Oracle の StorageTek Virtual Storage Manager System 6 (VSM 6) Virtual Tape Storage Subsystem (VTSS) は、IBM MVS ホストへのエミュレートされたテープ接続や、実テープドライブ (RTD)、Virtual Library Extension (VLE)、およびその他の VTSS への接続をサポートし、IBM MVS 環境に仮想テープデバイスエミュレーション、仮想テープカートリッジイメージ、および追加のバッファー容量を提供します。
Oracle の StorageTek Virtual Storage Manager (VSM) ソリューションはハードウェア製品とソフトウェア製品の集合であり、これらによって構成されるディスクベースの仮想テープシステムは、エンタープライズクラスのストレージ管理機能を IBM メインフレーム環境に提供します。VSM はワークロードのストリーミングと、バックアップおよび回復機能を最適化し、管理のオーバーヘッドを削減して、テープ容量の利用率を最大化することで、さまざまなストレージ環境のデータ保護コストを削減します。
VSM では VTSS 上のディスクバッファーに仮想テープボリューム (VTV) が格納され、オプションでこれらを Virtual Library Extension (VLE) または実テープドライブ (RTD)、あるいはその両方に移行できます。VTV のサイズは 32G バイトまでが可能です。移行された VTV がホストで必要になったとき、それらが VTSS にない場合は自動的に VTSS にリコールされます。
VSM ソリューションには次のサブシステムが含まれています。
VTSS ハードウェアおよびソフトウェア。VSM 6 VTSS は、FICON インタフェース経由での IBM MVS ホストへのエミュレートされたテープ接続、実テープドライブ (RTD) への FICON 接続、ほかの VTSS および VLE への IP 接続、ECAM over IP および VSM 6 VTSS 間レプリケーションを使用したリモートホスト接続をサポートします。
エンタープライズライブラリソフトウェア (ELS)。ELS は StorageTek メインフレームソフトウェアの統合スイートであり、StorageTek の自動カートリッジシステム (ACS) ハードウェアと仮想ストレージマネージャー (VSM) ハードウェアの有効化と管理を行います。ELS には、ホストソフトウェアコンポーネント (HSC)、ストレージ管理コンポーネント (SMC)、HTTP サーバーのほか、仮想テープ制御ソフトウェア (VTCS) が含まれます。VTCS は、VTSS での仮想テープイメージの作成、削除、レプリケーション、移行、およびリコールを制御し、VTSS からレポート情報を取得します。
Virtual Library Extension (VLE) ハードウェアおよびソフトウェア。VLE サブシステムは、VTSS 仮想テープボリューム (VTV) の移行およびリコールのターゲットとして機能します。VLE は VSM 6 VTSS に IP 接続されます。
実テープドライブ (RTD) は物理テープライブラリに接続されます。RTD は VTSS 仮想テープボリューム (VTV) の移行およびリコールターゲットとして機能します。RTD は VSM 6 VTSS に FICON 接続されます。
VSM 6 プラットフォームは商用の VSM 5 プラットフォームを置換するものです。以前の VTSS バージョンと比較し、このプラットフォームではパフォーマンスが向上し、ストレージ容量が大幅に拡張されるほか、将来の拡張計画に対応しながら現在の顧客のニーズにこたえる拡張性を備えています。
VSM 6 VTSS は既存の Sun サーバー、ストレージおよびサービスプラットフォーム上に構築される標準のラックマウントシステムとしてパッケージングされています。サーバー、ディスクシェルフ、および標準ラックマウントエンクロージャーは、パッケージングされたシステムとして提供されます。
Solaris 11 オペレーティングシステムは VSM 6 VTSS ソフトウェア環境の基礎であり、Solaris インフラストラクチャーコンポーネントと VTSS 機能固有のソフトウェアも含まれています。VSM 6 ソフトウェア環境には、製品を顧客の管理対象テープ環境に統合するために限定的なサイトレベル構成が必要な場合のための VTSS 機能用のインストール済みかつ構成済みのソフトウェアが含まれます。
また、VSM 6 には既存の VSM Tapeplex 内で動作するために必要なインタフェースとサポート (VTCS サポート、レガシー VTSS サポート、および ELS、HSC/SMC、NCS、VLE、SE ツール、VAT、LCM および CDRT のサポート) も含まれています。