プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalのインストールと構成
12c (12.2.1)
E70075-02
目次へ移動
目次

前
次

1 Oracle WebCenter Portalのインストールの理解

この章では、この製品の標準トポロジについて説明し、Oracle WebCenter Portalの標準インストールを示します。

製品のインストールまたはドメイン構成の実行中または実行後に問題が発生しないように、次のトピックを十分に検討してください。

1.1 Oracle WebCenter Portalの概要

Oracle WebCenter Portal (Oracle Fusion Middlewareの1製品)は、ポータル、Webサイトおよびコンポジット・アプリケーションの作成用に設計されたコンポーネントの統合スイートです。Oracle WebCenter Portalは、Java Server Faces (JSF)の標準ベースの宣言型開発、ポータルの柔軟性とパワー、および統合された一連のツールとサービスを組み合せて、エンドユーザーの生産性を高めます。

Oracle WebCenter Portalは、ポータルのコンテキスト内から直接、インスタント・メッセージング、ドキュメント、コンテンツ管理、ディスカッション・フォーラム、Wiki、ブログ、およびタグ付けなどのツールやサービスを直接に操作できる、オープンで拡張可能なソリューションを提供しています。これらのツールおよびサービスは、エンド・ユーザーおよびITに、次世代のコラボレイティブなアプリケーションおよびポータルの構築およびデプロイを可能にします。

1.2 開始点としての標準インストール・トポロジの使用方法

標準インストール・トポロジは、本番環境で使用できる柔軟なトポロジです。

このガイドの情報は、Oracle WebCenterPortalの標準インストール・トポロジの作成に役立ちます。後で標準インストール・トポロジを拡張して、セキュアで可用性の高い本番環境を作成できます。

標準インストール・トポロジは、この製品のサンプル・トポロジを示しています。この製品がサポートする唯一のトポロジではありません。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の標準インストール・トポロジの理解に関する項を参照してください。

1.2.1 Oracle WebCenter Portalの標準インストール・トポロジの理解

このトポロジは、2台の管理対象サーバーを含む1つのクラスタと管理サーバーが1台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

次の図は、Oracle WebCenter Portalの標準インストール・トポロジを示しています。

このトポロジの要素の詳細は、表1-1を参照してください。

GUID-A721F6C6-E598-4A52-BE58-7372C4349D4D-default.pngの説明が続きます
図GUID-A721F6C6-E598-4A52-BE58-7372C4349D4D-default.pngの説明

1.2.2 標準インストール・トポロジ図の要素の理解

通常、標準インストール・トポロジには、共通の要素が含まれています。

トポロジ図のすべての要素を説明しています。

表1-1 標準インストール・トポロジの要素の説明

要素 説明と追加ドキュメントへのリンク
APPHOST Oracleドキュメントでアプリケーション層をホストするマシンを示すために通常使用されている用語。
DBHOST Oracleドキュメントでデータベースをホストするマシンを示すために通常使用されている用語。
WebLogicドメイン Javaコンポーネント(この場合、管理サーバー、管理対象サーバーおよび他の関連ソフトウェア・コンポーネント)の論理的に関連したグループです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle WebLogic Serverドメインの概要に関する項を参照してください。

管理サーバー ドメインの中央制御エンティティで、そのドメインの構成オブジェクトを管理し、管理対象サーバーに構成の変更を配布します。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理サーバーの概要に関する項を参照してください。

Enterprise Manager Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、ドメインの管理のために使用される主要ツールです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。

クラスタ 同時に稼働し連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

マシン 1つ以上のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータの論理表現。マシンは、管理対象サーバーとノード・マネージャ間の論理グルーでもあります。ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動または停止するには、管理対象サーバーをマシンと関連付ける必要があります。
管理対象サーバー アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよびそれらの関連リソースのホスト。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

インフラストラクチャ 次のものを含むサービスの集合:
  • メタデータ・リポジトリ(MDS)には、Oracle Application Developer FrameworkなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータが含まれます。詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のメタデータ・リポジトリの概要に関する項を参照してください。

  • Oracle Application Developer Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Web Services Manager(OWSM)

1.2.3 Oracle WebCenter Portal管理対象サーバーの理解

Oracle WebCenter Portalをインストールした後は、WebLogic Serverドメインを作成または拡張し、構成する必要があります。基本的なドメイン・インフラストラクチャは、1つの管理サーバーと様々なオプションの管理対象サーバーで構成されます。Oracle WebCenter Portalのドメインを構成するときは、新規ドメインの場合、WebLogic管理サーバーが作成されます。インストールするOracle WebCenter Portalコンポーネントに応じて、様々なWebLogicサーバー・インスタンスが作成され、各コンポーネントが適切な管理対象サーバーにデプロイされます。管理対象サーバーは、Oracleシステム・ライブラリ(JRFライブラリ)およびOracle ADFライブラリでプロビジョニングされます。

表1-2 Oracle WebCenter Portalドメインの構成時に作成されるサーバー

WebLogic Serverインスタンス コンポーネント/ホストされるアプリケーション 説明
AdminServer  

これがWebLogic管理サーバーです。管理サーバーではWebLogic Serverドメインを一元的に管理できます。

管理サーバーは、管理コンソールとOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールをホストします。

WC_Portal

WebCenter Portal

Analyticsコレクタ

この管理対象サーバーは、Oracle WebCenter Portalドメインの作成時または拡張時に、デフォルトのポータル・アプリケーションであるWebCenter Portalのインストールを選択すると作成されます。

WC_Portlet

ポートレット・プロデューサ

ページレット・プロデューサ

この管理対象サーバーは、ドメインを作成または拡張するときに、Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサまたはOracle WebCenter Portalのポートレット・プロデューサのインストールを選択した場合に作成されます。

WC_Collaboration

ディスカッション・サーバー

この管理対象サーバーは、ドメインの作成時または拡張時に、Oracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバーのインストールを選択すると作成されます。

「Oracle WebCenter Portalの標準インストール・トポロジの理解」に、これらのサーバーおよびコンポーネントの図が示されています。

1.2.4 Oracle WebCenter Portalのコンポーネント

Oracle WebCenter Portalは、すぐに使用できるエンタープライズ対応のカスタマイズ可能なアプリケーションを提供し、構成可能な作業環境で個人およびグループがより効果的に協力して作業し、ポータルを開発、使用できるようになります。また、JDeveloperを使用して、WebCenter Portalで構築されたポータルで使用できるカスタム・アセットを作成することもできます。

Oracle WebCenter Portalのすべてのコンポーネントはデフォルトでシステムにインストールされています。ポータルに必要な機能に応じて、ドメインに構成する必要のあるコンポーネントを選択できます。

Oracle WebCenter Portalのコンポーネントは次のとおりです。

  • WebCenter Portal

    WebCenter Portalは、堅牢なツールとサービスのセットを通じてソーシャル・ネットワーキング、通信および個人の生産性向上のための単一の統合されたWebベース環境を提供します。ブラウザベースのプラットフォームにより、エンタープライズ・ポータル、複数のサイトおよびコミュニティを作成できます。

  • Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサ

    Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサでは、Webリソース(アプリケーション、コンポーネントおよびプログラム可能な機能)の様々なセットを作成および管理し、これらのリソースを既存のWebアプリケーションまたは新しい開発者によるマッシュアップと組み合せる機能を提供します。これによって、多種多様なWebテクノロジ(AJAX、REST、JavaScriptなど)使用してページレットを構築可能になります。

  • Oracle WebCenter PortalのPortlet Producers

    Oracle WebCenter Portalポートレット・プロデューサでは、標準ベースのポートレット(JSR 286、WSRP 1.0および2.0)と、従来のOracle PDK-Javaベースのポートレットの両方のデプロイメントと実行をサポートしています。OmniPortlet、Web ClippingおよびWSRP Parameter Form Portletという事前構成済のポートレット・プロデューサが含まれます。

  • Oracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバー

    Oracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバーは、ディスカッション・フォーラムとお知らせのポータルへの統合をサポートします。

  • Oracle WebCenter PortalのAnalyticsコレクタ

    Oracle WebCenter Portal Analyticsコレクタでは、ポータルおよびコンポジット・アプリケーション内のアクティビティとコンテンツの使用に関する包括的なレポートを作成できます。

1.3 このドキュメントを使用した既存ドメインの拡張

このドキュメントの手順には、新しいドメインの作成方法が記載されています。システムに他のOracle Fusion Middleware製品がインストールされていないことを想定しています。インストールおよびドメインの作成のためのすべての手順は、この仮定に基づいています。

システムに他のOracle Fusion Middleware製品がすでにインストールされている場合(たとえば、Oracle Fusion Middleware Infrastructureがすでにインストールされ、ドメインが稼働している場合)、既存のドメインを拡張するために、同じ手順を使用できます。これを行うことを選択した場合は、重要な情報について、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の同じドメインへの複数の製品のインストールに関する項をお読みください。

新しいドメインを作成するときに、この手順の指示がニーズに一致しない場合は、それに応じて選択を行い、詳細についてサポート・ドキュメントを参照してください。

1.4 アップグレード・シナリオでのこのドキュメントの使用

Oracle WebCenter Portalをアップグレード手順の一部としてインストールする場合は、このドキュメントの手順に従ってソフトウェアをインストールしますが、WebLogicドメインを作成するために構成ウィザードを実行しないでください。

ソフトウェアをインストールした後に、Oracle WebCenterのアップグレードを参照してください。