ACSLS エージェントは比較的単純なアプリケーションですが、複数の依存関係があり、それらのいずれかによってエージェントが snmpget
リクエストまたはトラップ条件に応答できなくなる可能性があります。
ACSLS エージェントの実行中の状態は、Solaris または Linux サーバー上のサービスユーティリティーによって表示されます。
Solaris では、svcs acsnmp
を使用します。
acsnmp
が起動できない場合、SMF デーモンは acsnmp
を maintenance に配置します。起動できなかった理由についての手がかりを収集するには、SMF 起動ログの末尾を調べます。起動ログを見つけるには、コマンド svcs -l
acsnmp
を発行し、ログファイル定義を探します。次に、そのログ内の最後の数行を確認します。
# tail -20 /var/svc/log/application-management-acsnmp:default.log
Linux では、service acsnmp status
を使用します。
このサービスコマンドは、エージェントが実行中か停止しているかについてのみ表示します。
AcslsAgtd.log
AcslsAgtd.log
は最上位の ACSNMP ディレクトリにあります。これは起動およびシャットダウンイベントと、ACSLS エージェントの操作中に検出されたすべての重大なエラーを追跡します。
agent
コマンドACSLS エージェントが SNMP リクエストに応答できるようになるために、完了して動作させる必要がある複数の構成と操作依存関係があります。agent
と呼ばれるコマンドが $ACSNMP_HOME/utils
ディレクトリにあります。このコマンドは、さまざまなシステム依存関係のうち欠落しているもの (ある場合) がどれかを切り分けようとする場合に役立つトラブルシューティングの補助機能です。
コマンド agent status
は、ACSLS エージェントのステータスを表示するだけでなく、次のものを含むすべての依存サービスのステータスを表示するためにも役立ちます。
Net-SNMP エージェントデーモン (snmpd
)。
ACSLS アプリケーション (acsls
)。
ACSLS への SNMP サーバー側インタフェース (snmpssi
)。
ACSLS エージェントデーモン (AcslsAgtd
)。
マスターエージェントへのポート接続。
コマンド agent status
はまた、ACSLS MIB への読み取り専用アクセスのために確立された構成済みの V1 ユーザー rocommunity も検査します。rocommunity は snmpd.conf
ファイル内に定義される必要があります。コミュニティー定義も AcslsAgtd.cfg
ファイル内に必要ですが、複数のコミュニティーが snmpd.conf
内に見つかり、1 つの特定のコミュニティーだけを ACSLS エージェントで使用する予定の場合に限られます。
依存関係がチェックされて有効な rocommunity が見つかると、agent status
コマンドは snmpget
コマンドを送信してエージェントの実行に進み、ACSLS エージェントのバージョンをリクエストします。このテストの成功結果には、エージェントのソフトウェアバージョンが表示されます。
agent status
コマンドは構成済みのトラップ宛先も探します。定義済みの各トラップホストへのネットワークアクセスをテストし、結果を表示します。リスナーが構成されてローカルホスト上で実行中である場合、トラップポートへの接続がテストされ、結果が表示されます。
最後に、agent
status
コマンドは snmpget
を発行して、ACSLS エージェントによってブロードキャストされた最新のトラップメッセージを取得します
agent
ユーティリティーは代替の起動コマンドとして使用されることもあります。agent start
を使用して ACSLS エージェントを起動することで、ユーティリティーが起動したときのユーティリティーの進行状況を監視できます。いずれかの依存関係がない場合、それらは起動シーケンス中に表示されます。この agent start
コマンドは、acsnmp
が Solaris SMF に対して、または Linux サービスユーティリティーに対してオンラインである場合は使用できません。
エージェントを検証したら、snmp
コマンドを直接使用できます。translate -n
を使用して興味のある特定の OID を取得し、その OID に対する snmpget
コマンドを送信します。たとえば、rocommunity が acs_user
の場合、対応する数値 OID を指定して snmpget
を実行することによってエージェントソフトウェアのバージョン文字列を表示します。
# snmpget -v1 -c acs_user localhost 1.3.6.1.4.1.1211.1.11.1.1.0