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Oracle® Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成
12c (12.2.1)
E69931-01
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2 リポジトリ作成ユーティリティの入手および実行

この章では、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の入手および実行の手順について説明します。

この章の構成は、次のとおりです。

2.1 RCUの入手

12c (12.2.1)では、RCUはOracle Fusion Middleware Infrastructureディストリビューションで入手できます。このソフトウェアのインストールおよびRCUの入手方法については、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』参照してください。

2.2 RCUの起動

Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール後に、ORACLE_HOME/oracle_common/binディレクトリからRCUを起動します。

注意:

英語以外のデータベースを使用してRCUを実行している場合は、LANG、LC_ALLおよびNLS_LANGの言語環境変数を設定する必要があります。ご使用の環境に適した環境コマンドを使用します。

たとえば、cshを実行しているUNIXオペレーティング・システムの場合は、次のように入力します。

setenv LANG en_US.UTF8
setenv LC_ALL $LANG
setenv NLS_LANG american_america

JAVA_HOME環境変数を設定すると、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の実行で使用するJDKソフトウェアを参照するため、一般的なよい方法です。これにより、RCUは適切なバージョンのJDKソフトウェアを使用します。

Linuxオペレーティング・システムの場合:

cd ORACLE_HOME/oracle_common/bin
./rcu

Windowsオペレーティング・システムの場合:

cd ORACLE_HOME\oracle_common\bin
rcu.bat

Xサーバーを利用できない場合や、表示機能を持たないtelnet端末を使用している場合は、RCUのコマンドライン・インタフェースを使用できます。このコマンドライン・インタフェースを使用すると、コマンドライン・スクリプトや一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネント(Enterprise Managerなど)を使用して、RCUを埋め込むこともできます。

CLIの使用方法の詳細は、「コマンドラインからのリポジトリ作成ユーティリティの実行」を参照してください。

2.3 スキーマの作成

この項では、次の項目について説明します。

2.3.1 完全なSYSまたはSYSDBA権限を持つユーザーとしてのスキーマの作成

完全なSYSまたはSYSDBA権限を持つユーザーであり、データベース・アクセスの有効な認証資格証明を提供できる場合は、この項の手順に従ってスキーマを作成します。

画面の名前をクリックすると、その画面の詳細情報が表示されます。特に指定がなければ、「次へ」をクリックして次の画面に進みます。

表2-1 完全な権限を持つユーザー向けのスキーマ作成手順

画面 説明

ようこそ

この画面では、RCUが紹介されます。

リポジトリの作成

「リポジトリの作成」を選択し、「システム・ロードおよび製品ロード」を選択します。

そのデータベースでの完全なSYSまたはSYSDBA権限を持たない場合は、「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択し、「制限されたデータベース権限を持つユーザーとしてのスキーマの作成」のスキーマ作成手順に従います。

データベース接続の詳細

データベース接続の資格証明を指定します。

IBM DB2データベースにスキーマを作成する場合は、作成するスキーマごとにオペレーティング・システム・ユーザーを1つ作成しておく必要があることを忘れないでください。詳細は、「IBM DB2データベースに関する追加要件」を参照してください。

資格証明を指定したら、「次へ」をクリックします。別のダイアログ・ウィンドウが開き、接続、およびデータベースのいくつかの前提条件がチェックされます。エラーなしでデータベースのチェックをパスしたら、「OK」をクリックしてこのダイアログ・ウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

コンポーネントの選択(作成操作用)

スキーマを作成する対象のコンポーネントを選択し、グループ化のための接頭辞を指定します。

インストールするコンポーネントの接頭辞とスキーマ名は忘れないでください。製品インストールの構成フェーズで必要になります。これらの値はメモしておくことをお薦めします。

スキーマ・パスワード

スキーマ所有者のパスワードを指定します。

この画面で入力したパスワードは忘れないでください。製品インストールの構成フェーズで必要となります。これらの値はメモしておくことをお薦めします。

カスタム変数

追加の製品構成情報に対して一部の製品では、カスタム変数が必要です。この画面は、「コンポーネントの選択」画面で、「Oracle Data Integrator」、「SOAスイート」または「WebCenterポータル - 分析」を選択した場合にのみ表示されます。「Oracle Data Integrator」、「SOAスイート」または「WebCenterポータル - 分析」を選択できるのは、RCUが開始されたOracleホームにそれぞれOracle Data Integrator、Oracle SOA SuiteまたはOracle WebCenter Portalが含まれている場合のみです。

表領域のマップ

この画面を使用して、作成するスキーマの目的の表領域マッピングを構成します。

「次へ」をクリックすると、別のダイアログ・ウィンドウが開き、これらの表領域の作成を確認するように求められます。「OK」をクリックして先に進み、このダイアログ・ウィンドウを閉じます。

表領域作成の進行状況を示す2番目のダイアログ・ウィンドウが表示されます。この処理が完了したら、「OK」をクリックしてこのウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

サマリー(作成操作用)

この画面の情報を確認し、「作成」をクリックしてスキーマの作成を開始します。

完了サマリー(作成操作用)

この画面の情報を確認し、操作が正常に完了したことを確かめます。「閉じる」をクリックして、スキーマの作成を完了し、RCUを終了します。

2.3.2 制限されたデータベース権限を持つユーザーとしてのスキーマの作成

SYSまたはSYSDBA権限を持たないユーザーであるか、またはデータベース・アクセスの有効な認証資格証明を提供できない場合は、この項の手順に従ってスキーマを作成します。

表2-2 制限された権限を持つユーザー向けのスキーマ作成手順

画面 説明

ようこそ

この画面では、RCUが紹介されます。

リポジトリの作成

「リポジトリの作成」を選択し、「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択します。

これらの操作の詳細は、「システム・ロードおよび製品ロードの理解」を参照してください。

データベース接続の詳細

データベース接続の資格証明を指定します。

資格証明を指定したら、「次へ」をクリックします。別のダイアログ・ウィンドウが開き、接続、およびデータベースのいくつかの前提条件がチェックされます。エラーなしでデータベースのチェックをパスしたら、「OK」をクリックしてこのダイアログ・ウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

注意: システム・ロードと製品ロードを別々に実行する場合、RCUでは使用するデータベースのバージョンがサポートされ、動作保証されていることを確認しません。RCUで使用可能な認定されたデータベースのリストについては、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページにある、ご使用のリリースの動作保証に関するドキュメントを参照してください。

注意: システム・ロードと製品ロードを別々に実行する方法は、OracleまたはOracle EBRデータベースでのみサポートされています。

コンポーネントの選択(作成操作用)

スキーマを作成する対象のコンポーネントを選択し、グループ化のための接頭辞を指定します。

インストールするコンポーネントの接頭辞とスキーマ名は忘れないでください。製品インストールの構成フェーズで必要になります。これらの値はメモしておくことをお薦めします。

カスタム変数

追加の製品構成情報に対して一部の製品では、カスタム変数が必要です。この画面は、「コンポーネントの選択」画面で、「Oracle Data Integrator」、「SOAスイート」または「WebCenterポータル - 分析」を選択した場合にのみ表示されます。「Oracle Data Integrator」、「SOAスイート」または「WebCenterポータル - 分析」を選択できるのは、RCUが開始されたOracleホームにそれぞれOracle Data Integrator、Oracle SOA SuiteまたはOracle WebCenter Portalが含まれている場合のみです。

表領域のマップ

この画面を使用して、作成するスキーマの目的の表領域マッピングを構成します。

サマリー(作成操作用)

この画面の情報を確認し、「生成」をクリックしてスクリプトの生成を開始します。

デフォルトで、スクリプトはシステムの一時ディレクトリ内のRCUdate_timestamp_random_number/logsディレクトリに生成されます。たとえば、UNIXオペレーティング・システムでは、スクリプトは、デフォルトで/tmp/RCUdate_timestamp_random_number/logsディレクトリに生成されます。別の場所を指定する場合は、「参照」をクリックしてシステム上の場所を選択します。

生成されるスクリプトの名前は、script_systemLoad.sqlおよびscript_postDataLoad.sqlです。

完了サマリー(作成操作用)

この画面の情報を確認し、操作が正常に完了したことを確かめます。「閉じる」をクリックして、スキーマの作成を完了し、RCUを終了します。

なし

スクリプトが作成されたら、SYSまたはSYSDBA権限を持つユーザーがscript_systemLoad.sqlスクリプトを実行する必要があります。

  1. SQL*Plusにログインします。

  2. 次のコマンドを入力して、script_systemLoad.sqlスクリプトを実行します(そのスクリプトをユーザー指定の場所に保存した場合は、そのパスに置き換えます)。

    @/tmp/RCUdate_timestamp_random_number/logs/script_systemLoad.sql
    
  3. スクリプトの実行中、ユーザーは作成される各スキーマのスキーマ・パスワードを設定するように求められます。求められたらパスワードを指定します。

    スクリプトの実行が完了すると、システム・プロンプトに戻ります。

なし

スクリプトの実行後は、RCUを再度実行し、製品ロード・フェーズを実行してスキーマ作成を完了します。

ようこそ

この画面では、RCUが紹介されます。

リポジトリの作成

「リポジトリの作成」を選択し、「製品ロードの実行」を選択します。

これらの操作の詳細は、「システム・ロードおよび製品ロードの理解」を参照してください。

データベース接続の詳細

データベース接続の資格証明を指定します。

資格証明を指定したら、「次へ」をクリックします。別のダイアログ・ウィンドウが開き、接続、およびデータベースのいくつかの前提条件がチェックされます。エラーなしでデータベースのチェックをパスしたら、「OK」をクリックしてこのダイアログ・ウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

コンポーネントの選択(作成操作用)

ドロップダウン・リストから、この手順の前の方で指定した接頭辞を選択します。

その後、製品ロードの実行対象のコンポーネントを選択します。

スキーマ・パスワード

スキーマ所有者のパスワードを指定します。

この画面で入力したパスワードは忘れないでください。製品インストールの構成フェーズで必要となります。これらの値はメモしておくことをお薦めします。

カスタム変数

追加の製品構成情報に対して一部の製品では、カスタム変数が必要です。この画面は、「コンポーネントの選択」画面で、「Oracle Data Integrator」、「SOAスイート」または「WebCenterポータル - 分析」を選択した場合にのみ表示されます。「Oracle Data Integrator」、「SOAスイート」または「WebCenterポータル - 分析」を選択できるのは、RCUが開始されたOracleホームにそれぞれOracle Data Integrator、Oracle SOA SuiteまたはOracle WebCenter Portalが含まれている場合のみです。

サマリー(作成操作用)

この画面の情報を確認し、「データ・ロード」をクリックしてスキーマの作成を開始します。

完了サマリー(作成操作用)

この画面の情報を確認し、操作が正常に完了したことを確かめます。「閉じる」をクリックして、スキーマの作成を完了し、RCUを終了します。

なし

このオプションの手順は、DBA権限が必要な製品ロード・スクリプトを生成および実行する必要があるコンポーネントに対して必要です。製品ロード・フェーズの完了後、SYSまたはSYSDBA権限を持つユーザーがscript_postDataLoad.sqlスクリプトを実行する必要があります。

次の手順は、Audit Services (IAU)およびOracle Enterprise Scheduler (ESS)コンポーネントで必要です。

  1. SQL*Plusにログインします。

  2. 次のコマンドを入力して、script_postDataLoad.sqlスクリプトを実行します(そのスクリプトをユーザー指定の場所に保存した場合は、そのパスに置き換えます)。

    @/tmp/RCUdate_timestamp_random_number/logs/script_postDataLoad.sql
    

    スクリプトの実行が完了すると、システム・プロンプトに戻ります。

2.3.3 スキーマ・バージョン番号の確認

データベースにスキーマが作成されると、RCUは、schema_version_registryという表を作成して維持します。この表には、バージョン番号、コンポーネント名とID、作成日と変更日およびカスタム接頭辞などのスキーマ情報が含まれています。

スキーマが適切にインストールされたかどうかを確認するには、SQL*Plusにログインした後に次の問合せを実行します。

select comp_name, version from schema_version_registry;

comp_name引数はコンポーネント名を取得し、versionはバージョン番号を取得します。次に例を示します。

SQL> select comp_name, version from schema_version_registry;

COMP_NAME
--------------------------------------------------------------------------------
VERSION
------------------------------
Audit Service
12.2.1.0.0
 
Audit Service Append
12.2.1.0.0
 
Audit Service Viewer
12.2.1.0.0
 
 
COMP_NAME
--------------------------------------------------------------------------------
VERSION
------------------------------
Metadata Services
12.2.1.0.0
 
Oracle Platform Security Services
12.2.1.0.0
 
Service Table
12.1.3.0.0
 
 
COMP_NAME
--------------------------------------------------------------------------------
VERSION
------------------------------
User Messaging Service
12.2.1.0.0
 
WebLogic Services
12.2.1.0.0
 
 
8 rows selected.

2.4 スキーマの削除

データベースからスキーマを削除するには、RCUを起動して(「RCUの起動」を参照)、表2-3の手順に従います。

画面の名前をクリックすると、その画面の詳細情報が表示されます。特に指定がなければ、「次へ」をクリックして次の画面に進みます。

表2-3 スキーマの削除に関するRCU画面および説明

画面 手順および必要な操作

ようこそ

この画面では、RCUが紹介されます。

リポジトリの作成

「リポジトリの削除」を選択します。

データベース接続の詳細

データベースの接続の詳細を指定し、「次へ」をクリックします。

別のダイアログ・ウィンドウが開き、接続、およびデータベースのいくつかの前提条件がチェックされます。エラーなしでデータベースのチェックをパスしたら、「OK」をクリックしてこのダイアログ・ウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

コンポーネントの選択(削除操作用)

削除する接頭辞とスキーマを選択し、「次」をクリックします。

別のダイアログ・ウィンドウが開き、選択したスキーマの削除を確認するように求められます。「OK」をクリックしてこのウィンドウを閉じます。

2番目のダイアログ・ウィンドウが表示され、削除するスキーマの前提条件がチェックされます。この処理が完了したら、「OK」をクリックしてこのウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。

カスタム変数

追加の製品構成情報に対して一部の製品では、カスタム変数が必要です。この画面は、「コンポーネントの選択」画面で、「Oracle Data Integrator」、「SOAスイート」または「WebCenterポータル - 分析」を選択した場合にのみ表示されます。「Oracle Data Integrator」、「SOAスイート」または「WebCenterポータル - 分析」を選択できるのは、RCUが開始されたOracleホームにそれぞれOracle Data Integrator、Oracle SOA SuiteまたはOracle WebCenter Portalが含まれている場合のみです。

サマリー(削除操作用)

画面上の情報を確認し、「削除」をクリックしてスキーマを削除します。

完了サマリー(削除操作用)

ログ・ファイルの場所を確認し、「閉じる」をクリックして画面を閉じます。

2.4.1 共有表領域の削除について

複数のスキーマで共有されている表領域は削除されません。たとえば、Audit Servicesスキーマ(DEV_IAUなど)とMetadata Servicesスキーマ(DEV_MDSなど)を作成した場合は、両方のスキーマで一時表領域DEV_IAS_TEMPが使用されます(「デフォルトの表領域マッピング」を参照)。

その後、DEV_IAUスキーマを削除しても、DEV_IAS_TEMP表領域はDEV_MDSスキーマでも使用されているため、削除されません。

2.4.2 スキーマおよびデータファイルの削除(Windowsのみ)

RCUを使用してWindowsベースのデータベースからスキーマを削除し、削除したスキーマを再作成する場合は、スキーマの削除時に自動的に削除されなかったデータファイルを手動で削除する必要があります。

スキーマを再作成する前に、DB_HOME\oradataディレクトリに移動し、残っているデータファイルを手動で削除します。

削除されたスキーマの再作成を試行する前に、このディレクトリに残っているデータファイルがないか確認することをお薦めします。