4 操作

この章では次の内容を扱います。

  • エージェントを起動してステータスをモニターする方法について説明します。

  • さまざまな ACSLS SNMP トラップを一覧表示します。

  • ACSNMP 2.4 に付属しているさまざまな診断ユーティリティーについて説明します。

Solaris での ACSLS エージェントの起動と停止

acsnmpnet-snmp マスターエージェントのサブエージェントであるため、net-snmp が有効になっていることを確認する必要があります。Solaris では net-snmp を次のコマンドで起動できます。

# svcadm enable net-snmp

ステータスを確認するには、次のようにします。

# svcs net-snmp

ACSLS エージェントが完全に機能するには ACSLS アプリケーションも実行している必要があります

ACSLS エージェントを起動するための SMF コマンドは、svcadm acsnmp です。有効にされると、サービスはシステムのリブート後も有効なままになります。

エージェントソフトウェアを停止するには、次のようにします。

# svcadm disable acsnmp

構成設定を変更するときは、再起動コマンドが毎回役立つ場合があります。

# svcadm restart acsnmp

Linux での ACSLS エージェントの起動と停止

acsnmpnet-snmp マスターエージェントのサブエージェントであるため、マスターエージェントデーモン snmpd が有効になっていることを確認する必要があります。Linux の service コマンドを使用してマスターエージェントを起動します。

ACSLS エージェントを起動するには、次のようにします。

# service acsnmp start

ステータスを確認するには、次のようにします。

# service acsnmp status

エージェントソフトウェアを停止するには、次のようにします。

# service acsnmp stop

構成設定を変更するときは、再起動コマンドが毎回役立ちます。

# service acsnmp restart

ACSLS エージェントの動作の確認

  • agent

    エージェントが起動したあと、agent コマンドを使用してエージェントのステータスを確認できます。このユーティリティーは、ACSNMP/utils ディレクトリ内にあります。

    # cd $ACSNMP_HOME/utils
    # ./agent status
    

    このコマンドは、net-snmp マスターエージェントおよび ACSLS アプリケーションを含む、前提条件となるすべての機能のステータスを示します。これは構成済みのコミュニティーを検出し、エージェントに V1 snmpget リクエストを送信し、エージェントソフトウェアバージョンを尋ねます。応答が v2.4 の場合、システムのすべての前提条件を含むエージェントの完全な機能を確認できます。

    注:

    エージェントの起動後すぐに agent status コマンドが実行された場合、There is no such variable name in this MIB. というメッセージが表示されることがあります。数秒待ってから、agent status コマンドを再試行してください。
  • walker

    walker ユーティリティーを使用すると、ACSLS MIB 全体をスキャンし、ACSLS によって報告された各ライブラリオブジェクトの値またはステータスを表示できます。

    # cd $ACSNMP_HOME/utils
    # ./walker
    

    通常表示では、各オブジェクト識別子の英数字の OID を表示します。各識別子の完全な数値 ID を表示するには、walker -n を使用します。

  • translate

    translate ユーティリティーは、ACSLS MIB から得た英数字識別子とそれらの変換された同等物を返します。この便利なツールは数値 OID の背後にある実際の ACSLS オブジェクト名を表示します。変換されたオブジェクトとそれらの完全な数値 OID を表示するには、次を使用します。

    # cd $ACSNMP_HOME/utils
    # ./translate -n 
    

トラップリスナーの設定

net-snmp が装備されているデータセンター内のすべてのホストには、トラップリスナーデーモンが含まれています。リスナー snmptrapd は、/sbin/ または /usr/sbin から見つけることができます。

次のコマンドを使用すると ACSLS ホスト上のリスナーを設定できます。

# snmptrapd -f -Le -m $ACSNMP_HOME/AcslsMib.mib

トラップメッセージがリスナーに受信されるときにトラップメッセージを変換するために、MIB ファイルに -m オプションを含めることが役立ちます。リモートホスト上にリスナーを設定する場合は、AcslsMib.mib ファイルのコピーをリモートホストに転送し、適切なディレクトリに置きます。

リスナーが ACSLS エージェントからトラップメッセージを受信できるようになるには、リスナーのホスト名が ACSLS サーバーの ACSNMP 最上位ディレクトリの AcslsAgtd.cfg ファイルの DEST:; フィールドに含まれている必要があります。リスナーを構成ファイルに追加したときは常に ACSLS SNMP Agent を再起動する必要があります。

設定する任意のリスナーにテストトラップを送信できます。ACSNMP/utils ディレクトリに send_system_trap_test があります。引数なしでこのコマンドを実行した場合、ローカルホスト上のすべてのリスナーにシステムトラップメッセージが送信されます。同じメッセージをほかのホストに送信するには、リスナーのホスト名または IP アドレスを単に引数として追加します。

# ./send_system_trap_test <i.p. address or hostname>

このテストは ACSLS エージェントから開始されません。これは snmpd.conf で構成されたコミュニティーを使用してマスターエージェントから開始されるコールドスタートトラップテストです。これは、リスナーが正しく設定されていることを確認することのみを目的としています。

リスナーがメッセージを受信しなかった場合は、トラップを受信したシステムの snmptrapd.conf ファイル内の構成設定を確認する必要があります。このファイルは通常、snmpd.conf が見つかった場所と同じディレクトリの /etc/snmp または /etc/net-snmp で見つかります。これらの両方のファイルの SNMP V1 サンプルは、ACSNMP/install ディレクトリから見つかります。

トラップリスナーが動作したとき、ACSLS エージェントからテストトラップを送信するためのもっとも速い方法は、エージェントを再起動することです。Solaris では、コマンドは svcadm restart acsnmp です。これと同等の Linux のサービスは acsnmp restart です。エージェントがオフラインイベントに応答する機能を ACSLS 内でテストすることもできます。cmd_proc を ACSLS 内で使用することで、ライブラリリソース (ドライバや CAP など) を online 状態から offline に変化させます。数秒以内で、トラップリスナーはステータスの変更を表示します。

トラップは次の状況で送信されることに注意してください。

  • ACSLS SNMP エージェントが最初に起動するとき (すべてのトラップレベル)。

  • MIB 内の ACSLS および任意の ACSLS リソースがオンラインになるとき (トラップレベルは INFO)。

  • すべての ACSLS リソース (ACS、LSM、CAP、ドライブ) がオフラインになるとき (トラップレベルは WARNING 以上)。

  • エージェントが ACSLS との通信に失敗するとき (トラップレベルは ERROR 以上)。