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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic ServerにおけるWebサーバー1.1プラグインの使用
11g リリース1 (11.1.1)
B61009-08
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1 Webサーバー1.1プラグインの概要

次の各項では、WebLogic Serverで使用するためオラクル社が提供するプラグインについて説明します。

1.1 Webサーバー・プラグインとは

Webサーバー・プラグインを使用すると、Oracle HTTP Server、Oracle iPlanet Web Server、Apache HTTPサーバーまたはMicrosoft Internet Information Server (IIS)からOracle WebLogic Serverへリクエストをプロキシできます。こうしてプラグインによりHTTPサーバーとWebLogic Server上にデプロイされたアプリケーションとの通信が可能になります。

プラグインによって、HTTPサーバー・インストールが拡張され、動的な機能を必要とするリクエストをOracle WebLogic Serverで処理できるようになります。つまり、一般には、HTMLページなどの静的ページがHTTPサーバーによって提供される一方で、HTTPサーブレットやJava Server Page (JSP)などの動的ページがOracle WebLogic Serverによって提供されるようにするプラグインを使用することになります。

Oracle WebLogic Serverは、別のプロセス(場合によっては別のホスト上)で動作している場合があります。エンド・ユーザーには(つまり、ブラウザでは)、HTTPリクエストがOracle WebLogic Serverへ委任されても、これがHTTPサーバーから送信されているように見えます。

また、WebLogicクライアント・サーバー・プロトコルのHTTPトンネリング機能は、このプラグインを介して動作しており、すべてのOracle WebLogic Serverサービスへのアクセスを提供します。

1.1.1 接続プーリングとキープ・アライブ

プラグインでは、プラグインからOracle WebLogic Serverへの接続のプールを使用してパフォーマンスを向上させます。このプラグインでは、同一プラグインからの後続リクエストに同じ接続を再利用することで、プラグインとOracle WebLogic Serverとの間でHTTP 1.1キープ・アライブ接続が実施されます。接続は、20秒(またはユーザー定義の時間)が経過してもアクティブにならない場合は閉じられます。詳細は、表7-1「KeepAliveEnabled」を参照してください。


注意:

クライアント接続はWebサーバーによって管理されます。

1.1.2 リクエストのプロキシ

プラグインは、指定した構成に基づいてOracle WebLogic Serverへリクエストをプロキシします。

  • リクエストのURL (またはURLの一部)に基づいて、リクエストをプロキシできます。これをパスによるプロキシと呼びます。

  • リクエストされたファイルのMIMEタイプに基づいてリクエストをプロキシすることもでき、これをファイル拡張子によるプロキシと呼びます。

両方の方法を有効にすることもできます。両方の方法を有効にし、リクエストが両方の条件に一致した場合は、そのリクエストはパスによってプロキシされます。

また、これらの各リクエスト・タイプに、プラグインのその他の動作を定義するその他のパラメータも指定できます。

1.2 バージョン1.1プラグインの入手方法

次のWebサーバー用のバージョン1.1プラグインが入手可能です。

表1-1 バージョン1.1プラグインの入手方法

Webサーバー プラグインの入手方法 参照

Oracle HTTP Server 11gR1

プラグインはOracle HTTP Serverのインストールに含まれています。このプラグインの構成の詳細は、第2章「Oracle HTTP Server用mod_wl_ohsプラグインの構成」を参照してください。

第2章「Oracle HTTP Server用のmod_wl_ohsプラグインの構成」を参照してください。

Oracle iPlanet Web Server (リリース7.0.9以降)

Apache HTTPサーバー2.2.x

Microsoft Internet Information Server (IIS) 6.0から7.5

プラグインは、My Oracle Support (http://support.oracle.com)およびSoftware Delivery Cloud (http://edelivery.oracle.com)のWebサイトから、必要なバイナリ・ファイルおよびヘルパー・ファイルを含むzipファイルとしてダウンロードできます。

たとえば、mod_wl.soというプラグイン・ディストリビューションには次のディレクトリが含まれています。Windows版では、DLLファイルが用意されています。

  • lib/mod_wl.so (Apache HTTPサーバー・プラグイン)

  • lib/*.soまたはlib\*.dll (ネイティブ・ライブラリ)

  • bin/orapkiまたはbin\orapki.cmd (orapkiツール)

  • jlib/*.jar (orapki用Javaヘルパー・ライブラリ)

Apache HTTPサーバー、Microsoft IISおよびOracle iPlanet Web Serverのインストールと構成の詳細は、次の章を参照してください。


1.3 1.0プラグインからのアップグレード

「Oracle WebLogic ServerでのWeb Serverプラグインの使用」で説明しているバージョン1.0プラグインは非推奨であり、Oracle WebLogic Serverの将来のバージョンでは提供されない可能性があります。

バージョン1.1プラグインに置き換えることをお薦めします。


注意:

Apache HTTPサーバー1.3.xまたは2.0.xでは、バージョン1.0プラグインを使用してください。

バージョン1.1プラグインはバージョン1.0プラグインのスーパーセットであり、既存の機能をサポートしています。ただし、アップグレードの際には、次の考慮事項に留意してください。

1.4 バージョン1.1プラグインの機能

この項では、1.0プラグインと比較してバージョン1.1プラグインで追加された機能を説明します。

1.4.1 標準暗号化強度が許容する簡潔なネーミング

バージョン1.0プラグインは、40ビット暗号化と128ビット暗号化の両方の標準をサポートしていたため、サポートされる標準をプラグインのファイル名で識別する必要がありました。たとえば、mod_wl_22.soは40ビットの暗号化を表し、mod_wl128_22.soは128ビットの暗号化を表します。

ただし、バージョン1.1プラグインは128ビット暗号化のみをサポートし、プラグイン名は簡略化されるようになりました。たとえば、mod_wl.soが、必要な唯一のファイル名となります。


注意:

128ビット暗号化を使用していた場合は、1.0プラグインからアップグレードすると、新しい命名規則を反映するよう構成ファイルを変更する必要があります。たとえば、mod_wl128_22.somod_wl.soに変更する必要があります。

1.4.2 バージョン1.1プラグインでのOracleセキュリティ・フレームワークの使用

バージョン1.1プラグインでは、Oracle認証済セキュリティ・ネットワークを使用し、そのためOracleウォレットを使用してSSL構成情報を格納できます。

このような理由から、バージョン1.1プラグインでは、Oracleウォレットを使用するためにSSL構成パラメータWLSSLWalletが導入されています。

プラグイン・バイナリ・ファイルとともに提供されるコマンド行ツールで、Oracleウォレットに証明書を構成できます。SSLの構成の詳細は、第6.1項「プラグインでのSSLの使用」を参照してください。

1.4.3 バージョン1.1プラグインでのIPv6のサポート

バージョン1.1プラグインでは、IPv6がサポートされています。WebLogicHost構成パラメータおよびWebLogicCluster構成パラメータ(表7-1を参照)によって、IPv6アドレスがサポートされるようになりました。

詳細は、第6.2項「プラグインでのIPv6の使用」を参照してください。

1.4.4 バージョン1.1プラグインでの双方向SSLのサポート

バージョン1.1プラグインでは、クライアントIDの検証のために双方向SSLがサポートされています。双方向SSLは、ハンドシェイク・プロセスにおいてWebLogic Serverからクライアント証明書がリクエストされると、自動的に有効になります。

詳細は、第6.1項「プラグインでのSSLの使用」を参照してください。

1.5 サポートおよびパッチ適用

プラグインに関して問題が発生した場合は、ご使用のプラグインのバージョンを必ずお知らせください。この情報は、Apacheのログや、プラグインのデバッグ・ログ(構成してある場合)で確認できます。バージョン情報は、次のように示されます。

WebLogic Server Pluginバージョン1.1、 <WLSPLUGINS_XXXX_XXXX_XXXXX.XXXX>


注意:

Linux用のApache Webサーバーでは、次のコマンドを実行してプラグインのバージョンを確認することもできます。
$ strings ${PLUGIN_HOME}/lib/mod_wl.so | grep -i wlsplugins

プラグインのパッチには、通常、置き換えられる1つ以上の共有オブジェクトが含まれています。パッチ内の共有オブジェクトに置き換える前に、必ず元のファイルをバックアップしてください。ログ内のバージョン文字列を確認して、パッチが正常に適用されていることを検証してください。