プロファイルの検索/比較について

プロファイルの検索/比較機能は、PeopleTools の一部として提供される SES 検索エンジンを使用して、プロファイルを検索および比較します。プロファイルの検索/比較を使用すると、従業員、管理者、プロファイル管理責任者は選択した検索条件に一致するプロファイルを検索することができます。検索は、プロファイル タイプとユーザーに対して設定します。検索タイプの例を次に示します。

  • 従業員は、自分の個人プロファイルに一致する職務を検索できます。

  • 管理者は、直属の部下を選択して、同じような能力を持つ他の直属または間接的部下をチームから検索できます。

  • 管理者は、予定している人材募集のプロファイルに一致する直属または間接的部下を検索できます。

  • プロファイル管理責任者は、任務プロファイルを選択して、同じような任務プロファイルを検索できます。

組織での検索タイプは、「検索設定の定義」ページで定義します。検索設定の上位キーは、オブジェクト オーナー ID、タブ アプリケーション ID および検索 ID です。オブジェクト オーナー ID を使用すると、PeopleSoft プロファイル管理の検索エンジンと他の製品を簡単に接続できます。プロファイル管理での検索には、「オブジェクト オーナー ID」フィールドで「HCM プロファイル管理」 (JPM) を選択します。「サブ アプリケーション ID」フィールドには、「後任計画」などの検索/比較プロセスを使用する他の製品を指定します。

各検索に定義する項目は次のとおりです。

  • 検索を実行できるユーザー。

    従業員、管理者、プロファイル管理責任者のうち 1 つまたは複数のロールに検索を設定できます。ユーザーが実行できるのは、ユーザーのロールに定義されている検索のみです。また、検索結果には、ユーザーが適切な権限を割り当てられているプロファイルしかリストされません。たとえば、管理者が人材募集に一致する従業員を検索する場合、検索結果にはその管理者の直属または間接的部下である従業員が含まれます。

  • ソースおよびターゲットのプロファイル タイプ。

    ソースおよびターゲットとは、検索で比較される 2 つのプロファイル タイプのことです。ソースは検索条件の基準となるプロファイル タイプであり、ターゲットは一致するプロファイルを検索する対象となるプロファイル タイプです。これらのプロファイル タイプは、コンテンツ タイプの共通セットを共有する必要があります。それ以外の場合、検索条件アイテムを入力することはできません。たとえば、従業員が自分の個人プロファイルに一致する職務を検索する場合、ソースがその従業員の個人プロファイル タイプになり、ターゲットが任務プロファイル タイプになります。また、個人プロファイル タイプと任務プロファイル タイプの両方で共有されるすべてのコンテンツ タイプは、検索条件コンテンツ セクションとして公開されます。

  • 条件ルール。

    「条件ルール」フィールドでは、検索の 2 つの側面を定義します。

    • ユーザーが検索に選択したプロファイルに基づいて検索条件を自動的に設定するかどうか。

      条件ルールとして「デフォルト値使用/変更可」または「デフォルト値使用/変更不可」を選択した場合、ユーザーが検索に選択したソース プロファイルを使用して検索条件が自動的に設定されます。

    • ユーザーが検索条件を表示および調整できるかどうか。

      条件ルールとして「デフォルト値使用/変更不可」を選択した場合、検索条件のページを表示せずに検索条件が自動的に設定され、検索が実行されます。それ以外の条件ルールを選択した場合は、検索条件のページが表示され、検索の実行前にユーザーが条件を調整できます。

  • 検索クエリーから返されたプロファイルの最大数。

注: 検索可能なプロパティ データで特殊文字を使用すると、検索結果が誤ったものになる可能性があります。コンテンツ タイプおよびコンテンツ アイテム コードの特殊文字を処理するために特別な処理が追加されました。

次の表は、プロファイル管理責任者用としてシステムで用意されている検索設定の一覧です。

オブジェクト オーナー ID

サブ アプリケーション ID

検索 ID

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

PERSON1 - 特定の資格を有する人物の検索

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

PERSON2 - この職務に適合する人物の検索

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

ADHOC3 - アドホック検索

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

JOB4 - 自分の資格に適合する職務の検索

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

JOB5 - チーム メンバーの職務の検索

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

PERSON6 - チーム内の類似する人物の検索

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

PERSON7 - 特定の任務プロファイルのチーム メンバーの検索

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

JOB8 - 職務の検索

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

JOB16 - 個人の職務などの職務の検索

HCM プロファイル管理 (JPM)

該当なし

JOB17 - この個人の職務の検索

ヒューマン リソース管理 (Human Res)

後任計画

PLANINC - プロファイルが計画現職者に一致する人物

ヒューマン リソース管理 (Human Res)

後任計画

PLANJOB - プロファイルが計画/プール職務コードに一致する人物

ヒューマン リソース管理 (Human Res)

後任計画

PLANPOS - プロファイルが計画/プール ポジションに一致する人物

注: NA とは、該当しないということです。

プロファイルの検索/比較では、プロファイル タイプ定義が基準となるため、プロファイル タイプによって検索結果がどう異なるかを理解することが重要です。ユーザーが検索を選択すると、次のように検索条件が作成されます。

  1. 検索条件に含めるコンテンツ セクションを識別します。

    ソースとターゲットのプロファイル タイプを比較し、どのコンテンツ セクションがソースとターゲットの両方に出現しているかを識別します。検索条件には、ソースとターゲットのプロファイル タイプに共通のコンテンツ セクションのみが含められます。

  2. 前のステップで識別された各コンテンツ セクションについて、検索条件に含めるプロパティを識別します。

    ターゲット プロファイル タイプで検索可能と定義されたプロパティのみが含められます。

プロファイル タイプの設定」を参照してください。

検索条件の例

プロファイルの検索/比較の動作を示すために、プロファイル管理責任者が特定の任務プロファイルに一致する従業員を検索する例を考えてみます。この例では、次のようになります。

  • ソース プロファイル タイプが JOB

  • ターゲット プロファイル タイプが PERSON

JOB. プロファイル タイプには、次のコンテンツ セクションと、検索可能なプロパティがあると仮定します。

コンテンツ セクション

検索可能なプロパティ

コンピテンシー

JPM_CAT_ITEM_ID (コンピテンシー)

JPM_RATING1 (目標能力レベル)

学位

JPM_CAT_ITEM_ID (学位)

COUNTRY (国)

テスト/検査

JPM_CAT_ITEM_ID (テスト)

責務

JPM_CAT_ITEM_ID (責務)

JPM_YN_2 (重要)

PERSON. プロファイル タイプには、次のコンテンツ セクションと、検索可能なプロパティがあると仮定します。

コンテンツ セクション

検索可能なプロパティ

コンピテンシー

JPM_CAT_ITEM_ID (コンピテンシー ID)

JPM_RATING1 (能力レベル)

JPM_INTEREST_LEVEL (関心レベル)

学位

JPM_CAT_ITEM_ID (学位)

COUNTRY (国)

MAJOR_CODE (専攻コード)

学歴

JPM_CAT_ITEM_ID (学歴)

SCHOOL_CODE (学校コード)

COUNTRY (国)

AVERAGE_GRADE (平均成績)

テスト/検査

JPM_CAT_ITEM (テスト)

この例で、検索条件は次のとおりです。

コンテンツ セクション

プロパティ

コンピテンシー

JPM_CAT_ITEM_ID (コンピテンシー)

JPM_RATING1 (目標能力レベル)

JPM_INTEREST_LEVEL (関心レベル)

学位

JPM_CAT_ITEM_ID (学位)

COUNTRY (国)

MAJOR_CODE (専攻コード)

テスト/検査

JPM_CAT_ITEM_ID (テスト)

次の点に注意してください。

  • 「責務」と「学歴」は、ソースかターゲットの一方のプロファイル タイプにしか存在しないコンテンツ セクションなので、検索条件には該当しません。

  • 検索条件には、ターゲット プロファイル タイプで検索可能と定義されたプロパティのみが含められています。

  • 「検索条件」ページでは、ソースとターゲット両方のプロファイル タイプで定義されているプロパティについて、ソース プロファイル タイプで定義されているラベルが表示されます。

    この例の場合、プロパティ JPM_RATING1 のラベルは、ソース プロファイル タイプで「目標能力レベル」、ターゲット プロファイル タイプで「能力レベル」です。ユーザーが検索を実行すると、「検索条件」ページにおける JPM_RATING1 フィールドのラベルは「目標能力レベル」となります。

重要度プロパティおよび必須プロパティ

「検索条件」ページでは、検索条件に含まれる各コンテンツ セクションに対して「重要度」 (JPM_IMPORTANCE) および「必須」 (JPM_MANDATORY) のプロパティが表示されます。ユーザーが次のように調整を可能なように、この 2 つのフィールドは自動的に追加されます。

  • 「必須」チェック ボックスを使用すると、一致するプロファイルに存在する必要があるプロファイル アイテムをユーザーが指定できます。

    プロファイル アイテムの「必須」チェック ボックスを選択すると、そのプロファイル アイテムを含み、かつ検索条件と同じプロパティ値を持つプロファイルのみが検索結果に含まれます。たとえば、検索条件に 0100 - Abstract Thinking というアイテムが含まれ、そのアイテムの能力レベルが「良」である場合、このアイテムを必須に指定すると、検索結果には 0100 - Abstract Thinking のアイテムと「良」に等しい能力レベルの両方を含むプロファイルのみが含まれることになります。アイテムがあっても能力レベルがこれより低いか高いプロファイルは、検索結果に含められません。

    コンテンツ セクション定義に「必須」プロパティが含まれる場合、プロファイルにおけるチェック ボックスの設定が検索条件のデフォルト値として使用されますが、ユーザーはそのデフォルトを変更できます。

  • 「重要度」フィールドを使用すると、重要度が最高または最低であるプロファイル アイテムを定義できます。

    検索を実行すると、SES エンジンが「重要度」フィールドを使用して、一致するプロファイルのランクを決定します。デフォルト値は「3 - 平均」ですが、ユーザーがこの値を変更できます。

    条件ルールを「デフォルト値使用/変更不可」とし、ユーザーによる検索条件の変更を許可しない検索の場合は、自動的にデフォルトの重要度の値 (3 - 平均) が割り当てられます。

プロファイルの検索と比較」を参照してください。

検索フィルタ

ターゲット プロファイル タイプに検索可能なプロファイル グループ タイプを設定している場合、「検索条件」ページには検索フィルタのリンクが追加されます。検索フィルタを使用すると、ユーザーが検索対象を特定のプロファイル グループ、勤務地、または希望出張地に絞り込むことができます。

この動作を示すために、次のような例を考えてみます。

  • プロファイル グループ タイプ GLOBAL にプロファイル タイプ JOB が含まれている。

  • GLOBAL に対するプロファイル グループは、REGION1、REGION2、REGION3。

JOB をターゲット プロファイル タイプとして検索する場合、ユーザーは検索フィルタのリンクを使用して REGION1、REGION2、REGION3 の中から 1 つまたは複数のプロファイル グループを選択します。検索結果は、選択したプロファイル グループに属するプロファイルに限定されます。検索フィルタの機能は、組織のプロファイル数が多い場合に特に役立ちます。

現在の勤務地と希望出張地のフィルタは、ターゲット プロファイルにこれらのコンテンツ セクションが含まれるように設定されている場合にかぎり、使用できます。

プロファイルの検索と比較」を参照してください。

プロファイル グループ タイプとプロファイル グループの作成」を参照してください。