仮再計算エレメントの定義

仮再計算エレメントを定義するには、仮再計算コンポーネント (GP_FICT_CALC) を使用します。

ページ名

定義名

用途

仮再計算名ページ

GP_PIN

エレメント名を付け、基本パラメータを定義します。

プロセス ページ

GP_FICT_CALC1

仮再計算を実行する期間の決定に使用される、仮再計算の過去の期間ルールを定義します。元のプロセスを使用することも、別のプロセスを指定して使用することもできます。

入力マッピング ページ

GP_FICT_CALC2

元の値を上書きする現在の期間のエレメントを指定します。指定されたエレメントの元の値は、各仮再計算の期間ごとに上書きされます。

分割マッピング ページ

GP_FICT_CALC3

次のセグメントに渡される累計を選択します。

出力マッピング ページ

GP_FICT_CALC4

現在の期間に戻され、現在の期間エレメントとして保存される、仮再計算の期間エレメント (合計または平均) を指定します。

仮再計算ルールを使用すると、一時計算が実行できます。一時計算では、計算を実行して値を保存せずに返すことができます。

仮再計算とは通常の計算処理で実行される補助的な計算のことで、特定のパラメータを仮に使用した場合の純額を算出できます。この計算結果は、その後の通常の計算処理で使用されます。仮再計算は必ず通常の計算の中で開始され、1 人の受給者、特定の期間のセットに対して実行されます。

仮再計算の中間結果は、通常の計算で使用される結果の一部以外は、必要とされないので無視されます。

注: 過去の期間の結果は変更されないので、仮再計算は遡及処理ではありません。新しいバージョン、デルタ、および調整値は作成されません。結果も保存されません。また、現在の期間の値の中には、過去の期間の仮再計算で使用され、元の計算で使用されていた値を上書きするものがあります。

バッチ処理の計算フェーズでは、支給の計算に支給ループが使用されます。支給ループ処理で仮再計算が必要になった場合、仮再計算アプリケーションに制御が渡されます。仮再計算アプリケーションでは、次の手順が実行されます。

  1. 仮再計算の定義が読み込まれます。

  2. 入力および出力のマッピング アレイが作成されます。

  3. 過去の期間ルールを変換するために PIN マネージャが呼び出されます。

  4. SERVC コピーブックの仮再計算スイッチが設定されます。

  5. GPPSERVC プログラムが呼び出され、SERVC が渡されます。

  6. 要求された平均/合計処理が行われます。

  7. PIN マネージャに値が戻されます。

この時点で、サービス アプリケーションに制御が戻ります。サービス アプリケーションでは、いつ仮再計算が行われるかを把握しています。そのため、いくつかのプロセスについては仮再計算を実行し、遡及、受給者選択、出力テーブルへの書き込みなどのプロセスはバイパスする、という処理が可能です。

仮再計算の特定の結果をオーディット テーブルに書き込む際、デバッグに使用する場合を除いて、中間結果は保存されません。

カレンダーやセグメントは、最初に実行された順序で処理されます。

仮再計算名ページ (GP_PIN) を使用して、エレメントに名前を付け、基本パラメータを定義します。

注: GP_PIN というオブジェクト名のエレメント名共通ページで、エレメント名やその基本パラメータを全て定義します。エレメント名共通ページのページ タイトルや内容は、定義するグローバル ペイロール エレメントのタイプによって変わります。このページのフィールドについては全て、この製品ドキュメントの他のトピックで説明されています。

仮再計算 - プロセス ページ (GP_FICT_CALC1) を使用して、仮再計算を実行する期間の決定に使用される、仮再計算の過去の期間ルールを定義します。

元のプロセスを使用することも、別のプロセスを指定して使用することもできます。

画像: プロセス ページ

次の例では、仮再計算 - プロセス ページのフィールドおよびコントロールを説明します。

プロセス ページ

フィールドまたはコントロール

定義

過去の期間エレメント

仮再計算で再計算する期間を決めるエレメントを選択します。使用可能なエレメントは、仮再計算用に特別に作成された再計算/履歴抽出ルールです。

元のプロセス使用

仮再計算で元のプロセスを使用する場合に選択します。このプロセスでは、仮再計算を 2 度実行することはできません。

指定プロセス使用

仮再計算で元のプロセス以外のプロセスを使用する場合に選択します。仮再計算で使用するプロセスを [プロセス名] フィールドで指定します。

注: 仮再計算では、受給者レベルでのシステム エレメントの値およびシステム計算エレメントの値には、過去の期間の値が使用されます。

入力マッピング ページ (GP_FICT_CALC2) を使用して、元の値を上書きする現在の期間のエレメントを指定します。指定されたエレメントの元の値は、各仮再計算の期間ごとに上書きされます。

画像: 入力マッピング ページ

次の例では、入力マッピング ページのフィールドおよびコントロールを説明します。

入力マッピング ページ

フィールドまたはコントロール

定義

現在の期間エレメント

過去の期間に値を渡すエレメントを指定します。

仮再計算の期間エレメント

現在の期間エレメントの値で値を上書きする過去の期間エレメントを指定します。

分割マッピング ページ (GP_FICT_CALC3) を使用して、次のセグメントに渡される累計を選択します。

画像: 分割マッピング ページ

次の例では、分割マッピング ページのフィールドおよびコントロールを説明します。

分割マッピング ページ

フィールドまたはコントロール

定義

仮再計算の期間エレメント

次のセグメントに値を渡すエレメントを指定します。

出力マッピング ページ (GP_FICT_CALC4) を使用して、現在の期間に戻され、現在の期間エレメントとして保存される、仮再計算の期間エレメント (合計または平均) を指定します。

画像: 出力マッピング ページ

次の例では、出力マッピング ページのフィールドおよびコントロールを説明します。

出力マッピング ページ

フィールドまたはコントロール

定義

仮再計算の期間エレメント

現在の期間エレメントに合計値または平均値 (過去の期間ルールの計算タイプによって決定) を渡すエレメントを指定します。

現在の期間エレメント

過去の期間の計算結果を格納する現在の期間エレメントを指定します。

仮再計算の期間

仮再計算の期間の処理順序を番号で指定します。最も小さい番号の仮再計算の期間が最初に、その後は番号順に処理されます。

仮再計算の期間エレメント

現在の期間に値を渡すエレメントを指定します。

現在の期間エレメント

過去の期間の計算結果を格納する現在の期間エレメントを指定します。

次の表は、現在の期間から仮再計算の期間へ、またはその逆へ移動可能なデータを一覧にしたものです。

移動元エレメント

複数インスタンス

値のステータス

移動先エレメント

上書き前の複数インスタンス

上書きステータス

主要エレメント

なし

期間

主要エレメント

あり、スライス/ポジティブ入力

期間ごとに 1 インスタンス

主要エレメント

あり

合計済

主要エレメント

あり、スライス/ポジティブ入力

期間ごとに 1 インスタンス

主要エレメント

なし

期間

サポート エレメント

あり

期間ごとに 1 インスタンス

主要エレメント

あり

合計済

サポート エレメント

あり

期間ごとに 1 インスタンス

主要エレメント

なし

期間

累計

あり、スライス

期間ごとに 1 インスタンス

主要エレメント

あり

合計済

累計

あり、スライス

期間ごとに 1 インスタンス

サポート

エレメント

あり

期間または合計済

サポート エレメント

あり

期間ごとに 1 インスタンス

サポート

エレメント

あり

期間または合計済

主要エレメント

あり、スライス/ポジティブ入力

期間ごとに 1 インスタンス

サポート

エレメント

あり

期間または合計済

累計

あり、スライス

期間ごとに 1 インスタンス

あり、スライス

合計済

累計

あり、スライス

期間ごとに 1 インスタンス

あり、ユーザー キー

期間または合計済

現在のユーザー キー値

累計

あり、ユーザー キー

現在のユーザー キー値に対するものだけが上書きされます。現在のユーザー キーは、PINV に追加されます。

あり、スライス

合計済

サポート エレメント

あり、スライス

期間ごとに 1 インスタンス

あり、スライス

合計済

主要エレメント

あり、スライス

期間ごとに 1 インスタンス

あり、ユーザー キー

期間または合計済

現在のユーザー キー値

サポート エレメント

あり

期間ごとに 1 インスタンス

あり、ユーザー キー

期間または合計済

現在のユーザー キー値

主要エレメント

あり、スライス/ポジティブ入力

期間ごとに 1 インスタンス