StorageTek Automated Cartridge System Library Software

リリースノート

リリース 8.4

E68212-01

2015 年 10 月

ACSLS 8.4 では、多様なプラットフォームおよびファイルシステムの設定により、カスタマにより高い柔軟性が提供されます。ACSLS パッケージは、最新の Solaris 11.2 または Oracle Linux 6.5 プラットフォーム上の任意のファイルシステムにインストールされます。

その他の ACSLS ドキュメントについては、次にある OTN (Oracle Technical Network) を参照してください。

http://docs.oracle.com/

要件

このセクションでは、ソフトウェア、システム、ブラウザ、および共同ホスティングの要件について説明します。

ソフトウェア要件

  • 次を対象とした ACSLS 8.4 がテストされ、ドキュメント化されています。

    • Solaris 11 Update 2 を実行している Oracle の Sun SPARC および X86 プラットフォーム。

    • Oracle Linux 6.5。

      Oracle Linux のテストは、Oracle の Unbreakable Enterprise Kernel を使用する環境で行われました。

  • 仮想環境を含むその他のオペレーティングシステムは、テストもサポートもされていません。

  • ACSLS では、論理ライブラリやファイバ接続ライブラリ (SL500 や SL150 など) で使用する特別なデバイスドライバも提供されます。これは、Solaris ゾーン環境の問題です。このようなデバイスドライバはシステムカーネルに接続されるため、大域ゾーンへの配置が必要です。このようなドライバを使用する場合は、ACSLS をローカルゾーン環境にインストールできません。

  • ACSLS 8.4 HA (High Availability) システムは専用のプラットフォームペアにインストールする必要があります。

操作面で承認済み

この製品は、次に説明されているオペレーティング環境で実行するために正常にインストールされました。製品や関連する実行環境に悪影響を与えることなく基本機能を提供することが実証されています。

Red Hat Enterprise Linux

システム要件

  • メモリー: 4G バイト以上

    システムメモリーを表示するには:

    • Solaris

      prtconf | grep Mem
      
    • Linux

      grep MemTotal /proc/meminfo
      
  • スワップ: (Solaris 11.2 および Linux 6.5 を使用する) 今日のシステムには、4G バイト以上のメモリーと 2G バイト以上のスワップが搭載されているべきです。システムメモリーが 6G バイトを超える場合、スワップ領域は物理メモリーの 30% 以上です。スワップ空間を確認するには:

    • Solaris

      vmstat -S
      

      結果は K バイト単位で表されます。

    • Linux

      vmstat -s | grep total 
      

      結果は K バイト単位で表されます。

  • ファイルシステムおよび必要なデータベース:

    ACSLS 8.4 は任意のファイルシステムにインストールできます。ACSLS をインストールする前に、次のディレクトリを定義する必要があります。

    • ACSLS コンポーネントがインストールされるベースディレクトリ。

    • ACSLS バックアップ用のデフォルトディレクトリ。必須ではありませんが、ACSLS のベースディレクトリとは別のファイルシステムに ACSLS バックアップディレクトリを配置することをお勧めします。

    ACSLS は任意のディレクトリにインストールできますが、ACSLS に使用されるデフォルトディレクトリは次のとおりです。

    • /export/home がデフォルトの ACSLS ベースディレクトリです。

    • /export/backup がデフォルトの ACSLS バックアップディレクトリです。

    ACSLS ベースディレクトリのファイルシステムには、少なくとも 5G バイトの空き容量が必要です。ACSLS バックアップ用にさらに 5G バイトの空き容量を予約してください。ファイルシステムのサイズを表示するには:

    df -h
    
  • ファイバカード (オプション) はオプションです。ファイバチャネル動作用に適切な HBA が必要です。

    • 論理ライブラリ機能をサポートするターゲットモード動作については、この HBA は現世代の QLogic ファイバカード (4G バイトまたは 8G バイト) である必要があります。

    • ファイバ接続ライブラリ (SL500 または SL150) をサポートするイニシエータモード動作については、ACSLS 8.4 は QLogic および Emulex HBA で十分にテストされ、認証されています。

ブラウザ要件

正式なテストは、最新リリースの FireFox、Chrome、および Internet Explorer に限定されていましたが、ACSLS 8.4 GUI は、もっとも一般的な最新のブラウザで動作できます。Chrome ブラウザおよび以前のバージョンの FireFox は、WebLogic サーバーでの ACSLS のデフォルト設定を使用して適切にテストされました。Internet Explorer V8 (以降) および FireFox V39 (以降) では、https 用の 2048 ビットの自己署名デジタル証明書を提供するために構成設定が必要です。『ACSLS 8.4 インストールガイド』のセクション「HTTPS 用の自己署名付きデジタル証明書の構成」を参照してください。

共同ホスティング

中断なしのライブラリサービスを保証し、リソースの競合による予期しない問題を回避するために、一般に、ACSLS を専用サーバー上のスタンドアロン環境で実行することが推奨されています。ただし、一部のシステムは、複数のアプリケーションが相互に完全に分離されているように共同ホストされた方法で実行できるように設計されています。Solaris Containers および Oracle Solaris VM Server for SPARC では、ACSLS とともに使用するために条件付きの共同ホスティングが可能になっています。

次のリストでは、ACSLS アプリケーションのさまざまな共同ホスティングオプションに関連する条件および制限について詳細に説明します。

  • Solaris ゾーン (コンテナ)

    Solaris ゾーンを使用すると、システム管理者が標準の低コストサーバーを 4 台の独立した Solaris システム (それぞれが独自の分離したファイルシステムと、Solaris の独自のインスタンスを持つ) にパーティション分割できます。同じプラットフォーム上のその他のゾーンにあるアプリケーションに影響を与えることなく、ネットワークリソースを各ゾーンに割り当てたり、任意のローカル (非大域) ゾーンをリブートしたりできます。ただし、複数のゾーン間でデバイスドライバなどのカーネルリソースを共有する機能はほとんど役立ちません。カーネルドライバが必要なアプリケーションは大域ゾーン内に存在することが理想的です。ただし、アプリケーションが致命的な状態になると、その他のゾーン内で動作しているその他のすべてのアプリケーションが影響を受ける可能性があるため、一般に、大域ゾーンにアプリケーションをインストールすることは適切な運用ではありません。

    ネットワークインタフェース以外のドライバが必要ない場合にかぎり、ACSLS 8.4 を Solaris ゾーンにインストールできます。論理ライブラリを使用する場合はターゲットモードファイバチャネルドライバが必要になり、SL500 または SL150 ライブラリへの接続にはイニシエータモードファイバチャネルドライバが必要になります。いずれの構成でも、ACSLS を大域ゾーンにインストールする必要があります。

    Solaris ゾーンでの使用がサポートされている ACSLS HA バージョンはありません。

  • Oracle VM Server for SPARC

    Oracle VM Server for SPARC (以前の Logical Domains または LDOM) は、Chip Multithreading (CMT) テクノロジを使用すれば技術的に SPARC T シリーズサーバーで使用可能です。このテクノロジには、各ドメインを独自の Solaris カーネルで制御できる範囲までは、Solaris Containers よりも大きな利点があります。

    Solaris 管理者は、システム間でハードウェアリソースをパーティション分割することで、特定のリソースを特定のドメインに割り当てることができます。この仮想マシン上のネットワークリソースは、サーバー上の最大 128 個の任意のゲストドメイン間で簡単に共有できます。ただし、PCIe バスから I/O デバイスへのアクセスが必要なアプリケーションは、特別な I/O ドメインにインストールする必要があります。VM サーバー上に作成できる I/O ドメインの数は、SPARC プラットフォーム上にある個別の PCIe バスの数によって異なります。単一の PCIe バスが搭載されたシステムでは、2 つの I/O ドメインを持つことができます。このうち 1 つは制御ドメインにする必要があります。

    ACSLS アプリケーションがライブラリ、およびクライアントアプリケーションへのネットワーク接続にのみ依存する場合、このサーバー上のゲストドメインにインストールできます。仮想ネットワークの設定手順については、『Oracle VM Server for SPARC 2.1 管理ガイド』ドキュメントの「仮想ネットワークの使用」セクションに記載されています。

    ACSLS 8.4 アプリケーションで論理ライブラリを使用する予定の場合や、SL500 や SL150 などのファイバチャネルライブラリに接続する予定の場合は、ACSLS を I/O ドメインにインストールする必要があります。『Oracle VM Server for SPARC 2.1 管理ガイド』の「I/O ドメインの設定」セクションを参照してください。

    Solaris Cluster Software は Oracle VM Server for SPARC でサポートされているため、このプラットフォームは ACSLS HA アプリケーションで使用できます。『Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle VM Server for SPARC Guide』を参照してください。

拡張機能

このリリースには、複数の拡張機能が含まれています。

SL8500 Bulk CAP サポート

Bulk CAP によって、SL8500 では、各レール上に 2 つの 36 セル CAP またはライブラリごとに 8 個の CAP を確保できるようになりました。Bulk CAP の ACSLS サポートには次が含まれます。

  • 次で説明されている、ejecting.sh ユーティリティーに対する主な拡張機能。

  • 新しい動的変数:

    • BULK_CAP_EJECT_HANDLE は、各 CAP マガジン内のスロットを、Bulk CAP への挿入や Bulk CAP からの取り出し中にハンドルとして使用するために空のままにします。デフォルト値は FALSE です。

    • ENTER_CLOSE_TO_DRIVES は、テープドライブにもっとも近い SL8500 のホームセルにカートリッジを挿入します。これによって、将来カートリッジのマウントが高速化されます。デフォルト値は TRUE です。

    • DISMOUNT_AWAY_FROM_DRIVES – SL8500 でのマウント解除時に、カートリッジがより近い LSM にフロートする場合、ドライブの近くに新しいカートリッジ用のスペースを残すために、新しいホームセルをテープドライブから離れた場所に割り当てます。デフォルト値は FALSE です。

    • LIMIT_CAP_CONCURRENT_MOVES は、ACSLS が一連の接続済みライブラリ内のすべての SL8500 に接続されていない場合に、取り出しまたは挿入中に SL8500 Bulk CAP 間の同時移動の回数を制限します。これによって、一連の SL8500 内のほとんどの CAP に対する挿入と取り出しを行うときに、マウント、マウント解除、およびその他のリクエストのためにライブラリリソースが予約されます。デフォルト値は FALSE です。

  • Bulk CAP を使用してカートリッジを挿入すると、ACSLS は、CAP と同じ側のライブラリにあるストレージセルにボリュームを移動しようとします。これによってパフォーマンスが最大化され、レール上のロボット間の競合が最小限に抑えられます。

  • お客様は、挿入または取り出しの目的を説明したオペレータパネルメッセージ番号を指定できます。たとえば、「Eject retain 1 month」の場合は 5 で、「Enter from local vault」の場合は 7 です。

    オペレータパネルメッセージ (opmsg) 番号と関連する説明テキストは、SL コンソールを使用して指定します。新しい opmsg 引数は、cmd_proc を使用して挿入または取り出しコマンドとともに指定します。ACSLS は、CAP のロック解除リクエスト時に、指定された opmsg メッセージ番号をライブラリに送信します。新しいカートリッジを挿入したり、取り出されたカートリッジを取り外したりするために CAP がロック解除されている場合、SL コンソールにはメッセージ番号と説明テキストが表示されます。

  • 新しい cap_type 列がデータベース内の CAP テーブルに追加されました。SL8500 の回転 CAP と Bulk CAP、および SL3000 の回転 CAP と AEM には、CAP タイプ値があります。display cap * -f type コマンドを使用して、CAP タイプを表示します。

ejecting.sh ユーティリティー

  • この拡張機能では、小規模から大規模までのボールティング操作がサポートされます。

  • ユーザーは、ボリュームリストファイルを送信して、使用する CAP を指定します。

  • リスト内のボリュームの数に制限はありません。

  • 任意の組み合わせの CAP を操作に使用できます。

  • このユーティリティーは、最適なパフォーマンスのために、各ボリュームをもっとも近い CAP に送信します。

  • 複数のロボットがカートリッジの移動を同時に行います。

  • 最適化された CAP を選択する代わりに、ボリュームの順番を選択できます。

  • すべてのボリュームが取り出されると、操作が完了します

  • ログサマリーは、ejecting.sh 操作ごとに最大 10 日保持されます。

eject オプションを指定して lib_cmd を使用して一括取り出しを実行する機能

lib_cmd eject コマンドは、1 回の取り出しで数百ものボリュームのリストを取り出すことができます。これを使用して、複数回で SL3000 AEM をいっぱいにします。ejecting.sh ユーティリティーは、SL3000 AEM に対するボリュームを取り出すときに、lib_cmd eject を呼び出します。

セキュリティーの機能拡張

ACSLS 8.4 には、複数のセキュリティーの機能拡張が組み込まれています。また、これらの機能拡張の一部によって、負荷が高いトランザクションでの ACSLS のパフォーマンスも向上します。

ELS クライアントアプリケーションからの XAPI インタフェースのサポート

ACSLS では、Enterprise Library Software (ELS) クライアントアプリケーションから XML API (XAPI) インタフェースがサポートされます。このインタフェースでは、ACSLS を、メインフレームおよびその他のプラットフォームで実行されている ELS クライアントアプリケーションのサーバーにできます。

watch_vols ユーティリティーは、XAPI クライアントによって使用される名前付きスクラッチプールにボリュームを自動的に割り当てることができるようになりました。

GUI および SMCE のインストールおよび削除を行うための別個の手順

install.sh の実行中に、論理ライブラリサポートのインストールを選択すると、以前はオプションまたは選択肢なしで WebLogic と ACSLS GUI が強制的にインストールされました。お客様は、GUI なしで lib_cmd コマンド行インタフェース (CLI) のみを使用して論理ライブラリを使用できるため、論理ライブラリがサポートされる SMCE を GUI なしでインストールできるようになりました。

ACSLS にバンドルされている WebLogic 10.3.6

WebLogic 10.3.6 は ACSLS にバンドルされています。

パッケージ checkinstall の更新

ユーザー acsssacssa、または acsdb がログインしている場合に、このパッケージのインストールが停止しなくなりました。代わりに、警告メッセージがインストール実行者のシェルに送信されます。

WebLogic 起動スクリプトによって TLS1 セキュリティープロトコルが追加される

WebLogic は、TLS1 セキュリティープロトコルと Secure Sockets Extension が有効になった状態で起動するようにインストールされるようになりました。

ファイバ接続ライブラリにおけるマウントおよびマウント解除の自動キューと再試行がサポートされる

SL8500 および SL3000 ライブラリで何年もリソースが一時的に使用不可の場合に、ACSLS では、マウントとマウント解除のキューと再試行がサポートされます。ACSLS では、SCSI Media Changer ライブラリ (SL150 や SL500 など) におけるマウントとマウント解除のキューと再試行がサポートされるようになりました。

読み取り/書き込み互換性のあるスクラッチカートリッジのみを選択する

mount scratch のスクラッチカートリッジを選択する場合は、指定したテープドライブとの読み取り/書き込み互換性のあるカートリッジのみを選択してください。

query mount scratch からの読み取り/書き込み互換性のあるテープドライブのみを報告する

query mount scratch コマンドを使用すると、指定したスクラッチプール内のメディアとの互換性のあるドライブが表示されます。これによって、読み取り専用互換性しかないドライブを除く、メディアとの読み取り/書き込み互換性のあるドライブのみが表示されます。

「Remove cartridges from CAP」メッセージに追加された cap_id

cmd_proc での「Remove cartridges from CAP」メッセージに cap_id が追加されました。

論理ボリュームのステータスに関する新しいフィールド

論理ボリュームのステータスに関する新しいフィールドが、lib_cmd display volume に追加されました。

psacs に追加された新しいデータフィールド

診断ユーティリティー psacs には、プロセス ID に関連付けられたソケット ID と、デバイスプロセスに関連付けられた mchanger デバイス ID のフィールドが含められるようになりました。

拡張された get_data.sh 診断ユーティリティー

Linux RPM パッチレベルを報告するように、診断ユーティリティー get_data.sh が拡張されました。

顧客の電子メールアドレス

get_diags ユーティリティーは、ACSLS サーバーからカスタム構成データを収集するときに、構成済みの電子メールアドレスを意図的に除外します。

修正

このリリースでは、ACSLS 8.3 以前に報告された次のバグが修正されています。

ACSLS のインストール

ACSLS のインストールに対して次の修正が行われました。

  • db_import.sh の完了後にスクラッチパッドファイルがクリアされません

    db_import.sh からのすべての出口が、/tmp/acsls ディレクトリをクリアするルーチンにルーティングされるようになりました。

  • 整合性のない PostgreSQL PGPORT 値

    WebLogic インストールスクリプトは、デフォルトの PGPORT が変更された場合は常に問題を回避するために、現在の PGPORT を検証するようになりました。

  • acssa ログイン環境

    ログイン時に、ユーザー acssa には cmd_proc コマンド行インタフェース (CLI) が即時に表示されます。ACSLS 管理者が acssa 用に GUI アカウントを設定した場合を除き、これはこのユーザーが唯一アクセスできる環境です。

  • パッケージのインストールルーチンによって、システムアーキテクチャーのチェックが実施されます

    この修正により、アーキテクチャーが一致しない場合はインストールが禁止されます。

ACSLS の起動および停止

ACSLS の起動および停止に対して次の修正が行われました。

  • ACSLS の起動の変更。

    重要ではないサービスが保守状態であることが検出された場合に、起動ロジックが停止しなくなりました。起動シーケンスが正常に行われるために不可欠な唯一のサービスは、acsdbacsls です。これらの 2 つのサービスがオンラインになると、ACSLS は一般的なライブラリ操作では機能状態になります。

  • データベースが破損している場合に起動ルーチンが無期限にループします。

    ACSLS が起動できない状態を acsls.startup が判別すると、起動ルーチンは、ACSLS を繰り返し再起動しようとしません。

  • CSCI 起動スクリプトでの旧バージョンのコマンド。

    旧バージョンの UNIX BSD コマンドが原因で、Solaris 11 で CSCI の起動が失敗しました。

  • 起動時の致命的なデータベースエラーにより、起動時の表示がエラーメッセージなしでハングします。

    起動時の表示がエラーメッセージなしでハングしていた起動時の致命的なデータベースエラーを修正しました。

  • データベースにアクセス制御フラットファイルをロードする際のすべてのエラーを報告します。

    アクセス制御フラットファイルをデータベースにロードする際に失敗した場合、失敗の理由を常に報告します。

  • Linux での PostgreSQL のロギングが、デバッグレベルに対して誤って設定されます。

    PostgreSQL のロギングではデータベーストランザクションが反映されるようになりましたが、追加のデバッグ情報は反映されません。

  • CAP がインストールされていないため、LSM が自動的にオンラインになりません。

    データベースで構成されていても、ライブラリにインストールされていなかった CAP が原因で、CAP が含まれている LSM が ACSLS の起動中にオンラインになりませんでした。メッセージによって、構成を更新して LSM がオンラインになることを許可するように通知されるようになりました。

  • csss_event.log が存在しない場合に、起動時の表示でのハング状態が防止されます。

    この修正により、acsss_event.log がまだ存在しない場合に作成されます。

  • ACSLS の起動時に表示されるステータスバーで、putty などの UNIX 以外の端末の互換性を追加します。

    ACSLS の起動中に、ステータスバーには、Solaris および Linux シェルの表示と同じ方法で、起動の進捗を示す連続する「x」マークが含まれる単一の行が表示されます。

  • ACSLS の起動時に Auto-Cap がロック解除されます。

    オンラインまたは診断状態の自動 CAP は、acsss enable プロセス中に自動的にロック解除されます。(以前は、SL8500 の自動 CAP は ACSLS の起動中にロック解除されませんでした。)

ACSLS ログ

ACSLS ログに対して次の修正が行われました。

  • データベースログは自動的にアーカイブされます。

    pg_log ディレクトリ内の PostgreSQL ログは、すべてのプラットフォームで自動的にアーカイブおよび圧縮されます。

  • rpTrail.log は自動的にアーカイブされます。

    rpTrail.log (acslm から返されたすべての応答を記録する) は、自動的にアーカイブおよび圧縮されます。

マウントおよびマウント解除

マウントおよびマウント解除に対して次の修正が行われました。

  • 移動リクエストが失敗します。

    この修正によって、移動リクエストが失敗して、カートリッジがライブラリによって回復中である場合に報告されるようになりました。

  • これ以上クリーニングカートリッジがない場合に、誤ったメッセージが生成されます。

    テープドライブがクリーニングをリクエストした場合に、互換性のあるクリーニングカートリッジがないと、ほかのエラーメッセージが報告されていました。関連するメッセージだけが報告されるようになり、ベースとなるマウントが実行されます。

  • in_use および予約済みのドライブを vary online によって回復できるように、これらのドライブの vary offline force を許可します。

    ドライブが使用中または予約済みの場合、強制的にオフラインに変更できませんでした。これによって、使用中または予約済みステータスのままになったドライブを簡単に回復できませんでした。

  • ファイバチャネルライブラリにおけるマウントおよびマウント解除操作のより堅固な処理。

    リクエストされた操作が実際にはライブラリによって実行された可能性がある場合に、ACSLS は一部の FC 移動操作を失敗として報告していました。これによって、空のドライブが ACSLS に対して「使用中」とマークされたままになり、手動による介入 (dismount force) が必要になることがあります。

    これらの問題は現在は処理されて、正しい結果が報告されます。処理が改善されたため、一時的な停止により中断されていた可能性がある一部の操作も回復できます。

ACSLS ユーティリティー

ACSLS ユーティリティーに対して次の修正が行われました。

  • volrpt

    volrpt では、構成されていないか構成されなくなったホーム ACS または LSM があるボリュームが報告されます。これには、取り出されたときにホームアドレスがゼロに設定されていたボリュームが含まれます。ACS 0 および LSM 0 が構成されていなかった場合、これらのボリュームは報告されませんでした。

その他の ACSLS の処理

ACSLS の処理に対して次の修正が行われました。

  • ポートスキャナの実行時に ACSLS がハングする可能性があります。

    この修正により、ポートススキャンで ACSLS がハングしなくなります。

  • ドライブが論理ライブラリに割り当てられているときに、query drive all によってドライブが複数回報告されることがあります。

    query drive all は、ACSAPI クライアントに対してテープドライブを報告するときに、論理ライブラリに割り当てられているドライブをフィルタして除外します。この結果、同じドライブセットが複数回報告されることがあります。

  • 大規模なリクエストキューによる query serverquery acs、および query lsm のパフォーマンスが改善されます。

    ACSLS が多くのコンカレントリクエストを処理しているときに、これらの query コマンドのパフォーマンスが改善されるようになりました。

  • テープドライブシリアル番号から先頭および末尾のスペースを削除します。

    テープドライブシリアル番号フィールドで報告されるスペースによって、有効なシリアル番号がスペースで上書きされることがあります。この修正により、ドライブの World Wide Name からも先頭および末尾のスペースが削除されます。

  • acsss_event.log および cmd_proc で「No format for TYPE」メッセージが修正されました。

    この修正により、エラー時に有効な TYPE コードと IDENTIFIER がイベント通知と cmd_proc に報告されます。

  • lib_cmd: 有効な VOLSER 文字 # および $ が含まれるボリュームがサポートされます。

    修正により、有効な VOLSER 文字 # および $ が含まれるボリュームの lib_cmd サポートが追加されました。

  • del_vol ユーティリティーが、6 文字を超える VOLSER で失敗しなくなりました。

  • 単一の CAP で multi-acs audit を試行したときに、cmd_proc audit の応答で「有効」と宣言されなくなりました。

  • cmd_proc move エラーメッセージが修正されました。

    ボリュームをアクセス不可能なパネルに移動しようとすると、「指定したパネルがフルか、LSM がフル」であることを示すエラーメッセージが表示されるようになりました。

  • 誤解を招くようなイベントログメッセージが修正されました。

    ユーザーが SL コンソールを使用して CAP を無効にしたあとで、ACSLS は CAP をオフラインに変更するよう推奨しなくなりました。

SCSI Media Changer ファイバ接続ライブラリのサポート

SCSI mchanger ファイバ接続ライブラリに対して次の修正が行われました。

  • ACSLS では、停止後に FC ライブラリがより適切に回復します。

    FC ライブラリとの通信の停止が検出されると、ACSLS は、ライブラリとの接続を再確立するためにより動的に動作するようになりました。これは特に、デバイスパスが揮発性である可能性がある Linux 環境で役立ちます (ACSLS mchanger は、永続的なデバイスパスを提供します)。

    ライブラリの自動回復には、SL500 ライブラリのリブートによる停止が含まれるようになりました。以前は、このシナリオでは手動による変更操作が必要でした。

ACSLS GUI

ACSLS GUI に対して次の修正が行われました。

  • GUI のパフォーマンス: クエリーサーバーのポーリングの頻度が減りました。

    サロゲートプロセスが ACSLS の一部として開始される (GUI、SMCE、または lib_cmd 機能をインストールする場合に当てはまります) 場合、ACSLS のステータスを定期的にモニターするためにクエリースレッドが起動されます。頻度は、11 秒ごとに 1 回から 1 分ごとに 1 回に変更され、これによって、実行されるコマンドの数とデータベースアクセスが減ります。

  • userAdmin.sh が Linux で初期化されません。GUI ユーザーを追加できません。

    Linux の userAdmin.sh ユーティリティーが、GUI ユーザーを初期化して追加するようになりました。

  • GUI からの小規模な取り出しのあとで、acsss_event.log エラーメッセージが表示されないようにします。

    GUI から 42 個以下のカートリッジを取り出すと成功しますが、イベントログと cmd_proc ウィンドウにエラーメッセージが表示されます。

  • GUI で「Error 500」内部サーバーエラーが発生しました。

    修正により、CAP をクリックしたときの「Error 500」内部サーバーエラーが修正されました。

  • SMCE がインストールされていない場合に、GUI ダッシュボードのクリティカルアラームが常に点灯します。

    smce のステータスは、インストールされている場合にのみチェックされるようになりました。

SCSI ターゲットモードドライバを使用してアクセスされる ACSLS 論理ライブラリ

SCSI ターゲットモードドライバに対して次の修正が行われました。

  • QLT ドライバが断続的に中止します。

    ACSLS がまだマウントまたはマウント解除操作を実行しているときに FC イニシエータ (クライアント) がタイムアウトになった場合、ACSLS は、リクエストされた操作をまだ引き続き実行する可能性があります。

    いくつかの結果が考えられました。

    • 操作は正常に完了した可能性があります。

    • 操作はエラーで失敗した可能性があります。

    • 操作は最終的にタイムアウトになる可能性があります。

    クライアントが操作でタイムアウトになった場合、そのメディアチェンジャーデバイス (および、そのターゲットポートに存在するその他のデバイス) が停止しました。ACSLS がマウントを完了する (成功、失敗、またはタイムアウト) まで停止は続きました。その時点で、ターゲットポートはリセットされ、クライアント操作が再開する可能性があります。

    バックアップアプリケーションと、論理ライブラリを表示する ACSLS サーバーとの間の相対的なタイムアウト値を管理することで、この問題に対処しました。この一連の変更により、タイムアウト値に対する 2 つの COMSTAR 関連の更新が行われました。

  • 論理ライブラリ操作が、Linux の lib_cmd に誤って表示されます。

    lib_cmd ユーティリティーは、論理ライブラリのサポートがインストールされていなかった Linux および Solaris のインストールにおけるプライマリメニュー表示から論理ライブラリ操作をマスクするように更新されました。

ACSLS HA

ACSLS HA に対して次の修正が行われました。

  • ファイルシステムが失われたあとの保守モードの acsls および acsdb サービス。

    変更は ACSLS で行われましたが、この修正は ACSLS HA に適用されます。ファイルシステムが失われた場合、SMF は acsls および acsdb サービスを無効にできず、これらのサービスを保守モードにします。この修正は、SMF がサービスを無効にして、サービスが停止してシステムが代替ノードにフェイルオーバーしたあとでファイルシステムの障害により保守モード状態にならないようにする代替方法を提供します。

  • HA 起動スクリプトが、ACSLS 環境を取得しようとして失敗します。

    ACSLS HA は、(重要ではない) DATABASE_VERSIONrelease.vars から取得しなくなりました。

ドキュメントのアクセシビリティについて

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