常時再計算オプションの使い方

支給名ページおよび控除名ページ (GP_PIN) の [常時再計算] オプションは、インスタンスレベルではなく、エレメントレベルで適用されます。たとえば、ユーザーフィールド "州" の値が "カリフォルニア" に指定された控除インスタンスの [常時再計算] オプションをオンにして、ユーザーフィールド "州" の値が "ニューヨーク" に指定されたインスタンスの [常時再計算] オプションをオフにすることはできません。支給または控除が再計算に設定されている場合、最初の計算で得られた全ての変換結果は、再計算で得られた変換結果に置き換えられます。

[常時再計算] オプションがオンの場合は、以前に計算された値が変更される場合やユーザーフィールドセットが既に存在しない場合に累計と延滞の古い値がクリアされるように、エレメントを算入する累計が更新されます。

以下に挙げる例で、累計がどのように更新されるのかを示します。

注: 支給または控除の再計算は、通常、エレメントがプロセスリストに複数回配置されていたり、純支給額確認プロセスが複数回実行されたりした場合に発生します。

例 1: エレメントの再計算でインスタンス数が変わるケース

控除 D1 は、累計 AC1 に加算されます。

AC1 に保存されている初期残高は、ゼロ (0) です。

プロセスリストで D1 が最初に検出された際に、この控除は 3 回変換されます。

インスタンス	変換済金額	ユーザーフィールド 1 (州)	ユーザーフィールド 2 (所在地)	スライス日
1	5000	州 1	所在地 1	1 月 1 日から 31 日
2	1000	州 2	所在地 2	1 月 1 日から 31 日
3	3500	州 3	所在地 3	1 月 1 日から 31 日

D1 の変換ごとに、対応する累計インスタンスがあります。

連番	金額	ユーザーフィールド 1 (州)	ユーザーフィールド 2 (所在地)	スライス日
1	5000	州 1	所在地 1	1 月 1 日から 31 日
2	1000	州 2	所在地 2	1 月 1 日から 31 日
3	3500	州 3	所在地 3	1 月 1 日から 31 日

プロセスリストで D1 が 2 回目に検出された際には、2 回しか変換が行われません。

インスタンス	変換済金額	ユーザーフィールド 1 (州)	ユーザーフィールド 2 (所在地)	スライス日
1	5500	州 1	所在地 1	1 月 1 日から 31 日
2	4000	州 2	所在地 2	1 月 1 日から 31 日

注: 州 3 の結果は、支給および控除結果テーブル (GP_RSLT_ERN_DED) に保存されません。

次の表は、累計 AC1 がどのように更新されたのかを示しています。

連番	金額	ユーザーフィールド 1 (州)	ユーザーフィールド 2 (所在地)	スライス日
1	5500 (5000 - 5000 + 5500)	州 1	所在地 1	1 月 1 日から 31 日
2	4000 (1000 - 1000 + 4000)	州 2	所在地 2	1 月 1 日から 31 日
3	0 (3500 - 3500 + 0)	州 3	所在地 3	1 月 1 日から 31 日

例 2: エレメントの再計算で異なるユーザーフィールドセットを持つインスタンスが変換されるケース (インスタンス数は同じ)