1 概要

Oracle の StorageTek Linear Tape File System (LTFS) ソフトウェアは、StorageTek T10000 テープまたは Linear Tape-Open (LTO) テクノロジでのファイルアクセスおよびデータの可搬性を向上します。LTFS ソフトウェアにより、アプリケーションでは標準のファイルフォーマットインタフェースである CIFS または POSIX 経由で、ファイルをテープに直接読み書きできます。ブラウザまたはオペレーティングシステムのグラフィカルインタフェースを通じてファイルに簡単にアクセスすることもできます。ユーザーは、ストレージメディア (ディスク、テープ、またはフラッシュ) に対してファイルをドラッグ&ドロップすることができます。

Oracle では、2 つの LTFS ソフトウェア解決方法を提供します。StorageTek Linear Tape File System, Open Edition (LTFS-OE) ソフトウェアは、スタンドアロンまたはラックマウント可能なテープドライブをサポートし、ドライブにマウントされているカートリッジ上のすべてのファイルへのアクセスをユーザーに提供します。StorageTek Linear Tape File System, Library Edition (LTFS-LE) ソフトウェアは、Oracle の StorageTek SL3000、SL8500、および SL150 テープライブラリをサポートし、複数のテープドライブおよびメディアを管理します。ユーザーがファイルを選択すると、システムのロボティクスは対応するテープを自動的にマウントし、ファイルがそのアプリケーションで使用できるようになります。

ベースとなるテクノロジ

ユーザーに完全なファイルを提示するために、格納する必要のあるデータには 2 つのタイプがあります。1 つ目は、ファイルメタデータです。ファイル構造、ファイル名、ファイルフォーマット、およびテープ上のデータへのアクセスを単純化するためにインデックスが作成されるその他のデータ要素が含まれます。2 つ目に、ファイルデータは、テープ上に格納される向か孔のファイルの内容です。

LTFS フォーマットのテープは、2 つのパーティションに分割できるように設計されています。2 つあるパーティションの小さいほうは、テープの先頭部分にあり、テープ上のすべてのファイルのすべてのファイルメタデータを保持します。メタデータパーティションでは、ファイルが階層ディレクトリ構造で格納されます。テープの残りの部分である 2 つ目のパーティションはデータ格納専用であり、テープストレージがこれまでの数十年間行なってきた機能と同じです。LTFS はオープンフォーマットであるため、互換性のあるテープドライブおよびそのテープドライブを動作させるためのドライバを所有する人であれば、アーカイブアプリケーションまたはその他のソフトウェアによる支援がなくても、LTFS テープを読み取ることができます。テープメディアの一部がテープドライブにロードされると、完全なファイルフォルダイメージが表示され、ファイル構造が 1 つめのパーティションから取得され、未加工のファイルの内容が 2 つめのパーティションからアクセスされます。テープからメタデータが読み取られると、以後ファイルに高速でアクセスできるようにするため、LTFS-LE ソフトウェアはそのメタデータのコピーをサーバーに格納します。