この章では、ELS 保守のインストール方法について説明します。ここでは、次のトピックについて説明します。
ELS 7.2 用および ELS 7.2 と共存している Oracle StorageTek ソフトウェアのすべてのリリース用の最新の累積保守 (PTF および HOLDDATA
) を入手してインストールする必要があります。My Oracle Support (MOS) サイトから累積保守をダウンロードします。
http://www.myoraclesupport.com
HOLDDATA
および PTF 更新についてこのサイトに頻繁にアクセスし、定期的に累積保守更新をインストールしてください。PTF は、毎月 MOS にリリースされます。
保守のインストールを行う前に、利用可能な最新の保守の情報について、Oracle Global Customer Services に問い合わせてください。Oracle へのお問い合わせについては、はじめにを参照してください。
注記:
PTF および HOLDDATA
は ELS リリース時に存在しない可能性がありますが、しばらくすると、毎月 MOS にリリースされます。
ELS 製品および保守のインストールに際しては MSP/EX Linkage Editor を使用してください。使用しない場合、リンク作業エラーの原因になります。
SMP を使用して ELS 保守をインストールします。したがって、ELS ベース製品のインストールに使用される SMP ターゲットおよび配布ライブラリが必要になります。これらのライブラリの詳細については、ターゲットおよび配布ライブラリデータセットの割り振りと、必須の DDDEF エントリを参照してください。
ELS 保守のインストールに使用する JCL メンバーのサンプルは、ELS インストール処理時に ELS インストールテープからアンロードされています。詳細については、SMP JCL ライブラリのアンロードを参照してください。
これらの JCL サンプルはマスモードでも、個々の SYSMOD での保守でも使用できます。
カバーレター、HOLDDATA
、PTF
、および SUMMARY
データをアンロードするために、次の手順を実行してください。
次の例に示すように、次の FTP 受け取り側データセットを事前に割り振っておきます。「hlq
」を高位識別子に変更します。「vr
」を 72 に変更します。
Data Set Name . . . :hlq.ELSvr.HDD - HOLDDATA // RECFM=FB,LRECL=80,SPACE=(27920,(30,30)) Data Set Name . . . :hlq.ELSvr.PTF - PTFs // RECFM=FB,LRECL=80,SPACE=(27920,(13000,300)) Data Set Name . . . :hlq.ELSvr.CVR - Cover Letters // RECFM=FB,LRECL=80,SPACE=(27920,(30,30)) Data Set Name . . . :hlq.ELSvr.SMM - Summary // RECFM=FB,LRECL=80,SPACE=(27920,(30,30))
DOS ウィンドウを開き、cd
(ディレクトリ変更) コマンドを使用して、ダウンロードした累積保守ファイルが含まれるディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力します。
FTP msphost
(Supply your user and password credentials.)
binary
mput els72.cvr
mput els72.hdd
mput els72.ptf
mput els72.smm
quit
mput
コマンドをこの順序で実行すると、次のファイルがコピーされます。
els72.cvr
els72.hdd
els72.ptf
els72.smm
コピー先は、MSP システムの次のデータセットとなります。
hlq
.ELS72.CVR
hlq
.ELS72.HDD
hlq
.ELS72.PTF
hlq
.ELS72.SMM
ここで、hlq
は高位修飾子です。
サンプルメンバー MAINTRCF
には、FMID ごとに SMP RECEIVE
保守を実行するためのサンプル JCL が収められています。
このサンプルメンバーを次のように変更します。
hlq
.ELS72.PTF
データセットを指すように、SMPPTFIN
DD 文を変更します。
hlq
.ELS72.HDD
データセットを指すように SMPHOLD
DD 文を変更します。
保守を実行するには、サンプルメンバーのプロローグに表示されている指示に従い、ジョブをサブミットします。
このジョブで実行するすべてのステップの場合、リターンコードはゼロ (0) であることが必要です。それ以外のリターンコードが返された場合は、StorageTek ソフトウェアサポートにお問い合わせください。
サンプルメンバー MAINTAPF
には、FMID ごとに SMP APPLY
保守を実行するために使用されるサンプル JCL が収められています。
必要な修正、および実際の SMP APPLY
の前に行う SMP APPLY CHECK
の実行手順については、サンプルメンバーのプロローグに表示されている指示に従ってください。ジョブを送信し、保守を適用します。
注記:
SMC JES FMID がAPPLY
に含まれる場合、サンプル JCL の APPLY
コマンドに ASSEM
オプションを指定する必要があります。注記:
保守のSMP ACCEPT
の実行は、オプションです。サンプルメンバー MAINTACF
には、FMID ごとに SMP ACCEPT
保守を実行するためのサンプル JCL が収められています。
必要な修正、および実際の SMP ACCEPT
の前に行う SMP ACCEPT CHECK
の実行手順については、サンプルメンバーのプロローグに表示されている指示に従ってください。ジョブを送信し、保守を適用します。
HOLDSYSTEM
例外データのために適用できなかった PTF を特定するために、前のセクションの APPLY
の実行による出力結果を確認します。その PTF のカバーレターを確認し、使用している環境にその PTF を適用できるかを判別します。一般的に、HOLDSYSTEM
で使用する ELS SYSMODS には、次の 2 つの種類があります。
テープ管理システムのスクラッチ変換モジュール (SLUDRCA1
、SLUDRRMM
、SLUDRSMC
、SLUDRTLM
、および SLUDRZAR
) を更新する SYSMODS。
ELS SMP 環境の制御範囲を超えた依存関係を持つ SYSMODS。たとえば、ELS PTF の中には、特殊な MSP PTF の適用が必要なものもあります。適用しないと、自動処理パッケージを変更しなければなりません。
HOLDSYSTEM
例外データのために適用されなかった SYSMODS の確認結果に基づき、次の 4 つの PTF のリストを作成します。
リスト 1
使用しているサイトにインストールされていないテープ管理システムのテープ管理システム PTF が含まれます。
リスト 2
使用しているサイトにテープ管理システムがインストールされており、ソースの修正が必要な場合の、テープ管理システム PTF が含まれます。
リスト 3
使用しているサイトが PTF カバーレターで定義された条件を満たさないために適用されない非テープ管理システム PTF が含まれます。
リスト 4
HOLDSYSTEM
例外データのために保留となっている、そのほかのすべての PTF が含まれます。これらは、使用しているインストールに適用できない、保留となっている PTF です。含まれるものは、テープ管理システムが使用しているサイトでインストールされるテープ管理システム PTF であり、ソースコードを修正する必要はありません。
次の例に示すサンプル JCL を使用して、適用可能な HOLDSYSTEM
SYSMODS に対して SMP APPLY
を実行します。
例3-1 HOLDSYSTEM SYSMODS に対して SMP APPLY を実行する JCL
//jobname JOB ..... //S1 EXEC smp-proc //SMPCNTL DD * SET BDY(target-zone) . APPLY PTFS EXCLUDE(ptf1,ptf2,........ptfn) GROUPEXTEND FORFMID( /* FMID-id */ ) BYPASS(HOLDSYSTEM) ASSEM . /*
注記:
PTFs listed in the EXCLUDE
文にリストされる PTF は、List 1、List 2、および List 3 内のすべての PTF で構成されるべきです。「HELD ELS PTF の分離」を参照してください。
FMID のリストについては、ELS FMID の検証を参照してください。