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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド
12c (12.2.1)
E70044-01
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19 マッピングおよび空間情報の高度なオプションの構成

この章では、Oracle Business Intelligenceでマップ・ビューに対して設定できる高度な構成オプションについて説明します。

この章の内容は次のとおりです。

追加情報は、第12章「マッピングおよび空間情報の構成」を参照してください。マップ・ビューを構成する前に、次のガイドの情報を理解しておく必要があります。

19.1 MapViewerでのマップ・ビューのサポートの構成

Oracle Fusion Middleware MapViewerは、Oracle BI Enterprise Editionの一部としてインストールされ、Webアプリケーション・サーバー上でOracle BI EEと同じドメインにデプロイされます。アプリケーション・サーバーでのMapViewerのデフォルトのコンテキスト・パスは、/mapviewerです。MapViewerの管理コンソールを使用してマップ・ビューで使用するために構成する必要があります(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle MapViewerユーザーズ・ガイド』のMapViewerの構成に関する項を参照)。

MapViewer専用のリモート・インスタンスを別に構成して、マップで必要となる重い処理負荷をサポートするプロキシとしてそのインスタンスを機能させることができます。パフォーマンスがそれほど重要ではない場合は、Oracle BI EEと同じ場所に配置されている(コロケート)MapViewerインスタンスをレンダリング・エンジンとして使用できます。

MapViewerエンジンは、次の役割で使用できます。

  • コロケートMapViewer - 非プロキシ・モードとも呼ばれます。MapViewerをOracle BI EEと同じドメインに配置し、レンダリング・エンジンとして使用した場合、すべてのマップ・リソース(JavaScriptファイルやイメージなど)がそのMapViewerインスタンスからダウンロードされます。

  • リモートMapViewer - プロキシ・モードとも呼ばれます。MapViewerの独立したリモート・インタンスをレンダリング・エンジンとして構成した場合、ブラウザはそのリモート・インスタンスと通信してリソースを要求することができません。セキュリティ上の理由から、ブラウザではドメイン間のAJAX呼出しは実行できません。この制限に対処するため、すべてのリクエストがまずコロケートMapViewerに転送され、その後このMapViewerと実際のリモート・インスタンスとの通信が行われます。

    リモートMapViewerを構成する手順は次のとおりです。

    • 第19.2項「マップ・ビューの手動による構成」で説明している手順に従って、instanceconfig.xmlファイルのRemoteOracleMapViewerAbsoluteURL要素を編集します。

    • MapViewerの構成ファイルmapViewerConfig.xmlのproxy_enabled_hosts要素を編集して、リモート・サーバー上のMapViewerを指すように設定します。次に例を示します。

        <security_config>
          <proxy_enabled_hosts>http://remoteserver:9704/mapviewer</proxy_enabled_hosts>
        </security_config>
      

      mapViewerConfig.xmlファイルは次のディレクトリにあります。

      ORACLE_BI1\bifoundation\jee\mapviewer.ear\web.war\WEB_INF\conf


    注意:

    mapViewerConfig.xmlファイルを編集した場合、その編集結果は、Oracle Business Intelligenceのアップグレードまたはパッチ適用時に上書きされます。アップグレードまたはパッチの適用を行う前には、必ずmapViewerConfig.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成してください。アップグレードまたはパッチ適用操作が完了したら、バックアップされたファイルを元の場所にコピーします。ファイルをコピーしたら、マップ・ビューがOracle Business Intelligenceの分析およびダッシュボードで適切に表示されるようMapViewerのサーバーを再起動してください。

図19-1は、マップ・ビューの優先アーキテクチャを示しています。プロキシを使用したこのアーキテクチャでは、図12-1で示しているデフォルトのアーキテクチャよりもパフォーマンスが向上します。Oracle Database、またはOracle BI EEがサポートするその他のデータベースにデータを格納できます。

図19-1 マップ・ビューの優先アーキテクチャ

図19-1の説明が続きます
「図19-1 マップ・ビューの優先アーキテクチャ」の説明

19.2 マップ・ビューの手動による構成

マップ・ビューの構成には、instanceconfig.xmlファイルの様々な要素を使用します。

マップ・ビュー構成の設定を手動で編集するには:

  1. 次のinstanceconfig.xmlファイルを開いて編集します。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

  2. SpatialMapsセクションを見つけ、このセクションに次の用語を追加する必要があります。

    • ColocatedOracleMapViewerContextPath - Oracle BI EEと同じ場所にある(コロケート)MapViewerインスタンスのコンテキスト・パスを指定します。デフォルト値は/mapviewerです。

    • RemoteOracleMapViewerAbsoluteURL - リモートのMapViewerインスタンスのURLを指定します。この要素にはデフォルト値はありません。

      この要素に値が指定されていない場合、マップ・レンダリング・エンジンはコロケートMapViewerインスタンス(/mapviewerなど)であるとみなされます。この要素に値が指定されている場合は、コロケートMapViewerがリモート・サーバーに対するすべてのリクエストのプロキシとして機能します。次の例は値のサンプルです。

      <RemoteOracleMapViewerAbsoluteURL>http://remoteserver:9704/mapviewer </RemoteOracleMapViewerAbsoluteURL>
      
    • MaxRecords - マップ上の個々のレイヤーに含めることができる最大レコード数を指定します。この設定はマップ上のすべてのレイヤーに適用されるとともに、この設定によって、データ・キューブに適用されるMaxVisibleRows要素がオーバーライドされます。デフォルト値は500です。レイヤーの形式が原因でこの値を超える場合は、警告メッセージが表示されます。親要素はLayerDataLayoutです。

    • SyndicatedOracleMapViewerContextPath — マップを外部ページに埋め込む場合に使用するMapViewerインスタンスのURLを指定します。詳細と例は、第19.4項「マップを外部で使用するための構成」を参照してください。

  3. 次の例に示すように、必要な要素とその祖先要素を追加します。

    <ServerInstance>
       <SpatialMaps>
          <ColocatedOracleMapViewerContextPath>/mapviewer</ColocatedOracleMapViewerContextPath>
          <RemoteOracleMapViewerAbsoluteURL></RemoteOracleMapViewerAbsoluteURL>
          <LayerDataLayout>
            <MaxRecords>600</MaxRecords>
          </LayerDataLayout>
       </SpatialMaps>
    </ServerInstance>
    
  4. 変更内容を保存し、ファイルを閉じます。

  5. Oracle Business Intelligenceを再起動します。

19.3 マップ上へのテキストの挿入

マップのタイル・レイヤー定義に、著作権の文字列などの任意のテキストを追加できます。タイル・レイヤーが追加または削除されたときや、タイル・レイヤーが非表示になったときには、Oracle BI EEでマップ上のテキストが自動的に更新されます。また、ユーザーが概要マップを最小化したり、元のサイズに戻したり、削除したりしたときには、テキストの位置が自動的に調整されます。

図19-2は、マップ上の著作権文字列の例を示しています。文字列は画面の右下にあります。

図19-2 マップ上の著作権文字列

図19-2の説明が続きます
「図19-2 マップ上の著作権文字列」の説明

マップのタイル・レイヤー定義にテキストを挿入するには:

  1. タイル・レイヤーを作成します。

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle MapViewerユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  2. タイル・レイヤー定義を選択し、「詳細の編集/表示」ボタンをクリックして定義を編集します。

  3. 「編集」ページで、「著作権情報」フィールドに適切なテキストを入力します。

    たとえば、次のコードでは、図19-2にあるような著作権行が表示されます。

    <copyright>Map data © 2010, NAVTEQ</copyright>

  4. 送信」ボタンをクリックすると、変更内容が保存されます。

  5. 更新されたテキストがマップに表示されない場合は、ブラウザの「最新の情報に更新」ボタンをクリックして、マップの表示を更新します。

19.4 マップを外部で使用するための構成

対応する構成オプションを設定することによって、Oracle WebCenter Portalのページなどの外部ページにマップ・ビューを埋め込むことができます。独立したWebアプリケーション・サーバーにホストされているビューを埋め込むには、前の項で概説しているプロキシ・ルールに従ってください。ブラウザの制限があるため、外部ページまたはポータルと同じアプリケーション・サーバーにMapViewerインスタンスをインストールします。外部ページをホストしているWebアプリケーション・サーバーにインストールされているMapViewerインスタンスのプロキシ・コンテキスト・パスが、Oracle BI EEのコンテンツをホストしているアプリケーション・サーバーと異なる場合があります。その場合は、SyndicatedOracleMapViewerContextPath要素を設定します。Oracle BIプレゼンテーション・サービスのサーバーは、サード・パーティ・ページから送信されたリクエストを識別すると、この要素の値をチェックしてプロキシ・リクエストをどこに渡すかを判断します。

次の例では、この要素のサンプル値を示しています。

<ServerInstance>
   <SpatialMaps>
      <SyndicatedOracleMapViewerContextPath>/mapviewer</SyndicatedOracleMapViewerContextPath>
      <RemoteOracleMapViewerAbsoluteURL>http://myserver:9704/mapviewer</RemoteOracleMapViewerAbsoluteURL>
   </SpatialMaps>
</ServerInstance>