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Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理
12c (12.2.1)
E69938-01
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9 デプロイ・プロセスの理解

Oracle Fusion Middlewareアプリケーション(Java EEアプリケーションなど)をデプロイする前に、デプロイ・プロセス(アプリケーションの設計および開発、これらのアプリケーションの管理対象サーバーへのデプロイなど)を理解する必要があります。

この章の内容は次のとおりです。

9.1 デプロイヤとは

デプロイヤ・ロールのユーザーは、Java EEアプリケーションやADFアプリケーションなどのアプリケーションを、WebLogic Serverのインスタンスまたはクラスタにデプロイする作業を担当します。

デプロイヤとして作業するユーザーには、Oracle WebLogic Serverのデプロイヤ・セキュリティ・ロールを付与する必要があります。デプロイヤ・セキュリティ・ロールが付与されていると、デプロイ操作の他に、サーバー構成の表示や起動クラスと停止クラスの変更などが可能になります。このロールをユーザーに付与するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用します。詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプの、セキュリティ・ロールの管理に関する項を参照してください。

9.2 アプリケーション設計から本番デプロイへの一般的な移行手順

この項では、アプリケーションの設計および開発から本番環境へのデプロイに移行する際の一般的な手順について説明します。次の項目が含まれます。

9.2.1 アプリケーションの設計および開発

多くの場合、開発者はアプリケーションの作成にOracle JDeveloperを使用します。Oracle JDeveloperは、Java、XML、Webサービス、ポートレット、SQLの最新業界標準を使用してサービス指向アプリケーションを構築するための統合開発環境(IDE)です。JDeveloperは、アプリケーションのモデリング、コーディング、デバッグ、テスト、プロファイル、チューニング、デプロイの各機能が統合されており、ソフトウェア開発のライフサイクル全体をサポートしています。

この環境では、統合型のOracle WebLogic Serverを使用します。これは、アプリケーションのテストを目的として、Oracle JDeveloperとともにパッケージ化されています。

アプリケーションのデプロイの詳細は、次を参照してください。

  • Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発

  • Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発

  • Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発

  • Oracle JDeveloperによる、WebCenter Portalアセットおよびカスタム・コンポーネントの開発

9.2.2 管理対象サーバーへのアプリケーションのデプロイ

統合型のOracle WebLogic Serverで設計とテストの済んだアプリケーションは、管理対象サーバー・インスタンスにデプロイできます。たとえば、本番環境にOracle WebLogic Serverをインストールして、管理対象サーバーを含めたドメインを構成し、その管理対象サーバーにアプリケーションをデプロイするとします。

次の各ドキュメントでは、様々なタイプのアプリケーションのデプロイについて具体的な情報が記述されています。

  • Java EEアプリケーションの詳細は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』を参照

  • Oracle ADFの詳細は、『Oracle ADFアプリケーションの管理』を参照してください。

  • Oracle SOA Suiteの詳細は、『Oracle SOA SuiteによるSOAアプリケーションの開発』を参照してください。

  • Oracle WebCenter Portalの詳細は、『Oracle WebCenter Portalの管理』を参照してください

この項では、統合型のOracle WebLogic Serverからデプロイ環境とは別の環境にアプリケーションを移行する場合に必要な、主な手順の概要について説明します。一般的な手順は次のとおりです。

  1. アプリケーションをパッケージ化します。

    • Java EEアプリケーションでは、アプリケーションをEARファイルにパッケージ化します。『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のアプリケーションとモジュールのデプロイのための準備に関する項を参照してください。

    • Oracle ADFでは、アプリケーションをEARファイルにパッケージ化します。詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のEARファイルおよびパッケージ化に関する必知事項を参照してください。

    • Oracle SOA Suiteでは、アプリケーションをJARまたはZIPファイルにパッケージ化します。詳細は、『Oracle SOA SuiteによるSOAアプリケーションの開発』のパッケージ化の影響の理解に関する項を参照してください。

    • Oracle WebCenter Portalでは、アプリケーションをEARファイルにパッケージ化します。Oracle JDeveloperでのWebCenter Portalアセットおよびカスタム・コンポーネントの開発のWebCenter Portalアプリケーションのパッケージ化に関する項を参照してください

  2. 環境を設定します。次のものが含まれます。

    • ドメイン、およびその正しいドメイン・テンプレートで構成された管理対象サーバーのインストールおよび構成。たとえば、Oracle SOA Suiteアプリケーションをデプロイする場合、管理対象サーバーではOracle SOA Suiteドメイン・テンプレートを使用する必要があります。構成ウィザードを使用してドメインを作成すると、適切なドメイン・テンプレートが適用されます。また、第19.2項で説明するように、ドメインを拡張して別のドメイン・テンプレートを使用することもできます。

      具体的なコンポーネントのインストールおよび構成の詳細は、次を参照してください。

      • Oracle ADF: 『Oracle ADFアプリケーションの管理』のWebLogicインストールにADFランタイムをインストールする方法に関する項

      • Oracle SOA Suite: 『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのインストールと構成』のOracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteのインストールに関する項、Oracle SOA Suiteドメインの構成に関する項およびOracle Business Process Managementドメインの構成に関する項

      • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle WebCenter Portalのインストールと構成』のOracle WebCenter Portalのインストールに関する項およびOracle WebCenter Portalの構成に関する項

    • 必要なすべてのスキーマの既存のデータベースでの作成。『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』を参照してください。

    • Oracle WebLogic ServerドメインへのMDSリポジトリの登録(アプリケーションでMDSリポジトリを使用する場合)。たとえば、Oracle SOA SuiteアプリケーションにはMDSが必要です。一部のADFアプリケーションでは、MDSを使用してカスタマイズを行います。MDSリポジトリの登録の詳細は、第14.3.2.1.1項を参照してください。

  3. アプリケーションでデータベースを使用する場合は、JDBCデータ・ソースを設定します。

    JDBCデータ・ソースの設定の詳細は、次を参照してください。

    • ピュアJava EEアプリケーション: 『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』

    • Oracle ADF: 『Oracle ADFアプリケーションの管理』のOracle WebLogic ServerのJDBCデータ・ソースを作成する方法に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle SOA SuiteによるSOAアプリケーションの開発』のデータ・ソースおよびキューを作成する方法に関する項

    • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle WebCenter Portalの管理』のデータ・ソースの選択に関する項

  4. Oracle SOA Suiteの場合、接続ファクトリおよび接続プールを作成します。詳細は、『Oracle SOA SuiteによるSOAアプリケーションの開発』の接続ファクトリおよび接続プールを作成する方法に関する項を参照してください。

  5. ターゲットとなる管理対象サーバーへの接続を作成します。

    Oracle JDeveloperから、JDeveloperの外部にある管理対象サーバー・インスタンスにアプリケーションをデプロイできます。そのためには、まずアプリケーションのデプロイ先となるサーバー・インスタンスへの接続を作成する必要があります。

    詳細は、次を参照してください:

    • Oracle ADF: 『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のターゲット・アプリケーション・サーバーへの接続を作成する方法に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle SOA SuiteによるSOAアプリケーションの開発』のアプリケーション・サーバー接続を作成する方法に関する項

    • Oracle WebCenter Portal: Oracle JDeveloperでのWebCenter Portalアセットおよびカスタム・コンポーネントの開発のWebLogic管理対象サーバー接続の作成に関する項

  6. Oracle SOA Suiteの場合、SOAコンポジット・アプリケーションが他のコンポジットとメタデータを共有している場合、SOA-MDS接続を作成します。『Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のSOA-MDS接続の作成に関する項を参照してください。

  7. JDBC接続文字列や各種サーバーのホスト名など、環境に固有の値の情報を含む構成プランまたはデプロイメント・プランを作成します。詳細は、次を参照してください:

    • ピュアJava EEアプリケーション: 『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のアプリケーションを構成するための新規デプロイメント・プランの作成に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』の構成プランの概要に関する項

  8. 資格証明、アイデンティティ、ポリシーなどのアプリケーション・セキュリティを移行します。詳細は、次を参照してください:

    • ピュアJava EEアプリケーション: 『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理12c (12.2.1)』のセキュリティ・データの移行に関する項

    • Oracle ADF: 『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のデプロイメントのためのセキュア・アプリケーションの準備に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のセキュリティの有効化に関する項

    • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle WebCenter Portalの管理』のWebCenter Portalアプリケーション・セキュリティの管理に関する項

  9. デプロイメント・プロファイルを作成します。デプロイメント・プロファイルは、カスタムADF、WebCenter Portal、SOAの各アプリケーションおよび関連付けられたファイルをパッケージ化またはアーカイブして、Oracle WebLogic Server管理対象サーバー・インスタンスにアプリケーションをデプロイできるようにします。デプロイ・プロファイルは、プロジェクト・レベルおよびアプリケーション・レベルで作成されます。

    詳細は、次を参照してください:

    • Oracle ADF: 『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のデプロイメント・プロファイルの作成方法に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のプロジェクト・デプロイメント・プロファイルの作成(オプション)に関する項

    • Oracle WebCenter Portal: Oracle JDeveloperでのWebCenter Portalアセットおよびカスタム・コンポーネントの開発のデプロイメント・プロファイルの作成に関する項

  10. Oracle SOA Suiteに対して、Oracle JDeveloperの拡張機能を移行します。表9-1に、拡張機能とそれを説明しているドキュメントを示します。

    表9-1 Oracle JDeveloperの拡張機能

    コンポーネント 拡張機能 関連項目:

    Oracle SOA Suite


    SOAの拡張機能

    『Oracle JDeveloperのインストール』のOracle JDeveloper拡張機能の有効化に関する項を参照してください。

    Oracle WebCenter Portal


    WebCenter Portalの拡張機能

    Oracle JDeveloperでのWebCenter Portalアセットおよびカスタム・コンポーネントの開発のWebLogic管理対象サーバー・インスタンスの作成とプロビジョニングに関する項


  11. アプリケーションを管理対象サーバーにデプロイします。

    詳細は、次を参照してください:

    • ピュアJava EEアプリケーション: 『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のデプロイメント用アプリケーションの新しい環境へのエクスポートに関する項

    • Oracle ADF: 『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のアプリケーションのデプロイに関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle SOA SuiteによるSOAアプリケーションの開発』のSOAコンポジット・アプリケーションのデプロイに関する項

    • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle WebCenter Portalの管理』のWebLogic管理対象サーバーに対するアプリケーションのデプロイに関する項

9.2.3 他の環境へのアプリケーションの移行の自動化

アプリケーションの移行は、WLSTスクリプトまたはantスクリプトを使用して自動化できます。これにより、複数の環境または管理対象サーバーへのアプリケーションのデプロイ、および更新されたバージョンのアプリケーションのデプロイが容易になります。

スクリプトの使用によってアプリケーションを他の環境に移行する操作の詳細は、次を参照してください。

  • ピュアJava EEアプリケーション:『WebLogic Scripting Toolの理解』のWebLogic Scripting Toolの使用に関する項

  • Oracle ADF: 『Oracle ADFアプリケーションの管理』のスクリプトおよびAntを使用したデプロイに関する項

  • Oracle SOA Suite: 『Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』の次の各項

    • 「スクリプトを使用したSOAコンポジット・アプリケーション」

    • 「antスクリプトを使用したSOAコンポジット・アプリケーションの管理」

    • Oracle WebCenter Portal: Oracle JDeveloperでのWebCenter Portalアセットおよびカスタム・コンポーネントの開発のWebLogic管理対象サーバー・インスタンスの作成とプロビジョニングに関する項

9.3 一般的な問題の診断

次に、アプリケーションを管理対象サーバーにデプロイする際に直面する可能性のある一般的な問題についていくつか説明します。

  • 接続情報。ターゲットとなる管理対象サーバーへの接続を正しく構成していることを確認します。第9.2.2項のステップ45および6を参照してください。

  • Oracle JDeveloperの拡張機能。Oracle JDeveloperの任意の拡張機能を移行していることを確認します。表9-1を参照してください。

  • データ・ソース。JDBCデータ・ソースを正しく構成していることを確認します。第9.2.2項のステップ3を参照してください。

  • セキュリティ構成。資格証明、アイデンティティ、ポリシーなどのアプリケーション・セキュリティを移行していることを確認します。第9.2.2項のステップ8を参照してください。

また、SOAアプリケーションのトラブルシューティングの詳細は、『Oracle SOA SuiteによるSOAアプリケーションの開発』の一般的なデプロイ・エラーのトラブルシューティングに関する項を参照してください。