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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド
12c (12.2.1)
E70044-01
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16 Oracle BIプレゼンテーション・カタログの構成と管理

この章では、Oracle BIプレゼンテーション・カタログの構成方法および管理方法について説明するとともに、基本的なメンテナンス手順と全文検索のための構成について情報を提供します。

この章の内容は次のとおりです。

16.1 Oracle BIプレゼンテーション・カタログについて

Oracle BIプレゼンテーション・カタログは、ユーザーが、個々のファイルからなるディレクトリ構造内に作成したコンテンツを格納します。このコンテンツには、フォルダ、ショートカット、Oracle BI EEオブジェクト(分析、フィルタ、プロンプト、ダッシュボードなど)、およびOracle BI Publisherオブジェクト(レポート、テンプレートなど)が含まれます。

この項には次のトピックが含まれます:

16.1.1 カタログ内のオブジェクト

図16-1は、プレゼンテーション・サービスで表示されるカタログ内のサンプル・オブジェクトを示しています。

図16-1 プレゼンテーション・サービスでのカタログ内のサンプル・オブジェクト

図16-1の説明が続きます
「図16-1 プレゼンテーション・サービスでのカタログ内のサンプル・オブジェクト」の説明

16.1.1.1 オブジェクト名のガイドライン

カタログ内の各オブジェクトは、独自のファイルに格納されます。たとえば、Analysis 1という分析はAnalysis1という名前のファイルに格納されます。ユーザーに表示されるオブジェクト名(Analysis 1など)は、論理オブジェクト名と呼ばれます。

オブジェクト名のガイドラインは次のとおりです。

  • カタログ内のオブジェクトの論理名には、有効なUnicode文字であれば、どの文字でも使用できます。次のものは有効な論理名です。

    Hello World
    Profit / Loss
    % Sales * $ Cost ~~ $ "Expense"?
    
  • 論理オブジェクト名の長さは、256 Unicode文字以内にしてください。

    Unicodeの詳細は、第16.1.2項「カタログのファイル・システムのガイドライン」を参照してください。

  • オブジェクトの論理パス名の長さは、16,000 Unicode文字以内にしてください。

  • オブジェクトの論理パス名のディレクトリ・セグメントの数は、255セグメント以内にしてください。

    たとえば、/n1/n2/n3/n4/…./n253/n254/n255などの名前を持つディレクトリは有効ですが、/n1/n2/n3/n4/…./n254/n255/n256などの名前は無効です。

  • SOAPを使用してオブジェクトのパス名を渡す場合は、次に示す文字をエスケープする必要があります。

    Forward slash (/)
    Backward slash (\)
    Tilde (~)
    Asterisk (*)
    Question mark (?)
    

    次に示す論理パス名はすべて有効です。

    /shared/test/Hello World
    /shared/test/Profit \/ Loss
    /shared/test/% Sales \* $ Cost \~\~ $ "Expense"\?
    

    カタログ・パスを作成する際は十分に注意してください。一般的に、コードではスラッシュ(/)は常にパス・セパレータとみなされます。パス・コードに「Profit / Loss」などのオブジェクト名が含まれていないか常に確認してください。

  • SOAPを使用してカタログ検索フィルタを渡す場合は、次に示す文字をエスケープする必要があります。

    Forward slash (/)
    Backward slash (\)
    Tilde (~)
    Asterisk (*)
    Question mark (?)
    Caret (^)
    Dollar sign (?)
    

    次に示す検索フィルタはすべて有効です。

    Hello World
    Profit \/ Loss
    % Sales \* \$ Cost \~\~ \$ "Expense"\?
    

16.1.1.2 オブジェクトの属性ファイル

各オブジェクトには、対応する属性ファイルがあります。たとえば、Analysis1という分析であれば、Analysis1.atrという名前の対応する属性ファイルがあります。属性ファイルには、オブジェクトの完全な名前、アクセス制御リスト(ACL)、説明などが含まれます。カタログ内のオブジェクトにアクセスするには、ユーザーはそのオブジェクトに適したACLエントリを持っている必要があります。カタログ内のすべてのオブジェクトがACLエントリを使用します。

16.1.1.3 オブジェクトのロック・ファイル

一度に1人のユーザーのみがファイルに書き込めるようにするため、オブジェクトに書き込んでいるときにロック・ファイルが作成されます。まれに(停電の後など)、カタログ内の一時ロック・ファイルが完全に削除されないことがあります。プレゼンテーション・サービスによってそのようなロック・ファイルが検出された場合は、それを手動で削除する必要があります。

16.1.2 カタログのファイル・システムのガイドライン

この項では、ファイル・システム内でカタログのオブジェクトを使用するための次に示すガイドラインについて説明します。

16.1.2.1 カタログのユーザーの処理

カタログは、数千の同時ユーザーにスケーリングするように設計されています。このスケーリングを実現するために、カタログは次のガイドラインに従います。

  • 平均的なユーザーは、一般的にカタログから読み取るのみであり、書き込むことはほとんどありません。各ユーザーは定期的および自動的にそのユーザーの最近使用したファイルを更新していますが、各ユーザーの読取り操作は、そのユーザーの書込み操作よりもはるかに多くなっています。したがって、読取りと書込みの比率は、通常、少なくとも100対1です。

  • ロック・メカニズムによって、オブジェクトに書き込めるユーザーは一度に1人のみであることが保証されていますが、まれに、複数のユーザーが同じオブジェクトに同時に書込みを試みることがあります。遅延ロックと呼ばれる機能によって、ユーザーは、別のユーザーがオブジェクトを更新しているときでも、そのオブジェクトの読取りを続行できます。

  • 最新のファイル・システムでは、小さいファイルはディレクトリ・レコード内に直接キャッシュされるため、ディレクトリ上の情報を読み取ると同時に、すべての小さいファイルがオペレーティング・システムのメモリー・キャッシュに直接ロードされます。したがって、カタログ内のファイル、特に頻繁に読み取られる.atrメタデータ・ファイルは小さくしておくことをお薦めします。これらのメタデータ・ファイルを小さいまま保持すると、ディレクトリ内のすべての.atrファイルが一度の物理ハード・ディスクの読取りでメモリーにロードされます。「小さい」しきい値を超えるすべてのファイルで、ファイルごとに追加の物理ハード・ディスク読取りが実行され、それにより、大きいファイルごとに100%の劣化が発生することがあります。したがって、.atrファイルに任意のプロパティを格納することを検討している場合は注意してください。

  • NFSによるオブジェクトの.atrメタデータ・ファイルの読取りは、ローカル・ディスクからの直接読取りよりもはるかに遅くなります。そのため、プレゼンテーション・サービスはすべての.atrファイルを追加で内部にキャッシュします。クラスタ内の別のノードが、現在のノードがキャッシュしたデータよりも新しいデータをファイルに書き込む場合、このキャッシュは短期間で古くなる可能性があります。そのため、すべてのノードは、instanceconfig.xmlのMaxAgeMinutes要素(クラスタに対するデフォルトは5分)に従ってリフレッシュされます。このデフォルト設定は、データが古くなる可能性とパフォーマンスに関する既知の影響の間で、一般的に最良の妥協点になります。(クラスタなしの環境のデフォルトは、60分です。)

    MaxAgeMinutes要素はシステムに合せて変更できます。その親要素はCacheとCatalogAttributesです。

16.1.2.2 異機種ノードの処理

1つのクラスタ内での異機種ノードの使用を可能にするために、カタログは次のガイドラインに従います。

  • ディスク上のオブジェクトの名前の長さは最大で256バイト(64 Unicode文字)です。論理名は、256 Unicode文字に制限されています。この制限に従うために、32文字よりも大きい論理名はハッシュされます。

  • ディスク上のパスの名前の長さは最大で32KB(8,000 Unicode文字)です。論理パスは、16,000 Unicode文字までに制限されています。

  • ディスク上のすべてのパス名は、すべて小文字です。論理パス名では、大文字小文字は組み合せて使用できますが区別はされません。

  • ディスク上のパス名には特定の文字を使用できませんが、論理パス名にはすべての文字を使用できます。たとえば、Windowsシステムでは、コロン(:)などの特定の文字列は使用できません。そのため、それらの文字は標準HTMLエスケープ・シーケンスを使用してマッピングされます。たとえば、ピリオド文字(.)は%2eになります。

  • ディスク上では特定のファイル名を使用できませんが、論理オブジェクト名には制限はありません。たとえば、Windowsシステムでは、COMなどの特定のファイル名は使用できません。そのため、それらの名前は標準HTMLエスケープ・シーケンスを使用してマッピングされます。たとえば、comはco%6dになります。

16.1.2.3 様々なプラットフォーム上のカタログ・ファイルの処理

様々なプラットフォーム上のカタログ・ファイルを処理するときは、次の点に注意してください。

  • UNIXプラットフォームの場合: UNIXカーネルは、通常、ディレクトリごとに4,000を超えるサブディレクトリを配置可能にするように構成する必要があります。HashUserHomeDirectories要素の詳細は、第16.2.1項「カタログの構成設定の手動による変更」を参照してください。

  • Windowsプラットフォームの場合:

    ユーザーがMicrosoft Windowsエクスプローラなどのツールを使用してカタログ・ファイルをナビゲートする場合、c:/obi/demoなどの短いパス名に基づいたカタログ構造が好まれます。長いデフォルト・パス名は好まれず、そのようなナビゲーションはお薦めできません。

    • FATはサポートされておらず、NTFSが必須です。

    • Windowsプラットフォーム上のパフォーマンスは、1つのディレクトリに8,000個を超えるファイルが存在すると著しく低下します。各カタログ・オブジェクトには2つのファイル(データ・ファイルと.atrメタデータ・ファイル)があるため、1つのディレクトリ内に格納するカタログ・オブジェクトは4,000個以内にすることを強くお薦めします。HashUserHomeDirectories要素の詳細は、第16.2.1項「カタログの構成設定の手動による変更」を参照してください。

    • Windowsエクスプローラでは、長いパス名は適切に処理されないため、カタログの内部構造のナビゲートにはWindowsエクスプローラを使用しないことをお薦めします。ファイル・システムは32KBまでのパス名を処理でき、プレゼンテーション・サービスに悪影響を及ぼすことはありませんが、Windowsエクスプローラは約2KBを超えるパス名では使用できません。

      1つのUnicode文字に4バイト必要な場合があるため、わずか500個のUnicode文字からなるパス名でもWindowsエクスプローラを使用できないことがあります。この制限によって、プレゼンテーション・サービスが影響を受けることはありません。この制限のため、カタログはc:\mycatalog\salesなどのように最上位レベルのディレクトリに配置してください。

16.1.2.4 カタログ・ファイルの既知の問題

カタログ・ファイルを使用する際の既知の問題は次のとおりです。

  • NFSシステム全体のロックは困難ですが、プレゼンテーション・サービスは最新のバージョンで効果的なロック・メカニズムを提供しています。必要に応じて、該当するパッチを入手し、旧バージョンのOracle BI EEを更新してください。

    詳細は、第16.2.4項「カタログの検証」を参照してください。

  • サードパーティの各種FTPプログラムでは、%エスケープ・シーケンスの処理に問題があり、二重にエスケープされたファイル名に変更されることがよくあります。たとえば、sa%2epaint(論理名はSA.Paint)という名前のファイルは、誤ってsa%252epaint(論理名はSA%2ePaint)に変更されます。

    カタログに対してFTPプログラムを直接使用しないでください。かわりに、7-Zipユーティリティをダウンロードして使用し、カタログ・ファイルを圧縮して、その圧縮済ファイルをFTPプログラムを使用して転送します。

16.2 Oracle BIプレゼンテーション・カタログのメンテナンス

この項には、カタログのメンテナンスに関する次のトピックが含まれています。

16.2.1 カタログの構成設定の手動による変更

これらの設定を変更するには、instanceconfig.xmlファイルの様々な要素を使用して手動で設定を変更します。

カタログの構成設定を手動で変更するには:

  1. 次のinstanceconfig.xmlファイルを開いて編集します。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

    第A.1項「構成ファイル」の説明に従います。

  2. 次の要素を追加する必要があるCatalogセクションをみつけます。

    • HashUserHomeDirectories: ディレクトリのハッシングを指定します。カタログ・ユーザーが4,000を超える場合、または将来、超える予定がある場合は、ユーザーのホーム・ディレクトリのハッシングをオンにして、ファイル・システムの制限に対処してください。それには、HashUserHomeDirectories要素をそのデフォルト値の0から2に設定します。この要素をオンにすると、たとえば、Steveというユーザーのデフォルトのホーム・ディレクトリは/users/st/steveになります。


    注意:

    次のことに注意してください。
    • ハッシングは、最新のファイル・システム(たとえば、ext4、ZFS、ntfsなど)を使用する最新のオペレーティング・システムには通常必要ありません。ただし、ユーザー・ベースが約4,000人のユーザーを超える場合のパフォーマンスに引き続き役立つ可能性があります。

    • 作成時にカタログをハッシュすることをお薦めしますが、使用中にカタログのハッシュが必要になる場合があります。バックアップし、詳細は次のコマンドを実行します。

      UNIXの場合:

      runcat.sh -cmd rehash -help

      Windowsの場合:

      runcat.cmd -cmd rehash -help

    • 通常は、HashUserHomeDirectories要素を2より大きい値に設定しないでください。2より大きい値に設定すると、ハッシングが無効になります。

    • instanceconfig.xmlに含めるCatalog要素は1つのみにします。そうしないと、予期しない結果になることがあります。明記されていないかぎり、ほとんどのノードはXMLドキュメントに一度のみ含めます。


  3. 必要に応じて、次の例に示すように、要素とその祖先の要素を含めます。

    <ServerInstance>
    <Catalog>
        <HashUserHomeDirectories>2</HashUserHomeDirectories>
    </Catalog>
    </ServerInstance>
    
  4. 変更内容を保存し、ファイルを閉じます。

  5. プレゼンテーション・サービスを再起動します。

16.2.2 本番環境へのカタログとオブジェクトのデプロイ

次の各項の説明に従って、テスト環境から本番環境にカタログおよびシンプル・オブジェクト(権限付きダッシュボードなど)をデプロイできます。

16.2.2.1 本番環境へのカタログのデプロイ

Windows環境では、7-Zipユーティリティを使用します。他のユーティリティは使用しないでください。UNIX環境では、tape archiving (またはtar)コマンドおよびGZzipなどの圧縮ユーティリティを使用して、テスト環境のカタログ全体をアーカイブできます。これにより、本番環境で、7-Zipまたはtarを使用してファイルをアンアーカイブできます。


注意:

カタログ全体のアーカイブおよびアンアーカイブには、カタログ・マネージャは使用しないでください。

カタログに対してFTPプログラムを直接使用しないでください。


16.2.2.2 本番環境へのオブジェクトのデプロイ

テスト環境から本番環境にオブジェクト(権限付きダッシュボードなど)をデプロイできます。

本番環境にカタログ・オブジェクトをデプロイするには:

  1. (オプション)新しい本番環境にカタログ・オブジェクトをデプロイする場合。

    次のようにして、テスト環境でカタログ・オブジェクトをアーカイブし、それを本番環境でアンアーカイブします。

    1. 次のいずれかを使用して、テスト環境のカタログ・オブジェクトをアーカイブします。

    2. アーカイブ済ファイルを本番コンピュータにコピーします。

    3. 本番コンピュータで、オブジェクトをアンアーカイブします。

      オブジェクトのアンアーカイブ方法の詳細は、第16.10項「カタログ・マネージャを使用したアーカイブとアンアーカイブ」を参照してください。

    4. 必要に応じて、オブジェクトに権限を設定します。

  2. (オプション)既存の本番環境にカタログをデプロイする場合。

    次のように、新規または更新されたオブジェクトをテスト・カタログから本番カタログにコピーして貼り付けます。

    1. 2つのカタログ・マネージャ・ウィンドウ(一方はテスト・カタログ、他方は本番カタログ)を開きます。

    2. 必要なフォルダをテスト・カタログから選択してコピーし、本番カタログに貼り付けます。

      テスト環境または本番環境で同じコンテンツを変更済のフォルダをコピーして貼り付けると、テスト環境のコンテンツによって本番環境のコンテンツが上書きされます。

16.2.3 カタログ・オブジェクトの更新

より新しいバージョンのOracle Business Intelligenceにアップグレードするかパッチをインストールして、カタログでオブジェクトを使用すると、特定のオブジェクトへのアクセスが以前のリリースのように高速に実行されないことがあります。この変化は、オブジェクトが正しくアップグレードされていない場合に発生する可能性があります。更新が必要かどうかは、Fusion Middleware Controlでメトリックを表示することによって確認できます。「カタログ」フォルダで、アップグレードが必要であることを示すオブジェクトの数という説明の付いた要アップグレードというメトリックを見つけます。この数が大きい場合は、プレゼンテーション・サービスの「管理」ページを使用してカタログ内のオブジェクトを更新することにより、この問題を解決できます。

Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイド』の手順に従うことで、Oracle Business Intelligenceの新しいバージョンにアップグレードできます。このガイドのタスク5: Oracle BIリポジトリとカタログのアップグレードに関する項には、カタログ・オブジェクトのアップグレードの詳細情報、および推奨されるアップグレード方法が記載されています。この方法では、プレゼンテーション・サービスが実行されていない場合に完全なアップグレードを行います。アップグレード・プロセス中にオブジェクトのアップグレードが完全には実行されなかったことが疑われる場合は、「管理」ページを使用して、自分でオブジェクトを更新できます。この方法の利点は、プレゼンテーション・サービスを実行したまま更新を行えることにあります。

オブジェクトの更新を準備する際は、次の点に留意してください。

  • クラスタ内でマシンのローリング・アップグレードを実行している場合は、クラスタ内のすべてのマシンがアップグレードされるまで、このオプションやUpgradeAndExit構成設定は使用しないでください。

  • このオプションは、一度にクラスタ内の1つのノードでのみ使用します。

カタログ・オブジェクトを更新するには:

  1. グローバル・ヘッダーで「管理」をクリックします。

  2. 「更新が必要なカタログ・オブジェクトのスキャンおよび更新」リンクをクリックします。

  3. 「カタログ・オブジェクトの更新」をクリックして更新プロセスを開始します。

    どのオブジェクトが更新され、どのオブジェクトが更新されていないのかを確認するには、このページの他のリンクをクリックします。更新されなかったオブジェクトの詳細に関するログ・ファイルを参照できます。

16.2.4 カタログの検証

時間の経過とともに、リンクが破損する、ユーザーが削除される、NFSファイル・システムの問題が発生するなどカタログ内に非一貫性が発生することがあります。これらの非一貫性は、最終的にエージェントの受信者リストを編集できなくなるなど、不適切な動作につながることがあります。本番システムを定期的にオフラインにしてカタログを検証し、非一貫性を検出して、修正操作を実行できます。

この項では、カタログの検証に関する次の項目について説明します。

16.2.4.1 プロセス: カタログの検証

カタログの検証プロセスには、オフライン・モードでのカタログのレポートの作成や、調整または削除が必要なオブジェクトの確認があります。一部のオブジェクトは、オフライン・モードで手動で修正できます。その後、検証操作を再度実行して、不要なオブジェクトを削除することによりシステムを「クリーン」にできます。カタログの検証が終了するまで、レポートの作成、エラーの手動修正およびカタログのクリーンを繰り返します。

16.2.4.2 検証プロセスのタスク

検証プロセスでは、次のタスクを実行します。

  • カタログ内の各オブジェクトが0バイトよりも大きいことを確認します。

  • カタログ内の各項目に、対応する有効な.atrファイルがあることを確認します。

  • カタログ内の各リンクが有効であることを確認します。

  • アカウント・キャッシュ内のファイルが有効であることを確認します。

  • カタログ内のすべてのXMLオブジェクトがスキーマ検証に通ることを確認します。

  • ftpプログラムによって損傷したオブジェクト名の修復を試みます。

16.2.4.3 カタログ検証の重要なガイドライン

カタログを検証する前に、次のガイドラインに留意してください。

  • 開発環境に本番環境とは異なるセキュリティ・ストアがある場合は、開発環境でカタログを検証する際に注意する必要があります。異なるセキュリティ・ストアを使用して検証を実行すると、多くのアカウントがカタログから削除される可能性があります。

  • カタログの検証をオンにすると、すべてのACL (つまり、すべての権限と各項目の権限)が「スクラブ」されます。これは、それらからデッド・アカウントが削除され、変更されたすべての項目がディスクに書き込まれることを意味します。そのため、破損した項目を自動的に修正せずに単にレポートを作成するだけであっても、カタログが広範囲に「変更」されることがあります。

  • クラスタ環境でカタログを検証する前に、次のいずれかを実行します。

    • プレゼンテーション・サービス・クラスタを停止し、そのクラスタのカタログに対して検証を直接実行します。

    • クラスタのカタログのコピーを作成し、そのコピーに対して検証を実行します。

      7-Zipユーティリティを使用してカタログのコピーを作成する前に、プレゼンテーション・サービス・クラスタのすべてのノードを停止するか、そのクラスタのすべてのノードをメンテナンス・モードにします(推奨方法)。

      検証プロセスと同時にオンラインでカタログに行った変更は、検証には含まれません。

      カタログのバックアップが常に推奨されていますが、検証をカタログに対して直接実行することと、バックアップ・コピーに対して実行することの実際的な違いはありません。

16.2.4.4 基本的なカタログ検証の実行

カタログの基本的な検証は、非定型ベースで必要に応じて、コンテンツを開発環境から本番環境に移行する直前や、定期的(たとえば、毎月第1火曜日など)に実行できます。

カタログを検証するには:

  1. プレゼンテーション・サービスを停止します。

    詳細は、第2.4項「Fusion Middleware Controlを使用したBIシステム・コンポーネント・プロセスの起動および停止」を参照してください。

  2. 7-Zipユーティリティを使用してカタログをバックアップし、その圧縮済ファイルを作成します。

  3. 次のinstanceconfig.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成します。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

  4. instanceconfig.xmlファイルを編集し、検証を実行するために適した要素が含まれるようにします。レポートの作成およびカタログの「クリーニング」のタスクを適宜実行するための要素を設定する必要があります。

    これらの要素の詳細は、第16.2.4.5項「カタログを検証するための要素の指定」を参照してください。

  5. プレゼンテーション・サービスを起動し、instanceconfig.xmlファイルに指定した値に従って検証を実行します。

  6. instanceconfig.xmlファイルを再度編集し、検証を実行するために適した要素が含まれるようにします。レポートの作成およびカタログの「クリーニング」のタスクを適宜実行するための要素を設定する必要があります。

  7. カタログが検証されるまで、ステップ5 - 7を繰り返します。

  8. プレゼンテーション・サービスを停止します。

  9. 検証要素を追加したinstanceconfig.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成し、そのファイルの名前をinstanceconfig_validate.xmlのような名前に変更します。このようにして、後続の検証の出発点として使用するファイルのバージョンを用意します。

  10. 現行バージョンとして使用するために前に作成したinstanceconfig.xmlのバックアップ・バージョンをリストアします。

  11. プレゼンテーション・サービスを起動します。

16.2.4.5 カタログを検証するための要素の指定

カタログ検証手順の一部として、プレゼンテーション・サービスを再起動するときに検証を実行する要素をinstanceconfig.xmlファイルに含めます。次の手順は、instanceconfig.xmlファイルを編集してこれらの要素を含める方法を示しています。

カタログを検証するための要素を指定するには:

  1. 次のinstanceconfig.xmlファイルを開いて編集します。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

  2. 表16-1に記載されている要素を追加する必要があるCatalogセクションをみつけます。

  3. 次の例に示すように、必要に応じて要素およびそれらの祖先要素を含めます。この例では、検証はプレゼンテーション・サービスが起動されたときに実行され、検証が完了するとプレゼンテーション・サービスは終了します。一貫性のないアカウント(削除されたユーザーのものなど)、リンク、およびオブジェクトが削除されます。一貫性のないユーザーのホーム・ディレクトリ名は記録されますが、ディレクトリが削除されることはありません。

    <ServerInstance>
    <Catalog>
        <Validate>OnStartupAndExit</Validate>
        <ValidateAccounts>Clean</ValidateAccounts>
        <ValidateHomes>Report</ValidateHomes>
        <ValidateItems>Clean</ValidateItems>
        <ValidateLinks>Clean</ValidateLinks>
    </Catalog>
    </ServerInstance>
    

    注意:

    instanceconfig.xmlに含めるCatalog要素は1つのみにします。そうしないと、予期しない結果になることがあります。明記されていないかぎり、ほとんどのノード(Catalog要素のノードなど)はXMLドキュメントに一度のみ含めます。

  4. 変更内容を保存し、ファイルを閉じます。

表16-1 カタログを検証するための要素

要素 説明 デフォルト値

Validate

このセクションの他のValidate関連の要素の値に従ってカタログの検証を実行します。値は次のとおりです。

  • None - 検証は実行しません。

  • OnStartupAndExit - プレゼンテーション・サービスを起動したときに検証を実行し、Report操作またClean操作を実行してから、プレゼンテーション・サービスを停止します。カタログが検証されるまで、(ValidateAccounts、ValidateHomes、ValidateItemsおよびValidateLinksなどの)要素ごとにReport、Clean、Reportのサイクルを複数回実行できます。

この値がNoneではない場合は、他のValidate関連要素の設定に関係なく、終了したアカウントから、カタログ全体におけるすべての権限と各オブジェクトのACLが消去されます。

なし

ValidateAccounts

カタログ内のユーザー、ロール、およびグループに関するすべての情報に一貫性があることを検証します。値の説明は、この表の後に記載してあります。

なし

ValidateHomes

カタログ内のホーム・ディレクトリに関するすべての情報に一貫性があることを検証します。値の説明は、この表の後に記載してあります。

ValidateHomesは、ValidateAccountsがReportまたはCleanのどちらかに設定されている場合にのみ実行されます。

なし

ValidateItems

カタログ内のオブジェクトに関するすべての情報に一貫性があることを検証します。値の説明は、この表の後に記載してあります。

なし

ValidateLinks

カタログのショートカットをクリーンにしますが、オブジェクトに対する内部参照は調整しません。たとえば、ダッシュボード・ページにテキスト「/shared/sales/myfavreportの実行後、ここに結果を表示します」が表示されているとします。その後、ユーザーがmyfavreportオブジェクトを削除しても、検証時には修正やメッセージは表示されません。値の説明は、この表の後に記載してあります。

なし


要素には、次のリストに示す値が設定されます。

  • None - 検証を実行しないことを指定します。

  • Report - 一貫性のないオブジェクトそれぞれの詳細をsawlog.logファイルに書き込むことを指定します。

    詳細は、第6.4.2項「診断ログ構成ファイルの概要とその位置」を参照してください

  • Clean - 一貫性のないオブジェクトそれぞれの詳細をsawlog.logファイルに書き込み、各オブジェクトをカタログから削除することを指定します。

16.3 カタログ・マネージャについて

カタログ・マネージャは、Oracle BIプレゼンテーション・カタログのオンラインおよびオフラインでの管理を可能にするツールです。カタログ・マネージャは、Oracle BI管理者のみがアクセスできるセキュアなコンピュータにインストールします。

16.3.1 カタログ・マネージャの用途

カタログ・マネージャを使用して実行できることは次のとおりです。

  • フォルダ、ショートカット、グローバル変数およびオブジェクト(分析、フィルタ、プロンプト、ダッシュボードなど)の管理。たとえば、オブジェクトの名前変更や削除を実行したり、カタログ内およびカタログ間でオブジェクトを移動およびコピーできます。

  • eXtensible Markup Language(XML)でのカタログ・オブジェクトの表示および編集。

  • 分析やプロンプトなどのオブジェクトのプレビュー。

  • カタログ・テキストの検索および置換。

  • カタログ・オブジェクトの検索。

  • カタログ・データを表示するための分析の作成。

  • キャプションのローカライズ。第14.2.2項「Oracle BIプレゼンテーション・カタログのキャプションのローカライズ」を参照してください。

カタログ・マネージャで行う操作の多くは、Oracle BIプレゼンテーション・サービスの「カタログ」ページでも実行できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「Oracle BIプレゼンテーション・カタログでのオブジェクトの管理」を参照してください。

16.3.2 カタログ・マネージャの使用のガイドライン

カタログ・マネージャを使用する場合は、次のガイドラインに従ってください。

  • 使用しているOracle BIプレゼンテーション・カタログのバックアップ・コピーを常に作成します。

  • 実行しようとしている変更を確認します。カタログ・マネージャでは変更はただちにコミットされます。元に戻す機能はなく、特定の変更がユーザーに適切に表示されないことを示すエラー・メッセージも表示されません。ただし、意図しない変更を行った場合は、最新の保存済バックアップまで戻すことができます。

  • カタログ・コンテンツをコピーして電子メールに貼り付けないでください。これはサポートされていません。

16.3.3 カタログ・マネージャの使用のヒント

カタログ・マネージャを使用するときは、次のヒントに注意してください。

  • オンライン・モードで使用している場合、カタログ・コンテンツを読取り専用フォルダに貼り付けたり、そこから貼り付けるには、コピーする前にそのフォルダ・ツリーの読取り専用プロパティをオフにし、貼り付けた後にその読取り専用属性を再び適用します。

  • カタログ・マネージャで/system/securityディレクトリからファイルをコピー、アーカイブまたはドラッグすることはできません。

  • キーボード・ショートカットのなかには適切に機能しないものがあります。

  • カタログ・マネージャ・ペインは、サイズ変更インジケータが表示されていなくてもサイズ変更できる場合があります。

  • カタログ・マネージャは、英語以外の言語で使用できます。詳細は、第14.3項「カタログ・マネージャでの現在のロケールの設定」を参照してください。

16.4 カタログ・マネージャの起動とカタログのオープン

この項の内容は次のとおりです。

16.4.1 カタログ・マネージャの実行要件

カタログ・マネージャの実行要件を、次に示します。

  • グラフィカル・ユーザー・インタフェース — 次のプラットフォーム上でグラフィカル・ユーザー・インタフェースを起動することができます。

    • Windows 64ビット

    • Linux 64ビット

  • コマンド・ライン・ユーティリティ — Windows、Linux、IBM-AIX、Sun Solaris、HP-UXなど、Oracle Business Intelligenceでサポートされているプラットフォーム上でコマンド・ライン・ユーティリティを起動することができます。Linuxでコマンド・ライン・ユーティリティの使用方法のヘルプを表示するには、次のようなコマンドを入力します。

    ./runcat.sh -help

16.4.2 カタログ・マネージャのユーザー・インタフェースの起動

カタログ・マネージャのユーザー・インタフェースは、Windowsのメニュー・オプションあるいはWindowsまたはLinuxのコマンドを使用して起動できます。

カタログ・マネージャのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを起動するには:

  1. Windowsの「スタート」メニューから、「Oracle Business Intelligence」、カタログ・マネージャの順に選択します。

    または

    コマンドラインを使用して、次に示すディレクトリに変更します。

    BI_DOMAIN\bitools\bin

    次に示す適切なスクリプトを実行します。

    runcat.cmd(Windowsの場合)

    runcat.sh (Linuxの場合)

図16-2は、Windowsプラットフォームの場合のカタログ・マネージャ内のサンプル・オブジェクトを示しています。

図16-2 Windowsの場合のカタログ・マネージャ内のサンプル・オブジェクト

図16-2の説明が続きます
「図16-2 Windowsの場合のカタログ・マネージャ内のサンプル・オブジェクト」の説明

16.4.3 Linuxシステムでの起動に関する問題の解決

Linuxシステムでは、グラフィカル・ユーザー・インタフェースのxtermでカタログ・マネージャを起動する必要があります。xtermの例として、ネイティブgnome、kdeコンソール、VNC、またはローカルxサーバー(Xming、Tarantella、Hummingbird Exceed、Citrixなど)があげられます。(これらの例は、認証やサポートに関する声明を構成するものではありません。)PuTTy、FSecure、またはコマンドラインSSHなどのASCIIテキスト端末を使用して、カタログ・マネージャのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを起動することはできません。

カタログ・マネージャが起動されない場合は、次の点を確認します。

  • xclockやxeyesなどのネイティブ・アプリケーションを実行できること。

  • ネイティブ・コンソールまたはVNCを使用してコントロール・マネージャを起動できること。場合によって、オペレーティング・システムの管理者がX-Windowsをロックすることがあります。

  • 次に示す、すべてのxterm接続を可能にするコマンドを実行できること。

    xhost +

  • デバッグが使用可能なコマンドラインからカタログ・マネージャを実行し、次のコマンドを使用して、追加の出力が生成されるかどうかを確認できること。

    ./runcat.sh -consoleLog -noExit

  • straceなどのオペレーティング・システム・ユーティリティを使用して、runcat.shコマンドの実行をトレースし、ライブラリやファイルをオープンできないなどのエラー・メッセージが生成されるかどうかを確認できること。Eclipse Javaプラグインを使用できます。この場合、Standard Widget Toolkit (SWT)をインストールし、続けてGTK (Gimp Toolkit) をインストールすることが必要になります。次のコマンドを入力します。

    strace -aef -o ./runcat_trace.txt runcat.sh

16.4.4 2つのカタログ・モードの理解

カタログは、オンラインとオフラインの2つのモードのいずれかで開くことができます。どちらのモードでも、実際の本番カタログに対して操作でき、停止時間は必要ありません。

16.4.4.1 オンライン・モード

オンライン・モードでは、稼動中のWebサーバー上のカタログに接続します。このモードでは、権限が適用され、ロケールを選択でき、カタログ上のローカライゼーションの結果を表示できます。そのユーザーが適切な権限を持つオブジェクトのみが表示されます。オンライン・モードでカタログを開くには、プレゼンテーション・サービスとWebサーバーの両方が稼働中であることが必要です。

オンライン・モードは、カタログに小さな増分変更や追加を実行する場合に使用します。たとえば、権限の変更、1つのオブジェクトの更新、新しいオブジェクトの本番環境への移行などの場合です。

16.4.4.2 オフライン・モード

オフライン・モードでは、ローカル・ファイル・システムに接続します。このモードでは、ユーザーはスーパー・ユーザーまたはシステム・ユーザーとしてログインし、権限は適用されません。このユーザーはカタログ内のすべてのオブジェクトを表示できます。

通常、オフライン・モードでの作業は、オンライン・モードでの作業よりも高速です。これは、個別のファイルに直接アクセス、作成および更新を行うためであり、オンライン・モードで作業するときのようにカタログがプレゼンテーション・サービスと通信する必要がないためです。

オブジェクトの名前をグローバルに変更したり、再編成のために複数のオブジェクトを移動するなどカタログ全体にわたる変更を実行する場合は、次の手順で説明しているように、オフライン・モードを使用します。

システム全体にわたる変更をカタログに実行するには:

  1. プレゼンテーション・サービスをメンテナンス・モードにします。

    クラスタ環境では、プレゼンテーション・サービスのインスタンスをメンテナンス・モードにでき、数分以内に、クラスタ内のその他すべてのインスタンスも自動的にメンテナンス・モードに移行します。クラスタ環境にかぎり、数分待機してから、プレゼンテーション・サービスをメンテナンス・モードにした目的のタスクを実行してください。

    メンテナンス・モードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「管理ページ」を参照してください。

  2. 7-Zipユーティリティを使用してカタログをバックアップし、その圧縮済ファイルを作成します。

  3. 第16.4.6項「Oracle BIプレゼンテーション・カタログのオープン」の説明に従って、カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。

  4. システム全体にわたる変更を行います。

  5. カタログを再度バックアップします。

  6. プレゼンテーション・サービスのメンテナンス・モードを解除します。

    クラスタ環境では、プレゼンテーション・サービスのインスタンスのメンテナンス・モードを解除でき、数分以内に、クラスタ内のその他すべてのインスタンスも自動的にメンテナンス・モードが解除されます。そのため、クラスタ環境にかぎり、カタログ・コンテンツの編集を再開できるようになるまで数分必要です。

16.4.5 オンライン・モードおよびオフライン・モードで使用可能な操作

カタログ・マネージャを使用して実行できる操作の多くは、オンライン・モードとオフライン・モードの両方で実行できます。いくつかの操作はどちらか一方のモードのみで使用できます。一般的に、実行可能な操作は次のとおりです。

  • オンライン・モードで実行可能な操作は、読取り専用操作と、カタログ全体に影響を与えない書込み操作(オブジェクトの権限の設定など)です。

  • オフライン・モードには、オンライン・モードで使用可能な操作の大部分と、カタログ全体に影響を与える書込み操作が含まれています。

さらに、オンライン・モードおよびオフライン・モードでは次の操作を実行できます。

  • オブジェクトの切取り

  • オブジェクトのコピー

  • オブジェクトの貼付け

  • 別のカタログのためのオブジェクトのコピー

  • 別のカタログからのオブジェクトの貼付け

  • オブジェクトのショートカットの作成

  • オブジェクトの削除

  • 参照の更新を伴わないオブジェクトの名前の変更

  • 参照の更新を伴うオブジェクトの名前の変更(この機能はスマート名前変更として知られており、両方のモードで使用できます。オフライン・モードでは、すべてのオブジェクトの名前を変更できます。オンライン・モードでは、権限によっては特定のオブジェクトの名前を変更できない場合があります)。

  • カタログ・マネージャの作業領域のリフレッシュ

  • フォルダの作成

  • オブジェクトに対する権限の設定

  • オブジェクトのプロパティの操作

  • 作業領域の表示の管理

  • オブジェクトの検索

  • カタログ・テキストの検索および置換(この機能は両方のモードで使用できます。オフライン・モードではすべてのオブジェクトを置換できます。オンライン・モードでは、ユーザーの権限によっては特定のオブジェクトを置換できない場合があります)。

  • カタログ・マネージャのデータを表示するためのレポートの作成

  • ブラウザのプリファレンスの設定

  • オブジェクトのプレビュー(オンライン・モードのみ使用可能)

  • ローカライゼーションを目的としたキャプションのエクスポート

16.4.6 Oracle BIプレゼンテーション・カタログのオープン

Oracle BIプレゼンテーション・カタログを開くには:

  1. カタログ・マネージャで、「ファイル」メニューから「カタログを開く」を選択します。

  2. 次のリストの説明に従って、必須フィールドに入力します。

    • タイプ - カタログを開く際のモード(オンラインまたはオフライン)を選択します。

    • パス - オフライン・モードでカタログを開く場合は、次の例のようにローカル・ファイル・システム上のカタログ・フォルダへのパスを入力します。

      参照」をクリックし、カタログの場所を指定するためのダイアログを表示します。

      SDD/metadata/content

      SDDはDOMAIN_HOME/bidataなどのシングルトン・データ・ディレクトリです(詳細は、第1.4項「Oracle Business Intelligenceの主なディレクトリ」を参照)。

    • URL - オンライン・モードでカタログを開く場合は、次の例のようにOracle BIプレゼンテーション・サービスのURLを入力します。

      https://hostname/analytics/saw.dll

    • ユーザー - オンライン・モードでカタログを開く場合は、ホストURLのユーザー名を入力します(オフライン・モードでは無効)。

    • パスワード - オンライン・モードでカタログを開く場合は、ホストURLのパスワードを入力します(オフライン・モードでは無効)。

    • ロケール - オンライン・モードでカタログを開く場合にカタログ・マネージャのユーザー・インタフェース要素およびカタログ内のオブジェクトに使用するロケールを選択します。

    • 読取り専用 - 読取り専用モードでカタログを開くにはこのフィールドを選択します(オフライン・モードでは無効)。

  3. OK」をクリックします。

オンライン・モードでカタログのURLを指定する際は、セキュリティ強化のために、httpではなくhttpsを指定してください。httpを指定すると、「カタログを開く」ダイアログを閉じた後、安全でない接続を使用してカタログを開くことを確認するメッセージ・ボックスが表示されます。httpsを使用してカタログを開くには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のOracle Business IntelligenceでのSSL構成に関する項に示すとおり、SSL通信用にOracle BI EEを構成する必要があります。

16.5 カタログ・マネージャの作業領域の使用方法

この項には、カタログ・マネージャの作業領域に関する次のトピックが含まれています。

16.5.1 カタログ・マネージャの作業領域で行える操作

カタログ・マネージャの作業領域では、カタログ・オブジェクトを表示および操作できます。ここには、開いているカタログについて次のフォルダが表示されます。

  • 共有フォルダ: カタログ・ユーザー間で共有するコンテンツが含まれています。これには、ビルトイン・アプリケーションによって配布される事前構成済ダッシュボードと分析、および共有フィルタなどのその他のオブジェクトが含まれています。

  • システム・フォルダ - プレゼンテーション・サービスの管理要素が含まれています。これらの要素には製品によって配布されるものと、権限など管理者が構成するものがあります。このフォルダ内のファイルは変更しないでください。プレゼンテーション・サービスはこれらのファイルを内部で使用しており、それらを変更すると予期しない結果になることがあります。

  • ユーザー・フォルダ - 適切な権限を持つカタログ・ユーザーが彼らの個人フォルダに保存した、個別の分析などのコンテンツが含まれています。

16.5.2 カタログ・マネージャの作業領域の外観

カタログ・マネージャは、次の主なコンポーネントで構成されています。

  • メニュー・バー - 次のメニューにアクセスできます。

    • ファイル - カタログを開く、閉じる、カタログ・マネージャを終了するなどのオプションを提供します。

    • 編集 - カタログ・オブジェクトの管理を可能にするオプションを提供します。「切取り」、「コピー」、「権限」などがあります(これらのオプションの多くはコンテキスト・メニューでも使用可能です)。

    • 表示 - カタログ・マネージャの作業領域の表示を管理するためのオプションを提供します。「ツリーの表示」、ジョブ・ステータスの表示などがあります。

    • ツール - カタログの管理を可能にするオプションを提供します。「XML検索と置換」、「レポートの作成」などがあります。

    • ヘルプ - Oracle BI Enterprise Edition Webサイトにアクセスし、カタログ・マネージャに関する情報を表示するためのオプションを提供します。

  • ツール・バー - 「切取り」、「コピー」、「貼付け」などよく使用するオプションにすばやくアクセスできます。

  • ツリー・ペイン - カタログ・フォルダを表示します。ペインには、オブジェクトも表示されますが、それは「表示」メニューの「オブジェクトのツリー表示」オプションが選択されている場合のみです。

  • 表ペイン - カタログ・フォルダおよびオブジェクトが表示されます。次のもので構成されています。

    • ナビゲーション・バー。ここに作業対象のカタログ・オブジェクトのパス名を入力することで、そこに移動できます。

    • 「名前」、「タイプ」、「所有者」、「マイ権限」、「属性」、「作成日」、「最終変更」の列。タイプなどその値でソートするには、列名をクリックします。

      「タイプ」列は、オブジェクトのタイプを識別します。不明なファイルと識別されたオブジェクトは、通常、内部で使用されるオブジェクトであり、それらのタイプはカタログ・マネージャに表示されません。

  • コンテキスト・メニュー - カタログ・オブジェクトの管理を可能にするオプションを提供します。「名前の変更」、「プロパティ」、「権限」などがあります(これらのオプションの多くは「編集」メニューでも使用可能です)。

16.5.3 カタログ・マネージャの作業領域の表示の管理

カタログ・マネージャに何を表示するのかを管理できます。たとえば、ツリー・ペインにオブジェクトを表示したり、ジョブ・ステータスを表示したりできます。

カタログ・マネージャの作業領域の表示を管理するには:

  1. カタログ・マネージャで、「表示」を選択し、次のオプションのいずれかを選択します。

    • ツリーの表示 - ツリー・ペインを閉じていた場合はそれを表示します。

    • 表の表示 - 表ペインを閉じていた場合はそれを表示します。

    • 「ジョブ・ステータスの表示」 - 「バックグラウンド・ジョブ・ステータス」ペインを表示します。ここで、検索と置換、スマート名前変更など、実行したプロセスの進行状況を表示できます。また、完了したジョブをすべて削除したり、ペインの右上隅にあるアイコンを使用して進行状況プリファレンスを設定できます。

    • オブジェクトのツリー表示 - ツリー・ペインに、フォルダに加えてオブジェクト(分析、フィルタなど)を表示します。

    • リフレッシュ - 「ツリー」ペインおよび「表」ペインに表示されているオブジェクトをリフレッシュします(たとえば、カタログの使用中に他のユーザーがそれに行った変更を表示する場合などに、データのリフレッシュが必要になります)。

16.6 カタログ・マネージャでのオブジェクトの使用

この項では、オブジェクトの使用に関する次の情報を示します。

プレゼンテーション・サービスの「カタログ」ページで、非表示オブジェクトを含めてフォルダおよびコンテンツを表示できます。フォルダおよびコンテンツを作成、名前変更、コピー、移動および削除できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド 』の「Oracle BIプレゼンテーション・カタログでのオブジェクトの管理」を参照してください。


注意:

Oracle BI Administration Toolのプレゼンテーション・レイヤーで行った変更は、それらの表および列に基づく分析およびダッシュボードに影響を与えます。カタログ・マネージャを使用して、プレゼンテーション・レイヤーでのこれらの変更とカタログの同期を保つことができます。

16.6.1 カタログ・マネージャを使用したカタログ・オブジェクトの検索

検索機能を使用してカタログ内のオブジェクトを検索できます。たとえば、administratorという値のプロパティを持つすべてのオブジェクトを検索できます。

検索するときに、次の項目で検索を制限できます。

  • 大文字/小文字の区別 - 検索基準に大文字と小文字の区別を適用する場合はこのチェック・ボックスを選択します。デフォルト値は選択解除です。

  • 名前 - 検索をオブジェクトの名前に制限します。

  • 説明 - 検索を「説明」プロパティに制限します。

  • プロパティ値 - 検索をプロパティの値に制限します。

  • 所有者 - 検索をオブジェクトの所有者に制限します。

  • XML - 検索をXMLに制限します。

  • オブジェクト・タイプ - すべてのタイプのオブジェクトを検索するか、指定した特定のタイプのオブジェクト(分析、フィルタ、エージェント、ダッシュボード・プロンプト、ダッシュボード・ページなど)に検索を制限します。

  • 日付 - 指定した日に作成されたオブジェクト、または指定した日に最後の変更が実行されたオブジェクトに検索を制限します。

オブジェクトを検索するには:

  1. カタログ・マネージャで、カタログを開き、ツリー内の検索を開始する場所にナビゲートします。

  2. ツールバーの「検索」をクリックします。

  3. 次の基準の一部またはすべてを検索します。」フィールドに、検索する語句を入力します。

  4. 検索で大文字と小文字を区別するには、「大文字/小文字の区別」ボックスを選択します。

  5. 検索を制限するには、「拡張検索」をクリックします。

  6. 「拡張検索」エリアで、検索の絞込み条件を指定します。

  7. 検索」をクリックします。


    ヒント:

    検索を完了したら、ツールバーの「カタログ・ツリー全体の検索」をクリックし、ツリー・ペインおよび表ペインに戻ります。

16.6.2 オブジェクトのコピーおよび貼付け

1つのカタログ内でオブジェクトをコピーして貼り付けることができます。1つのカタログからオブジェクトをコピーし、別のカタログにそれらを貼り付けることもできます。

16.6.2.1 コピーおよび貼付けのヒント

オブジェクトをコピーして貼り付けるときは、次のヒントを参考にしてください。

  • 次の方法を使用して、オブジェクトをコピーし、貼り付けることができます。

  • カタログは、階層フォルダに構造化されています。オブジェクトをコピーまたはマージするときは、それらと関連付けられたオブジェクト(ダッシュボード・フォルダ、ショートカット、分析など)もすべてコピーすることを忘れないでください。外部アプリケーションのURLパスは、フォルダ・パス全体がコピーされない場合(ショートカットまたはテキストとしてダッシュボードに追加された場合など)は、コピーまたはマージ操作の後に再構築できます。

  • 多くの場合、単に必要に応じてオブジェクトをコピーして貼り付けることができます。必要であれば、貼り付けるオブジェクトに適用される拡張オプションを設定できます。詳細は、第16.6.2.2項「オブジェクトの貼付けの拡張オプション」を参照してください。

16.6.2.1.1 メニューを使用したカタログ間でのオブジェクトのコピーおよび貼付け

次の手順は、メニュー・オプションを使用して2つのカタログ間でオブジェクトをコピーして貼り付ける方法を示しています。2つのカタログの名前が同じ場合は、作業時に2つのカタログを区別するために、カタログを開く前にそのどちらか一方の名前を変更できます。カタログはどちらも同じバージョン11.1.1(またはそれ以降)である必要があります。

メニューを使用してカタログ間でオブジェクトをコピーして貼り付けるには:

  1. カタログ・マネージャで、変更するカタログ(ターゲット・カタログ)を開きます。

  2. カタログ・マネージャのもう1つのインスタンスを使用して、コピーするオブジェクトを含むカタログ(ソース・カタログ)を開きます。

  3. 必要に応じて、画面上のカタログ・マネージャの両方のインスタンスの位置を調整し、両方のカタログ・マネージャ・インスタンスのタイトル・バーが表示されるようにします。

  4. ソース・カタログを表示するカタログ・マネージャ・インスタンスで、ソース・オブジェクトを右クリックし、「コピー」を選択します。

  5. ターゲット・カタログを表示するカタログ・マネージャ・インスタンスで、ソース・オブジェクトを貼り付ける位置で右クリックし、「貼付け」を選択します。

16.6.2.2 オブジェクトの貼付けの拡張オプション

次の項の説明に従って、コピーしたオブジェクトを貼り付けるための拡張オプションを「設定」ダイアログで設定できます。


重要:

「設定」ダイアログで設定する拡張オプションを有効にするには、コピーおよび貼付け操作を開始する前にそれらを設定する必要があります。

16.6.2.2.1 貼付けによる上書き

「設定」ダイアログの「貼付けによる上書き」エリアには次のオプションがあります。

  • 強制 - すべてのファイルを貼り付け、読取り専用属性が設定されているものも上書きされます。

  • すべて - 該当するファイルをすべて貼り付け、読取り専用属性が設定されていないもののみが上書きされます(デフォルト)。

  • 古い - 該当するファイルをすべて貼り付け、ソースよりも古い場合を除いて既存のファイルは上書きされません。

  • なし - 該当するファイルをすべて貼り付けますが、既存のファイルは上書きされません。

次に上書きオプションを設定した貼付けの例を示します。/users/joeフォルダに、次の分析が含まれているとします。


分析A(2010年1月1日作成)
分析B(2010年5月31日作成)
分析C(2010年1月1日作成)

/users/sueフォルダに、次の分析が含まれているが、分析Cは含まれていないとします。


分析A(2010年2月28日作成)
分析B(2010年1月1日作成)

Sueは/users/joeフォルダからA、BおよびCの分析をコピーし、それらをusers/sueフォルダにコピーするとします。「貼付けによる上書き」オプションの設定に応じて次のようになります。

  • なし: Sueは彼女の分析AとBを保持し、Joeの分析は無視されます。Sueは、分析Cのコピーを入手します。

  • すべて: Sueの分析AとBは、Joeのもので上書きされ、Sueは分析Cのコピーを入手します。

  • 古い: Sueは、彼女の分析Aを保持し(Sueの分析Aは古くない)、Sueの分析BはJoeの分析によって上書きされ(Sueの分析Bは古い)、Sueは分析Cのコピーを入手します。

16.6.2.2.2 ACLの貼付け

「設定」ダイアログの「ACLの貼付け」エリアには次のオプションがあります。

  • 継承 - オブジェクトの権限(ACL)を、その新規親フォルダから継承します(デフォルト)。

  • 保存 - 必要に応じて元のマッピング・アカウントで保持されていた、オブジェクトの権限(ACL)を保持します。

  • グループのみ保存 - 「保持」と同じですが、グループ・アカウントとアプリケーション・ロールに適用され、ユーザー・アカウントには適用されません。これは開発と本番の両方で顧客が同じグループ(売上とマーケティング)を使用する可能性がある開発から本番環境の場合のためのものです。各グループのユーザーは、開発ではTestUserAとTestAdminBで、本番ではSteveとSueのように異なることがあります。

  • 作成 - 次の説明のようにモードと所有者のタイプに基づいて、必要に応じて元の作成およびマッピング・アカウントで保持されていた、オブジェクトの権限(ACL)を保持します。

    • オンライン・モード - オンライン・モードでは、カタログ・マネージャはバックエンド・セキュリティ・サーバーと通信します。カタログ・マネージャはそのサーバーからユーザーおよびアプリケーション・ロールの情報を入手し、通常、コピーされたオブジェクトを適切なユーザー名またはロールとともに貼り付けることができます。オブジェクトを貼り付けるときは、自身が特定のオブジェクトに対してアカウントを作成するための適切な権限を持っていない可能性があることに注意してください。

    • オフライン・モード - オフライン・モードでは、カタログ・マネージャは、バックエンド・セキュリティ・サーバーと接続しておらず、そこに格納されているユーザーおよびアプリケーション・ロールについては、カタログのキャッシュからそれらの名前を入手できないかぎり、認識しません。コピーされたオブジェクトのユーザー名またはロールをキャッシュから入手できない場合、カタログ・マネージャはコピーされたオブジェクトをその名前またはロールとともに貼り付けることはできません。かわりに、貼り付けられたオブジェクトは、その所有者をその新規親フォルダから継承します。これは「継承」オプションに似ています。

      ただし、カタログ・グループはバックエンド・セキュリティ・サーバーではなくカタログに格納されているため、カタログ・マネージャは、必要に応じて、貼り付けたオブジェクトとカタログ・グループを関連付けることができます。

    この機能は、管理者が、ユーザーを本番環境に移動する前に、ステージング領域でアカウントを作成するアプリケーションで使用されます。

  • グループのみ作成 - 「作成」と同じですが、カタログ・グループにのみ適用され、ユーザー・アカウントには適用されません。開発環境から本番環境における機能は「グループのみ保存」に似ています。

適切な権限を持っている場合は、新しく貼り付けられたオブジェクトを選択し、所有権を適切なユーザーに再帰的に設定できます。

次にACLオプションを設定した貼付けの例を示します。Steveは/users/steve/MyFavReportフォルダを所有しており、すべてのユーザーが読取り/実行でき、steveが完全な制御権を持つという権限(ACL)を持っているとします。Joe(いくつかの管理権限を持つ)がログインしてMyFavReportをコピーし、それを/users/sue(administratorによって所有され、管理者が完全な制御権を持つ、sueが完全な制御権を持つの権限が設定されている)に貼り付けるとします。

Joeが設定する「ACLの貼付け」オプションに応じた動作は次のとおりです。

  • 継承: /users/sue/MyFavReportフォルダは、Joeによって所有され、/users/sueフォルダに設定されていた権限(管理者が完全な制御権を持つ、sueが完全な制御権を持つ)が設定されます。

  • 保存: /users/sue/MyFavReportフォルダは、Joeによって所有され、/users/steve/MyFavReportフォルダに設定されていた権限(すべてのユーザーが読取り/実行でき、steveが完全な制御権を持つ)が設定されます。Joeが2つ目のカタログ・マネージャに貼り付け、このカタログにsteveが存在しない場合、Steveの権限は破棄されます。steveは存在しているが異なるユーザーIDを持っている場合、SteveのユーザーIDが新しいものにマッピングされます。

  • 作成: オンライン・モードでは、/users/sue/MyFavReportフォルダは、Joeによって所有され、/users/steve/MyFavReportフォルダに設定されていた権限(すべてのユーザーが読取り/実行でき、steveが完全な制御権を持つ)が設定されます。Joeが2つ目のカタログ・マネージャに貼り付け、このカタログにsteveが存在しない場合、所有者は親フォルダから継承されます(「作成」オプションが適用されるのはカタログ・グループのみのため、これはリリース11gでは非推奨となっています)。

16.6.3 カタログ・オブジェクトの名前の変更

カタログ内のオブジェクトの名前は変更できます。これは、テスト環境から本番環境に移行する場合に便利です。

オブジェクトの名前の変更方法には、次の2つがあります。

  • 参照の更新を伴わない名前の変更 - オブジェクトの名前を変更し、他のカタログ・オブジェクトで使用されている可能性がある元の名前への参照を保持します。

  • 参照の更新を伴う名前の変更 - オブジェクトの名前を変更し、他のオブジェクトが使用している可能性がある参照を新しい名前に変更します(元の名前の参照は保持されません)。この機能は、スマート名前変更とも呼ばれます。カタログはオフライン・モードでもオンライン・モードでも開くことができます。オフライン・モードでは、すべてのオブジェクトの名前を変更できます。オンライン・モードでは、権限によっては特定のオブジェクトの名前を変更できません。


注意:

オブジェクトの名前を変更するときは、次の点に注意してください。
  • カタログ内のユーザー・アカウントの名前は変更できません。ユーザーのホーム・ディレクトリの名前を変更する場合、そのユーザーの名前を変更しないと予期しない結果になることがあります。

  • カタログに含まれるオブジェクトの名前には予約済のものがいくつかあります。名前の変更は自身のオブジェクトに対してのみ行い、プレゼンテーション・サービスによって内部で作成されたものは変更しないでください。たとえば、自身のホーム・ディレクトリ内の_portalディレクトリの名前を変更しないでください。変更すると「マイ・ダッシュボード」が表示されなくなります。


参照の更新を行わずにオブジェクトの名前を変更するには:

  1. カタログ・マネージャで、カタログを開きます。

  2. 名前を変更するオブジェクトにナビゲートします。

  3. 「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「名前の変更」を選択します。

  4. オブジェクトの新しい名前を入力します。

参照を更新してオブジェクトの名前を変更するには:

  1. カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。

  2. 名前を変更するオブジェクトにナビゲートします。

  3. 「名前」列でオブジェクトを右クリックし、スマート名前変更を選択します。

  4. オブジェクトの新しい名前を入力します。

ウィンドウの右下隅にあるプログレス・バーに、参照の更新の進行状況が表示されます。

16.6.4 カタログ・オブジェクトのプロパティの使用

カタログ・マネージャの「プロパティ」オプションを使用して実行できる操作は次のとおりです。

  • カタログ・オブジェクトのプロパティの作成、表示、編集および削除

  • Oracle Business Intelligenceで表示から非表示にするためのカタログ・オブジェクトの属性の変更

カタログ・オブジェクトのプロパティを操作するには:

  1. カタログ・マネージャで、カタログを開きます。

  2. オブジェクトにナビゲートします。

  3. 「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「プロパティ」を選択します。

  4. 次のうちの必要な操作を実行します。

    1. 適切な権限を持っている場合は、オブジェクトの適切な所有者を「所有者」リストで選択します。

      「所有者」リストには、カタログ・マネージャにログインするために使用した名前が含まれています。このリストを使用して自身をオブジェクトの所有者として選択できます。

      オブジェクトの所有権の取得の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイドのオブジェクトの所有者の割当てに関する項を参照してください。

    2. オブジェクトの属性を変更するには、必要に応じて「読取り専用」または「非表示」を選択します。非表示オブジェクトはOracle Business Intelligenceで表示されません。


      注意:

      システム」オプションは、オブジェクトが内部で保持されており、変更できないことを示しています。

    3. プロパティを作成、編集または削除するには、必要に応じて「新規」、「編集」または「削除」ボタンを使用します。


      注意:

      新規」ボタンはプロパティを作成するために使用します。Oracleサポート・サービスによる指示がある場合にのみ使用します。

  5. OK」をクリックします。

複数のオブジェクトを選択して、それらのプロパティや権限を同時に更新できます。選択したオブジェクトのいずれかがフォルダである場合、それらの変更をそのフォルダのツリー構造のすべてのオブジェクトに再帰的に適用することもできます。

たとえば、/shared/DontTouchディレクトリのすべてのファイルを読取り専用に設定できます。DontTouchディレクトリを右クリックし、「プロパティ」を選択します。「プロパティ」ダイアログで、「読取り専用」オプションを選択し、「再帰的に適用」オプションを選択し、「OK」をクリックします。「再帰的に適用」を選択して、オブジェクトおよびそのすべてのサブオブジェクトの所有権を取得することもできます。

16.6.5 カタログ・オブジェクトの権限の設定

制限は、カタログ・オブジェクトへのアクセスを制御するために使用されます。

カタログ・オブジェクトの権限を設定するには:

  1. カタログ・マネージャで、カタログを開きます。

  2. オブジェクトにナビゲートします。

  3. 「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「権限」を選択します。

    「権限」ダイアログに次の2つのリストが表示されます。

    • ユーザー、カタログ・グループおよびアプリケーション・ロール(明示的な権限) - このオブジェクトに対する明示的な権限を与えられたユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールが表示されます。

    • 追加のユーザーとアプリケーション・ロール - グループ継承によりアクセスを与えられたユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールと、リクエストにアクセスできないユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールが表示されます。

    プレゼンテーション・サービスでの許可および権限の割当て方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』の「ダッシュボードと分析のセキュリティの管理」を参照してください。

  4. 権限を設定するユーザー、グループまたはアプリケーション・ロールが「追加ユーザーとアプリケーション・ロール」リストに含まれている場合は、それを選択し、左矢印ボタン(<)をクリックすることで「ユーザー、カタログ・グループおよびアプリケーション・ロール(明示的な権限)」リストに移動します。

  5. (オプション)「追加ユーザーとアプリケーション・ロール」リストに表示されるユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールをフィルタ処理するには、「リスト」ボタンおよびその横にあるフィールドを次のように使用します。

    • リスト」ボタンの横にあるフィールドにフィルタ基準(大文字/小文字を区別しない)を入力し、名前による検索を実行します。

      部分的なフィルタ基準を入力するには、アスタリスク(*)記号を使用します。たとえば、bi*と入力すると、bi、BI、bIおよびBiで始まるユーザーまたはグループが表示されます。

    • 検索するアカウントを制限するにはリストから値を選択します。

      使用可能な値は、「すべて」、「ユーザー」、「カタログ・グループ」および「アプリケーション・ロール」です。

  6. ユーザー、カタログ・グループおよびアプリケーション・ロール(明示的な権限)」リストでユーザーまたはグループを選択します。

  7. 「権限」列のリストから新しい権限を選択するか、リストから「カスタム」をクリックして「カスタム権限」ダイアログを表示し、権限の組合せを選択します。

    各権限の意味の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「権限の定義」を参照してください。

  8. 再帰的に適用」オプションを選択し、そのオブジェクトが含むすべてのオブジェクトに変更を適用します。

  9. 置換オプション」リストで次のように値を選択します。

    • すべて置換 - 既存のACLを、ダイアログ内に現在のあるもので置換します。

    • リストされた項目の置換 - ダイアログに現在表示されているアカウントのみを変更し、他のものはそのまま残します。

    • リストされた項目の削除 - ダイアログに現在表示されているアカウントのみを削除し、他のものはそのまま残します。

  10. OK」をクリックします。


注意:

ユーザーとグループ(明示的な権限)」リストから「追加のユーザーとアプリケーション・ロール」リストにユーザーまたはグループを移動すると、そのユーザーまたはグループの権限は「アクセス権なし」にリセットされます。リストから別のリストにユーザーまたはグループを移動するには、それを強調表示し、必要に応じて右矢印ボタンまたは左矢印ボタンをクリックします。

権限、グループおよびユーザーの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』を参照してください。

16.6.6 カタログ・マネージャからのオブジェクトのプレビュー

オンライン・モードでは、カタログ・マネージャから分析やプロンプトなどのオブジェクトをプレビューできます。カタログ・マネージャからオブジェクトをプレビューする場合は、これらのオブジェクトの表示に使用するデフォルト・ブラウザを指定する必要があります。

ブラウザ・プリファレンスを設定するには:

  1. カタログ・マネージャで、「ツール」メニューから「設定」を選択します。

  2. 「レポート・プレビューに使用するWebブラウザを選択します。」フィールドで、使用しているオペレーティング・システムのデフォルト・ブラウザに設定したものと同じブラウザを選択します。「参照」ボタンをクリックし、そこで適切なブラウザの実行可能ファイルを選択できます。

  3. OK」をクリックします。

オブジェクトをプレビューするには:

  1. カタログ・マネージャで、オンライン・モードでカタログを開きます。

  2. オブジェクトにナビゲートします。

  3. 「名前」リストでオブジェクトを右クリックし、「プレビュー」を選択します。

16.7 XMLでのカタログ・オブジェクトの表示と編集

カタログ・マネージャでは、分析、ダッシュボード、フィルタなどのカタログ・オブジェクトのXML記述を表示および編集できます。XMLコードの表示は行っても問題ありませんが、コードの編集はお薦めしません。


注意:

XMLコードを編集すると、カタログでのオブジェクトの表現が変更されます。いずれのディレクトリのカタログ・オブジェクトでもXMLコードの編集はお薦めしません。予期しない結果を招くことがあります。

分析のためにXMLを編集する場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の分析のための論理SQL文の調査に関する項の情報を使用します。


オブジェクトのXML記述を表示するには:

  1. カタログ・マネージャで、カタログを開きます。

  2. オブジェクトにナビゲートします。

  3. 「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「プロパティ」を選択します。

  4. XMLの編集」をクリックします。

  5. XML定義の表示を完了したら、「取消」をクリックします。

  6. 「プロパティ」ダイアログで「OK」をクリックします。

図16-3は、オブジェクトのカタログ・マネージャでのサンプルXMLコードを示しています。

図16-3 オブジェクトのサンプルXMLコード

図16-3の説明が続きます
「図16-3 オブジェクトのサンプルXMLコード」の説明

オブジェクトのXML記述を編集するには(お薦めしません):

  1. カタログ・マネージャで、カタログを開きます。

  2. オブジェクトにナビゲートします。

  3. 「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「プロパティ」を選択します。

  4. XMLの編集」→「編集」をクリックします。

  5. 「オブジェクトXML」エリアで変更を行います。


    注意:

    オブジェクトのXML記述を編集する場合、カタログではXMLの形式が正しいことのみが確認され、その他のエラーについては確認されません。

  6. 「XMLの編集」ダイアログで「OK」をクリックします。

  7. 「プロパティ」ダイアログで「OK」をクリックします。

16.8 カタログ・マネージャを使用したカタログ・テキストの検索と置換

カタログ・マネージャを使用して、カタログ内の特定のテキストを検索し、それを他のテキストに置換できます。カタログはオンライン・モードでもオフライン・モードでも開くことができます。オフライン・モードではすべてのオブジェクトを置換できます。オンライン・モードでは、ユーザーの権限によっては特定のオブジェクトを置換できない場合があります。

具体的には、検索および置換できるものは次のとおりです。

  • 単純なテキスト文字列(ダイアログを使用)。第16.8.1項「単純なカタログ・テキスト文字列の検索と置換」を参照してください。

    たとえば、オブジェクトに文字列「My Misspeled Wirds」が含まれているとします。カタログ・マネージャを使用してその文字列を検索し、適切な文字列である「My Misspelled Words」に置換できます。

  • 複数または複雑なテキスト文字列(XMLファイルを使用してすべて同時に実行)。第16.8.3項「複数のカタログ・テキスト文字列の検索と置換」を参照してください。

    たとえば、管理者がリポジトリ・ファイル内のサブジェクト・エリア、表または列の名前を変更したとします。表SalesがMySalesという名前に変更されている可能性があります。カタログ・マネージャを使用して、カタログ全体でそのオブジェクトが使用されているすべての箇所を検索して置換できます。

16.8.1 単純なカタログ・テキスト文字列の検索と置換

カタログ内の単純なテキスト文字列を検索し、他のテキストに置換する手順は次のとおりです。

単純なテキスト文字列を検索および置換するには:

  1. カタログ・マネージャで、オンライン・モードまたはオフライン・モードでカタログを開きます。

  2. ツール」メニューから「XML検索と置換」を選択します。

  3. 旧テキスト」フィールドに、検索するテキスト文字列を入力します。

  4. 置換文字列」フィールドに、置換後のテキストを入力します。

  5. 検索で大文字と小文字を区別しない場合は、「大文字/小文字の区別」ボックスを選択解除します。

  6. OK」をクリックします。

16.8.2 複数のカタログ・テキスト文字列の検索と置換について

検索および置換する各テキスト文字列を識別するXMLファイルをインポートすることで、複数のカタログ・テキスト文字列に対してすべて同時に、より強力な検索および置換操作を実行できます。

16.8.2.1 テキスト文字列の検索と置換のためのXMLファイル形式

検索および置換のXMLファイルでは、action要素を使用して検索および置換する各テキスト文字列を識別します。action要素は、commands要素に含まれています。

action要素の属性は次のとおりです。

  • command — 置換するテキストを指定します。有効な値は次のとおりです。

    • textReplace — 列名など、XMLファイルで一致するすべてのテキストを置換します。

  • oldValue - 検索するテキスト文字列を指定します。

    検索および置換のXMLファイルでtextReplaceコマンドにこの属性を指定する場合は、一般的な文字列とは異なり、完全なJava regex構文を使用する必要があります。文字列を置換するには、次を実行する必要があります。

    1. 大カッコ、小カッコ、ドル記号およびカレットなどのJava regexの特殊文字をエスケープします。

    2. バックスラッシュや引用符などの「一般的な」特殊文字をエスケープします。

    3. XMLファイルを使用しているため、引用符やアンパサンドなどのHTMLの特殊文字をエスケープします。

    完全なJava regex構文については、次のドキュメントを参照してください。

    http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/api/java/util/regex/Pattern.html">>http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/api/java/util/regex/Pattern.html

    表16-2は、検索基準内のregex構文で使用するためのサンプル文字列を示しています。

    表16-2 検索基準内のregex構文で使用するためのサンプル文字列

    入力する検索文字列 結果

    a

    検索文字列の前後にワイルドカードを追加し(たとえば、*a*)、検索でaという文字を含む結果を返すことが可能になります。

    ^a

    検索文字列の後にワイルドカードを追加し(たとえば、a*)、検索でaという文字で始まる結果を返すことが可能になります。

    a$

    検索文字列の前にワイルドカードを追加し(たとえば、*a)、検索でaという文字で終わる結果を返すことが可能になります。

    a\*

    アスタリスク(*)が後に続く文字を含む文字列(たとえば、a*)を明示的に検索します。

    ?

    疑問符(?)を文字とアスタリスク(*)とともに使用し、文字のゼロ(0)個以上の出現を返します。たとえば、?a*では、aという文字の0個以上の出現が返されます。


  • newValue - 置換テキストを指定します。

  • ignoreCase - trueに設定すると大文字と小文字が区別されず、falseに設定すると大文字と小文字が区別されます。デフォルト値はfalseです。

16.8.2.2 テキスト文字列の検索と置換のためのXMLファイルの例

次に、テキスト文字列を検索および置換するXMLファイルの例の一部を示します。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<actions>
<action command="textReplace" oldValue="boots" newValue="HoleyShoes" ignoreCase="true"/>
</actions>

16.8.3 複数のカタログ・テキスト文字列の検索と置換

複数のカタログ・テキスト文字列をすべて一度に検索および置換する手順は、次のとおりです。

複数のテキスト文字列を検索および置換するには:

  1. 複数のテキスト文字列を検索および置換するためのXMLファイルを作成します。

    詳細は、第16.8.2項「複数のカタログ・テキスト文字列の検索と置換について」を参照してください。

  2. カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。

  3. ツール」メニューから「XML検索と置換」を選択します。

  4. ファイルからインポート」フィールドで、パスを入力するか、「参照」をクリックしてステップ1で作成したXMLファイルを指定します。

  5. 検索で大文字と小文字を区別するには、「大文字/小文字の区別」ボックスを選択します。

  6. OK」をクリックします。

16.9 カタログ・マネージャを使用したカタログ・データを表示するためのレポートの作成

レポートを作成して、すべてのカタログ・オブジェクト・タイプのカタログ・データを表示できます。レポートは画面上に表示することもファイルに保存することもできます。レポートを作成するとき、空白または空のフィールドはタブ文字としてエクスポートされます。デフォルトでタブをフィールド・セパレータとして使用するレポートを作成する場合、レポート・ファイル内では2つのタブ文字が空白フィールドを示します。

カタログ・データを表示するレポートを作成するには:

  1. カタログ・マネージャでカタログを開きます。オブジェクトのOracle BIサーバーに送信されるSQL文を示すレポートを作成するには、オンライン・モードでカタログを開きます。

  2. カタログの最上位フォルダを選択します。

  3. ツール」メニューから、「レポートの作成」を選択します。

  4. レポートを作成するカタログ・オブジェクト・タイプを選択します。

  5. レポートから同一の行を排除するには、「個別」ボックスを選択します。

  6. 「レポート内の列」リストでレポートに表示する列を指定します。左矢印および右矢印ボタン(<および>)を使用して、列を「使用可能な列」リストと「レポート内の列」リストの間で移動し、プラスおよびマイナス・ボタン(+および-)を使用してレポート内での列の表示順序を設定します。

  7. OK」をクリックします。

  8. レポートに適切な列が含まれるようになるまでステップ4 - 7を繰り返します。

  9. ファイルにレポートを保存するには、レポートの保存先フィールドにファイルのパス名を指定します。「参照」ボタンをクリックし、「名前を付けて保存」ダイアログを表示してパス名を選択します(ファイルが存在していない場合は、それが作成されます)。

  10. Microsoft Excelにインポート可能な.tab拡張子付きのファイルの作成を指定するには、「Excel形式」を選択します。

    Microsoft Officeの一部としてサポートされるExcelのバージョンの詳細は、システム要件および動作保証ドキュメントを参照してください。詳細は、第1.9項「システム要件と動作保証」を参照してください。

  11. OK」をクリックします。

16.9.1 レポートの使用方法の例

次の例に示すように、レポートは様々な目的で生成できます。

  • 分析を使用しているダッシュボードを確認するには、分析を含むダッシュボード・レポートを実行し、そのレポートで分析を探します。

  • リポジトリ表の変更済列の影響を受ける分析を確認するには、すべての列と計算式を含む分析レポートを実行し、そのレポートでCatalog Managerで置換する必要のある項目を探します。

  • すべてのダッシュボード・プロンプトおよびダッシュボード内の関連フィールド(列、式、サブジェクト領域など)が表示されるレポートを作成できます。また、分析のレポートを作成し、そのような分析で使用されているフィルタを抽出することもできます。要求される保存済フィルタを使用して式が導出される、フィルタ抽出の例を次に示します。

    例: "Markets"."Region" [Filter, prompted]

  • オブジェクトのACLを表示するレポートを作成できます。レポートでACLを確認することにより、オブジェクトへのアクセス権が、読取り/書込みなどの適切な権限を備えた適切なロールに付与されていることを検証できます。次の行は、レポートのACLの例を示しています。

    "^biconsumer=RX:*MyCatalogGroup=RWX:steve=F"。ここでカレット(^)はアプリケーション・ロールを、アスタリスク(*)は内部カタログ・グループを、「記号なし」はユーザーを示しています。

16.10 カタログ・マネージャを使用したアーカイブとアンアーカイブ

カタログ・マネージャでは、個別のカタログ・フォルダとカタログ全体のどちらでもアーカイブおよびアンアーカイブできます。この機能に関する重要な情報は、次のリストを参照してください。

  • 個別のカタログ・フォルダをアーカイブする場合は、そのフォルダ内のすべてのオブジェクトとそのフォルダのサブフォルダが1つの圧縮済ファイルに保存されます。オブジェクトのプロパティおよび属性はそのアーカイブ・ファイルに含まれます。

  • 個別のカタログ・フォルダをアンアーカイブする場合、そのアーカイブ・ファイルが展開され、そのフォルダ内のすべてのオブジェクトとそのフォルダのサブフォルダが現行のオフライン・カタログに格納されます。アンアーカイブされるフォルダと同じ名前を持つ既存のフォルダは、警告が表示されることなく上書きされます。

  • カタログ・マネージャ、またはプレゼンテーション・サービスの「カタログ」ページを使用してカタログ全体をアーカイブおよびアンアーカイブすることはお薦めしません。カタログ全体のアーカイブおよびアンアーカイブには、かわりに7-ZipユーティリティまたはUNIXシステム上では.tar.gzファイルを使用してください。

  • ルート・レベル(\)から開始して、カタログ全体をアーカイブすることはしないでください。アーカイブ時には、常に特定のフォルダ名を指定します。

  • カタログ全体のアーカイブおよびアンアーカイブには次のユーティリティを使用しないでください。

    • WinZip - WinZipユーティリティは、拡張UNIXファイル権限を適切に処理できないことがあります。異機種環境でWinZipユーティリティを使用してカタログを移動すると、カタログ・ファイルが破損することがあります。

    • FTP - サードパーティ製のFTPプログラムのなかには内部ファイルの名前を変更するものがあり、それによってカタログ・ファイルが破損することがあります。FTPプログラムを使用してカタログを移動する前に、7-Zipユーティリティを使用してカタログを1つのファイルに圧縮してください。

プレゼンテーション・サービスの「カタログ」ページを使用して、オブジェクトをアーカイブおよびアンアーカイブできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「オブジェクトのアーカイブ」を参照してください。

16.10.1 カタログ・マネージャを使用したフォルダのアーカイブ

カタログ・フォルダをアーカイブする手順は、次のとおりです。

指定したファイルにカタログ内の個別のカタログ・フォルダをアーカイブするには:

  1. カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。

  2. カタログ・フォルダを強調表示し、「ファイル」メニューから「アーカイブ」を選択します。

  3. アーカイブ・ファイル・パス」フィールドでフォルダのアーカイブ先のファイルのパス名を指定します。「参照」ボタンをクリックし、ダイアログを表示してパス名を選択します。

  4. 次のものをアーカイブできます。

    • アーカイブするオブジェクトおよびフォルダに割り当てられたタイムスタンプをアーカイブするには、「ファイルのタイム・スタンプの保持」オプションを選択します。

      このオプションを選択しない場合、アーカイブ・プロセスにタイムスタンプ情報は含まれず、「設定」ダイアログの「貼付けによる上書き」エリアの「古い」オプションは無視されます。アンアーカイブするときに、オブジェクトまたはフォルダがアンアーカイブされた時刻を示すタイムスタンプがシステムによって適用されます。

      詳細は、第16.6.2.2項「オブジェクトの貼付けの拡張オプション」を参照してください。

    • 各オブジェクトまたはフォルダに割り当てられた権限をアーカイブするには、「権限の保持」オプションを選択します。

      このオプションを選択しない場合、アーカイブ・プロセスに権限は含まれず、「設定」ダイアログの「ACLの貼付け」エリアのオプションは無視されます。アンアーカイブするときに、すべてのオブジェクトおよびフォルダに親フォルダの権限が、システムによって割り当てられます。

  5. OK」をクリックします。

16.10.2 カタログ・マネージャを使用したフォルダのアンアーカイブ

アンアーカイブは貼付けに似ているため、第16.6.2.2項「オブジェクトの貼付けの拡張オプション」に記載されている権限とACLに関する問題を理解しておく必要があります。カタログ・フォルダをアンアーカイブする手順は次のとおりです。

カタログ・フォルダをアンアーカイブするには:

  1. カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。

  2. カタログ・フォルダをアンアーカイブするには、フォルダをアンアーカイブする場所にナビゲートします。

  3. ファイル」メニューから、「アンアーカイブ」を選択します。

  4. アーカイブ・ファイル・パス」フィールドに、アンアーカイブするカタログ・フォルダのパス名を指定します。「参照」ボタンをクリックし、ダイアログを表示してパス名を選択します。

  5. OK」をクリックします。