検索/マッチングについて
システムの機能を最大限に利用するには、データベースの整合性を保つ必要があります。多くの部門のユーザーがシステムにデータを入力する場合、入力されるレコードの重複を最小限にする必要があります。検索/マッチングによって、重複する ID レコードのチェック基準を定義することができます。検索可能な ID のタイプ (検索タイプと呼ばれます) には、以下のものがあります。
個人 (従業員 ID)
応募者 (PeopleSoft タレント獲得管理の HRS_PERSON_ID)
注: PeopleSoft では、これらの ID タイプを SM_TYPE フィールド内のトランスレート値として提供しています。これらは出荷時にはアクティブになっていますが、ライセンスされているアプリケーションに応じて非アクティブにすることもできます。ただし、ID タイプの値を追加または削除することはできません。
これらの ID タイプごとに、ユーザー セキュリティ ロールに基づいて、部門または事業領域独自の検索条件を定義し、検索を実行することができます。検索条件では、複数の検索ルールを定義し、これを検索パラメータ内に任意の順序で並べることができます。また、部門または事業領域ごとに、一致する可能性のある ID を識別するために、どのデータを結果に表示するか設定することができます。部門および事業領域では、複数の検索結果コードを設定して、全てのユーザーにアクセスを許可したり、特定のセキュリティ ロールが割り当てられた一部のユーザーにアクセスを制限することができます。
アドホック検索だけを許可するルールとパラメータを設定して、適切な権限を持つユーザーが、あらかじめ定義された条件の制約を受けずに、アドホック検索を実行できるようにすることもできます。
検索結果に返されるデータには、機密情報が含まれる可能性があります。フィールドの全体または一部をマスクするか、フィールド全体を表示するかを設定することができます。マスクの設定は、ユーザー セキュリティ アクセスを使用して制御することができます。検索結果と表示コントロールの定義によって、ユーザーはレコードを追加する前に検索/マッチングを実行し、そのレコードが既に存在しないか確認することができます。
ユーザーがデータを入力して新規 ID を保存すると、検索/マッチングがトリガされ、条件に一致する ID のリストに直接移動するように設定することによって、検索/マッチングを強制的に使用させることもできます。保存時に強制的に検索/マッチングが行われる場合、ユーザーは検索/マッチング コンポーネントにナビゲートして、ID が存在するか確認するためのデータを再入力する必要はありません。
検索ルールを定義して、検索するフィールドと、検索実行時の各フィールドの使用方法を指定します。検索ルールは 1 つでも複数でも使用できます。複数の検索ルールを使用する場合、検索/マッチングでは、定義した順序でルールが適用されます。最初のルールから開始され、そのルールに従って一致するレコードが 1 つでも見つかると、検索が停止されます。しかしそのルールに一致する ID が見つからなければ、次のルールに進み、一致する ID が見つかるまで同様の処理が続けられます。
また、複数の検索ルールを使用する場合は、ルールを最も制限の多いものから少ないものの順に並べる必要があります。たとえば、ルール 1 では、姓、名、電話番号、および国民 ID が完全に一致したときに、一致する ID が返されるとします。ルール 4 では、姓と名だけが一致すれば、一致する ID が返されるとします。この例の場合、ルール 4 では、一致する ID がルール 1 より多く返される可能性があります。したがって、検索/マッチングで使用する検索ルールは、返される結果がどれだけ重要であるかを示す指標として使用することができます。
検索パラメータは、1 つまたは複数の検索ルールのセットを、最も制限の多いルールが最初の検索順序番号、最も制限の少ないルールが最後の検索順序番号になるように順に並べたものです。検索パラメータは、検索ルールが 1 つしかない場合でも作成する必要があります。
ユーザーが検索を実行すると、このルールと順序に従って、重複の可能性がある ID が見つかるか、ID が見つからないまま全ての検索ルールを実行してしまうまで、検索が行われます。
検索結果コードを使用して、検索/マッチングによって見つかった一致する可能性のある ID について検索結果ページのグリッドに返されるデータを指定します。機密情報と考えられるフィールドには、フィールド レベルのセキュリティを定義することができます。たとえば、ユーザー プロファイルに割り当てられたプライマリ権限リストに基づいて、特定のユーザーに対しては生年月日全体を表示するが、他のユーザーには年だけを表示する (または何も表示しない) ように制限することができます。
いくつかの検索ルール、検索パラメータ、および検索結果が標準で用意されています。これらをそのまま使用するか、変更するか、または必要なだけ追加することができます。
警告 検索フィールドを新たに追加するにはプログラミングに多大な労力が必要なため、追加することはお勧めしません。
自動検索では、トランザクション ページで新規 ID を作成するときに、強制的に検索/マッチングが使用されます。トランザクション ページから自動検索をトリガするには、そのページが含まれるコンポーネントに、有効な検索パラメータを関連付けます。ユーザーがそのページで新規 ID の作成に必要なデータを全て入力してトランザクション レコードを保存すると、自動的に検索/マッチングが開始されます。あらかじめ定義された検索パラメータと、ユーザーが入力したデータが、検索条件として使用されます。検索/マッチングで一致する ID が見つからなかった場合は、トランザクションが保存されます。検索/マッチングで一致する ID が 1 つでも見つかった場合は、検索結果ページのグリッド内に検索結果が表示されます。
コンポーネント名が検索パラメータ コードおよび検索結果コードに関連付けられている場合は、検索/マッチングにより検索結果ページのグリッド内に検索結果が表示されます。このためユーザーが検索結果ページに手動でナビゲートすることなく、重複の可能性がある ID を確認することができます。検索結果ページで結果を確認した後、ユーザーが [戻る] をクリックすると、新規 ID の保存を続行する場合は [OK] をクリックし、トランザクションを保存せず、さらに調べる場合は [キャンセル] をクリックするよう指示する画面が表示されます。
注: この設定は、HRS_PREP_FOR_HIRE コンポーネントから個人 ID を作成する場合にのみ有効です。
警告 保存時に検索結果ページを表示するには、コンポーネント インターフェイス HCR_SM_SEARCH に対するアクセス権が割り当てられたセキュリティ ロールが必要です。
「検索結果ページ」を参照してください。
『PeopleTools: Security Administration』を参照してください
注: この設定は、個人情報 (PERSONAL_DATA) コンポーネントから一般企業用 HCM の個人 ID を作成する場合、および Hire Employee (EE_HIRE) コンポーネントから米国連邦政府用 HCM の個人 ID を作成する場合にのみ有効です。
自動検索/マッチング機能の有効化
HCM で自動検索/マッチング処理が行われるようにするには、個人情報のインストール ページ (INSTALL_PERSON) の [自動検索/マッチングを実行] チェック ボックスをオンにします。
このチェック ボックスをオンにすると、検索パラメータおよび検索結果コードが PERSONAL_DATA コンポーネント (米国連邦政府の場合は EE_HIRE コンポーネント) に関連付けられているかがチェックされます。関連付けられているコードがある場合は、そのルール名が表示されます。ない場合は、検索パラメータおよび検索結果コードを PERSONAL_DATA または EE_HIRE コンポーネントに関連付けるまでは自動検索/マッチング処理は実行されないことを知らせる警告が表示されます。
「関係者タイプの設定」を参照してください。
検索/マッチングで電話番号および電子メール アドレスの値が検索に使用されるのは、優先される電話番号または電子メール アドレスが指定されているときだけです。したがって、新規 ID を保存すると自動的にトリガされる検索ルールで PhoneRule および EmailAddressRule を使用するには、その ID に優先される電話番号および優先される電子メール アドレスが入力されている必要があります。
新規個人 ID を保存するとトリガされる検索ルールに Address1Rule、Address2Rule、Address3Rule、Address4Rule、CityRule、CountryRule、CountyRule、PostalRule または StateRule が含まれている場合、検索/マッチングでは、住所タイプが自宅住所である住所フィールドだけを使用して検索が実行されます。つまり、自宅住所以外の住所タイプを入力した場合、検索/マッチングでは住所フィールドが検索条件として使用されません。