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Oracle Enterprise Pack for Eclipse Oracle Mobile Application Framework (OEPE Edition)でのモバイル・アプリケーションの開発
リリース2.1.3
E67371-01
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17 Oracle Cloudサービスの使用

この章では、モバイル・サービスおよびモバイル・アプリケーションを開発するために、Oracle Mobile Cloud Serviceに接続して使用する方法について説明します。また、Oracle Java Cloud Serviceでホストされるデータへのモバイル・アプリケーションによるアクセス方法についても説明します

この章の内容は次のとおりです。

17.1 Oracle Cloudサービスの使用の概要

OEPEを使用してOracle Cloudサービスを操作できます。

  • Oracle Mobile Cloud Serviceでは、特定のセットのアプリケーションをサポートするように設計されているAPIのグループ化を開発およびデプロイできます。

  • また、Oracle CloudでホストされているSOAP Webサービスにモバイル・アプリケーションでアクセスできます。

17.2 MCSの使用の概要

Oracle Mobile Cloud Serviceでは、特定のセットのアプリケーションをサポートするように設計されているAPIのグループ化を開発およびデプロイできます。これらのAPIは、MCSモバイル・バックエンドで使用できます。モバイル・バックエンドに関連付けるモバイル・アプリケーションを開発して、これらのAPIにアクセスできます。

図17-1に、Oracle Mobile Cloud Serviceの全体のアーキテクチャと、モバイル・アプリケーションおよびエンタープライズ・サービスでどのように機能するかを示します。

図17-1 MCSアーキテクチャ

この図は周囲のテキストで説明しています

MCSのモバイル・バックエンドには、プラットフォームAPI、カスタムAPIおよび接続(RESTやSOAPなど)が含まれます。

MCSの詳細は、http://cloud.oracle.com/mobileを参照してください

17.2.1 MCSの開始

OEPEにより、MCSバックエンドで提供されるサービスを使用するモバイル・アプリケーションを作成できます。

Oracle Cloudサービスにサインインする前に、資格証明(ユーザー名、パスワードおよびアイデンティティ・ドメイン)を定義するユーザー・アカウントとサービスのアクセス権限が必要です。

Oracle Cloudサービスのトライアル・サブスクリプションのリクエストおよびOracle Cloudサービスのサブスクリプションの購入の詳細は、『Oracle Cloudスタート・ガイド』を参照してください。

Oracle Cloudサービスがアクティブ化されると、指定した管理者にサインイン資格証明とURLが送信されます。管理者は、サービスへのアクセスが必要なユーザーごとにアカウントを作成します。電子メールを確認するか、アカウント資格証明およびサービスURLを管理者に問い合せます。

MCSのサブスクリプションがある場合は、Oracle Enterprise Pack for Eclipseのユーザーズ・ガイドのOracle Cloudサービスの統合に関する項の手順に従い、MCSへの接続を作成します。

17.2.1.1 MAFアプリケーションでのMCSサービスの使用

MCSに作成されたサービスを使用してモバイル・アプリケーションを構築できます。

この場合、通常使用するMCS APIには次のものが含まれます。

  • 次のツールAPI:

    • アセット・カタログ(API、API実装、モバイル・バックエンド、コネクタ用)

    • 通知

    • モバイルAPIテスト起動用のUIツール

    • ロール、ユーザー名のユーザー管理(サービスのテストに使用)

  • 接続API(カスタム・コードからアクセス)

  • カスタム・コードからの通知を統合するためのシステムAPI

実行手順は次のとおりです。

  1. 使用するAPIを検索します。

  2. APIを実装します。

    1. scaffoldingをダウンロードします。

    2. Javascriptファイルを解凍し、OEPEで開きます。

    3. Javascriptファイルのメソッドを編集して、エンドポイントをOEPEに実装します。

      使用するカスタム・コードに使用可能なコネクタを取得します。

      カスタム・コード内の統合用の通知APIを取得します。

    4. scaffoldingを再圧縮し、サービスの実装にアップロードします。

  3. モバイル・バックエンドおよびバックエンド・バージョンを選択して、IDEからAPIエンドポイントをテストします。未認証アクセスを許可するようにAPIが設定されていないかぎり、ユーザー名とパスワードを使用する必要があります。

17.2.1.2 MCSモバイル・サービスのモバイル・クライアントの開発

MCSバックエンドで提供されるサービスを使用するモバイル・アプリケーションを作成できます。

  • 次のツールAPI:

    • アセット・カタログ(API、ポリシー、通知用)

    • 記憶域

    • モバイルAPIテスト起動用のUIツール

    • ロール、ユーザー名のユーザー管理(サービスのテストに使用)

  • 記憶域収集用のプラットフォームAPI

  • カスタマによってMCSに定義されているサービスのランタイムURLのカスタムAPI

実行手順は次のとおりです。

  1. MCSで認証します。

  2. Mobile Cloud Service SDKをダウンロードして、プロジェクトを開始します。

  3. 使用するモバイル・バックエンドを検索します。

  4. URL情報、およびRAMLまたはSwagger記述のいずれかを含む、モバイル・バックエンドに選択したAPIを取得します。

  5. モバイル・バックエンドの記憶域収集を取得します。

  6. REST APIおよびモバイル・クライアントのJavaクライアントを開発します。

  7. OEPEでJavaクライアントをテストします。未認証アクセスを許可するようにAPIが設定されていないかぎり、ユーザー名とパスワードを使用する必要があります

  8. モバイル・クライアントを実行およびテストします。

17.2.1.3 モバイル・バックエンドの使用

APIを含むモバイル・アプリケーションのリソースは、モバイル・バックエンドと呼ばれるコンテナに格納されます。モバイル・バックエンド内で、モバイル・バックエンドにアクセスできるアプリケーションを登録し、これらのアプリケーションに使用可能にするPAIを選択します。

複数のバックエンドが使用可能で、それぞれアプリケーションのセットが提供されます。その他にも、複数のバックエンドで使用されるAPIを使用できます。

アプリケーションがMCS経由でAPIにアクセスすると、常にモバイル・バックエンドのコンテキストに存在します。アプリケーションは、モバイル・バックエンドの資格証明および、ユーザー名とパスワード(または匿名アクセス・キー)で認証します。コールされたAPIに、バックエンド内の他のAPIへのコールが含まれている場合、コール元のアイデンティティおよび資格証明はコールのチェーンを通して伝播されます。

モバイル・バックエンドの詳細およびOracle Mobile Cloud Serviceをプラットフォームとして使用する方法の詳細は、『Oracle Mobile Cloud Serviceの使用』のOracle Mobile Cloud Serviceの使用に関する項を参照してください

17.2.1.4 REST APIのインポート

REST APIを使用するには、RAML定義をMCS APIからインポートする必要があります。このためには2つの方法があります。

  • 「Oracle Cloud」ビューの接続から。

  • RESTサービス・エディタを使用。

始める前に:

「Oracle Cloud」ビューではOEPEからMCSの接続が必要です。

17.2.1.4.1 「Oracle Cloud」ビューからのREST APIのインポート

定義をインポートする手順:

  1. 「Oracle Cloud」ビューで、接続およびOracle Cloudサービスを展開します。

    定義をAPIからインポートするには、そのノードを展開して、対象のAPIを表示します。

    定義をMCSモバイル・バックエンドからインポートするには、図17-2に示すように、そのノードを展開し、対象のバックエンドを選択してAPIノードを表示します。

    図17-2 REST APIのインポート

    この図は周囲のテキストで説明しています
  2. 右クリックして「定義のインポート」を選択します。

    「定義のインポート」ダイアログが開きます。

  3. ウィザードのRESTサービス記述で、RESTサービス記述ファイルが作成される親フォルダを選択し、ファイル名を入力します。

  4. バックエンド情報ページで、APIに関連付けられているバックエンドを選択します。このページには、基本認証が有効になっている場合に、匿名アクセスがサポートされているかどうかが表示されます。

    APIノードからAPIを選択した場合は、APIに関連付けられているもののリストからバックエンドを選択します。

    特定のバックエンドからAPIを選択した場合、そのバックエンドが表示され、変更できません。

  5. RAMLプレビュー・ページでは、REST APIのインポート中に使用するオプションを選択できます。これには次のものがあります。

    • (APIからインポートする場合のみ) RAML定義を既存のRESTサービス記述ファイルにインポートしているときに競合が発生した場合に、使用するメソッドです。

      マージ: 既存のメソッドをRAML定義からの新しいメソッドとマージする必要がる場合に使用します。

      置換: 新しいメソッドで既存のメソッドを置き換える必要がある場合に使用します。

      作成: 既存のメソッドと競合がある場合に、新しい名前で新しいメソッドを作成する必要がある場合に使用します。

    • インポートするリソースおよびメソッド。ウィザードには、APIのRAML定義の情報から作成されたツリーが表示されます。デフォルトでは、すべてのリソースおよびメソッドが選択されます。インポートしないものの選択を解除します。

    • ベースURIを編集して、情報をconnections.xmlに格納する場合は、接続ウィザードを起動できます。接続ウィザードは、「終了」をクリックすると開きます。

      接続ウィザードには、RESTサービス記述のルート・パスを作成するために、MCS APIからフェッチされたデータが移入され、ウィザードで定義された接続が使用されます。

17.2.1.4.2 RESTサービス・エディタを使用したREST APIのインポート

RAML定義を次からインポートできます。

  • Mobile Cloud ServiceバックエンドのAPI。Oracle Mobile Cloud Serviceへの接続が必要です。

  • RAMLファイル。

RESTサービス・エディタの詳細は、第16項「RESTサービスの使用」を参照してください。

REST APIをインポートする手順:

  1. 図17-3に示すように、RESTサービス・エディタのREST APIタブで、この図は周囲のテキストで説明していますをクリックして、APIまたはデータのインポート・ダイアログを開きます。

    図17-3 RAML定義のインポート

    この図は周囲のテキストで説明しています
  2. RAML定義のソース(モバイル・バックエンドまたはRAMLファイル)を選択します。

  3. 「次へ」をクリックしてウィザードを完了します。

    • モバイル・バックエンド。

      バックエンド情報ページで、APIに関連付けられているバックエンドを選択します。このページには、基本認証が有効になっている場合に、匿名アクセスがサポートされているかどうかが表示されます。

      APIノードからAPIを選択した場合は、APIに関連付けられているもののリストからバックエンドを選択します。

      特定のバックエンドからAPIを選択した場合、そのバックエンドが表示され、変更できません。

    • RAMLファイル。RAML定義を含むファイルをファイル・システムから選択します。

  4. RAMLプレビュー・ページでは、REST APIのインポート中に使用するオプションを選択できます。これには次のものがあります。

    • RAML定義を既存のRESTサービス記述ファイルにインポートしているときに競合が発生した場合に、使用するメソッドです。

      マージ: 既存のメソッドをRAML定義からの新しいメソッドとマージする必要がる場合に使用します。

      置換: 新しいメソッドで既存のメソッドを置き換える必要がある場合に使用します。

      作成: 既存のメソッドと競合がある場合に、新しい名前で新しいメソッドを作成する必要がある場合に使用します。

    • インポートするリソースおよびメソッド。ウィザードには、APIのRAML定義の情報から作成されたツリーが表示されます。デフォルトでは、すべてのリソースおよびメソッドが選択されます。インポートしないものの選択を解除します。

    • ベースURIを編集して、情報をconnections.xmlに格納する場合は、接続ウィザードを起動できます。接続ウィザードは、「終了」をクリックすると開きます。

      接続ウィザードには、RESTサービス記述のルート・パスを作成するために、MCS APIからフェッチされたデータが移入され、ウィザードで定義された接続が使用されます。

17.3 Oracle Cloudでホストされるデータへのモバイル・アプリケーションによるアクセスの有効化

モバイル・アプリケーションは、Oracle CloudでホストされるSOAP Webサービスにアクセスできます。ホストされているSOAP Webサービスへのアクセスを有効にするには、第15.2項「SOAPを使用したWebサービス・データ・コントロールの作成」で説明するように、Webデータ・サービス・コントロールを作成します。Webサービス・データ・コントロールを作成することで、RESTful Webサービスへのアクセスを有効にできます。コンテンツ・タイプにより、第12.3.2項「MAF AMXページへのUIコンポーネントおよびデータ・コントロールの追加方法」の説明に従い、データ・コントロールをドラッグしてMAF AMXユーザー・インタフェースにドロップするか、コンテンツがリモートWebサーバーまたはローカルに格納されたHTMLファイルのいずれかから配信されるアプリケーションの場合はプログラムによって、モバイル・アプリケーションによるクラウド・データへのアクセスが可能になります。

17.3.1 Oracle Cloudの認証方法

「MAFログイン・サーバー接続」ダイアログを使用して、Oracle Cloudに対して認証するためのログイン・サーバー接続を作成します。

始める前に:

ログイン・サーバー接続に使用するOracle Cloud URLを取得します。

Oracle Cloudのエンド・ポイントを使用してログインURLを作成するには:

  1. プロジェクト・エクスプローラで、アセンブリ・プロジェクトを展開してMAFを展開し、MAFアプリケーション・エディタをダブルクリックします。

  2. エディタで、アウトラインの「セキュリティ」を選択し、デフォルト・ログイン・サーバーの横の「作成」をクリックします。

  3. 図17-4に示すように、「接続名」フィールドに接続の名前を入力することで、モバイル・ログイン・サーバー接続ダイアログの「一般オプション」ページの入力を完了します。

    図17-4 Oracle Cloudへのログインの作成

    この図は周囲のテキストで説明しています
  4. 「次へ」をクリックします。HTTP基本オプション・ページで、Oracle CloudのURLを「ログインURL」フィールドに入力します。

    「テスト」をクリックして接続をテストします。

    詳細は、第30.6.2項「ログイン・ページの指定方法」を参照してください。

17.3.2 Oracle Java CloudにアクセスするためのWebサービス・データ・コントロールの作成方法

データ・サービス・コントロールの作成ウィザードでは、ホストされたデータにアクセスするデータ・コントロールを作成できます。Oracle Java CloudにデプロイされたSOAP WebサービスのWSDL URLを使用してこのデータ・コントロールを作成します。このURLがわからない場合は、アプリケーションのコンテキスト・ルートにWebサービスのポート名および?wsdlを追加して、WSDLドキュメントへのURLを作成する必要があります。

始める前に:

Oracle Java Cloud ServiceにデプロイされているSOAP Webサービス・アプリケーションへのアクセス権を持つ必要があります。このアプリケーションは、Oracle Java Cloud Service Controlホームページにある「アプリケーション」ペインを経由して利用可能にする必要があります。さらに、図17-5のHCMMobileServiceアプリケーションで示されるように、その「ステータス」および「状態」それぞれが「↑」および「アクティブ」である必要があります。

図17-5 Java Cloud Services Controlホームページ

この図は周囲のテキストで説明しています

Webサービス・データ・コントロールを作成するには:

  1. Oracle Cloud上でホストされたWebサービスのアプリケーション・コンテキスト・ルートを次のように取得します。

    1. 「アプリケーション」ペイン(図17-5に表示)のアプリケーションをクリックして、図17-6に示されるアプリケーションのホームページに移動します。

    2. 図17-6に示すように、URLをコピーします。このURLは、WSDLドキュメントのアプリケーション・コンテキスト・ルートになります。

      図17-6 Webサービスのアプリケーション・コンテキスト・ルートのコピー

      この図は周囲のテキストで説明しています
  2. 「ファイル」「新」「その他」を選択して、「新」ダイアログを開きます。

  3. 「Oracle」「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」を展開し、「データ・コントロール」を選択して「次へ」をクリックします。

  4. 図17-7に示すように、「新規データ制御」ウィザードでプロジェクトを選択し、「Webサービス」「タイプ」として選択します。

    図17-7 データ・コントロールの作成

    この図は周囲のテキストで説明しています
  5. 図17-8に示すように、「URL」の横のこの図は周囲のテキストで説明していますをクリックして、データ・コントロール・ソース・ダイアログを開きます。

    図17-8 WSDLドキュメントのURLの入力

    この図は周囲のテキストで説明しています
  6. 「URL」フィールドで、Oracle Cloud Java Serviceにデプロイされている(さらに現在実行されている) SOAPベースのWebサービスのURLを貼り付けて「OK」をクリックし、データ・コントロール・ソース・ページで「次へ」をクリックします。

  7. ウィザードのデータ・コントロールの詳細ページで、新規データ・コントロールのIDを設定し、「次へ」をクリックします。

  8. ウィザードの「Webサービス・データ・コントロール」ページで、目的のサービスを選択し、「次へ」をクリックします。

  9. ウィザードの「サマリー」ページで、選択したオプションを確認し、「終了」をクリックします。

17.3.2.1 SOAPベースのWebサービスにおけるポリシーの構成

Oracle Cloud上で保護されるSOAPベースのWebサービスに対してポリシーを構成する必要があります。第15.6項「セキュアなWebサービスへのアクセス」の説明に従い、データ・サービス・コントロール・ポリシーの編集ダイアログを使用して、oracle/wss_http_token_over_ssl_client_policyを選択できます。この(および他の)ポリシーの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Web Services Managerを使用したWebサービスの保護とポリシーの管理の「使用する優先ポリシーの決定」および「事前定義済ポリシー」の各章を参照してください。


注意:

SOAPベースのWebサービスには、oracle/wss_http_token_over_ssl_client_policyのみがサポートされます。RESTful Webサービスでは、MAFは基本認証およびSSLポリシーをサポートしています。

17.3.3 Oracle Java Cloud Serviceにアクセスするモバイル・アプリケーションをデプロイする場合の処理

アプリケーションをデプロイすると、Webサービス・データ・コントロールの操作によって、Oracle Java Cloud Serviceインスタンス上で実行されるWebサービスからデータが取得されます。