1.1 12cの移行プロシージャの理解

Oracle BI 12c (12.2.1)はOracleのBusiness Intelligenceの最新のリリースです。Oracle BI 11gから12cへの移行には、入念な準備、計画およびテストが必要です。Oracleでは大部分の移行プロセスを自動化するツールおよびテクノロジを提供しています。ただし、採用する厳密な戦略は、既存の11gシステムの構成、および12cシステムの必要な構成によって異なります。

このドキュメントは、Oracle BI 12cで発生した問題をデバッグして修正する十分な知識があることを前提としています。また、Oracle BI 12cソフトウェアがダウンロードされていて、既存のOracle BI 11gインスタンスがシステムにインストールされ稼働していることも前提としています。

注意:

メタデータおよび構成の移行はホーム外プロセスです。本番環境の既存の11gシステムは移行プロセスに影響されません。既存の11gシステムは、12cシステムのロールアウトの準備ができるまで使用し続けることができます。

効率的な移行戦略を作成するために、次の手順を実行することをお薦めします。

1. 12cへの移行を準備するために、既存の11gシステムを分析し、最適化します
2. 何がどのように移行されるかを理解します
3. 移行を検証するテスト計画を定義します
4. 既存の11gシステムの代表的なサブセットでサンプル移行をテストします
5. 移行を実行します

最終的に実装する移行方法は、ご使用の特定の状況特有であり、具体的なトポロジおよび組織の要件に依存します。

• 既存の11gシステムの分析および最適化
  既存のOracle BI 11gシステムからメタデータおよび構成を移行するには時間とリソースが必要です。最適化されていない11gデプロイメントは、移行プロセスを中断する可能性があり、12cシステムのパフォーマンスに影響する可能性があります。冗長なコンテンツを削除して、類似コンテンツをマージして統合することで、既存の11gシステムを分析して最適化することをお薦めします。
• 何がどのように移行されるかの理解
  Oracleは、Business Intelligenceの12cリリースの既存の機能に対して多くの拡張機能を導入しました。場合によっては、これらの拡張機能で既存の機能を置き換えたり、様々な方法でそれを再実装しています。既存の11gの機能および構成は、可能なかぎり対応する12cシステムに移行されます。12cシステムの表示や動作が異なる場合もありますが、最終的な結果は機能的に同じことが期待できます。
• 移行を検証するためのテスト計画の定義
  12cシステムに必要なすべての移行データがそろっているかを検証するためにテスト計画を定義することをお薦めします。Oracle BI 12cでは、12cシステムの検証に使用できる一連の検証ツールを用意しています。これらの検証ツールは、システムの特定の部分の検証には役立つ可能性がありますが、検証タスクにおいては補助的です。
• 既存の11gシステムにおける代表的なサブセットでの移行のテスト
  移行を円滑に進めるために、実際の移行を実行する前に、サンプル・データを11gシステムから12cシステムへ移行することをお薦めします。
• 移行の実行
  サンプル移行を実行してデータが期待どおりに12cシステムに移行されたことを検証した後、Oracle BI 11gシステム全体の移行を続行できます。