Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルのプランニング 11g リリース1 (11.1.1.9.0) E49684-03 |
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ポータル・アーキテクトまたは設計者にとっての最初の課題は、基礎となる最適な開発手法を選択することです。この章で後ほど学習しますが、この選択によって、ポータル・プロジェクトの全体的な方向性と実装が決まります。
この章の内容は次のとおりです。
複数のビジネス分野をサポートするためのイントラネット・ポータル、顧客やビジネス・パートナをサポートするためのエクストラネット・ポータル、チーム・コラボレーション・ポータルのいずれかを作成する場合や、その他の目的でポータルを使用する場合は、次の基本的なプランニング・タスクに取り組む必要があります。
ポータル・チームを編成します。
ポータル・ビルダーは主にブラウザベースの手法であり、ナレッジ・ワーカーやアプリケーション・スペシャリストに適しています。ポータル・フレームワークは主に開発者中心の手法であり、ポータルを作成および改良するには、JDeveloperのスキルが必要になります。
開発手法を決定します。
この決定により、ポータルの実装のほとんどの側面、ポータル開発チームの構成、および使用可能な特定の機能が決まります。
第2.2項「ポータルの構築のプランニング」を参照してください。
ポータル・コンテンツ統合をプランニングします。
どのようなポータルを作成する場合でも、コンテンツ統合および管理戦略が必要になります。Oracle WebCenter Portalでは、ドキュメント・タスク・フロー(ドキュメント・エクスプローラなど)やコンテンツ・プレゼンタなど、コンテンツを統合するための様々な方法が提供されます。ドキュメント関連の機能はコンテンツ・リポジトリへの接続を必要とします。通常は、システム管理者がコンテンツ接続を構成します。
第2.2.1.3項「ポータル・ビルダーを使用したポータルへのコンテンツの統合」および第2.2.1.3項「ポータル・ビルダーを使用したポータルへのコンテンツの統合」を参照してください。
ポータルで必要なツールとサービスを特定します。
WebCenter Portalでは、ポータル・メンバーがコラボレーションおよびコミュニケーションに使用できる多くのツールおよびサービスが提供されます。たとえば、企業のイントラネット・ポータルでお知らせを使用すると、興味の対象が同じグループに、有用な情報を即座に送信するか、選択した日時に送信できます。アクティビティ・グラフを使用すると、ユーザー・アクティビティの分析に基づいて、興味を引きそうなページやドキュメントを推奨できます。インスタント・メッセージおよびプレゼンス・ツールを使用すると、部門のメンバーがお互いのオンライン・ステータスを常に把握し、提供されたオプションを使用して、別のユーザーに即座に連絡を取ることができます。ワークリストは、ユーザー・メッセージング・サービス(UMS)を通じて配信されたワークフロー通知およびメッセージの追跡に役立ちます。第2.3項「ツールとサービスのプランニング」を参照してください。
ポータルに関する組織の基本的な構想を定義します。
ポータルの構成方法は数多く存在します。たとえば、ポータルに企業の部門編成、ビジネス分野またはビジネス・プロセスを反映する場合があります。
すべてのユーザーに、中心となるランディング・ページ(ホーム・ページ、ホーム・ポータル、または階層ポータル・セット内の親ポータルが考えられます)へのアクセスを許可することもできます。ロールベースのナビゲーション要素や、ページ階層を通じたロールベースの委任セキュリティも使用できます。
第2.4項「一貫性のあるルック・アンド・フィールのプランニング」を参照してください。
ポータル・ページに一貫性のあるレイアウトと外観を設計します。
ポータルのレイアウトは、主にページ・テンプレートとページ・スタイルを使用して制御します。ページ・テンプレートによって、ポータル内におけるページの全体的な編成が決まります。通常、テンプレートには、企業ロゴなど、すべてのページに表示することを目的としたブランド要素が含まれます。ページ・スタイルを使用すると、ページ内におけるコンテンツの編成方法を標準化できます。スキンによって定義されるのは、ポータルのページで使用される様々なコンポーネントの色、フォントおよびその他のルック・アンド・フィールに関する側面です。
開発者は、デプロイされたポータルにアップロード可能なJDeveloperでカスタム・テンプレートおよびスキンを作成でき、ナレッジ・ワーカーは、既存のテンプレートをコピーおよび編集してテンプレートを作成できます。
第2.4項「一貫性のあるルック・アンド・フィールのプランニング」および第1.3.5項「アセットおよびアセットのラウンドトリップ開発」を参照してください。
ポータル、そのページおよびリソースで必要なセキュリティを定義します。
第2.5項「ポータルのセキュリティのプランニング」には、ポータル・セキュリティの概要や、実装情報を含むOracle WebCenter Portalドキュメントへのリンクが記載されています。
ポータルへの統合が必要になる可能性のあるアプリケーションを決定します。
ポータルで使用したり、ポータルに統合できるその他のテクノロジには、Oracle Fusion Applications、Oracle Identity Management Suite、Oracle SOA Suite、Oracle Enterprise ManagerおよびOracle eBusiness Suite、さらにPeopleSoft、SiebelおよびJD Edwardsエンタープライズ・アプリケーションなどがあります。第1.3.2項「その他のOracle製品およびアプリケーションとの統合」
ポートレットとページレットでは、別の方法でリモート・アプリケーションおよびコンテンツをポータルに統合できます。第1.3.8項「ポートレット」および第1.3.9項「ページレット」を参照してください。
Oracle WebCenter Portalの主要ドキュメント・セットでは、このガイドで説明したすべての機能と、さらに多くの機能の実装に関する詳細が提供されます。第1.5項「Oracle WebCenter Portalドキュメント・セットの紹介」を参照してください。
設計に関して行う最初の決定は、ポータルの基礎となる開発手法を選択することです。Oracle WebCenter Portal 11g リリース1では、ポータル・ビルダーおよびポータル・フレームワーク・アプリケーションという2つのまったく異なる手法を使用できます(図2-1を参照)。ポータル・プロジェクトの実装、管理およびライフ・サイクルに関するタスクのほとんどは、選択する手法によって異なります。
注意: ポータル・フレームワークではなく、ポータル・ビルダーを使用して新しいポータルを作成することをお薦めします。ポータル・ソリューションを開発する場合にカスタムPortal Frameworkアプリケーションが大きな柔軟性を提供する可能性がありますが、通常そのような柔軟性によって製品のサポート可能性および新しいWebCenter Portalリリースにアップグレードする機能が失われます。ポータル・ビルダーを使用すると、複雑さまたはスケーラビリティを損わずにこれらの制約が回避されます。 |
この項では、ポータル・ビルダーおよびポータル・フレームワークを使用する手法の両方について詳しく説明します。
ポータル・ビルダーは、WebCenter Portalでのポータルの構築を目的とする、ブラウザベースのパッケージ化された環境です。ポータル上のニーズに応じた長期のソリューションとして、ポータル・ビルダーを使用することをお薦めします。
ポータル・ビルダーを使用すると、ポータルを作成し、ページ・エディタ(コンポーザ)でポータルのページを追加および編集し、ポータル作成者として1つのポータルを管理できます。システム管理者は、ポータル・ビルダーの管理エリアにアクセスし、すべてのポータルを管理できます。ポータル・ビルダーを使用する場合、ポータル作成者はデフォルトまたはカスタムのポータルおよびページ・テンプレートを選択するため、ポータル作成プロセスが単純化および標準化されます。ドラッグ・アンド・ドロップによって簡単に、コンテンツ、レイアウトおよび機能のコンポーネントをポータルに追加できます。
ポータル・ビルダーは、個々のポータルを作成、構築、カスタマイズおよび管理するアプリケーション・スペシャリストおよびナレッジ・ワーカー、ポータルのグローバル設定を管理するシステム管理者に適しています。図2-2 ブラウザのポータル・ビルダーの「ポータル」ページ
ポータル・ビルダー・パスを選択する際、ADFやJavaなどの開発者のスキルが必要になるのは、Oracle WebCenter Portalによってデフォルトで提供されないカスタム・コンポーネントを開発する場合のみです。開発者はJDeveloperを使用して、ポータル・ビルダーで提供できる、特別なカスタム・スキン、ページ・スタイル、ページ・テンプレート、コンテンツ表示テンプレート、ナビゲーション、リソース・カタログ、データ・コントロール、タスク・フロー、ポートレットおよびマネージドBeanを構築およびデプロイできます。
ポータル・ビルダーが複数ポータルのソリューションであることは、知っておく必要があります。Oracle WebCenter Portalの1つのインスタンスをインストールし、その中で複数のポータルをホストできます。最初はデフォルト・テンプレートを使用し、後からそれらをカスタマイズできます。通常は、システム管理者によって管理権限を委任された特定の個人が自らポータルを管理するため、IT部門のコストを削減し、最小限のサポート・オーバーヘッドで多くのユーザーをサポートできます。ポータル・ビルダーは、モバイル・デバイスのサポートと機能が組込みで提供される唯一の手法です。
ポータル・ビルダーを使用したポータルの構築と管理に必要なすべての知識は、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』に記載されています。ポータル・ビルダー環境の管理タスクの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』のポータル・ビルダーでのポータルの管理に関する項を参照してください。次の各項では、サマリー概要を示します。
ポータルのライフ・サイクルとは、ポータル・ビルダーを使用したデプロイメントによるポータルの作成から本番インスタンスまでの過程を表します。ライフ・サイクルのフェーズには、通常、開発、テスト、ステージングおよび本番が含まれます。各フェーズでは特定のタスクを実行する必要があります。コンテンツ・リポジトリの設定など、一部のタスクは一度だけ実行します。その他のタスクは、バックアップの作成や夜間ビルドの実行などで頻繁に実行されます。ポータル・ビルダーを使用すると、簡単に、ポータル全体または個々のアセットをエクスポートし、それらを異なる環境にインポートできます。
図2-3に、ステージング環境から本番環境への一般的な流れを示します。
詳細は、次を参照してください:
『Oracle WebCenter Portalの管理』のWebCenter Portalのライフ・サイクルの理解に関する項
『Oracle WebCenter Portalの管理』のポータルのデプロイに関する項
アセットとは、ポータルの構造、ルック・アンド・フィールおよびコンテンツを定義するオブジェクトのことです。WebCenter Portalでは、すぐに使用できるか、またはカスタマイズ可能な次のアセットが提供されます: 「ページ・テンプレート」、「リソース・カタログ」、「スキン」、「ページ・スタイル」、「コンテンツ・プレゼンタ」表示テンプレート、「タスク・フロー・スタイル」、「ページレット」、「タスク・フロー」および「データ・コントロール」。
ポータル・ビルダーで提供される、ブラウザベースの編集機能を使用してもポータル・アセットの要件に対処できない場合、開発者は、特殊なJDeveloperプロジェクトであるWebCenterSpacesResources
内から、さらに開発を進めることができます。このプロジェクトはJDeveloperワークスペースの一部であり、Oracle Technology Networkからダウンロードできます。このJDeveloperプロジェクトでは、ページ・テンプレート、スキン、ページ・スタイル、リソース・カタログなどのアセットを作成、変更およびアップロードするために開発者に必要なものがすべて提供されます。
JDeveloperでは、WebCenterSpacesResources
プロジェクトおよびポータル・ビルダーに対して、直接アセットをアップロード/ダウンロードできます。また、アセットをファイルにエクスポートした後、それをポータル・ビルダーやJDeveloperにインポートすることもできます。
詳細は、次を参照してください:
『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』のWebCenter Portal用アセットの開発に関する項
『Oracle WebCenter Portalの管理』のアセットのデプロイに関する項
最も重要なポータル要件の1つに、コンテンツの統合があります。ポータルの作成者と管理者は、コンテンツを追加および更新したり、コンテンツ作成、ワークフロー、アーカイブなどの管理を行う必要があります。
コンテンツ・リポジトリには、ドキュメントやイメージなどのコンテンツが格納されます。ポータル・ビルダーに対しては標準で、バックエンド・コンテンツ・リポジトリ(Oracle WebCenter Content)への接続が作成されます。この接続が利用可能になると、ポータル・モデレータは、ポータル・ビルダーの「ツールとサービス」ページからポータルのドキュメント・ツールを有効化できます。これらは、ドキュメント・コンポーネントをポータル・ページに追加可能で、エンド・ユーザーはポータルでドキュメントを操作できます。
詳細は、次を参照してください:
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』のコンテンツ・リポジトリの管理に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のドキュメントの使用に関する項
『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルで利用可能なツールおよびサービスの有効化と無効化に関する項
『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のコンテンツ・プレゼンタを使用したコンテンツの公開に関する項
『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のドキュメント・タスク・フローとドキュメント・コンポーネントの使用に関する項
システム管理者は、WebCenter PortalのAdministrator
ロールが割り当てられる唯一のユーザーです。WebCenter Portal管理者は、(ポータル・ビルダーを含む) WebCenter Portalアプリケーションにおいて、最も強力なアプリケーション権限を持っています。システム管理者は、WebCenter Portalのすべての側面の表示およびカスタマイズ、ユーザーとロールの管理、および別のユーザーへの職責の委任を行うことができます。
個々のポータルを管理するユーザーは、(ポータルのModerator
ロールが割り当てられた)ポータルを作成するユーザーか、ポータルのManage All
またはManage Configuration
権限を持つポータル・メンバーです。ユーザーには、ポータル管理セキュリティ設定を介してポータル権限およびロールが割り当てられます。
ポータルの管理設定にアクセスするユーザーで、Manage
権限を持たないユーザー(ポータルでのページの編集権限が付与されるParticipant
ロールを持つユーザーなど)には、それぞれのロールと権限で使用可能な設定のみが表示されます。
図2-4は、ポータル・ビルダーの「ポータル」ページを示しています。このページには、使用可能なすべてのポータルを示す表が表示されます。ポータルのManage
権限を持っている場合、該当するポータルの横に、そのポータルの管理設定にアクセスできる「管理」リンクが表示されます。
詳細は、次を参照してください:
『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルの管理に関する項
『Oracle WebCenter Portalの管理』のWebCenter Portalのシステム管理に関する項およびポータル・ビルダーのシステム管理に関する項
注意: ポータル・フレームワークではなく、ポータル・ビルダーを使用して新しいポータルを作成することをお薦めします。ポータル・ソリューションを開発する場合にカスタムPortal Frameworkアプリケーションが大きな柔軟性を提供する可能性がありますが、通常そのような柔軟性によって製品のサポート可能性および新しいWebCenter Portalリリースにアップグレードする機能が失われます。ポータル・ビルダーを使用すると、複雑さまたはスケーラビリティを損わずにこれらの制約が回避されます。 |
Portal Frameworkアプリケーションは、ポータルを構築する際に高度にカスタマイズが可能な手法です。より複雑な手法である、ポータル・フレームワークを使用して構築されたポータルでは、Oracle ADFおよびJava開発に関するかなりの専門知識が必要になり、Oracle JDeveloperやOracleのJava開発環境を使用する必要があります。Portal Frameworkアプリケーションは純粋なADFアプリケーションであるため、他のADFアプリケーションと適切に統合されます。そのようなアプリケーションを所有している場合、この統合が重要になる可能性があります。図2-5は、JDeveloper内で開かれたポータル・プロジェクトを示しています。
通常、ポータル・フレームワークを使用した手法では、ポータルとそこで必要になる可能性があるカスタム・コンポーネントの両方を作成する、専門の開発者チームが必要になります。管理者とその他のユーザーは、提供されたブラウザベースのポータル管理環境を使用して、ポータルがサーバーにデプロイされた後、そのポータルを管理およびカスタマイズできます。ただし、Portal Frameworkアプリケーションが主に開発者に重点を置いた手法であることを理解する必要があります。
ポータル・ビルダーとは異なり、ポータル・フレームワークは単一ポータルの手法です。Portal Frameworkアプリケーション内に複数のポータルやポータルの階層(サブポータル)を作成することはできません。
Portal Frameworkアプリケーションの構築に必要なすべての知識は、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』に記載されています。次の各項では、サマリー概要を示します。
WebCenter Portal Frameworkアプリケーションのライフ・サイクルとは、開発から本番までの、Portal Frameworkアプリケーションがたどる過程です。ライフ・サイクルのフェーズには、通常、開発、テスト、ステージングおよび本番が含まれます。各フェーズでは特定のタスクを実行する必要があります。コンテンツ・リポジトリの設定など、一部のタスクは一度だけ実行します。その他のタスクは、夜間ビルドなどで頻繁に実行されます。
Portal Frameworkアプリケーションを構築する場合、チーム開発環境、ビルド環境、テスト環境、ステージング環境および本番環境の設定について検討する必要があります。
通常、開発者と管理者は、ポータル、ポータル・アセットおよびポータルのカスタマイズを、ある環境から別の環境に移行する場合、標準的なWebアプリケーションのデプロイメント・メソッド(EARデプロイメント)、WLST (WebLogicスクリプティング・ツール)、Enterprise Managerおよびデフォルトの伝播ツールを使用します。JDeveloperを使用すると、開発者はポータルをテストするために、そのポータルをすばやく何回も内部サーバーにデプロイできるようになります。
図2-6に、開発環境から、ビルド環境、テスト環境への一般的な流れを示します。
詳細は、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の次の各章を参照してください。
チーム作業による生産性の向上
WebCenter Portal Frameworkアプリケーションのライフ・サイクルの理解
Portal Frameworkアプリケーションのデプロイおよびテスト
Portal Frameworkアプリケーションにおけるラウンドトリップ開発とは、メンテナンスや拡張のため、以前にデプロイしたポータルからアセット(ページ・テンプレートやスキンなど)を取得し、JDeveloperに戻すことができる機能および手法です。JDeveloperでアセットを変更した後、リソース・マネージャという機能を使用して、デプロイ済のポータルにリソースをアップロードしなおすことができます。
Portal Frameworkアプリケーションにおける、アセットのラウンドトリップ開発で通常使用されるパターンでは、デプロイ済のポータルからファイルに(管理コンソールの「アセット」ページを使用して)アセットをダウンロードし、ダウンロードしたファイルをJDeveloperにインポートして処理します。次に、それをJDeveloperからエクスポートし、管理コンソールの「アセット」ページを使用して、エクスポートしたアセットをデプロイ済のポータルにアップロードしなおします。
詳細は、次を参照してください:
『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』のラウンドトリップ開発の使用に関する項
『Oracle WebCenter Portalの管理』のPortal Frameworkアプリケーションに対するアセットの管理に関する項
コンテンツ・リポジトリには、ドキュメントやイメージなどのコンテンツが格納されます。開発者は、JDeveloper内で直接コンテンツ・リポジトリ接続を作成できます。これらの接続を使用すると、開発者がJDeveloperでポータルに対する作業を行っている間に、Portal Frameworkアプリケーションのコンテンツ・コンポーネントからコンテンツにアクセスし、それを表示できるようになります。開発チームは、独自のコンテンツ・リポジトリ・インスタンスを専用にインストールして保守する場合があります。
通常、ポータルが管理対象サーバーのステージングまたは本番環境内にある場合、システム管理者がコンテンツ・リポジトリ接続を構成および保守します。
コンテンツ・リポジトリ接続を作成したら、様々な方法でコンテンツをPortal Frameworkアプリケーションに統合できます。たとえば、ドキュメント・エクスプローラ(図2-7を参照)やその他の関連ドキュメント・ツールを使用できます。他には、コンテンツ・プレゼンタ、コンテンツ・データ・コントロール、REST APIなどの機能を使用できます。
Portal Frameworkアプリケーションでは、アプリケーションとコンテンツ・リポジトリ間のセキュリティを構成する必要があります(ポータル・ビルダーを使用する場合は不要です)。
詳細は、次を参照してください:
『Oracle WebCenter Portalの管理』のコンテンツ・リポジトリの管理に関する項
『Oracle WebCenter Portalの管理』のコンテンツ・サーバーとWebCenter Portal Frameworkアプリケーション間のセキュリティの構成に関する項
『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』のコンテンツ・リポジトリ接続の構成に関する項
『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』のコンテンツの統合と公開の概要に関する項
Portal Frameworkアプリケーションでは、WebCenter Portal管理コンソールが提供されます(図2-8を参照)。このコンソールでは、認可されたユーザーが、アプリケーション全体のプリファレンスの管理、ユーザーとロールの管理、アセットの管理、コンテンツの管理、投票の作成、およびプロデューサと外部アプリケーションの登録を行うことができます。
アプリケーション・ロールの割当ては、システム管理者の職責です。管理者は、メンバーにデフォルト・アプリケーション・ロールを割り当てるか、追加でポータル・アプリケーションに固有のカスタム・ロールを作成できます。
Administrator
ロールを持つユーザーは、アプリケーション全体のプリファレンスの設定、アセットの管理、コンテンツの管理、投票の作成、およびプロデューサと外部アプリケーションの登録を行うことができます。
また、管理者はアプリケーションのユーザーとロールの管理、および他のユーザーへの権限の委任または権限の取消しを実行することもできます。
詳細は、次を参照してください:
『Oracle WebCenter Portalの管理』の管理コンソールを使用したPortal Frameworkアプリケーションの管理に関する項
表2-1では、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワークの機能と特性を比較します。この表は、どちらの手法を選択するかを決定する際に役立ちます。
注意: ポータル・フレームワークではなく、ポータル・ビルダーを使用して新しいポータルを作成することをお薦めします。ポータル・ソリューションを開発する場合にカスタムPortal Frameworkアプリケーションが大きな柔軟性を提供する可能性がありますが、通常そのような柔軟性によって製品のサポート可能性および新しいWebCenter Portalリリースにアップグレードする機能が失われます。ポータル・ビルダーを使用すると、複雑さまたはスケーラビリティを損わずにこれらの制約が回避されます。 |
表2-1 ポータル・ビルダーとポータル・フレームワークの機能の比較
ポータルの一般的な機能または要件 | ポータル・ビルダー | ポータル・フレームワーク |
---|---|---|
パッケージ化された事前構成済ポータル構築ソリューション |
事前構成済ポータル・サーバー上で稼働する、パッケージ化されたポータル構築ソリューション。 |
ポータル開発者は、独自のカスタムOracle ADFアプリケーションを設計および構成し、カスタム・サーバーへのデプロイメントを管理します。 |
複数のポータル |
複数のポータルを、単一のOracle WebCenter Portalデプロイメント内に作成して管理できます。 |
単一ポータルのソリューション。各Portal Frameworkアプリケーションは、別のポータル・インスタンスです。サーバー上で複数のポータルをホストする場合、JDeveloperのポータルごとに個別のアプリケーションを作成してデプロイする必要があります。 複数のPortal Frameworkアプリケーション(J2EEアプリケーション)をホストすると、消費するリソースが増えます。 |
ポータル階層 |
ポータル(サブポータル)の階層を作成できるため、ポータルの編成に役立ちます。 |
サブポータルがサポートされません。 |
ポータル・テンプレート |
複数の標準のポータル・テンプレートを提供します。任意のポータルをポータル・テンプレートとして保存し、類似したポータルを作成することもできます。 |
ポータル・テンプレートがサポートされません。開発者が各ポータルを一から作成します。 |
ポータルのツールとサービス |
Oracle WebCenter Portalのツールとサービスを完全にサポートしています。 |
次はサポートされていません。
次の項目に対する制約:
詳細は、第2.3項「ツールとサービスのプランニング」を参照してください。 |
デバイスのサポート |
ポータルは、デスクトップ・ブラウザ、スマートフォンおよびタブレット上に標準で表示されます。必要に応じてデバイスのサポートを構成するためのツールが含まれています。 |
モバイルのサポートは一から開発する必要があります。 |
個人用ポータルの管理 |
ホーム・ポータルが含まれています。ホーム・ポータルは、ユーザーが自分のプロファイル、プリファレンス、個人用ページ、使用可能なポータルおよびその他の機能にアクセスできる領域です。 |
ホーム・ポータル機能または個人用ページまたはプリファレンスの組込みの機能は提供されません。 |
直観的なユーザー・インタフェース |
主なツールはブラウザベースです。使いやすいようにユーザー・インタフェースが設計されています。 |
主なツールはJDeveloperベースです。ポータル管理者は、ブラウザベースの基本ツールを標準で使用できます。 |
組込みのセキュリティ |
セキュリティ機能はポータルに組み込まれます。 |
開発者がセキュリティ機能を一から構成します。 |
ポータルとOracle WebCenter Content間のセキュリティ構成は、組み込まれています。 |
ポータルとコンテンツ・リポジトリ間のセキュリティを構成する必要があります。 |
|
自己登録機能により、新しいユーザーがアカウントを作成しやすくなります。 事前作成されたいくつかのワークフローが、ポータル・サブスクリプション・リクエストとポータル・メンバーシップ通知を処理します。 |
ポータル登録またはサブスクリプション機能は提供されません。 |
|
ポータル管理ツール |
ポータル管理ツールはパッケージ化されていますが、拡張できません。 |
必要に応じて、カスタム・ポータル管理ツールを作成して統合できます。 |
個人が自分のビジネス領域に関する重要な更新を常に把握できるように、管理者は特定のビジネル・ロールに関連する情報を出すことができます。 |
ビジネス・ロール・ページはサポートされません。 |
|
ポータル・ライフサイクル・ツール |
インポートおよびエクスポート機能を使用して、ポータルをある環境から別の環境に移行できます。 |
ポータルをある環境から別の環境に伝播するのに役立つ、WebLogicスクリプティング・ツール(WLST)・スクリプトなどのツールが提供されます。 |
パフォーマンス・ダッシュボード |
Enterprise Managerでは、ポータル・ビルダーのデプロイメント用のカスタム・ホーム・ページに、個々のポータルやポータル・サーバーで使用されるすべてのコンポーネント、ツールおよびサービスのステータス、パフォーマンスおよび可用性をレポートする一連のダッシュボードが用意されています。 |
ダッシュボードはサポートされていません。ただし、Portal Frameworkアプリケーションに対して、ページ、ドキュメント、ポートレットおよびWebLogic Serverの様々なメトリックが使用可能です。Enterprise Managerで使用可能な標準的なJ2EEデプロイメント・メトリックに加えて、これらのメトリックが使用できます。 |
ページ・パフォーマンス分析 |
速度の遅いページの診断に役立つポータル・ページ・アナライザが含まれているため、システム管理者は、ページの速度が遅いコンポーネントを一目で確認できます。 |
ページ・パフォーマンス分析はサポートされていません。 |
ブラウザを使用したカスタマイズ |
ブラウザでの作成を目的とした設計。 ナレッジ・ワーカーやアプリケーション・スペシャリストが、この手法に最も適しています。 |
必要に応じて、開発者がブラウザベースのカスタマイズ機能を統合できます。 |
JDeveloperを使用したカスタマイズ |
JDeveloperには、次のものを含むいくつかのカスタム・コンポーネントを組み込むことができます。ADFタスク・フロー、データ・コントロール、マネージドBean、およびその他のアセット(スキン、ページ・スタイル、タスク・フロー・スタイル、ページ・テンプレート、コンテンツ・プレゼンタ表示テンプレート、ナビゲーション、リソース・カタログなど)。 開発者の専門知識が必要です。 |
JDeveloperでの作成を目的とした設計。 開発者は、アプリケーション、その構成およびデプロイをすべて制御できます。 開発者の専門知識が必要です。 |
WebCenter Portalでは、ポータル・メンバーがコラボレーションおよびコミュニケーションに使用できる多くのツールおよびサービスが提供されます。WebCenter Portalが正しくインストールおよび構成され、必要な外部バックエンド・サーバーへの有効な接続がシステム管理者によって設定されると、ツールおよびサービスがポータルで使用できるようになります。
表2-2は、ポータル内で使用できるツールとサービス、およびポータル・ビルダーまたはポータル・フレームワークのいずれかの手法を選択する前のプランニングに関する考慮事項を示しています。
表2-2 Oracle WebCenter Portalのツールとサービスのプランニング
ツールとサービス | 説明 | プランニングの考慮事項 |
---|---|---|
アクティビティ・グラフ |
ポータル内での既存の接続およびオブジェクトとの共有のやり取りに基づいて、ユーザーが接続先として興味を示す可能性がある人物、ポータルおよびコンテンツを推奨します。 |
ポータル・フレームワーク: ページ・ビュー機能では、各ページにイベント・コードのスニペットが追加されていることが必要になります。 |
アクティビティ・ストリーム |
接続のアクティビティ、ポータル内で実行されたアクション、およびビジネス・アクティビティのストリーミング表示が提供されます。 |
アクティビティ・ストリームについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
分析 |
ポータル・アプリケーションの使用状況とパフォーマンスのメトリックを表示できます。 |
分析について、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
お知らせ |
認証されているすべてのユーザーに重要なアクティビティとインベントについてのお知らせを投稿する機能を提供します。 |
ポータル・ビルダー: お知らせを表示するために2つのタスク・フローが含まれます。
グローバル・システムのお知らせとフォーラムレベルのお知らせをサポートしています。 ポータル・フレームワーク: お知らせを表示するために1つのタスク・フローが含まれます。
フォーラムレベルのお知らせではなく、グローバル・システムのお知らせのみをサポートしています。 |
ディスカッション |
スレッド化されたディスカッションを作成し、質問の投稿と応答、回答の検索を行う機能を提供します。 |
通常、ディスカッションについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。ただし、ディスカッション・フォーラムにおけるRSSの使用は、ポータル・ビルダーでのみサポートされます。 |
ドキュメント |
ファイルのアップロード、ファイルやフォルダの作成と管理、ファイルのチェックアウト、バージョニングなどを含む、コンテンツの管理およびストレージの機能を提供します。これらの機能は、ドキュメント・エクスプローラやコンテンツ・プレゼンタなどのドキュメント・タスク・フローを通じて公開されます。 |
ポータル・ビルダー: ドキュメント・サービスは自動的に利用可能です。適切なアクセス権限を使用してコンテンツ・サーバー上にフォルダが作成されます。 ポータル・フレームワーク: 自動プロビジョニングは発生しないため、自らアクセス権を構成する必要があります。 Portal Frameworkアプリケーションでは、アプリケーションとコンテンツ・リポジトリ間のセキュリティを構成する必要があります(ポータル・ビルダーを使用する場合は不要です)。 |
イベント |
認証されたユーザーの広範囲なグループに関連するイベントのスケジュールの作成およびメンテナンスの機能を提供します。また、Exchangeサーバーが構成されている場合は、Outlookカレンダーから個人用イベントへのアクセスも提供します。 |
ポータル・ビルダー: 個人イベントおよびポータル・イベントがサポートされます。ポータル・イベントは特定のポータルに関連しており、これらは、ポータルのすべてのメンバーに対して、ポータルの専用イベント・ページ(ポータル・モデレータによって公開されます)またはポータルのページ上にあるイベント・タスク・フローに表示されます。 個人イベントの提供元はMicrosoft Exchangeカレンダであり、そのイベントは自分にのみ表示されます。 ポータル・フレームワーク: 個人イベントのみがサポートされます。 |
インスタント・メッセージおよびプレゼンス |
他の認証ユーザーのステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認し、そのユーザーとすぐに連絡を取る機能を提供します。 |
インスタント・メッセージおよびプレゼンスについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
リスト |
リストを作成、公開および管理する機能を提供します。 |
ポータル・ビルダー: ポータル・モデレータは、ポータル用のリストを作成、削除または変更できます。必要に応じて、これらの権限を他のユーザーに委任できます。 ポータル・フレームワーク: デフォルトでは、管理者のみがリストを作成、削除または変更できますが、管理者はこの権限をポータルのデプロイ時に変更できます。 |
メール |
IMAPおよびSMTPのメール・サーバーと簡単に統合できます。この統合により、ユーザーは、メッセージの確認、添付ファイル付きメッセージの作成、メッセージへの返信または転送、メッセージの削除など、メール機能を実行できます。 |
メールについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
メッセージおよびフィードバック |
接続に対するメッセージ、添付ファイルおよびフィードバックをアクティビティ・ストリームに投稿する機能を提供します。 |
メッセージとフィードバックについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
ノート |
素早く書き留める機能、および様々な個人関連情報を保持する機能を提供します。 |
ポータル・ビルダーでのみ使用可能です。 |
通知 |
サービス・オブジェクトおよびアプリケーション・オブジェクトへのサブスクライブの手段と、これらのオブジェクトが変更されたときに、1つ以上のメッセージ・チャネルを通じて通知を受信する手段を提供します。 |
通知について、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
ピープル・コネクション |
個人プロファイルの管理、他のユーザーのプロファイルへのアクセス、非定型のフィードバックの提供、メッセージの投稿、アクティビティの追跡、および他のユーザーとつながりを持つことができます。 |
ピープル・コネクションについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
投票 |
関係者にアンケート(意見や経験レベルなど)を実施したり、重要な情報を覚えているかどうかを確認したり、フィードバックを集めたりできます。 |
投票について、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
プロファイル |
ユーザーの連絡先情報(電子メール・アドレス、勤務先住所、電話番号など)、部門、マネージャ、写真、ポータル・アクティビティ、パブリック・ドキュメントおよび接続を表示します。 |
プロファイルについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
最近のアクティビティ |
最近変更したドキュメント、ディスカッションおよびお知らせのサマリー・ビューを提供します。 |
ポータル・ビルダー: 最近のアクティビティのタスク・フローに、ポータル・ビルダーを使用する特定のポータルで最近行われたアクティビティを表示します。 ポータル・フレームワーク: 最近のアクティビティがすべて表示されます。 |
RSS |
様々なWebサイトのコンテンツに1つの場所(ニュース・リーダー)からアクセスする機能を提供します。 |
RSSは、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワークの両方でサポートされます。ただし、ポータル・フレームワークのRSSは、ディスカッション・フォーラム内ではサポートされません。 |
検索 |
検索機能を提供します。これにはOracle Secure Enterprise Search (SES)の統合が含まれます。 |
ポータル・ビルダー: ドキュメント、ディスカッションおよびお知らせに加え、ページ・メタデータ、ポータル・メタデータ、プロファイルおよびリストが検索対象に含まれます。 ポータル・フレームワーク: デフォルトでは、クロールベースの検索が使用されますが、SES構成を実行する必要があります。また、ドキュメント、ディスカッションおよびお知らせのみが検索対象に含まれます。 |
タグ |
1つ以上の個人関連キーワードを特定のページまたはドキュメントに割り当てる機能を提供します。 |
ポータル・ビルダー: ユーザーはページとドキュメントにタグ付けできます。 ポータル・フレームワーク: ページとドキュメントだけでなく、カスタム・オブジェクトにもタグ付けできます。 |
ワークリスト |
ユーザーに割り当てられているすべてのBusiness Process Execution Language (BPEL)ワークリスト項目へのアクセスを提供します。 ワークリスト通知およびアラートへの問合せは、WebCenter Portalで構成されたすべてのBPELサーバーから発生します。 |
ワークリストについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。 |
ツールとサービスの詳細は、次を参照してください。
『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「ポータル・ツールおよびサービスの概要」
『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の「WebCenter Portalツールおよびサービスに対するアプリケーションの準備」
ポータルのプランニングに関する重要な作業には、ポータルのレイアウト、スタイルおよび編成の検討と、実際の実装の委任があります。企業ポータルの場合、数百または数千のページを含めるのが一般的であるため、すべてのページにわたって一貫性のあるルック・アンド・フィールのプランニングを行うことが1つの重要なステップになります。
Oracle WebCenter Portalでは、テンプレート、ページ・スタイル、スキン、ナビゲーションおよびその他のアセットを使用して、ポータル・ページ間の一貫性を確保できます。新しいポータルや新しいページを作成する際、カタログからこれらのアセットを選択すると、簡単に一貫性のあるユーザー・エクスペリエンスと適切な機能の組合せを提供できます。
表2-3では、ルック・アンド・フィールの関連機能について簡単に説明し、Oracle WebCenter Portalドキュメントに含まれる実装の詳細へのリンクを提供します。この表は、ポータル全体の一貫性を確保するのに役立つルック・アンド・フィール・アセットを示しています。ただし、おそらく実際は、ページ・テンプレート、ページ・スタイル、スキンおよびナビゲーション・コンポーネントが、最初に実装するアセットになります。
注意: 一貫性の確保に使用するテンプレートやその他のアセットのサンプル実装は、その多くがOracle WebCenter Portalのデフォルトで提供されます。これらのシードされたコンポーネントは、直接使用するか、新しいカスタム・コンポーネントを作成するための基盤として使用できます。 |
表2-3 ポータルのルック・アンド・フィール関連アセット
ルック・アンド・フィール・コンポーネント | 説明 | ポータル・ビルダー | ポータル・フレームワーク |
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ポータル・テンプレート |
ポータル・テンプレートを使用すると、簡単にポータルの作成を開始できます。任意の既存のポータルをポータル・テンプレートとして保存できます。ドキュメントなどのツールは、テンプレート内で有効にすると、そのテンプレートから作成したポータルでも有効になります。 『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「ポータル・テンプレートの使用」を参照してください。 |
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ページ・テンプレート |
ページ・テンプレートによって、ポータル・ページのレイアウトと共通コンテンツがポータル全体にわたって制御されます。通常、ページ・テンプレートによって定義されるのは、ページのヘッダー、フッターおよびコンテンツ領域です。また、これらを使用して、ロゴやナビゲーション要素といったブランド固有の要素や、ログイン/ログアウト・ボタンなどのアクション要素を追加することもできます。 ポータル・ビルダーでのページ・テンプレートの使用については、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「ページ・テンプレートの使用」を参照してください。 ページ・テンプレートの一からの開発については、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の「ページ・テンプレートの開発」を参照してください。 |
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ページ・スタイル |
ページ・スタイルは、ページのレイアウトに関する側面も制御しますが、重点を置いているのは、ページ内におけるコンテンツの配置です。たとえば、ページ・スタイルを使用すると、コンテンツの配置を統一したり、ページ内に表示するコンテンツのタイプを指定できます。 ポータル・ビルダーに用意されている標準のページ・スタイルについては、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「ページ・スタイルの使用」を参照してください。 ページ・スタイルの一からの開発またはJDeveloperでの既存のページ・スタイルの変更については、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の「ページ・スタイルおよびタスク・フロー・スタイルの開発」を参照してください。 |
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スキン |
CSSベースのスキンはページ・テンプレートと連携して、ポータル内のページの全体的なルック・アンド・フィールを決定します。ページ・テンプレートはページ上のコンポーネントの場所と動作を制御しますが、スキンはそれらのコンポーネントの外観を制御します。 ポータル・ビルダーに用意されている標準のスキンについては、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「スキンの使用」を参照してください。 スキンの一からの開発またはJDeveloperでの既存のスキンの変更については、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の「スキンの開発」を参照してください。 |
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ナビゲーション |
ナビゲーション・モデルには構造(タブ、ブレッドクラム、ツリーなど)があり、これらのモデルによって、移動先となる特定のターゲットが指定されます。 ポータル・ビルダーについては、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「ナビゲーション・モデルの使用」を参照してください。 ポータル・フレームワークについては、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の「ナビゲーション・モデルの開発」を参照してください。 |
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表示テンプレート |
表示テンプレートは、コンテンツ・プレゼンタがコンテンツ・アイテム(イメージやテキストなど)をポータルに表示する方法を定義します。コンテンツ・プレゼンタでは、ポータルのコンテンツの選択および表示を正確にカスタマイズできます。 注意: 新しい表示テンプレートは、JDeveloperで作成する必要があります。 ポータル・ビルダーについては、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「コンテンツ・プレゼンタを使用したコンテンツの公開」を参照してください。 ポータル・フレームワークについては、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の「コンテンツ・プレゼンタ表示テンプレートの作成」を参照してください。 |
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タスク・フロー・スタイル |
タスク・フロー・スタイルは、タスク・フローの作成に使用するテンプレートです。これによって、タスク・フローのレンダリングの一貫性が確保されます。 ポータル・ビルダーについては、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「タスク・フロー・スタイルの使用」を参照してください。 ポータル・フレームワークについては、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の「タスク・フロー・スタイルの開発」を参照してください。 |
注意: ポータル・ビルダーでは、管理者はすべてのポータルのデフォルト・ページ・テンプレートを設定できます。ポータル・モデレータ(ポータルでの管理権限を持つユーザー)は、グローバル・デフォルトをオーバーライドし、特定のポータルのデフォルト・ページ・テンプレートを設定できます。このデフォルトは、特定のページではオーバーライドできません。このようにして、ポータル全体にわたってレイアウトの一貫性が確保されます。図2-9は、ポータル・ビルダーでデフォルト・ページ・テンプレートを設定するための管理ユーザー・インタフェースを示しています。ここで、リストからデフォルト・テンプレートを選択します。 |
通常、ユーザーはポータルにログインする必要があり、それらのユーザーには、管理者がロールに応じて定義した委任セキュリティ設定に基づいて、認可された情報とリソースのみが表示されます。つまり、ポータルに表示される内容は、ポータル内のロールによって異なります。次に例を示します。
従業員はログインし、住所や電話番号などの個人情報を安全に変更できます。
人事管理担当者は、編集権限を持つポータルの特定の部分に含まれるコンテンツを追加、削除または更新できます。
マネージャは、給料の変遷や勤務評価など、直属の部下に関する情報を表示できます。
ビジネス・パートナは、注文内容のみにアクセスできます。この場合、シングル・サインオンを通じて、ポータルから基になるアプリケーションにセキュリティ・コンテキストが渡されることがあります。注文内容は一定期間内でのみ表示でき、実行できるアクションは地域やパートナ・ステータスに基づいて決まります。
Oracle WebCenter Portalでは、このようなセキュリティに関する様々な側面にすべて対処します。
注意: ポータル・ビルダーで新しいポータルを作成すると、全体的なアクセスをパブリック、プライベートまたは非表示に設定できます。パブリック・ポータルには、どのユーザーもアクセスできます。プライベート・ポータルと非表示のポータルでは、招待を通じたメンバーシップなど、なんらかの認可が必要になります。非表示のポータルは使用可能なポータルのリストに表示されず、検索結果にも表示されません。 |
シングル・サインオンなどの標準のセキュリティ・メカニズムを介して認証資格証明を基礎となるアプリケーションに渡すことにより、ユーザーがポータルを介してアプリケーション・データをやり取りする際に必要なログイン回数を1回のみにすることができます。
ポータル・ページおよびコンポーネントへのアクセスは、委任管理を通じて、さらに細かく調整できます。委任管理では、ユーザー・ロールに基づいてポータル・リソースを保護するメカニズムが提供されます。たとえば、1つのロール(マネージャなど)のユーザーにすべてのポータル機能へのアクセスを許可し、それ以外のロール(従業員など)のユーザーには特定の機能へのアクセスを拒否できます。
委任されたセキュリティは、特に多くのページを含むポータルにとっては重要です。セキュリティ設定は(ページ階層内の)親ページから子ページに継承されるため、個々のページごとにセキュリティを設定する必要はありません。
ポータル・ビルダーのセキュリティの詳細は、次を参照してください。
『Oracle WebCenter Portalの管理』の複数のポータルにわたるセキュリティ管理に関する項
『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルのセキュリティの管理に関する項
『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のユーザーに対するポータルへのアクセス権の付与に関する項
Portal Frameworkアプリケーションのセキュリティの詳細は、次を参照してください。
『Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』のWebCenter Portal Frameworkアプリケーションの保護に関する項を参照してください。
『Oracle WebCenter Portalの管理』のデフォルトのセキュリティ構成に関する項
『Oracle WebCenter Portalの管理』のPortal Frameworkアプリケーションのシングル・サインオンの構成に関する項
『Oracle WebCenter Portalの管理』のOracle WebCenter Portalのセキュリティ管理に関する項
表2-4に、ポータル・プラニング・ステージの完了後に実行するタスク、および選択する開発手法の詳細に関する参照先を示します。
注意: ポータル・フレームワークではなく、ポータル・ビルダーを使用して新しいポータルを作成することをお薦めします。ポータル・ソリューションを開発する場合にカスタムPortal Frameworkアプリケーションが大きな柔軟性を提供する可能性がありますが、通常そのような柔軟性によって製品のサポート可能性および新しいWebCenter Portalリリースにアップグレードする機能が失われます。ポータル・ビルダーを使用すると、複雑さまたはスケーラビリティを損わずにこれらの制約が回避されます。 |
表2-4 ポータルの設定および開発に関する一般的なタスク
タスク | ポータル・ビルダーの詳細 | ポータル・フレームワークの詳細 |
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Oracle WebCenter Portalのソフトウェアをインストールし、グローバル設定を構成します。 |
インストレーションおよび管理ガイドは、第1.5項「Oracle WebCenter Portalドキュメント・セットの紹介」を参照してください。 |
インストレーションおよび管理ガイドは、第1.5項「Oracle WebCenter Portalドキュメント・セットの紹介」を参照してください。 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の次の項を参照してください。
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要件に基づいて、構築するポータルの種類を決定します。 |
第1.1項「ポータルとは」を参照してください。 |
第1.1項「ポータルとは」を参照してください。 |
ポータルのライフ・サイクルを検討します。開発、テスト、ステージングおよび本番環境に関するプランニングを行います。 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の次の項を参照してください。
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必要に応じて、コンテンツ・リポジトリ、サービスおよびデータベースへのバックエンド接続を作成します。 |
第2.2.1.3項「ポータル・ビルダーを使用したポータルへのコンテンツの統合」を参照してください。 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』の次の項を参照してください。
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『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』の次の項を参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の次の項を参照してください。
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セキュリティ・プランを作成します。ページとアセットに対する委任されたセキュリティ、およびメンバーシップをポータルに追加します。 |
第2.5項「ポータルのセキュリティのプランニング」を参照してください。 |
第2.5項「ポータルのセキュリティのプランニング」を参照してください。 |
ポータルに追加するサービスを選択します。たとえば、ドキュメント・サービスを使用すると、ドキュメントを格納、アーカイブ、共有および編集できます。アクティビティ・サービスを使用すると、ポータル・メンバーのアクティビティを追跡できます。 |
第2.3項「ツールとサービスのプランニング」を参照してください。 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の次の項を参照してください。
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第2.3項「ツールとサービスのプランニング」を参照してください。 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の次の項を参照してください。
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新しいポータルを作成します。 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の次の項を参照してください。
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『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の次の項を参照してください。
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ページ、ポータル・アセット、ナビゲーション要素およびその他の機能を追加して、ポータル構造を構築します。 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の次の項を参照してください。
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『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の次の項を参照してください。
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コンテンツをポータルに追加します(Oracle WebCenter Contentなどのコンテンツ・リポジトリへの接続が必要です)。
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第2.2.1.3項「ポータル・ビルダーを使用したポータルへのコンテンツの統合」を参照してください。 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の次の項を参照してください。
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第2.2.2.3項「ポータル・フレームワークを使用したポータルへのコンテンツの統合」を参照してください。 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の次の項を参照してください。
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必要に応じて、ポータルに繰り返し変更を加えます。環境間で変更を再デプロイまたは移行します。 |
第2.2.1.1項「ポータル・ビルダーを使用したポータルのライフ・サイクルの理解」を参照してください。 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』の次の項を参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の次の項を参照してください。
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第2.2.2.1項「ポータル・フレームワークを使用したポータルのライフ・サイクルの理解」 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の次の項を参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』の次の項を参照してください。
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