ」



このドメインを作成し構成したら、ドメインを拡張し、次の章で説明するとおり、Oracle WebCenter Portalコンポーネント、Oracle SOA Suite、Oracle WebCenter Contentなどを含めることができます。

8.2 SOAHOST1でのVIP1の有効化

SOAがインストールされているかどうかにかかわらず、この手順は管理サーバーのフェイルオーバーを可能にするために必要です。

管理サーバーは仮想ホスト名(ADMINVHN)に関連付けます。仮想ホスト名は、DNSサーバーとカスタムの/etc/hostエントリのいずれかによって、適切な仮想IP (VIP1)にマップする必要があります。WebCenter Portalトポロジ内の必要なノードにある名前解決システム(DNSサーバー、/etc/hosts)に応じてADMINVHNが使用可能であることを確認します。この仮想ホスト名(ADMINVHN1)に関連付けられた仮想IP (VIP1)は、SOAHOST1で有効になっている必要があります。

仮想IPの有効化方法の詳細は、第3.5項「エンタープライズ・デプロイメント用の仮想IPアドレスの有効化」を参照してください。

表8-2に示すように仮想ホストが有効になっていることを確認します。

表8-2 仮想ホスト

VIP 有効化されるホスト

ADMINVHN.example.com

SOAHOST1

SOAHOST1VHN1.example.com

SOAHOST1

SOAHOST2VHN1.example.com

SOAHOST2



注意:

これは、浮動IPアドレスに関連付けられているDNS名です。これは、ロード・バランサ上で構成される仮想ホストのDNS名ではありません。

8.3 SOAHOST1での構成ウィザードを使用したドメインの作成

ORACLE_COMMON_HOMEディレクトリから構成ウィザードを実行し、管理サーバーとOracle Web Services Managerを含むドメインを作成できます。その後、ドメインを拡張してWebCenter Portal、SOAおよびWebCenter Contentコンポーネントを含めることができます。

ドメインを作成する手順:

  1. リポジトリをインストールしたデータベースを実行していることを確認します。Oracle RACデータベースの場合は、後で実行する検証チェックの信頼性を確保するために、すべてのインスタンスを実行しておく必要があります。

  2. SOAHOST1で、ディレクトリを次の構成ウィザードの場所に変更します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
  3. Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを開始します。

    ./config.sh
    
  4. 「ようこそ」画面で、「新しいWebLogicドメインの作成」を選択し、「次へ」をクリックします。

    「ドメイン・ソースの選択」画面が表示されます(図8-1)。

    図8-1「ドメイン・ソースの選択」画面

    図8-1の説明が続きます
    「図8-1 「ドメイン・ソースの選択」画面」の説明

  5. 「ドメイン・ソースの選択」画面で、次の手順を実行します。

    • 「以下の製品をサポートするために、自動的に構成されたドメインを生成する」を選択します。

    • 次の製品を選択します。

      • WebLogic Serverの基本ドメイン - 10.3.6.0 [wlserver_10.3](これは自動的に選択されます)

      • Oracle Enterprise Manager - 11.1.1.0 [oracle_common]

      • Oracle WSM Policy Manager 11.1.1.0 [oracle_common]

      • Oracle JRF - 11.1.1.0 [oracle_common](これは自動的に選択されます)

    いくつかのターゲットを間違って選択解除した場合は、この画面で次の項目が選択されていることを確認します。

    • Oracle Enterprise Manager

    • Oracle WSM Policy Manager

    • Oracle JRF

    「次へ」をクリックします。


    注意:

    複数のOracleホームがインストールされている場合(たとえば、WebCenter PortalホームとSOAホーム)、どちらのホームについても、使用可能な製品が表示されます。この手順では、Oracle共通ホーム(oracle_common)の製品のみを選択します。これは、たとえば、Oracle JRF - 11.1.1.0 [oracle_common]のように、製品名の末尾に角かっこで囲んで示されます。

  6. 「ドメイン名と場所の指定」画面で、ドメイン名(wcpedg_domainなど)を入力します。

    ドメインの場所が第3章「エンタープライズ・デプロイメント用のネットワークの準備」で推奨しているディレクトリおよび共有記憶域のマウント・ポイントと一致することを確認します。

    ドメインの場所として、次を入力します。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver
    

    アプリケーションの場所として、次を入力します(このディレクトリは共有記憶域内のものである必要があります)。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/applications
    
  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「管理者ユーザー名およびパスワードの構成」画面で、ドメインの管理者が使用するユーザー名とパスワードを入力します。

    「次へ」をクリックします。

  9. 「サーバーの起動モードおよびJDKの構成」画面で、次の手順を実行します。

    • 「WebLogicドメインの起動モード」には、「本番モード」を選択します。

    • 「JDKの選択」では、「JROCKIT SDK1.6.0_<version>」を選択します。


      注意:

      このガイドで説明する例ではJRockitを使用します。特に記載がないかぎり、動作保証された任意のバージョンのJavaを使用できます。

    「次へ」をクリックします。

  10. 「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面で、次の手順を実行します。

    1. OWSM MDSスキーマを選択します。

    2. RACの構成には、(付録A「Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用」で説明した)「GridLinkへ変換」または「RACマルチ・データ・ソースへ変換」を選択できます。

      ここの手順では、「GridLinkへ変換」を選択します。

    3. 「次へ」をクリックします。

  11. 「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面(図8-2)が表示されます。

    図8-2 GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成

    図8-2の説明が続きます
    「図8-2 GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」の説明

    この画面で、次のフィールドに値を入力して、RCUでシードされたOracle RACデータベースの接続情報を指定します。

    • ドライバ: OracleのGridLinkConnections用ドライバ (Thin) バージョン: 10以上を選択します。

    • サービス名: Oracle RACデータベースのサービス名と、続けてドメイン名を小文字で入力します。たとえば、wcpedg.example.comです。

    • ユーザー名: 対応するコンポーネントのデータベースのスキーマ所有者の完全な名前(接頭辞を含む)を入力します。

    • パスワード: データベース・スキーマ所有者のパスワードを入力します。

    • 「FANの有効化」を選択します。

    • 「SSLの有効化」のチェックが選択解除されていることを確認します(または、ONS通知の暗号化にSSLが選択されている場合、適切なウォレットとウォレット・パスワードを入力します)。

    • サービス・リスナー: 使用しているOracle RACデータベースのOracle Single Client Access Name (SCAN)のアドレスとポートを入力します。このプロトコルは、TCPである必要があります。

      Oracle RACノードの追加または削除時にSCANアドレスを含むGridLinkデータ・ソースを更新する必要がないよう、サービス・リスナー(とOSNホスト)の指定にはSCANアドレスを使用することをお薦めします。SCANアドレスを判断するには、TCPプロトコルを使用し、データベースのremote_listenerパラメータを問い合せます。

      SQL>show parameter remote_listener;
       
      NAME              TYPE        VALUE
      -----             ------      -------
      remote_listener   string      custdbhost.example.com:1521
      

      注意:

      データベース・バージョンがSCANをサポートしない場合は次を実行します。
      • Oracle Database 11gリリース1 (11.1)の場合、各データベースのインスタンス・リスナーの仮想IPとポートを次のように入力します。

        custdbhost1-vip.example.com (Port 1521)

        および

        custdbhost2-vip.example.com (Port 1521)

      • Oracle Database 10gの場合、マルチ・データ・ソースを使用し、Oracle RACデータベースに接続します。マルチ・データ・ソースの構成の詳細は、付録A「Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用」を参照してください。


    • ONSホスト: データベースからの通知のとおり、Oracle RACデータベースとONSリモート・ポートのSCANアドレスを入力します。

      [orcl@CUSTDBHOST1 ~]$ srvctl config nodeapps -s
      ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016

      注意:

      Oracle Database 11gリリース1 (11.1)の場合、データベースのONSサービスのホスト名とポートを入力します。例:

      custdbhost1.example.com (Port 6200)

      および

      custdbhost2.example.com (Port 6200)


  12. 「JDBCコンポーネント・スキーマのテスト」画面で、各接続のテストが自動的に行われます。「ステータス」列に結果が表示されます。すべての接続が正常に確立したことを確認してください。正常に接続できない場合は、「前へ」をクリックして前の画面に戻り、入力内容を修正します。

    すべての接続に成功したら「次へ」をクリックします。

  13. 「オプションの構成を選択」画面で、次の項目を選択します。

    • 管理サーバー

    • 管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン

    • デプロイメントとサービス

    「次へ」をクリックします。

  14. 「管理サーバーの構成」画面で、次の値を入力します。

    • 名前: AdminServer

    • リスニング・アドレス: ADMINVHN

    • リスニング・ポート: 7001

    • SSLリスニング・ポート: 該当なし

    • SSL有効: 選択解除

    「次へ」をクリックします。

  15. 「管理対象サーバーの構成」画面で、「追加」をクリックして次の管理対象サーバーを追加します。

    表8-3 管理対象サーバー

    名前 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLリスニング・ポート SSL有効

    WLS_WSM1

    SOAHOST1

    7010

    該当なし

    いいえ

    WLS_WSM2

    SOAHOST2

    7010

    該当なし

    いいえ


    「次へ」をクリックします。

  16. 「クラスタの構成」画面で、「追加」をクリックして次のクラスタを追加します。

    表8-4 クラスタ

    名前 クラスタ・メッセージング・モード マルチキャスト・アドレス マルチキャスト・ポート クラスタ・アドレス

    WSM-PM_Cluster

    ユニキャスト

    該当なし

    該当なし

    空白のままにします。


    「次へ」をクリックします。

  17. 「サーバーのクラスタへの割当」画面で、次のようにサーバーをクラスタに割り当てます。

    • WSM-PM_Cluster:

      • WLS_WSM1

      • WLS_WSM2

    「次へ」をクリックします。

  18. 「マシンの構成」画面で、次の手順を実行します。

    • UNIXマシン」タブをクリックし、「追加」をクリックして次のマシンを追加します。

      表8-5 マシン

      名前脚注1  ノード・マネージャのリスニング・アドレス脚注2 

      SOAHOST1

      SOAHOST1

      SOAHOST2

      SOAHOST2

      ADMINHOST

      localhost


      脚注1 任意の一意の文字列

      脚注2 解決可能なホスト名

      他のフィールドはすべてデフォルト値のままにします。


      注意:

      localhostはすべてのアクティブなマシンの相対内部アドレスであるため、ADMINHOSTのノード・マネージャ・リスニング・アドレスはlocalhostを指す必要があります。管理サーバーはlocalhost属性と1つ目のノードを組み合せて使用し、フェイルオーバー後は2つ目のノードも使用するため、管理サーバーのフェイルオーバー時には管理サーバーと関連付けられているノード・マネージャのインスタンスは変更されます。

    「次へ」をクリックします。

  19. 「サーバーのマシンへの割当」画面で、次のようにサーバーをマシンに割り当てます。

    • SOAHOST1: WLS_WSM1

    • SOAHOST2: WLS_WSM2

    • ADMINHOST: AdminServer

    「次へ」をクリックします。

  20. 「デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、wsm-pmアプリケーションがWSM-PM_Clusterのみにターゲット設定されていることを確認します。その他のすべてのデプロイメントが「AdminServer」にターゲット設定されていることを確認します。「次へ」をクリックします。

  21. 「サービスのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、次のように選択します。

    • 左側で「WSM-PM_Cluster」を選択します。右側で「JDBCシステム・リソース」を選択します。これにより、すべてのwsmデータソース(mds-owsm)を自動的に選択できます。

    • 左側で「管理サーバー」を選択します。右側で「JDBCシステム・リソース」を選択します。これにより、すべてのwsmデータソース(mds-owsm)を自動的に選択できます。

    すべてのJDBCシステム・リソースが管理サーバーとWSM-PM_Clusterの両方にターゲット設定されている必要があります。

    • 残りすべてのサービスが「管理サーバー」にターゲット設定されていることを確認します。

    • 「次へ」をクリックします。

  22. 「構成のサマリー」画面で「作成」をクリックします。

  23. 「ドメインの作成」画面で「完了」をクリックします。

8.4 構成後タスクおよび検証タスク

構成ウィザードでドメインを構成した後は、次の手順に従って構成後タスクと検証タスクを実行します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.4.1 SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成

SOAHOST1上で管理サーバーのboot.propertiesファイルを作成します。ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動するには、この手順を必ず実行する必要があります。

管理サーバーのboot.propertiesファイルを作成する手順は次のとおりです。

  1. 次のディレクトリ構造を作成します。

    mkdir -p ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/servers/AdminServer/security
    
  2. テキスト・エディタで、次の行を記述したboot.propertiesというファイルを、前の手順で作成した最後のディレクトリに作成します。

    username=Admin_Username
    password=Password
    

    注意:

    管理サーバーを起動すると、ファイル内のユーザー名とパスワードのエントリは暗号化されます。管理サーバーは、第8.4.3項「SOAHOST1での管理サーバーの起動」の手順で起動します。

    セキュリティ上の理由から、ファイル内のエントリが暗号化されていない時間を短くする必要があります。ファイルを編集した後、できるだけ速やかにサーバーを起動し、エントリを暗号化してください。


  3. ファイルを保存してエディタを閉じます。

8.4.2 SOAHOST1でのノード・マネージャの起動

SOAHOST1でノード・マネージャを起動するには、StartScriptEnabledプロパティをtrueに設定し、startNodeManager.shを使用してノード・マネージャを起動します。

SOAHOST1でノード・マネージャを起動する手順は次のとおりです。

  1. 次のディレクトリにあるsetNMProps.shスクリプトを実行します。

    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin

    StartScriptEnabledプロパティをtrueに設定してから、ノード・マネージャを起動します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./setNMProps.sh
    

    注意:

    クラスのロードの失敗やその他の問題を回避するには、StartScriptEnabledプロパティを使用します。詳細は、『Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』のSOAサーバーの再起動に失敗したためにポリシー移行が未完になることに関する項を参照してください。

  2. ノード・マネージャを起動します。

    nohup $MW_HOME/wlserver_10.3/server/bin/startNodeManager.sh \
            > $MW_HOME/wlserver_10.3/common/nodemanager/nodemanager.out 2>&1 &
    

    注意:

    管理サーバーを管理するノード・マネージャ・インスタンスの起動時には、-DDomainRegistrationEnabled=trueを設定することが重要です。これは、管理サーバー・ドメイン・ホームがノード・マネージャのdomainsファイルになく、ドメインの動的な登録を使用する必要があるためです。ここで示している例を除き、このパラメータを使用することはお薦めしません。

    このマシンに管理サーバーがなく、このマシンが管理サーバーのフェイルオーバー・ノードでない場合は、次のようにノード・マネージャを起動する必要があります。

    ./startNodeManager.sh
    

8.4.3 SOAHOST1での管理サーバーの起動

管理サーバーは、ノード・マネージャを使用して起動および停止します。ただし、初めてノード・マネージャで管理サーバーを起動するときに、構成ウィザードによりノード・マネージャにデフォルトで設定されているユーザー名とパスワードを変更する必要があります。そのため、管理サーバーの初回の起動時に起動スクリプトを使用します。

最初の起動操作には手順1から4が必要ですが、2回目以降の起動には手順4のみが必要です。

ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する手順は次のとおりです。

  1. SOAHOST1上のドメイン・ディレクトリの起動スクリプトを使用して、管理サーバーを起動します。

    cd ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/bin
    ./startWebLogic.sh
    
  2. 管理コンソールを使用してノード・マネージャの資格証明を更新します。

    1. ブラウザで、次のURLにアクセスします。

      http://ADMINVHN:7001/console

    2. 管理者としてログインします。

    3. 「ロックして編集」をクリックします。

    4. domain_name「セキュリティ」「一般」をクリックして、一番下にある「詳細」オプションを開きます。

    5. ノード・マネージャの新しいユーザー名を入力するか、既存のユーザー名を書き留めておいてノード・マネージャのパスワードを更新します。

    6. 「保存」および「変更のアクティブ化」をクリックします。

  3. 管理サーバーのプロセスが起動したシェルで[Ctrl]キーを押しながら[C]キーを押すか、プロセスを確認してkillコマンドを使用し、管理サーバーを停止します。

  4. WLSTを起動して、nmconnectと前の手順で設定した資格証明により、ノード・マネージャに接続し、nmstartを使用して管理サーバーを起動します。手順2eで入力した、ノード・マネージャのユーザー名とパスワードを入力します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./wlst.sh
    

    WLSTシェルを起動したら、次のように指定します。

    wls:/offline>nmConnect('NodeManager_Username','NodeManager_Password',
    'SOAHOST1','5556','domain_name','/ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name')
     
    wls:/nm/domain_name nmStart('AdminServer')
    

    注意:

    このユーザー名とパスワードは、ノード・マネージャとクライアントの間の接続の認証にのみ使用されます。これらは、サーバー管理IDおよびパスワードとは無関係であり、次のディレクトリにあるnm_password.propertiesファイルに格納されます。
    ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/config/nodemanager
    

8.4.4 GridLinkデータ・ソースの構成の検証

サーバーが開始したら、GridLinkデータ・ソースが正しく構成され、ONS設定が正しいことを確認します。作成されたGridLinkデータ・ソースごとにこの手順を実行します。

GridLinkデータ・ソースの構成を検証する手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic管理コンソールにログインします。

  2. 「ドメイン構造」ツリーで「サービス」を開き、「データ・ソース」を選択します。

  3. 新しいデータ・ソースの1つをクリックします。

  4. 「監視」タブをクリックし、いずれかのサーバーを選択します。

  5. 「統計」タブをクリックし、いずれかのサーバーを選択します。

  6. 「ONS」「テスト」タブをクリックします。

  7. サーバーを選択し、「ONSのテスト」をクリックします。

    両方のテストが成功する場合、正しく構成されています。ONSのテストが失敗する場合、Oracle RACデータベース・ノードでONSサービスが実行されていることを確認します。

    orcl@CUSTDBHOST1 ~]$ srvctl status scan_listener
    SCAN Listener LISTENER_SCAN1 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN1 is running on node CUSTDBHOST1
    SCAN Listener LISTENER_SCAN2 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN2 is running on node CUSTDBHOST2
    SCAN Listener LISTENER_SCAN3 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN3 is running on node CUSTDBHOST2
     
    [orcl@CUSTDBHOST1 ~]$ srvctl config nodeapps -s 
    ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016
     
    [orcl@CUSTDBHOST1 ~]$ srvctl status nodeapps | grep ONS
    ONS is enabled
    ONS daemon is running on node: CUSTDBHOST1
    ONS daemon is running on node: CUSTDBHOST2
    

データ・ソースを使用するすべてのWebLogic Serverで、ONSテストを実行します。

8.4.5 管理サーバー構成の検証

ドメインに作成した管理サーバーが正しく構成されているかどうかを確認するため、Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインして管理対象サーバーとクラスタが表示されることを確認し、Oracle Enterprise Managerにログインします。

管理サーバーが適切に構成されていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. ブラウザで、次のURLにアクセスします。

    http://ADMINVHN:7001/console
    
  2. 管理者としてログインします。

  3. WLS_WSM1およびWLS_WSM2管理対象サーバーが表示されていることを確認します。

  4. WSM-PM_Clusterが表示されていることを確認します。

  5. 次のURLのOracle Enterprise Managerにアクセスできることを確認します。

    http://ADMINVHN:7001/em
    
  6. 第8.4.1項「SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成」で指定したユーザー名とパスワードを使用してEnterprise Managerコンソールにログインします。

8.4.6 管理サーバーと同じノードでの管理対象サーバー用独立ドメイン・ディレクトリの作成

packコマンドおよびunpackコマンドを使用して、管理サーバーが使用するドメイン・ディレクトリを、SOAHOST1で管理対象サーバーが使用するドメイン・ディレクトリから分離します(ディレクトリを分離するこの処理は、第4章「エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備」で推奨されています)。

unpackスクリプトを実行する前に、第4.3項「各種ディレクトリの推奨場所」に示すとおりORACLE_BASE/admin/domain_name/mserverディレクトリが存在することを確認してください。

独立ドメイン・ディレクトリを作成する手順は次のとおりです。

  1. 次のように、packコマンドをSOAHOST1上で実行してテンプレート・パックを作成します。

    SOAHOST1> cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
     
    ./pack.sh -managed=true -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name 
    -template=wcdomaintemplate.jar -template_name=wcdomaintemplate
    

    注意:

    前回のpack/unpack処理からの指定されたテンプレート・パックjarファイルが存在する場合は、別の名前(wcdomaintemplate2.jarなど)を選択します。

  2. 次のようにSOAHOST1でunpackコマンドを実行して、管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリ内のテンプレートを解凍します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name 
    -template=wcdomaintemplate.jar -app_dir=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications -overwrite_domain=true
    

    注意:

    unpackコマンドを実行する前に、/ORACLE_BASE/admin/domain_nameディレクトリに対する書込み権限が必要です。たとえば、次のディレクトリに対してです。
    /ORACLE_BASE/admin/wcpedg_domain/
    

8.4.7 WSM-PM_ClusterへのJava Required Files(JRF)テンプレートの適用

構成ウィザードを使用してドメインが作成された後、WebLogic Serverのインストールに含まれていない多数のリソースをWSM-PM_Clusterにターゲット設定する必要があります。

これらのリソースをターゲット設定するには:

  1. 第8.4.1項「SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成」で指定したユーザー名とパスワードを使用してOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにログインします。

  2. 左側のナビゲーション・ツリーで、「Farm_domain_name」→「WebLogicドメイン」domain_nameを開き、「WSM-PM_Cluster」を選択します。

  3. 右側で「JRFテンプレートの適用」をクリックします。

  4. 画面に確認メッセージが表示されるのを待ちます。

    このメッセージは、JRFテンプレートがWSM-PM_Clusterクラスタに正常に適用されたことを確認するものです。

8.4.8 ホスト名検証の無効化

この手順は、管理サーバーで様々なノードを認証するための適切な証明書をまだ設定していない場合に必要です(第11章「エンタープライズ・デプロイメント用のノード・マネージャの設定」を参照)。サーバー証明書を構成していないと、様々なWebLogicサーバーを管理する際にエラーが発生します。このエラーを回避するには、トポロジの設定と検証を行う際に、管理サーバーと各管理対象サーバーに対するホスト名の検証を無効にし、第11章「エンタープライズ・デプロイメント用のノード・マネージャの設定」の説明に従ってエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの構成を完了した後に再びホスト名の検証を有効にします。

サーバーに対するホスト名の検証は、サーバーが起動して稼働するとただちに、管理サーバーから順に無効にできます。

ホスト名検証を無効化するには:

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. 「ロックして編集」をクリックします。

  3. 左側の「ドメイン構造」ツリーで「環境」ノードを開きます。

  4. 「サーバー」をクリックします。

  5. 「サーバーのサマリー」ページで、「サーバー」表の「名前」列からサーバーの名前を選択します。「AdminServer(admin)」を選択します。

  6. このサーバーの「設定」ページで、「SSL」タブをクリックします。

  7. 「詳細」をクリックします。

  8. 「ホスト名の検証」「なし」に設定します。

  9. 「保存」をクリックします。

  10. WLS_WSM1およびWLS_WSM2サーバーに対して手順5から9を繰り返します。

  11. 変更を保存してアクティブ化します。

  12. これらの変更を有効にするには、管理サーバーを再起動する必要があります。

    1. 「サーバーのサマリー」画面で、「制御」タブを選択します。

    2. 表で「AdminServer(admin)」を選択して、「停止」をクリックします。

    3. 管理サーバーは、第8.4.3項「SOAHOST1での管理サーバーの起動」の手順を使用して再度起動します。

8.4.9 WLS_WSM1管理対象サーバーの起動と検証

管理対象サーバーを構成後に起動し、正しく実行されているかどうかを確認します。Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、管理対象サーバーを起動しそのステータスを確認できます。

WLS_WSM1管理対象サーバーの起動と検証の手順:

  1. 次の手順に従い、管理コンソールを使用して WLS_WSM1管理対象サーバーを起動します。

    1. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

    2. 「サーバー」を選択します。「サーバーのサマリー」ページが表示されます。

    3. 「制御」タブをクリックします。

    4. 「WLS_WSM1」を選択して、「起動」をクリックします。

  2. 管理コンソールでサーバーの状態がRunningとして報告されていることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。

    「管理」「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因については、第16.9項「Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメントのトラブルシューティング」を参照してください。

  3. 次のURLを使用して、Oracle WSM Policy Managerにアクセスします。

    http://SOAHOST1:7010/wsm-pm
    

    第8.4.1項「SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成」で指定したユーザー名とパスワードを入力します。

  4. 「ポリシー・マネージャの検証」をクリックします。

    構成が正しい場合は、データ・ストアで使用できるポリシーとアサーション・テンプレートのリストが表示されます。ポリシーやアサーション・テンプレートがまったく表示されない場合は、構成が正しくありません。

8.5 SOAHOST2へのドメイン構成の伝播

SOAHOST1の構成が完了したら、unpackユーティリティを使用してSOAHOST2に構成を伝播し、伝播した構成を検証します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.5.1 unpackユーティリティを使用したSOAHOST2へのドメイン構成の伝播

unpackユーティリティを使用してドメイン構成を伝播します。unpackスクリプトを実行する前に、第4.3項「各種ディレクトリの推奨場所」の説明のとおり次のディレクトリが存在することを確認してください。

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver

ドメイン構成を伝播する手順は次のとおりです。

  1. 次のコマンドをSOAHOST1上で実行して、前の手順で作成したテンプレート・ファイルをコピーします。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    scp wcdomaintemplate.jar oracle@SOAHOST2:/ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
  2. SOAHOST2のWL_HOME/common/binディレクトリではなく、ORACLE_COMMON_HOME/common/binディレクトリからunpackコマンドを実行し、伝播するテンプレートを解凍します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name
    -template=wcdomaintemplate.jar -app_dir=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications -overwrite_domain=true
    

8.5.2 uploadおよびstageディレクトリの絶対パスへの変更

ドメインを作成し、テンプレートをmserverディレクトリに解凍した後、uploadstageディレクトリを更新します。これらのディレクトリは、デフォルトでは次の場所にあります。

./servers/server_name/upload

および

/u01/app/oracle/admin/wcpedg_domain/aserver/wcpedg_domain/servers/server_name/stage

これらのデフォルトのディレクトリ・パスは、リモート・デプロイメントでは問題を引き起こし、ステージ・モードを使用したデプロイメントでは混乱の原因となります。

これらの問題を防ぐには、uploadディレクトリを次のように更新します。

ORACLE_BASE/admin/wcpedg_domain/mserver/wcpedg_domain/servers/server_name/upload

また、stageディレクトリを次のように更新します。

ORACLE_BASE/admin/wcpedg_domain/mserver/wcpedg_domain/servers/server_name/stage

すべての管理対象サーバーで、これらのディレクトリ・パスを更新します。

これらのディレクトリを更新する手順は次のとおりです。

  1. 管理コンソールにアクセスします。

  2. 左側のナビゲーション・ツリーで、「ドメイン」「環境」を開きます。

  3. 「サーバー」をクリックしてからサーバー名をクリックします。

  4. 「構成」「デプロイメント」タブで、UploadおよびStageディレクトリを変更します。

  5. これらの変更を有効にするためにWLS_WSM1管理対象サーバーを再起動します(停止した後、再び起動する)。

8.5.3 WLS_WSM2管理対象サーバーに対するホスト名検証の無効化

このガイドで説明するエンタープライズ・デプロイメントでは、Oracle SOA Suiteを使用するためのドメイン拡張手順を実行した後、適切な証明書を設定して管理サーバーで様々なノードを認証できるようにします。WLS_SOA1およびWLS_SOA2管理対象サーバーのホスト名検証を無効化して、様々なWebLogic Serverインスタンスを管理するときにエラーが出ないようにします。詳細は、第8.4.8項「ホスト名検証の無効化」を参照してください。

エンタープライズ・デプロイメントのトポロジ構成が完了したときに、ホスト名検証を再び有効化します。詳細は、第11章「ノード・マネージャのホスト名検証証明書の有効化」を参照してください。

8.5.4 SOAHOST2でのノード・マネージャの起動

ドメイン構成を伝播しホスト名検証を無効にしたら、StartNodeManager.shスクリプトを使用してノード・マネージャを起動します。

SOAHOST2でノード・マネージャを起動する手順は次のとおりです。

  1. ノード・マネージャを起動する前に、ORACLE_COMMON_HOME/common/binディレクトリにあるsetNMProps.shスクリプトを実行し、StartScriptEnabledプロパティをtrueに設定します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./setNMProps.sh
    

    注意:

    クラスのロード失敗などの問題を回避するために、StartScriptEnabledプロパティを使用する必要があります。

  2. ノード・マネージャを起動します。

    cd WL_HOME/server/bin
    ./startNodeManager.sh
    

8.5.5 WLS_WSM2管理対象サーバーの起動と検証

管理コンソールを使用して、WLS_WSM2管理対象サーバーを起動して検証します。

WLS_WSM2管理対象サーバーを起動し、正しく構成されていることを確認する手順:

  1. 管理コンソールを使用してWLS_WSM2管理対象サーバーを起動します。

  2. 管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因については、第16.9項「Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメントのトラブルシューティング」を参照してください。

  3. 次のURLにアクセスします。

    http://SOAHOST2:7010/wsm-pm
    
  4. 「ポリシー・マネージャの検証」をクリックします。

8.6 Oracle WSMについてのJavaオブジェクト・キャッシュの構成

Oracle WSM Policy Managerを実行しているすべてのサーバーで、Javaオブジェクト・キャッシュ(JOC)を構成します。この手順はオプションですが、ローカル・キャッシュを保持することでキャッシュを検索する必要がなくなるため、Oracle WSMのパフォーマンスが向上します。

次のディレクトリにあるconfigure-joc.pyスクリプトを使用してJavaオブジェクト・キャッシュを構成できます。

MW_HOME/oracle_common/bin/

これはWLSTオンライン・モードで実行するPythonスクリプトであるため、管理サーバーが稼働している必要があります。

Oracle製品のJOCポートを構成する場合は、9988から9998の範囲のポートを使用することをお薦めします。

Oracle WSMのJavaオブジェクト・キャッシュを構成する手順は次のとおりです。

  1. コマンド行のOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して管理サーバーに接続します。例:

    MW_HOME/wc/common/bin/wlst.sh
    $ connect()
    

    入力を求められたら、サーバーのURLおよびWebLogic管理者のユーザー名とパスワードを入力します。

  2. WLSTを使用して管理サーバーに接続後、execfileコマンドを使用してスクリプトを開始します。たとえば、次のようにします。

    wls:/mydomain/serverConfig>execfile("MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py")
    
  3. 指定されたクラスタのすべての管理対象サーバーに対してJOCを構成します。

    スクリプトでクラスタ名を指定するかどうかを尋ねられたら「y」と入力し、さらにクラスタ名と検出ポートの入力を求められたらそれらも指定します。これにより、指定したクラスタのすべての管理対象サーバーが検出され、JOCが構成されます。検出ポートはクラスタのJOC構成全体で共通です。例:

    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>
    Enter Cluster Name : WSM-PM_Cluster
    Enter Discover Port : 9991
    

    configure-joc.pyをHA環境で使用するための手順は、次のとおりです。

    execfile("MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py")
    .
    Enter Hostnames (eg host1,host2) : SOAHOST1,SOAHOST2
    .
    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>y
    .
    Enter Cluster Name : WSM-PM_Cluster
    .
    Enter Discover Port : 9991
    .
    Enter Distribute Mode (true|false) <true> : true
    .
    Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n> n
    
  4. WLSTコマンドまたはconfigure-joc.pyスクリプトを使用してJavaオブジェクト・キャッシュを構成した後で、構成を有効にするために、影響を受ける管理対象サーバーをすべて再起動します。

このスクリプトは、次のオプションのJOC構成の実行にも使用できます。

  • 指定されたすべての管理対象サーバーに対してJOCを構成します。

    スクリプトにより、クラスタ名を指定するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら「y」と入力し、そしてプロンプトが表示されたらクラスタ名と検出ポートも指定します。例:

    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>n
    Enter Managed Server and Discover Port (eg WLS_WSM1:9998, WLS_WSM1:9998) : WLS_WSM1:9991,WLS_WSM2:9991
    
  • 特定の管理対象サーバーのJOC構成を除外します。

    スクリプトにより、JOC構成「DistributeMode」を「false」に設定する管理対象サーバーのリストを指定できます。スクリプトにより特定のサーバーをJOC構成から除外するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら「y」と入力し、そしてプロンプトが表示されたら除外する管理対象サーバー名を入力します。例:

    Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n>y
    Exclude Managed Server List (eg Server1,Server2) : WLS_WSM1,WLS_WSM3
    
  • すべての管理対象サーバーに対して分散モードを無効にします。

    スクリプトにより、指定されたクラスタのすべての管理対象サーバーに対して分散を無効化できます。分散モードに関するプロンプトが表示されたら'false'を指定します。デフォルトでは、分散モードは'true'に設定されています。

CacheWatcherユーティリティを使用してJOCの構成を確認します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』の分散Javaオブジェクト・キャッシュの構成に関する項を参照してください。

8.7 WebLogic ServerドメインのOracle HTTP Serverの構成

この項では、WebLogic ServerドメインにおけるOracle HTTP Serverの構成タスクおよびその構成の検証タスクについて説明します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.7.1 管理サーバーとWLS_WSMn管理対象サーバーについてのOracle HTTP Serverの構成

管理サーバーおよびWSM-PM_Cluster (WLS_WSMn管理対象サーバーを含む)へのOracle HTTP Serverのルーティングを有効にするには、WebLogicClusterパラメータをクラスタのノード・リストに設定する必要があります。

管理サーバーとWLS_WSMn管理対象サーバーのOracle HTTP Serverを構成する手順:

  1. WEBHOST1とWEBHOST2上で、次のディレクトリにあるadmin_vh.confおよびwcpinternal_vh.confファイルにディレクティブを追加します。

    ORACLE_BASE/admin/instance_name/config/OHS/component_name/moduleconf
    

    第7.6項「仮想ホストの定義」の指示に従って、admin_vh.confおよびwcpinternal_vh.confファイルを作成しておく必要があります。

    1. 例8-1太字で示したディレクティブを、admin_vh.confファイルに追加します。

      admin_vh.confファイルは、例8-1のように表示されます。

      例8-1 admin_vh.confファイル

      # Admin URLs are only accessible through the admin virtual host
      
      <VirtualHost *:7777>
          ServerName admin.example.com:80
          ServerAdmin you@your.address
          RewriteEngine On
          RewriteOptions inherit
      
      # Admin Server and EM
      <Location /console>
          SetHandler weblogic-handler
          WebLogicHost ADMINVHN
          WeblogicPort 7001
      </Location>
      
      <Location /consolehelp>
          SetHandler weblogic-handler
          WebLogicHost ADMINVHN
          WeblogicPort 7001
      </Location>
      
      <Location /em>
          SetHandler weblogic-handler
          WebLogicHost ADMINVHN
          WeblogicPort 7001
      </Location>
      </VirtualHost>
      

      注意:

      このドキュメントに示された7777admin.example.com:80you@your.addressなどの値は、単なる例です。これらのかわりに、実際の環境に基づいた値を入力してください。

    2. 例8-1太字で示したディレクティブを、wcpinternal_vh.confファイルに追加します。WebLogicClusterパラメータを、クラスタ内のノードのリストに設定します。

      wcpinternal_vh.confファイルは、例8-1のように表示されます。

      例8-2 wcpinternal_vh.confファイル

      <VirtualHost *:7777>
          ServerName wcpinternal.example.com:80
          ServerAdmin you@your.address
          RewriteEngine On
          RewriteOptions inherit
      
      # WSM-PM
      <Location /wsm-pm>
          SetHandler weblogic-handler
          WebLogicCluster SOAHOST1:7010,SOAHOST2:7010
      </Location>
      
      </VirtualHost>
      
  2. WEBHOST1およびWEBHOST2の両方で、Oracle HTTP Serverを再起動します。

    WEBHOST1> ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs1
    
    WEBHOST2> ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs2
    

WebLogicClusterパラメータで指定したサーバーは、起動時のプラグインに対してのみ重要な役割を持ちます。このノードのリストには、実行しているクラスタ・メンバーを1つ以上記述しておく必要があります。記述しておかないと、このプラグインで他のクラスタ・メンバーを検出できません。Oracle HTTP Serverの起動時には、リストに記述したクラスタ・メンバーを実行している必要があります。Oracle WebLogic Serverとこのプラグインの連携により、クラスタに発生した新規のクラスタ・メンバー、失敗したクラスタ・メンバーおよびリカバリしたクラスタ・メンバーを反映してサーバーのリストが自動的に更新されます。

例としていくつかのシナリオを示します。

  • 例1: 2つのノードで構成したクラスタに3番目のメンバーを追加する場合、そのメンバーを追加するために構成を更新する必要はありません。3番目のメンバーは、実行時にその場で検出されます。

  • 例2: クラスタは3つのノードで構成されていても、構成に記述されているノードはそのうちの2つのみであるとします。Oracle HTTP Serverを起動するときにこの2つのノードが両方とも停止していると、プラグインはクラスタを検出できません。Oracle HTTP Serverを起動するときは、リストに記述したノードを1つ以上実行している必要があります。

    クラスタのメンバーをすべてリストに記述した場合は、Oracle HTTP Serverの起動時にそのうちの1つ以上を実行しておくことで、クラスタに確実に到達できます。

WebLogic Serverプラグインの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic ServerにおけるWebサーバー・プラグインの使い方』を参照してください。

8.7.2 WebLogicプラグイン有効化フラグの有効化

セキュリティのため、またロード・バランサがSSLリクエストを終了するため(Oracle HTTP ServerはリクエストをWebLogic Serverに非SSLとしてルーティングします)、ロード・バランサにSSLを構成した場合、そのドメインに対しWebLogicプラグイン有効化フラグをオンにする必要があります。

WebLogicプラグイン有効化フラグを有効にする手順は次のとおりです。

  1. 管理コンソールにログオンします。

  2. 左側のナビゲーション・ツリーでドメイン名をクリックします。

  3. Webアプリケーション」タブをクリックします。

  4. 「ロックして編集」をクリックします。

  5. 「WebLogicプラグインの有効化」チェック・ボックスを選択します。

  6. 変更を保存してアクティブ化します。

8.7.3 WebLogic ServerへのOracle HTTP Serverの登録

Oracle WebLogic Serverドメインが作成されたら、Oracle Web層をドメインに接続できます。これには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してOracle Web層を管理および監視できるというメリットがあります。

Oracle Web層をWebLogic Serverドメインに関連付けるには、WEBHOST1で次のコマンドを実行します。

WEBHOST1> cd ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin

WEBHOST1> ./opmnctl registerinstance -adminHost ADMINVHN -adminPort 7001 -adminUsername weblogic

このコマンドは、OHS2に対してWEBHOST2からも実行する必要があります。

登録したOracle HTTP ServerはFusion Middleware Controlで管理可能なターゲットとして表示されます。これを確認するには、Fusion Middleware Controlにログインします。ナビゲーション・ツリーにある「WebTier」項目に、該当のOracle HTTP Serverが登録されていることが示されます。

8.7.4 管理コンソールのフロントエンドURLの設定およびリダイレクション・プリファレンスの設定

ロード・バランサを使用してOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスする場合、管理サーバーのフロントエンドURLを変更し、ユーザーのブラウザが適切なロード・バランサ・アドレスにリダイレクトされるようにする必要があります。

Oracle WebLogic Server管理コンソール・アプリケーションでは、コンソールを使用して、ポート、チャネル、セキュリティに対する変更を追跡します。コンソールを使用して行われた変更をアクティブ化するとき、コンソールは現在のリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルを検証します。このリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルがまだ有効の場合、コンソールはHTTPリクエストをリダイレクトし、ホストとポートの情報を管理サーバーのリスニング・アドレスとポートに置き換えます。

管理サーバーのフロントエンドURLを変更する手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. 「ロックして編集」をクリックします。

  3. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

  4. 「サーバー」をクリックして、「サーバーのサマリー」ページを開きます。

  5. 表の「名前」列で「管理サーバー」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。

  6. 「プロトコル」タブをクリックします。

  7. 「HTTP」タブをクリックします。

  8. 「フロントエンド・ホスト」「admin.example.com」に設定し、「フロントエンドHTTPポート」を「80」に設定します(管理URLにHTTPSを使用する場合は、適宜変更します)。

  9. 変更を保存してアクティブ化します。

  10. 変更がアクティブ化されたときにコンソールで構成ページがリロードされないように、Oracle WebLogic Server管理コンソールで構成変更の追跡を無効にします。

    1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    2. バナー内の「プリファレンス」リンクをクリックします。

    3. 「共有プリファレンス」タブをクリックします。

    4. 「構成変更の追跡」チェック・ボックスの選択を解除します。


注意:

フロントエンド・ホストやポートの設定を変更した後、構成の変更をアクティブ化できない場合は、第16.9.2項「管理コンソールで変更をアクティブ化した後にユーザーがログイン画面にリダイレクトされる」を参照してください。

8.7.5 Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証

Oracle HTTP Serverを介したアクセスを検証する手順は次のとおりです。

管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因については、第16.9項「Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメントのトラブルシューティング」を参照してください。

次のロード・バランサURLを検証し、Oracle HTTP ServerからWSM-PM_Clusterへのルーティングとフェイルオーバーが適切に機能していることを確認します。

  • http://wcpinternal.example.com/wsm-pm

  • http://admin.example.com/console

  • http://admin.example.com/em

ロード・バランサを介したシステム・アクセスの構成の詳細は、第3.3項「ロード・バランサの構成」を参照してください。

第8.7.3項「WebLogic ServerへのOracle HTTP Serverの登録」の説明に従ってOracle HTTP Serverを登録すると、そのOracle HTTP Serverは管理可能なターゲットとしてOracle Enterprise Manager Consoleに表示されます。これを確認するには、Enterprise Manager Consoleにログインします。ナビゲーション・ツリーにある「WebTier」項目に、該当のOracle HTTP Serverが登録されていることが示されます。

8.7.6 管理サーバーの手動フェイルオーバーの検証

ドメインを構成したら、第16.7項「管理サーバーの手動フェイルオーバーの検証」の手順に従ってフェイルオーバーをテストします。

8.8 WebLogic Serverドメイン構成のバックアップ

バックアップを実行してドメイン構成を保存します。最初にサーバーが停止していることを確認します。構成ファイルは次のディレクトリにあります。

ORACLE_BASE/admin/domain_name

ドメイン構成をバックアップするには、SOAHOST1で次のコマンドを実行します。

tar -cpzf BACKUP_LOCATION/edg8.8_fmwhome.tgz MW_HOME

次のコマンドを使用して、Web層のインスタンス・ホームをバックアップします。

tar -cpzf BACKUP_LOCATION/edg8.8_OHS_web_instances.tgz ORACLE_INSTANCE