Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをデプロイした後、システムの各サーバー・ノードに、Dom0とODA_BASE (Dom1とも呼ばれる)の2つのドメインが作成されます。仮想マシン(ユーザー・ドメインまたはドメイン(Dom) Uと呼ばれる)には、Oracle Database (ODA_BASE)に割り当てられていないCPUコアを使用できます。次の図に、仮想化構造をブロック図で示します。
高可用性のために、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームとともに共有リポジトリを使用することをお薦めします。仮想マシン・ファイルは共有ディスクに格納できるため、データベース仮想マシンおよびアプリケーション仮想マシンに共有ストレージを提供します。さらに、CPUプールおよびサイズ変更可能なOracle Databaseドメイン(ODA_BASE)により、仮想マシンでは、互いのCPUコアからまたは割当て済のデータベースCPUコアからサイクルが消費されないようになります。これらの機能の使用方法や構成の詳細、およびOracle Databaseドメイン(ODA_BASE)のサイズ変更に関する情報は、この章の次の各項を参照してください。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリについて
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリの管理
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャおよび仮想ローカル・エリア・ネットワークについて
機能の管理について説明している項の多くには、関連する例が記載されています。
ゲスト仮想マシンをデプロイする主な手順は次のとおりです。
必要に応じて新規リポジトリを作成します。
必要なテンプレートまたはアセンブリをインポートします。
テンプレートまたはアセンブリを構成します。
テンプレートまたはアセンブリをクローニングします。
必要に応じて仮想マシンを更新します。
仮想マシンを起動します。
仮想マシン・コンソールを使用して仮想マシンにアクセスします。
追加の詳細および前述の各手順を実行するために使用可能なオプションについては、この章の以降の項を参照してください。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームを使用すると、仮想マシン(VM)ファイルの保管用に1つ以上の共有リポジトリを作成できます。VM共有リポジトリにより、高可用性がサポートされます。ノード障害に備えて、あるノードから別のノードにフェイルオーバーするようにVMを構成でき、優先ノードが使用できない場合にフェイルオーバー・ノードでVMが自動的に再起動できます。
また、共有リポジトリで仮想ディスクを作成できます。VMに追加のブロック記憶域をアタッチすることで、仮想ディスクは仮想マシンに追加の記憶域オプションを提供します。同様に、追加の領域が不要になった場合は、記憶域をデタッチできます。記憶域ボリュームを仮想ディスクに拡張するか、または新規ファイル・システムを仮想ディスクに作成することで、仮想ディスクを使用して、既存のファイル・システム記憶域をVM内に拡張できます。仮想ディスクは、同じ共有リポジトリで動作する複数のVMによって共有することもできます。
次の図に、共有ストレージ・システムがあるOracle Database Appliance仮想化プラットフォームの一般的なアーキテクチャを示します。
図3-2 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム(共有リポジトリあり)のアーキテクチャの概要
前の図は、ODA_BASEに直接接続されているOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上の共有ディスクを示しています。ODA_BASEには、fs1、fs2およびfs3という名前の3つの共有リポジトリがあります。各共有リポジトリは、リポジトリ用に選択されたASMディスク・グループ(DATAまたはRECO)の最上位に作成されたODA_BASEのOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)です。リポジトリを作成するプロセスでは、プライベート・ネットワークを経由してそれぞれのDom0へのリポジトリのNFSエクスポートも実行します。エクスポートにより、仮想マシン・ファイルの共有ストレージは使用可能になります。図に示す構成では、複数のリポジトリを作成できます。これらのリポジトリは、仮想マシンの実行が必要なノード(図のfs1およびfs3など)または両方のノード(図のfs2など)にマウントします。これらの共有リポジトリで、1つ以上の仮想マシンまたは仮想マシン・テンプレートを作成します。
図に示されているすべての基礎となるアーキテクチャを含め、共有リポジトリ、仮想ディスクおよびそれらの仮想マシンは、Oracle Appliance Managerのコマンドを使用して作成および管理します。
共有リポジトリを作成するには、oakcli create repo
コマンドを使用してリポジトリ名、保管に使用するディスク・グループ(DATAまたはRECO)およびサイズ(GB)を指定します。共有リポジトリを作成したら、仮想マシンをリポジトリに割り当てる前に、oakcli start repo
コマンドを使用してこのリポジトリを起動し、ストレージを使用可能にします。このコマンドにより、自動的に起動するように定義したリポジトリに割り当てられている仮想マシンも起動されます。
既存のリポジトリを表示および停止(ディスマウント)するコマンドを含め、その他のOracle Appliance Manager共有リポジトリのコマンドは、非共有リポジトリで使用するコマンドに似ています。デフォルトの永続的なリポジトリとは異なり、アクティブな(マウント済の)仮想マシンがない共有リポジトリは削除できます。
注意: 選択したノードのリポジトリで仮想マシンがアクティブなままである間は、oakcli stop repo コマンドを発行しないでください。 |
次のコマンドには、共有リポジトリの仮想マシンを管理するための追加オプションがあります。
デフォルトで仮想マシンを実行するノードを識別するには-prefnode
句を、(起動時またはすでにアクティブであるとき)優先ノードが使用不可能な場合に仮想マシンで他のノードを使用するかどうかを指定するには-failover
句を指定します。
注意: 仮想マシンが特定のCPUプールに割り当てられており、フェイルオーバーが可能な場合、この仮想マシンはセカンダリ・ノードで同じCPUプールを使用しようとします。CPUプールが存在してもサイズが異なる場合、仮想マシンがセカンダリ・ノードで稼働すると、パフォーマンスに影響を受けることがあります。割り当てられたCPUプールがセカンダリ・ノードに存在しない場合、仮想マシンはフェイルオーバーしません。 |
-repo
句で共有リポジトリの名前を使用し、クローニング・プロセスを実行するノードを識別するには-node
句を指定します。
-repo
句で共有リポジトリの名前を使用し、リポジトリのサイズを大きくするには-incsize
パラメータを指定します。-incsize句で指定する数値はデフォルトでGBですが、サイズにM
を追加することで単位をMBに変更できます。
-repo
句で共有リポジトリの名前を使用し、テンプレートまたはアセンブリをインポートするノードを識別するには-node
句を指定します。
共有リポジトリ内で仮想ディスクを作成するには、oakcli create vdisk
コマンドを使用し、仮想ディスクのサイズ、それが存在する共有リポジトリ、その共有リポジトリ内の一意の名前、および仮想ディスクが複数の仮想マシンによって共有できるかどうかを定義します。
1つ以上の仮想ディスクを作成した後、oakcli show vdisk
コマンドを使用し、それらすべてに関する情報を表示できます。個々の仮想ディスクの詳細を表示するには、同じコマンドを使用しますが、仮想ディスク名と-repo
句を指定し、仮想ディスクを作成した共有リポジトリを指定します。また、oakcli clone vdisk
clone_vdisk
-repo
repo_name
-src
src_vdisk
コマンドを使用して、仮想ディスクをクローニングすることもできます(clone_vdisk
はクローニングされた仮想ディスクに割り当てる名前、repo_name
は元の仮想ディスクが存在するリポジトリ、src_vdisk
はクローニングされる仮想ディスクの名前です)。
また、oakcli delete vdisk
コマンドを使用し、仮想ディスク名と、共有リポジトリを指定する-repo
句を指定して、仮想ディスクを削除することもできます。
「共有リポジトリ、仮想ディスクおよび仮想マシンに関するOracle Appliance Managerのコマンドの例」の項には、共有リポジトリおよび仮想ディスクの管理に使用するコマンドの例が記載されています。
このコマンドでは、repo1
という名前の共有リポジトリがASM DATAディスク・グループに30GBの使用可能なストレージで作成されます。
oakcli create repo repo1 -dg data -size 30
このコマンドでは、デフォルト・リポジトリ、ローカル・リポジトリ、共有リポジトリなど、すべての既存のリポジトリに関する情報が表示されます。
oakcli show repo NAME TYPE NODENUM FREE SPACE STATE odarepo1 local 0 N/A N/A odarepo2 local 1 N/A N/A repo1 shared 0 68.25% ONLINE repo1 shared 1 68.25% ONLINE repo2 shared 0 N/A OFFLINE repo2 shared 1 89.83% ONLINE
このコマンドでは、ノード1上のrepo1という名前の共有リポジトリが起動します。
oakcli start repo repo1 -node 1
このコマンドでは、ノード0上のrepo1という名前の共有リポジトリが停止します。
oakcli stop repo repo1 -node 0
このコマンドでは、repo1という名前の共有リポジトリに関する情報がノード1から表示されます。
oakcli show repo repo1 -node 1 Resource: repo1_1 AutoStart : restore DG : DATA Device : /dev/asm/repo1-286 ExpectedState : Online FreeSpace : 87.703125M MountPoint : /u01/app/repo1 Name : repo1_0 Node : all RepoType : shared Size : 30720 State : Online Version : 2
このコマンドでは、両方のノードでリポジトリがオフライン(停止)の場合、repo1という名前の共有リポジトリが削除されます。
oakcli delete repo repo1
このコマンドでは、外部リポジトリ・テンプレートのアセンブリ・ファイルに格納されている仮想マシン・テンプレートがインポートされます。URLを囲む一重引用符に注意してください。アセンブリに3つの異なるテンプレートが格納されている場合、テンプレートには、名前myol6u_15gb1
、myol6u_15gb2
およびmyol6u_15gb3
が割り当てられ、ノード1上の共有リポジトリrepo2にインポートされます。
oakcli import vmtemplate myol6u_15gb -assembly 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM_15GB.ova' -repo repo2 -node 1
このコマンドでは、myol6u_test
という名前の仮想マシンが、ノード0上のrepo2という名前の共有リポジトリ内に格納されているmyol6u_15gb1という名前の仮想マシン・テンプレートから作成されます。
oakcli clone vm myol6u_test -vmtemplate myol6u_15gb1 -repo repo2 -node 0
注意: -node 句は、クローニング・アクティビティが実行されるノードを指定します。また、ノード値によって仮想マシンのデフォルト起動ノードは割り当てられません。この割当ては、oakcli configure vm コマンドで設定します。 |
このコマンドでは、myol16u_testという名前の仮想マシンで特定のリソースに値が設定されます。
起動時に仮想マシンに割り当てられるCPUの数(vcpu)
CPUアクセスの優先度(cpuprio)
仮想マシンに割り当てられるCPUの容量の最大比率(cpucap)
仮想マシンの起動時に割り当てられるメモリー容量(memory)
共有リポジトリが起動されたとき、または仮想マシンが手動で起動されたときに、仮想マシンが通常、自動的に起動するノード(prefnode)
デフォルト・ノード(prefnode)が使用不可能な場合の自動フェイルオーバーの有効化(failover)
これらの値は、この仮想マシンの導出元となった仮想テンプレートのこれらと同じパラメータに割り当てられた値に優先します。仮想マシンは、親テンプレートまたは構成コマンドのいずれにも定義されていないパラメータにデフォルト値を使用します。
oakcli configure vm myol16u_test -vcpu 2 -cpuprio 150 -cpucap 20 -memory 1G -prefnode 0 -failover true
このコマンドでは、repo2共有リポジトリでsdisk1という名前の仮想ディスクが、仮想マシンによる共有機能を付けられ、1GBのサイズで作成されます。
oakcli create vdisk sdisk1 -repo repo2 -size 1G -type shared
このコマンドでは、例11で作成したとおり、sdisk1という名前の仮想ディスクが、例8で作成したとおり、repo2共有リポジトリのmyol6u_test
という仮想マシンにアタッチされます。
oakcli modify vm myo16u_test -attachvdisk sdisk1
仮想マシン・テンプレートは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームにデプロイされている仮想マシンのソースとしてインポートして構成します。共有リポジトリを作成した場合は目的のリポジトリにテンプレートをインポートし、それ以外の場合は目的のノード上にあるローカル・リポジトリにテンプレートをインポートします。
また、1つ以上のテンプレートを格納できるアセンブリもインポートできます。共有リポジトリにテンプレートまたはアセンブリをインポートするときに、操作を実行するノードを指定します。ノードを慎重に選択することによって、ビジーなノードに負荷をかけすぎないようにします。インポートを行うノードがいずれであっても、両方のノードでリポジトリが利用可能です。
ローカル・ノードにインポートされたテンプレートでは、importコマンドで指定されたリポジトリ名を使用し、インポートを完了してストレージを割り当てる対象のノードを識別します。ノード0上のローカル・リポジトリの名前はodarepo1
、ノード1上のローカル・リポジトリの名前はodarepo2
です。両方のローカル・リポジトリにテンプレートをインポートする場合は、第2ノードにテンプレートをインポートするときに異なるテンプレート名を指定する必要があります。
注意: テンプレートは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで直接作成またはクローニングできません。http://edelivery.oracle.com/linux で、仮想マシン・テンプレートを検索します。 |
複数のテンプレートが格納されたアセンブリをインポートすると、すべてのテンプレート名を一意に保つように、指定したテンプレート名が自動的に変更されます。1つ目のテンプレートは名前に番号"1"を追加し、2つ目のテンプレートは番号"2"を追加する、のようになります。
仮想マシン・テンプレートをインポートしたら、Oracle Appliance Managerのコマンドでテンプレートをカスタマイズできます。仮想マシンを管理するすべてのコマンドの詳細は、「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリの管理」の項を参照してください。
Oracle Appliance Managerのimport
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの仮想マシン・テンプレートを格納して名前を付けます。Oracle Appliance Managerのその他のコマンドを使用して、テンプレートをカスタマイズおよび管理します。
この項で説明されているコマンドの例は、「Oracle Appliance Managerの仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリ管理コマンドの例」を参照してください。
仮想マシン・テンプレートのインポート
Oracle Appliance Managerのoakcli import vmtemplate
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリをインポートします。仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリは、ファイルのソースを特定するURLを使用して、リモート・リポジトリから直接インポートできます。オプションで、リモート・コピー・コマンドを使用してリモート・リポジトリからDom0の/OVS
ディレクトリにファイルをコピーしてから、ダウンロード済ファイルを特定するパスおよび名前を使用してファイルをインポートします。
注意: ローカル・リポジトリにテンプレートまたはアセンブリをインポートするときは、-node 句を使用しないでください。ターゲット・ノードは、リポジトリの名前で暗黙的に決まります。 |
仮想マシン・テンプレート構成の表示および変更
記憶域リポジトリに仮想マシン・テンプレートをインポートした後で、Oracle Appliance Managerのoakcli show vmtemplate
コマンドでテンプレート構成パラメータを調べます。特定の要件に合せてテンプレートを再構成する必要がある場合、Oracle Appliance Managerのoakcli configure vmtemplate
コマンドを使用します。これは、単一のテンプレートから同じ特性を持つ複数の仮想マシンをデプロイする場合に使用すると便利です。仮想マシンを1つしかデプロイしない場合、または異なる特性の複数の仮想マシンをデプロイする場合は、テンプレートをデプロイした後で、oakcli configure vm
コマンドを使用して必要な値を仮想マシンに設定します。
格納済の仮想マシン・テンプレートの一覧表示
格納済の仮想マシン・テンプレートをすべて検出するには、パラメータを指定せずにOracle Appliance Managerのoakcli show vmtemplate
コマンドを使用します。以前に保存済のテンプレートが不要になった場合は、Oracle Appliance Managerのoakcli delete vmtemplate
コマンドを使用してリポジトリからテンプレートを削除します。
このコマンドで、OVM_OL5U5_X86_64_PVM_10GB.tgz
のファイルに定義されている仮想マシンのテンプレートをインポートします。このファイルは事前に、外部テンプレート・リポジトリからDom0の/OVS
ファイル・システムにコピーされたものです。テンプレートには、名前myol5u1
が割り当てられ、ノード0上のリポジトリにインポートされます。
oakcli import vmtemplate myol5u -files /OVS/OVM_OL5U5_X86_64_PVM_10GB.tgz -repo odarepo1
このコマンドでは、OVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgz
という名前の仮想マシン・テンプレート・ファイルが外部テンプレート・リポジトリからインポートされます。URLを囲む一重引用符に注意してください。テンプレートには、名前myol5u7_10gb
が割り当てられ、ノード1上のリポジトリにインポートされます。
oakcli import vmtemplate myol5u7_10gb -files 'http://example.com/vmtmplt/OEL5/OVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgz' -repo odarepo2
このコマンドでは、外部テンプレート・リポジトリのアセンブリ・ファイルに格納されている仮想マシン・テンプレートがインポートされます。URLを囲む一重引用符に注意してください。アセンブリに3つの異なるテンプレートが格納されている場合、それらのテンプレートには、名前myol6u_15gb1
、myol6u_15gb2
およびmyol6u_15gb3
が割り当てられ、ノード1上のリポジトリにインポートされます。
oakcli import vmtemplate myol6u_15gb -assembly 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM_15GB.ova' -repo odarepo2
このコマンドでは、myol5u7_10gbという名前の仮想マシン・テンプレートで特定のリソースに値が設定されます。
仮想マシンの起動時に割り当てられるCPUの数(vcpu)
仮想マシンに割り当てることができるCPUの最大数(maxvcpu)
仮想マシンに割り当てられるCPUの容量の最大比率(cpucap)
仮想マシンの起動時に割り当てられるメモリー容量(memory)
仮想マシンに割り当てることができるメモリーの最大容量(maxmemory)
仮想マシンで使用されるオペレーティング・システム(os)
これらの値は、後でOracle Appliance Managerのoakcli configure vm
コマンドを使用して一部または全部を変更できますが、このテンプレートからクローニングされる仮想マシンのデフォルト値になります。
oakcli configure vmtemplate myol5u7_10gb -vcpu 2 -maxvcpu 4 -cpucap 40 -memory 1536M -maxmemory 2G -os OTHER_LINUX
このコマンドでは、myol5u7_10gb仮想マシン・テンプレートからクローニングされた仮想マシンへのアクセスに使用するネットワークとしてnet1が設定されます。
oakcli modify vmtemplate myol5u7_10gb -addnetwork net1
このコマンドでは、各仮想マシン・テンプレートの名前およびリポジトリと、テンプレートから作成された仮想マシンにOracle Database Appliance仮想化プラットフォームによって割り当てられるデフォルトのCPUの数およびメモリー容量が表示されます。
oakcli show vmtemplate
このコマンドでは、myol5u7_10gbという名前の仮想マシン・テンプレートで構成可能なオプションの値が表示されます。
oakcli show vmtemplate myol5u7_10gb
このコマンドでは、myol6u_15gb3という名前の仮想マシン・テンプレートがOracle Database Appliance仮想化プラットフォームから削除されます。
oakcli delete vmtemplate my0l6u_15gb3
ODA_BASEで稼働しているOracle Databaseソフトウェアとは無関係のCPUでアプリケーションおよびその他のソフトウェアを実行するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームに仮想マシンをデプロイします。Oracle Appliance Managerを使用して、仮想マシンを作成および管理します(仮想マシンの起動および停止、GUIアクセスのためのコンソールのオープンを含みます)。
注意: VNCセッションを使用して、仮想マシンのGUIコンソールを開くことができます。 |
インポートしたテンプレート(またはアセンブリ)から、または既存の仮想マシンから(「クローン」の)仮想マシンを作成します。前者の場合、使用している仮想マシンを、テンプレートまたはアセンブリの内容の完全なクローンにすることも、仮想マシンの定義のメタデータのみを含むスナップ・クローンにすることもできます。後者の場合、既存の仮想マシンのすべてのコピーが、完全な仮想マシンまたはスナップ・クローンのいずれかのスナップ・クローンである必要があります。
仮想ディスクをアタッチした仮想マシンをクローニングできます。そのような場合、仮想マシンのクローンには、ローカルでアタッチされた仮想ディスクの内容が含まれますが、共有モードでアタッチされた仮想ディスクの内容は含まれません。必要に応じて、別の手順で、クローニングされた仮想マシンによって必要とされる仮想ディスクをクローニングします。
注意: スナップ・クローンの作成は、テンプレートまたはアセンブリ全体のクローニングと比較して、非常に高速な処理です。ただし、スナップ・クローンの内容を更新する場合、システムでは、クローン用の追加の記憶域が取得され、変更が共有仮想ディスクで行われないかぎり、元の内容および変更された内容が保持されます。 |
ローカル・リポジトリを使用している場合を除き、仮想マシンの高可用性オプションを設定できます。これらには、デフォルトで仮想マシンを起動する必要があるノードと、仮想マシンが他のノードにフェイルオーバーする必要があるかどうかの指定が含まれます。フェイルオーバーは、仮想マシンがすでに稼働しているノードに障害が発生した場合や仮想マシンが起動しようとしたときに優先ノードが使用不可能である場合に発生する可能性があります。
アクティブな仮想マシンを再構成することは可能ですが、変更は仮想マシンを停止して再起動するまで有効になりません。すべての仮想マシンの概要情報や、単一仮想マシンの構成に関する詳細情報も表示できます。特定の仮想マシンが不要になった場合は、記憶域を回復するために仮想マシンを削除します。
仮想マシンの管理に使用するコマンドの詳細は、「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンの管理」を参照してください。
1年を通して重要な期間、1日のほとんどの時間および1週間のほとんどの曜日に中断されることのないコンピューティング・サービスを提供するために、可用性の高いシステムが設計されています。信頼性、リカバリ可能性、タイムリなエラー検出および継続的な操作は、高可用性ソリューションの主な特性です。高可用性の2つの重要な要素は、自動再起動とフェイルオーバーです。
自動再起動
仮想マシンは、ハードウェア障害またはソフトウェア障害の後に、またはデータベース・ホスト・コンピュータが再起動されたときに、自動的に再起動されます。oakcli configure vm
コマンドを使用し、-prefnode
パラメータを設定して優先ノードで仮想マシンを起動できます。
フェイルオーバー
フェイルオーバーにより、計画外のノード障害が発生したときに、手動操作なしに仮想マシンを他のノードで再起動できます。oakcli configure vm
コマンドとともに-failover
パラメータを使用することで、仮想マシンをあるノードから別のノードにフェイルオーバーできます。
Oracle Appliance Managerのコマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでユーザー・ドメイン仮想マシンを作成および管理します。(この項で後述する例7と同様のコマンドで仮想マシンを構成してから)コマンドラインを使用するか、またはOracle Appliance Managerで開いたGUI VMコンソールを使用して、アクティブな仮想マシンにアクセスします。
Oracle Appliance Managerのコマンドは次のタスクに使用します。
新規仮想マシンのイメージの作成
oakcli clone vm
コマンドを使用して、Oracle Database Applianceに新規仮想マシンのイメージを作成します。デフォルトでは、このイメージは、テンプレートまたはクローニングする仮想マシンからコンテンツおよび構成情報を継承し、ソースと同じリポジトリに格納されます。構成メタデータのみを含むスナップ・クローンを作成するには、oakcli clone
コマンドに-snap
句を指定します。
仮想マシンにローカル・リポジトリを使用している場合を除き、oakcli clone
コマンドに-node
句を指定して、クローニング・プロセスを実行する必要があるノードを指定します。スナップ・クローンを作成するには、oakcli clone
コマンドに-snap
句を指定します。
仮想マシン構成の表示および変更
仮想マシン・イメージの現在の構成を参照するには、Oracle Appliance Managerのoakcli show vm
コマンドを使用します。高可用性オプションを設定するなど、構成を変更する必要がある場合は、Oracle Appliance Managerのoakcli configure vm
コマンドを実行します。
注意: CPUの容量は、(-cpupool パラメータで)仮想マシンに割り当てられるCPUプールによって、または-cpupool パラメータを指定せずに仮想マシンが構成されている場合はdefault_unpinned_poolによって制御されます。 |
注意: 現在稼働している仮想マシンを再構成した場合、変更は仮想マシンを停止して再起動するまで有効になりません。 |
仮想マシンの起動および停止
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを起動する準備ができたら、Oracle Appliance Managerのoakcli start vm
コマンドを実行します。同様に仮想マシンを停止するには、oakcli stop vm
コマンドを実行します。
アクティブな仮想マシンへのメッセージの送信
新しいOracle Virtual Machineのテンプレートには、初回起動時のインストール構成に関するメッセージング・インタフェースを提供するユーティリティである、Oracle VM Guest Additions (ovmd)が含まれます。このようなメッセージをOracle Database Applianceプラットフォーム上の仮想マシンに送信するには、-sパラメータを指定して
oakcli modify vm
コマンドを使用します(パラメータの引数は、一重引用符または二重引用符で囲まれたパラメータのリストです)。このリストの要素はキーと値のペアで、キーと値はコロンで区切られ、各ペアはセミコロンで区切られます。次の例には、2つの値ペアが含まれています。
oakcli modify vm vmo16u3 -s 'com.oracle.linux.network.device.0:eth0;com.oracle.linux.network.ipaddr.0:192.1.2.18'
関連項目: ovmdおよびOracle VM Guest Additionsの詳細は、Oracle VMユーティリティ(for x86)に関するガイドのOracle VM Guest Additionsの使用に関する項を参照してください。 |
アクティブな仮想マシンへのアクセス
アクティブな仮想マシンのGUI仮想マシン・コンソールを開くには、Oracle Appliance Managerのoakcli show vmconsole
コマンドを実行します。コンソールが正しく表示されない場合は、コンソールを閉じ、DISPLAY環境変数をモニターに適した値に設定した後、oakcli show vmconsole
コマンドを再実行します。
ご使用の仮想マシンを構成して(oakcli modify vm
コマンドで-s
パラメータを指定します)、仮想マシンのコンソールからではなくOracle Database Applianceコマンドラインからのアクセスを許可することもできます。
リポジトリ内の仮想マシンの一覧表示
Oracle Appliance Managerのoakcli show vm
コマンドを使用して、既存の仮想マシンのリストを、それぞれの基本情報も含めて表示します。
仮想マシンへの仮想ディスクの追加または仮想マシンからの仮想ディスクの削除
oakcli modify vm
virtual_machine_name
コマンドを使用して仮想ディスクを指定する-attachvdisk
または-detachvdisk
句を指定し、仮想ディスクを追加または削除します。
仮想マシンのリポジトリからの削除
Oracle Appliance Managerのoakcli delete vm
コマンドを使用して、不要な仮想マシンを削除します。
この項で説明されている仮想マシンを管理するためのコマンドの例は、「Oracle Appliance Managerの仮想マシン・コマンドの例」を参照してください。
ライブ・マイグレーションは、仮想マシンで実行しているクライアントやアプリケーションを切断することなく、稼働している仮想マシンを別の物理マシンに移動するプロセスを指します。仮想マシンのメモリー、記憶域およびネットワーク接続は、元のホスト・マシンから移動先に転送されます。
要件
仮想マシンが共有リポジトリ上にあり、両方のノード上でリポジトリがオンラインである必要があります。
仮想マシンが動作している必要があります。
移行が成功するためには、宛先ホストに必要なリソース(メモリー、CPUなど)が存在する必要があります。
宛先ホストには、移行する仮想マシンのCPUプールと同名のCPUプールが必要です。
現在実行しているノードから別のノードへの仮想マシンの移行
現在実行しているノードから別のノードに仮想マシンを移行するには、oakcli migrate vm <vmname>
コマンドを使用します。vnameは、移行する仮想マシンの名前です。
このコマンドを実行する場合は、仮想マシンがオンラインで通信し、両方のノードの共有リポジトリがオンラインである必要があります。仮想マシンが移行の過程にある場合、OAKCLIでは仮想マシンの状態が「MIGRATING」と表示されます。
このコマンドでは、myol15u_test
という名前の完全な仮想マシン・イメージが、ノード0の共有リポジトリshrepo
内に格納されているmyol15u
という名前の仮想マシン・テンプレートから作成されます。
oakcli clone vm myol15u_test -vmtemplate myol5u -repo shrepo -node 1
このコマンドでは、myol15u_snap
という名前のスナップ・クローンが、myol15u
という名前の仮想マシン・テンプレートから作成されます。
oakcli clone vm myol15u_snap -vmtemplate myol5u -snap
このコマンドでは、myol15u_test1
という名前のスナップ・クローンが、myol15u_test
という名前の仮想マシン・テンプレートから作成されます。
oakcli clone vm myol15u_test1 -vm myol5u_test1 -snap
このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンで特定のリソースに値が設定されます。
起動時に仮想マシンに割り当てられるCPUの数(vcpu)
CPUアクセスの優先度(cpuprio)
仮想マシンに割り当てられるCPUの容量の最大比率(cpucap)
仮想マシンの起動時に割り当てられるメモリー容量(memory)
仮想マシンに割り当てられるCPUプール(cpupool)
仮想マシンのアクセスに使用するキーボード・タイプの定義(keyboard)
仮想マシンのアクセスに使用するマウス・タイプの定義(mouse)
これらの値は、この仮想マシンの導出元となった仮想テンプレートのこれらと同じパラメータに割り当てられた値に優先します。仮想マシンは、親テンプレートまたは構成コマンドのいずれにも定義されていないパラメータにデフォルト値を使用します。
oakcli configure vm myol5u_test -vcpu 2 -cpuprio 150 -cpucap 20 -memory 1G -cpupool linpool -keyboard en-us -mouse USB_MOUSE
注意: CPUの容量は、-cpupool パラメータで仮想マシンに割り当てられるCPUプールによって、または(-cpupool パラメータで仮想マシンが構成されていない場合は)、default_unpinned_poolによって制御されます。-vcpu パラメータと-maxcpu パラメータの値が割当済のCPUプール内のCPUの数より大きい場合は無視されます。 |
このコマンドでは、各仮想マシンの名前、リポジトリおよび現在の状態(オンラインまたはオフライン)が表示されます。出力には、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームによって各仮想マシンに割り当てられるデフォルトのCPUの数およびメモリー容量も含まれます。
oakcli show vm
このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンの定義が表示されます。出力には、すべての構成可能なパラメータの現在の値が、仮想マシンの自動起動設定などの追加情報とともに含まれます。
oakcli show vmtemplate myol5u_test
このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンが起動します。
oakcli start vm myol5u_test
このコマンドでは、myol5u_testという名前のアクティブな仮想マシンに対するGUI VMコンソール・ウィンドウが開きます。
oakcli show vmconsole myol5u_test
注意: oakcli show vmconsole コマンドが正しく機能するには、DISPLAY環境変数の有効な定義が必要です。 |
次の一連のコマンドは、eth0インタフェースにIPアドレス192.168.16.51を設定して仮想マシンvmol6u3 (ovmdあり)を構成し、password123a
にroot
パスワードを設定します。
oakcli clone vm vmol6u3 -vmtemplate ol6u3 -repo shrepo -node 0 oakcli modify vm vmol6u3 -addnetwork priv1 oakcli start vm vmol6u3 oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.device.0:eth0' oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.onboot.0:yes' oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.bootproto.0:static' oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.ipaddr.0:192.168.16.51' oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.netmask.0:255.255.255.0' oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.root-password:password123'
このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンにsdisk1という名前の仮想ディスクが追加されます。
oakcli modify vm myol5u_test -attachvdisk sdisk1
このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンが停止します。
oakcli stop vm myol5u_test
このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンがOracle Database Appliance仮想化プラットフォームから削除されます。
oakcli delete vm my0l5u_test
ワークロードを分離するには、CPUプールを作成して特定のCPUプールに仮想マシンを割り当て(ピン留め)ます。CPUプールに仮想マシンをピン留めする場合は、仮想マシンがそのプールのCPUのみを使用するようにします。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームを構成すると、default-unpinned-poolが各ノードに作成されます。このプールのサイズは、次のようにハードウェア・モデルによって異なります。
Oracle Database Appliance X5-2仮想化プラットフォーム: default-unpinned-poolには72個のCPUが含まれます。
Oracle Database Appliance X4-2仮想化プラットフォーム: default-unpinned-poolには48個のCPUが含まれます。
Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォーム: default-unpinned-poolには32個のCPUが含まれます。
Oracle Database Applianceバージョン1仮想化プラットフォーム: default-unpinned-poolには24個のCPUが含まれます。
ODA_BASEドメインを作成すると、odaBaseCpuPoolという名前の新規CPUプールが両方のノードに作成され、必要なCPUがdefault-unpinned-poolから削除されます。ODA_BASEは、odaBaseCpuPoolのCPUを使用できる唯一のドメインです。他の仮想マシンは起動されると、他の仮想マシンで実行される作業からODA_BASEを効率的にdefault-unpinned-poolに残されたCPUで稼働します。
CPUプールを追加で作成して、仮想マシンのグループをケージすることもできます。これらの追加プールを使用すると、1つ以上の仮想マシンを独自のCPUプールにピン留めできます。特定のCPUプールで稼働している仮想マシンは、他のCPUプールで稼働している仮想マシンとCPUサイクルを共有しません。CPUプールは必要な数だけ定義できます(上限はシステムの使用可能なCPUの数です)。
アプリケーション要件が時間とともに変化する場合は、必要に応じてCPUプールをサイズ変更、追加または削除します。ODA_BASEは必要に応じてサイズ変更しますが、この場合はOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ライセンスも更新する特別なコマンドが必要になります。詳細は「ODA_BASEのサイズ変更」を参照してください。
次のoakcli show cpupool
コマンドでノードごとに示しているように、各ノードのCPUプールは同じサイズでなくてもかまいません。
oakcli show cpupool -node 0 Pool Cpu List default-unpinned-pool [14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 2 1, 22, 23] twocpu [12, 13] odaBaseCpuPool [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11]
oakcli show cpupool -node 1 Pool Cpu List default-unpinned-pool [12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 1 9, 20, 21, 22, 23] odaBaseCpuPool [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10,11]
odaBaseCpuPoolではなく、CPUプールを管理するコマンドは、「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールの管理」を参照してください。
CPUプールのオーバーサブスクライブ
複数の仮想マシンを1つのCPUプールに割り当てることはできますが、CPUは1つのCPUプールにしか属することができません。CPUプールは、プール内のアクティブな仮想マシンがプールに構成された数を超えるCPUを必要とする場合、オーバーサブスクライブになります。たとえば、CPUプールに4つのCPUがある場合、それぞれ4つのCPUを使用するように定義しておいた2つの仮想マシンを起動できます。この場合、4つのCPUそれぞれが2つの仮想マシンをサポートしているため、CPUプールはオーバーサブスクライブします。同様に、これらの仮想マシンの一方を停止して2つのCPUを必要とする他方を起動した場合、CPUの2つが両方の仮想マシンをサポートしているため、依然としてCPUプールはオーバーサブスクライブします。CPUプールがオーバーサブスクライブした場合、そのプール内の仮想マシンのパフォーマンスを評価する必要があります。オーバーサブスクライブしたプールの共有によって許容できないレベルまでパフォーマンスが低下している場合は、1つ以上の仮想マシンを異なるCPUプールに再度割り当てる準備をする必要があります。
Oracle Appliance Managerのコマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの各ノードでCPUプールを管理します。
CPUプールに対して実行できるアクションは、次のとおりです。
Oracle Appliance Managerのoakcli create cpupool
コマンドを使用したCPUプールの追加作成。
Oracle Appliance Managerのoakcli configure cpupool
コマンドを使用したCPUプールに割り当てられるCPUの数の変更。
Oracle Appliance Managerのoakcli show cpupool
コマンドを使用した既存のCPUプールの調査。
Oracle Appliance Managerのoakcli configure vmコマンドの-cpupool
オプションを使用した特定のCPUプールへの仮想マシンのピン留め。複数の仮想マシンを同じCPUプールにピン留めできます。
この項で説明されているコマンドの例は、「Oracle Appliance ManagerのCPUプール管理コマンドの例」を参照してください。
このコマンドでは、4つのCPUが含まれるwinpoolという名前のCPUプールがノード0に作成されます。
oakcli create cpupool winpool -numcpu 4 -node 0
このコマンドでは、ノード1のlinpoolという名前のCPUプールに割り当てられるCPUの数が変更されます。コマンド実行後、新しいCPUの数は6になります。
oakcli configure cpupool linpool -numcpu 6 -node 1
このコマンドでは、ノード0で各定義済CPUプールに割り当てられているCPUが表示されます。また、各CPUプールに割り当てられている仮想マシンがあれば、それも示されます。
oakcli show cpupool -node 0
このコマンドでは、wintestという名前の仮想マシンがwinpoolという名前のCPUプールにピン留めされます。
oakcli configure vm wintest -cpupool winpool
注意: oakcli cpupool コマンドを使用してodaBaseCpuPoolを管理しないでください。かわりに、「ODA_BASEのサイズ変更」で説明されているように、ODA_BASEを構成するコマンドを使用する必要があります。 |
仮想マシンにアクセスするネットワークを指定するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャ・コンポーネントを使用します。この項では、これらのインフラストラクチャ・コンポーネントについて説明します。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、すべてのネットワークにボンドおよびブリッジを事前に作成して、上位レベルのネットワーク・インフラストラクチャ・コンポーネントをすべて管理します。仮想マシンにアクセスするためのフロント・エンド・ポイントは、Dom0に定義されたブリッジの1つになります。
次の各表に、デフォルト・ネットワーク・インタフェースをハードウェア別に分類して示します。
表3-1および表3-2には、ストレージ・シェルフがあるシステム上のOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデフォルト・ネットワーク・インタフェースを示します。
表3-3には、ストレージ・シェルフがないシステム上のOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデフォルト・ネットワーク・インタフェースを示します。
いずれの場合も、ユーザー・ドメインへの接続は、選択したインタフェースを介して行われます。
表3-1 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデュアル・ポート10-GbEネットワーク・インタフェース
Dom0でのインタフェース | Dom0でのボンド・デバイス | Dom0のブリッジ | ODA_BASEドメインのインタフェース |
---|---|---|---|
|
icbond0 |
priv1 |
eth0 |
表3-2 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのオンボード・クアッド・ポート10-GbEネットワーク・インタフェース
Dom0でのインタフェース | Dom0でのボンド・デバイス | Dom0のブリッジ | ODA_BASEドメインのインタフェース |
---|---|---|---|
|
bond0 |
net1 |
eth1 |
|
bond1 |
net2 |
eth2 |
注意: ファイバー・パブリック・ネットワーク接続を定義すると、PCIeボードにbond0が構成されます。 |
表3-3 Oracle Database Applianceバージョン1仮想化プラットフォームのネットワーク・インタフェース
タイプ | Dom0でのインタフェース | Dom0でのボンド・デバイス | Dom0のブリッジ | ODA_BASEドメインのインタフェース |
---|---|---|---|---|
プライベート |
eth0 eth1 |
bond0 |
priv1 |
eth0 |
オンボード・パブリック |
eth2 eth3 |
bond1 |
net1 |
eth1 |
第1ペア・クアッド・ポート |
eth4 eth5 |
bond2 |
net2 |
eth2 |
第2ペア・クアッド・ポート |
eth6 eth7 |
bond3 |
net3 |
eth3 |
eth8 eth9 |
xbond0 |
net4 |
eth4 |
注意: ファイバー・パブリック・ネットワーク接続を定義すると、PCIeボードにbond0が構成されます。 |
仮想マシンの構成時に、関連ブリッジを指定して、仮想マシンが使用するネットワークを定義します。たとえば、myvm1
という名前の仮想マシンをnet1ネットワークに接続するには、次のコマンドを使用します。
oakcli modify vm myvm1 -addnetwork net1
図3-3は、前述の情報に基づいた一般的なOracle Database Appliance構成を示しています。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのOracleソフトウェアのインストールおよび構成中に、ODA_BASEにデフォルトの仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)を割り当てることができます。図3-4「仮想ローカル・エリア・ネットワークを使用するOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム」では、VLANを使用した標準的なOracle Database Appliance構成を示します。数字は図3-3と同じ構成を示していますが、バックアップ用(backup)、アプリケーション用(application)および管理用(mgnt)の3つのタグ付きVLANが追加されています。
図3-4 仮想ローカル・エリア・ネットワークを使用するOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム
次の項「ユーザー・ドメインおよびODA_BASEでの仮想ローカル・エリア・ネットワークの管理」では、ODA_BASEおよびユーザー・ドメインでの新規VLANの作成方法または既存VLANの削除方法についてそれぞれ説明します。
VLANは、Oracle Appliance Managerのコマンド(詳細は第4章「Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェース」を参照)を使用して管理します。ユーザー・ドメインのVLANを管理するにはODA_BASEにログインし、ODA_BASEのVLANを管理するにはDom0にログインします。この項の例では、sample10という名前のVLANを使用します。
注意: Oracle Database ApplianceまたはOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデプロイ前にのみ、Dom0からVLANを作成できます。 |
VLANを作成するには、oakcli create vlan
コマンドを使用します。VLANを作成するには、次の情報を指定する必要があります。
VLAN名。VLANの作成先のノード上で一意(ただし、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの他のノード上にあるVLAN名と同じ名前にすることは可能)。
VLANタグ番号。2から4096 (境界値を含む)の値で、VLANの作成先のノード上で一意(ただし、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの他のノード上にあるVLANタグ番号と同じ番号にすることは可能)。
VLANを作成するインタフェースの名前。表3-2または表3-3の「Bond Devices at Dom0」列で、ハードウェアで使用可能なインタフェースを見つけてください。
VLANの作成先のノード。
注意: 必要に応じて、oakcli create vlan コマンドを2回(ノード0用に1回とノード1用に1回)発行し、両方のノードに同じVLANを作成します。 |
次の例は、ノード0でsample10 VLANを作成するための一例を示しています。
oakcli create vlan sample10 -vlanid 10 -if bond0 -node 0
警告: 共有リポジトリに作成した仮想マシンでVLANを使用する予定の場合は、両方のノードでそのVLANを作成する必要があります。仮想マシンがデフォルトで稼働しようとするノードで割り当てられたネットワークが使用不可能な場合またはフェイルオーバーの後には、仮想マシンに障害が発生します。 |
ユーザー・ドメインの仮想ローカル・エリア・ネットワークの割当ておよび削除
既存のVLANを仮想マシンに割り当てるには-addnetwork
句を指定して、仮想マシンからVLANを削除するにはa -deletenetwork
句を指定してoakcli modify vmコマンドを使用します。句にはVLAN名も指定する必要があります。
次の例では、myol5u_test仮想マシンにsample10 VLANを割り当てる方法を示します。
oakcli modify vm myol5u_test -addnetwork sample10
ODA_BASEの仮想ローカル・エリア・ネットワークの割当ておよび削除
ODA_BASEに既存のVLANを追加したり、ODA_BASEからVLANを削除するには、oakcli configure oda_base
コマンドを使用します。このコマンドでは、ODA_BASEおよびドメイン・メモリーのサイズ変更もできます。VLANの管理のみ行う場合は、現在のCPUコア数に対応する番号と現在のメモリー数を入力します。
次の例(抜粋)では、CPUコア数とデフォルトのメモリー値は変更されないままですが、ODA_BASEにtest01 VLANが割り当てられます。現在のCPUコア数6は、コア・ライセンス・オプションの値リストの選択番号3に対応しています。
# oakcli configure oda_base Core Licensing Options: 1. 2 CPU Cores 2. 4 CPU Cores 3. 6 CPU Cores 4. 8 CPU Cores 5. 10 CPU Cores 6. 12 CPU Cores Current CPU Cores :6 Selection[1 : 6](default 12 CPU Cores) : 3 ODA base domain memory in GB(min 8, max 88)(Current Memory 48G)[default 64] : 48 INFO: Using default memory size i.e. 64 GB Additional vlan networks to be assigned to oda_base? (y/n) [n]: y Select the network to assign (test00,test01,test02,test03): test01 Additional vlan networks to be assigned to oda_base? (y/n) [n]: Vlan network to be removed from oda_base (y/n) [n]: INFO: . . .
仮想ローカル・エリア・ネットワークの表示および削除
ODA_BASEに現在存在するVLANを表示するには、oakcli show vlan
コマンドを実行します。次の例では、前述の例で使用したsample10 VLAN以外に多数のVLANが表示されています。
oakcli show vlan NAME ID INTERFACE NODENUM net1 1 bond0 0 net1 1 bond0 1 net2 1 bond1 0 net2 1 bond1 1 net3 2 bond1 0 net3 4 bond0 1 net10 20 bond1 0 net10 20 bond1 1
ノードから不要なVLANを削除するには、oakcli delete vlan
コマンドでVLAN名と当該ノード番号を指定します。次のコマンドでは、前述のoakcli create vlan
の例で割り当てられたノード0からsample10 VLANが削除されます。
oakcli delete vlan sample10 -node 0
インストール済のOracleデータベースの演算能力またはメモリーを増強する必要がある場合、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでODA_BASEドメインに割り当てられているCPUコアの数を増やします。または、仮想マシン・ドメインに割り当てられるCPUを増やす必要がある場合はCPUコアを減らします。各ノードの割当て済CPUコア数は、2または2の倍数ずつ増減する必要があります。
『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』の付録Aのガイドラインに従って、テンプレートを使用して、ODA_BASEにデプロイするデータベースをサイズ設定することをお薦めします。その付録の表を使用して、これらのデータベースに必要なCPUの数を合計し、その値を2で割ると、ODA_BASEに必要なCPUコアの数を判断できます。
ODA_BASEのコア数の変更は、Oracleデータベースで重要なアクティビティが実行されていないときに予定します。これは、サイズ変更プロセス中、ODA_BASEドメインが停止するためです。続行する準備ができたら、次の手順を実行します。
Dom0にログオンし、次の例に示すようにoakcli configure oda_base
コマンドを実行します。ODA_BASEのCPUコア数が6から8に変更されます。
# oakcli configure oda_base Core Licensing Options: 1. 2 CPU Cores 2. 4 CPU Cores 3. 6 CPU Cores 4. 8 CPU Cores 5. 10 CPU Cores 6. 12 CPU Cores Current CPU Cores :6 Selection[1 : 6](default 12 CPU Cores) : 10 ODA base domain memory in GB(min 8, max 88)(Current Memory 64G)[default 32] : INFO: Using default memory size i.e. 32 GB Additional vlan networks to be assigned to oda_base? (y/n) [n]:
Vlan network to be removed from oda_base (y/n) [n] INFO: Node 0:Configured oda base pool INFO: Node 1:Configured oda base pool INFO: Node 0:ODA Base configured with new memory INFO: Node 0:ODA Base configured with new vcpus INFO: Changes will be incorporated after the domain is restarted on Node 0 INFO: Node 1:ODA Base configured with new memory INFO: Node 1:ODA Base configured with new vcpus INFO: Changes will be incorporated after the domain is restarted on Node 1
コマンドの出力に示されるアクションを実行します。前の例で示したバージョンのように、すべてのバージョンのソフトウェアで、ODA_BASEを再起動する前に追加のアクションが要求されるわけではありません。
両方のノードのDom0で次のrestartコマンドを実行し、ドメインを再起動してODA_BASEの変更後の構成を実装します。
oakcli restart oda_base