5 トラブルシューティングツール

ACSLS エージェントは比較的単純なアプリケーションですが、複数の依存関係があり、それらのいずれかによってエージェントが snmpget リクエストまたはトラップ条件に応答できなくなる可能性があります。

ステータスの確認

ACSLS エージェントの実行中の状態は、Solaris または Linux サーバー上のサービスユーティリティーによって表示されます。

  • Solaris では、svcs acsnmp を使用します。

    acsnmp が起動できない場合、SMF デーモンは acsnmpmaintenance に配置します。起動できなかった理由についての手がかりを収集するには、SMF 起動ログの末尾を調べます。起動ログを見つけるには、コマンド svcs -l acsnmp を発行し、ログファイル定義を探します。次に、そのログ内の最後の数行を確認します。

     # tail -20 /var/svc/log/application-management-acsnmp:default.log 
    
  • Linux では、service acsnmp status を使用します。

    このサービスコマンドは、エージェントが実行中か停止しているかについてのみ表示します。

ACSNMP ログファイル AcslsAgtd.log

AcslsAgtd.log は最上位の ACSNMP ディレクトリにあります。これは起動およびシャットダウンイベントと、ACSLS エージェントの操作中に検出されたすべての重大なエラーを追跡します。

agent コマンド

ACSLS エージェントが SNMP リクエストに応答できるようになるために、完了して動作させる必要がある複数の構成と操作依存関係があります。agent と呼ばれるコマンドが $ACSNMP_HOME/utils ディレクトリにあります。このコマンドは、さまざまなシステム依存関係のうち欠落しているもの (ある場合) がどれかを切り分けようとする場合に役立つトラブルシューティングの補助機能です。

コマンド agent status は、ACSLS エージェントのステータスを表示するだけでなく、次のものを含むすべての依存サービスのステータスを表示するためにも役立ちます。

  • Net-SNMP エージェントデーモン (snmpd)。

  • ACSLS アプリケーション (acsls)。

  • ACSLS への SNMP サーバー側インタフェース (snmpssi)。

  • ACSLS エージェントデーモン (AcslsAgtd)。

  • マスターエージェントへのポート接続。

コマンド agent status はまた、ACSLS MIB への読み取り専用アクセスのために確立された構成済みの V1 ユーザー rocommunity も検査します。rocommunitysnmpd.conf ファイル内に定義される必要があります。コミュニティー定義も AcslsAgtd.cfg ファイル内に必要ですが、複数のコミュニティーが snmpd.conf 内に見つかり、1 つの特定のコミュニティーだけを ACSLS エージェントで使用する予定の場合に限られます。

依存関係がチェックされて有効な rocommunity が見つかると、agent status コマンドは snmpget コマンドを送信してエージェントの実行に進み、ACSLS エージェントのバージョンをリクエストします。このテストの成功結果には、エージェントのソフトウェアバージョンが表示されます。

agent status コマンドは構成済みのトラップ宛先も探します。定義済みの各トラップホストへのネットワークアクセスをテストし、結果を表示します。リスナーが構成されてローカルホスト上で実行中である場合、トラップポートへの接続がテストされ、結果が表示されます。

最後に、agent status コマンドは snmpget を発行して、ACSLS エージェントによってブロードキャストされた最新のトラップメッセージを取得します

agent ユーティリティーは代替の起動コマンドとして使用されることもあります。agent start を使用して ACSLS エージェントを起動することで、ユーティリティーが起動したときのユーティリティーの進行状況を監視できます。いずれかの依存関係がない場合、それらは起動シーケンス中に表示されます。この agent start コマンドは、acsnmp が Solaris SMF に対して、または Linux サービスユーティリティーに対してオンラインである場合は使用できません。

エージェントを検証したら、snmp コマンドを直接使用できます。translate -n を使用して興味のある特定の OID を取得し、その OID に対する snmpget コマンドを送信します。たとえば、rocommunityacs_user の場合、対応する数値 OID を指定して snmpget を実行することによってエージェントソフトウェアのバージョン文字列を表示します。

# snmpget -v1 -c acs_user localhost 1.3.6.1.4.1.1211.1.11.1.1.0