ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Schedulerの管理
12c (12.2.1)
E72705-01
  目次へ移動
目次

前
次
 

3 基本的な管理タスクの実行

この章では、Oracle Enterprise Schedulerを実行するインフラストラクチャの作成および構成方法について説明します。Oracle Enterprise Schedulerは、スケジューリング・サービスの提供先となるアプリケーションとともにインストールされます。ただし、Oracle Enterprise Schedulerを使用する前に、インフラストラクチャの構成が必要になることがあります。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 基本的な管理タスクの実行の概要

Oracle Enterprise Schedulerを組み込むことで製品のジョブ・スケジューリング・サービスを提供する製品の場合、その製品によってOracle Enterprise Schedulerがインストールされます。ただし、ドメインの作成時にOracle Enterprise Schedulerのデプロイを明示的に選択することや、サービスを最大限利用するためOracle Enterprise Schedulerの側面を構成することが必要になる場合があります。

必要になる場合がある基本的な管理タスクには次のものがあります。

  • Oracle Enterprise SchedulerをインストールしてOracle Enterprise Schedulerコンポーネントを含めるドメインを作成します。

  • クラスタ、リクエスト・プロセッサおよびリクエスト・ディスパッチャを構成して、Oracle Enterprise Schedulerを構成します。クラスタはオプションですが(Oracle Enterprise Schedulerはシングル・ノードで実行できます)、Oracle Enterprise Schedulerを機能させるためにはプロセッサとディスパッチャは必須です。

  • サービス・インスタンス、そのリクエスト・プロセッサまたはリクエスト・ディスパッチャを起動および停止します。

  • アプリケーションおよびロール・ポリシーの管理またはWebサービスを提供します。

3.2 Oracle Enterprise Schedulerのインストール

Oracle Enterprise Schedulerには独自のインストーラはありませんが、Oracle SOA Suiteなどのそれを組み込む製品のインストーラによりインストールされます。詳細は、組込み製品のインストール・ドキュメントを参照してください。

IDEは、組込み製品の設計時インストーラによってインストールされます(たとえば、Oracle SOA Suiteの設計時インストーラ)。このインストーラによりIDEがインストールされ、自動的にOracle JDeveloperのために構成されます。JDeveloperを実行する前に、必ず変数MW_HOMEをIDEが必要とするミドルウェア・ホームの場所に設定します。

Oracle Enterprise Schedulerのランタイム・コンポーネントは、組込み製品(たとえば、Oracle SOA suite)の設計時または製品インストーラによってインストールされます。組込み製品により自動的にOracle Enterprise Schedulerがデプロイされますが、デプロイされない場合は、「Oracle Enterprise Scheduler Service Basic」テンプレートを使用して、サーバーまたはクラスタにデプロイできます。「Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control Plugin for ESS」テンプレートがデプロイされ、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlでOracle Enterprise Schedulerの機能を有効にするように選択されます。

3.2.1 ドメイン作成中のOracle Enterprise Schedulerのターゲット設定

Oracle Enterprise Schedulerが自動的に組込​​み製品のターゲットとして設定されていない場合は、ドメインの作成時にOracle Enterprise Schedulerの基本テンプレートを選択する必要があります。デフォルトでは、Oracle Enterprise Schedulerは、ess_server1と呼ばれるデフォルトのサーバーをターゲットとします。異なるサーバー(たとえば、SOAサーバー)をターゲットにするには、次の手順を使用します。

  1. Oracle Enterprise SchedulerでSOAを拡張する場合、ess-server1が作成され、デフォルトでESS-MGD-SVRSサーバー・グループがess_server1をターゲットとします。Oracle Enterprise Schedulerのターゲットをsoa_server1にするには、次の手順を使用します。

    1. soa_server1ESS-MGD-SVRSを選択します。

    2. ess-server1ESS-MGD-SVRSの選択を解除します。

    3. ess_server1を削除します。

3.2.2 Oracle Enterprise SchedulerでのOWSM-PMのターゲット設定

OWSM-PMは、ドメイン内の1つのサーバーのターゲットとなることを想定しています。この要件を簡易にするため、Oracle Enterprise SchedulerのテンプレートはOWSM-PMをターゲットにしません。ドメイン内の他の製品が自動的にOWSM-PMをターゲットにしている場合は、何もすることはありません。しかし、そのドメインにOracle Enterprise Scheduler以外の管理対象サーバーが存在しない場合、またはいずれのサーバーにもOWSM-PMがない場合は、OWSM-PMを手動でターゲットにする必要があります。

3.2.2.1 OWSM-PMの手動ターゲット設定

図3-1に示すように、Fusion Middleware構成ウィザードで、管理対象サーバー、クラスタおよびコヒーレンス・チェック・ボックスを選択します。

図3-1 Fusion Middleware構成ウィザード

img/GUID-BBF0B1A8-2397-4190-8D56-32BCED7760B0-default.jpg

「管理対象サーバー」画面で、ess_server1用に「WSMPM-MAN-SVR」サーバー・グループを選択します。「ESS-MGD-SVRS」がすでに選択されているはずです。

3.3 プロセス・ジョブをサポートするためのPerlの構成

ドメインの設定を完了するには、プロセス・ジョブをサポートするためのPerlの構成が必要になる場合があります。Oracle Enterprise Schedulerでは、プロセス・ジョブをサポートするため、オプションでPerlを使用します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Scheduler開発者ガイド』の「プロセス・タイプのジョブ定義を作成および格納する方法」を参照してください。

Enterprise Managerで次を実行します。

  1. Enterprise Managerの「スケジューリング・サービス」メニューから、「構成」→「アプリケーション・プロパティ」を選択します。

  2. PerlCommandというESSAPP内のESSレベルのプロパティをPerlの実行可能ファイルの場所に設定します。たとえば、PerlCommand = c:\Perl\bin\perl.exeのようにします。

  3. Perlのバージョンは5.10以上です。

  4. ESSはPerlを次の順序で検出します。

    1. 前述の構成から。

    2. WL_HOMEが定義されている場合、$WL_HOME.../../webtier_mwhome/webtier/perl/bin/perlから。

    3. それ以外の場合は、コンテナのパスから。

3.4 Oracle Enterprise Schedulerの構成

Oracle Enterprise Schedulerは単一のインスタンスまたはサーバーのクラスタとして実行できます。各Oracle Enterprise Schedulerサーバーには、必ず構成する必要があるリクエスト・プロセッサとディスパッチャが含まれています。

次に、Oracle Enterprise Schedulerを構成するための主な手順を示します。

  1. クラスタを構成します。オプションで、Oracle Enterprise Schedulerサーバーのクラスタを構成します。

  2. リクエスト・プロセッサを構成します。ジョブ・リクエストを受信および管理するOracle Enterprise Schedulerコンポーネントを構成します。

  3. リクエスト・ディスパッチャを構成します。リクエスト・プロセッサに対してジョブ・リクエストのポーリングを行い、ジョブをディスパッチするOracle Enterprise Schedulerコンポーネントを構成します。

この項では、次の項目について説明します。

3.4.1 Oracle Enterprise Schedulerクラスタの拡張

Oracle Enterprise SchedulerクラスタはWebLogicドメインの作成時に作成されます。このクラスタを拡張してより大きな負荷に対応できるようにできます。Oracle WebLogic Serverコンソールから、新しいクラスタ・ノードをOracle Enterprise Schedulerクラスタに追加できます。

管理対象サーバーを追加してOracle Enterprise Schedulerクラスタをスケール・アウトした場合、追加したサーバーでデフォルトの作業割当てを使用して、すぐにリクエスト処理を開始するのは望ましくない場合があります。これは、その他のすべてのサーバーに作業割当てが標準モードでバインドされている場合です。しかし、1つ以上の実行中サーバーがデフォルトの作業割当てを使用している場合、現在の作業割当ては、デフォルトの作業割当てを使用するサーバーと互換性を持ちます。

既存のクラスタに新規の管理対象サーバーを追加した場合、追加したサーバーでデフォルトの作業割当てを使用して、すぐにリクエスト処理を開始するのは望ましくない場合があります。これは、その他のすべてのサーバーに作業割当てが標準モードでバインドされている場合です。実行中サーバーの少なくとも1つがデフォルトの作業割当てを使用しているなら、現在の作業割当てが、デフォルトの作業割当てを使用しているサーバーと適合していることを意味します。

Oracle Enterprise Schedulerには新規サーバーに対する保護機能があるため、ユーザーはサーバーがジョブの処理を開始する前に作業割当てを実行できます。新規に作成されたサーバーを初めて起動すると、Oracle Enterprise Schedulerは、デフォルトの作業割当てを使用すると問題があるかどうかを決定し、問題がある場合は、ヘルス・チェック・ジョブが含まれている事前シードの内部作業割当て(ESSInternalWA)をバインドします。ユーザーはヘルス・チェック・ジョブを使用してサーバーを調査し、必要に応じて、内部作業割当てをアンバインドして自身で作成した作業割当てをバインドできます。

デフォルトの作業割当てを使用できるかどうかを判断する際、Oracle Enterprise Schedulerは、グループ内のすべての実行中サーバーを考慮し、そのサーバーにどんなアプリケーションがデプロイされているかは関係ないことに注意してください。ダウンしているサーバーは考慮されません。

作業割当ての詳細は、「作業割当ての管理」を参照してください。

Oracle WebLogic Serverコンソールを使用したクラスタの拡張の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server管理コンソールのオンライン・ヘルプを参照してください。

3.4.2 リクエスト・プロセッサの構成

リクエスト・プロセッサに作業割当てがバインドされていない場合は、デフォルトの作業割当てでジョブ・リクエストが処理されます。作業割当てのバインディングは、どのようなジョブを、いつ、どのようなリソースで実行するかを制御します。バインディングには、標準(デフォルト)と排他的の2つのモードがあります。

標準バインディング・モードでは、アクティブな稼働シフトが定義されている場合に、リクエスト・プロセッサが特殊化ルールで定義されているとおりにジョブ・リクエストを処理できます。ジョブ・リクエストが2つの異なる作業割当てに特殊化されている場合、いずれか一方の作業割当てまたはデフォルトの作業割当てでそのジョブ・リクエストを処理できます。

排他的バインディング・モードを使用している場合、その作業割当てに特殊化されているジョブ・リクエストは、その作業割当てがアクティブであればその作業割当てによって排他的に処理されます。これらのジョブ・リクエストは、デフォルトの作業割当てを含む、その他すべての作業割当てから除外されます。作業割当てにアクティブな稼働シフトがない場合、そのジョブ・リクエストは他の作業割当てで処理できます。

例として、次の作業割当てを考えてみます。

  • LongWAの特殊化は、(definition = 'JobDefinition://mypackage/LongRunningJob')

  • SamWAの特殊化は、(definition = 'JobDefinition://mypackage/LongRunningJob' AND user = 'sam')

LongWAおよびSamWAの両方とも、標準モードでバインドされているものとします。SamがLongRunningJobを発行すると、LongWAまたはSamWAのいずれかが、そのリクエストを処理できます。

LongWAが標準モードでバインドされ、SamWAは排他モードでバインドされているものとします。SamがLongRunningJobを発行すると、SamWAのみが、そのリクエストを処理できます。排他バインディングは、次のように機能するようにLongWAを特殊化します。

(definition = 'JobDefinition://mypackage/LongRunningJob') AND NOT (definition 'JobDefinition://mypackage/LongRunningJob' AND user = 'sam')

これは実質的には次と同じです。

(definition = 'JobDefinition://mypackage/LongRunningJob') AND NOT (user = 'sam')

注意:

特殊化がオーバーラップする場合、排他的バインド・モードの使用には注意してください。たとえば、LongWAおよびSamWAの両方を排他モードでバインドすると、SamWALongRunningJobをまったく実行できません。この場合、SamWAの特殊化は次のようになります。

(definition = 'JobDefinition://mypackage/LongRunningJob' AND user = 'sam') AND NOT (definition = 'JobDefinition://mypackage/LongRunningJob')

作業割当てのバインドの要件は次のとおりです。

  1. 作業割当てが有効になっている必要があります。つまり、アクティブ・フラグが設定されている必要があります。

  2. 作業割当てには少なくとも1つの稼働シフトが必要です。

  3. 作業割当て内の各稼働シフトには、少なくとも1つのスレッド割当てが必要です。

  4. 稼働シフトにスケジュールが含まれている場合、次を満たしている必要があります。

    • スケジュールはアクティブである必要があります。つまり、失効していない必要があります。

    • 稼働シフトの期間が少なくとも1である必要があります。

  5. 作業割当てを特定のサーバーにバインドできるのは最大で1回です。

  6. 作業割当てはグループ内の任意の数のサーバーにバインドできますが、すべて同じモードでバインドする必要があります。グループ内のあるサーバーに作業割当てを標準モードでバインドし、他のサーバーに作業割当てを排他的モードでバインドすることはできません。

作業割当ての詳細は、「作業割当ての管理」を参照してください。

リクエスト・プロセッサを構成するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・プロセッサ」を選択し、次に「構成」を選択します。
  3. 「リクエスト・プロセッサの有効化」フィールドの下で、リクエスト・プロセッサを有効化または無効化します。「リクエスト・プロセッサの有効化」チェック・ボックスを選択してリクエスト処理を有効にします。
  4. オプションで、「作業割当てバインディング」セクションで作業割当てをリクエスト・プロセッサにバインドします。
    • 追加: 作業割当てをリクエスト・プロセッサにバインドするには、「追加」をクリックします。

      「作業割当ての選択」ポップアップ・ウィンドウで、リストから作業割当てを選択し、「OK」をクリックします。

    • 削除: ジョブ・リクエスト・プロセッサから作業割当てバインディングを削除するには、バインディングのリストから作業割当てを選択し、「削除」をクリックします。

    • 排他的バインディング: リクエスト・プロセッサに作業割当てを排他的にバインドする場合に選択します。作業割当て定義で作業割当てが有効化されていない場合や、サーバーがダウンしている場合でも、バインディングは適用されます。作業割当てを複数のサーバーにバインドする場合、バインド対象のすべてのサーバーで同じバインディング・モードを使用する必要があります。

  5. オプションで、「拡張構成」セクションで、スレッド数とスタベーションしきい値を分単位で構成できます。
    • スレッド数: プロセッサで処理するスレッドの数を、このテキスト・フィールドに入力します。

    • スタベーションしきい値(分): 分単位のスタベーションしきい値を、このテキスト・フィールドに入力します。スタベーションしきい値は、ジョブ・リクエストの待機時間を指定します。

  6. 「適用」をクリックして、変更を保存します。

3.4.3 リクエスト・ディスパッチャの構成

「リクエスト・ディスパッチャの構成」ページを使用して、ジョブ・リクエスト・ディスパッチャを有効または無効にします。リクエスト・ディスパッチャのポーリング間隔も構成できます。

Oracle Enterprise Schedulerリポジトリに対してディスパッチャが実行準備の整ったリクエストをポーリングするまで、リクエストは待機の状態のままです。リポジトリへのポーリング後、ディスパッチャはすべてのリクエストを準備完了に設定します。準備完了状態になった後、ジョブ・リクエストの管理はリクエスト・プロセッサに引き継がれます。

デフォルトの最大ポーリング間隔は15秒です。

リクエスト・ディスパッチャを構成するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・ディスパッチャ」を選択し、次に「構成」を選択します。
  3. 「リクエスト・ディスパッチャの有効化」フィールドの下で、リクエスト・プロセッサを有効化または無効化します。

    「リクエスト・ディスパッチャの有効化」チェック・ボックスを選択してリクエストのディスパッチを有効にします。

  4. オプションで、「拡張構成」セクションで、リクエスト・ディスパッチャのポーリング間隔を構成できます。「最大ポーリング間隔」フィールドに、ディスパッチャがリクエストをポーリングする最小間隔を入力します。
  5. 「適用」をクリックして、変更を保存します。

3.5 Cloud ControlにおけるOracle Enterprise Schedulerへの構成変更の検索

Cloud Controlの検索ページを使用して、構成に対して行われた変更を検索できます。

Cloud ControlにおいてOracle Enterprise Schedulerへの構成変更を検索するには:

  1. 「Cloud ControlにおけるOracle Enterprise Schedulerのアラートの表示」の説明に従って、Oracle Enterprise Schedulerのアラートを表示します。
  2. 「監視と診断」ペインで、構成変更の数をクリックして、Oracle Enterprise Schedulerへの構成変更のアラートの検索ページを表示します。
  3. 必要に応じて検索の構成を行います。
    • ターゲット・タイプ: 「スケジューラ・サービス」または「スケジューラ・サービス・グループ」を選択します。

    • ターゲット名: 検索対象のターゲットの名前を検索または入力します。ドロップダウン・リストから、ターゲット名の検索に使用する基準(「次を含む」「次に一致する」、「次に一致しない」「次を含まない」「次で始まる」または「次で終わる」)を選択します。

    • 変更のタイプ: ドロップダウン・リストから、検索する構成変更のタイプを選択します。

    • 履歴レコードの表示: ドロップダウン・リストから、レコードの表示方法(「グループ化」または「すべて表示」)を選択します。

    • メンバー・ターゲットの変更を含む: ターゲットのメンバーに対して行われた構成変更を表示する場合は選択します。

    • 変更の検出: 過去: 指定した日数、週数または月数内に検出された変更が検索されます。

    • 変更の検出: 特定の期間内に検出された変更が検索されます。「次より後」および「次より前」フィールドを使用して、該当する期間を入力します。

  4. 「検索」をクリックして、変更を検索します。

3.6 Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントの起動と停止

Oracle Enterprise SchedulerのインスタンスはFusion Middleware Controlから起動および停止できます。

次のコンポーネントを起動および停止できます。

  • Oracle Enterprise Schedulerインスタンス

  • ジョブ・リクエスト・プロセッサおよびディスパッチャ

注意:

Oracle Enterprise Schedulerインスタンスまたはコンポーネントを停止することはお薦めしません。Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントを停止した後も、ジョブ・リクエストはキューに蓄積されます。

この項では、次の項目について説明します。

3.6.1 Oracle Enterprise Schedulerサービス・インスタンスの起動と停止

スケジューリング・サービスの「コントロール」メニューで、Oracle Enterprise Schedulerインスタンスを起動し、スケジュール済のジョブ・リクエストを管理できます。

注意:

Oracle Enterprise Schedulerインスタンスまたはコンポーネントを停止することはお薦めしません。

Oracle Enterprise Schedulerのインスタンスを起動するには:

  1. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「コントロール」を選択します。

  2. 「起動」を選択します。

Oracle Enterprise Schedulerのインスタンスを停止するには:

  1. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「コントロール」を選択します。
  2. 「停止」を選択します。

3.6.2 リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャの起動と停止

「スケジューリング・サービス」メニューから、構成済リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャを起動または停止できます。

注意:

Oracle Enterprise Schedulerインスタンスまたはコンポーネントを停止することはお薦めしません。

リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャを開始または停止する手順は、次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. リクエスト・プロセッサまたはリクエストディスパッチャを、次の手順で起動します。
    • 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・プロセッサ」「起動」を選択するか、または「ホーム」ページから、「スケジューラ・コンポーネント」領域でリクエスト・プロセッサを選択し、「開始」ボタンをクリックします。

    • 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・ディスパッチャ」「起動」を選択するか、または「ホーム」ページから、「スケジューラ・コンポーネント」領域でリクエスト・ディスパッチャを選択し、「開始」ボタンをクリックします。

  3. リクエスト・プロセッサまたはリクエストディスパッチャを、次の手順で停止します。
    • 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・プロセッサ」「停止」を選択するか、または「ホーム」ページから、「スケジューラ・コンポーネント」領域でリクエスト・プロセッサを選択し、「停止」ボタンをクリックします。

    • 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・ディスパッチャ」「停止」を選択するか、または「ホーム」ページから、「スケジューラ・コンポーネント」領域でリクエスト・ディスパッチャを選択し、「停止」ボタンをクリックします。

  4. プロセッサまたはディスパッチャを停止するかどうかを尋ねられたら、「OK」をクリックします。

3.7 リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャの起動と停止

「スケジューリング・サービス」メニューから、構成済リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャを起動または停止できます。

注意:

Oracle Enterprise Schedulerインスタンスまたはコンポーネントを停止することはお薦めしません。

リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャを開始または停止する手順は、次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。

  2. リクエスト・プロセッサまたはリクエストディスパッチャを、次の手順で起動します。

    • 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・プロセッサ」「起動」を選択するか、または「ホーム」ページから、「スケジューラ・コンポーネント」領域でリクエスト・プロセッサを選択し、「開始」ボタンをクリックします。

    • 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・ディスパッチャ」「起動」を選択するか、または「ホーム」ページから、「スケジューラ・コンポーネント」領域でリクエスト・ディスパッチャを選択し、「開始」ボタンをクリックします。

  3. リクエスト・プロセッサまたはリクエストディスパッチャを、次の手順で停止します。

    • 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・プロセッサ」「停止」を選択するか、または「ホーム」ページから、「スケジューラ・コンポーネント」領域でリクエスト・プロセッサを選択し、「停止」ボタンをクリックします。

    • 「スケジューリング・サービス」メニューから、「リクエスト・ディスパッチャ」「停止」を選択するか、または「ホーム」ページから、「スケジューラ・コンポーネント」領域でリクエスト・ディスパッチャを選択し、「停止」ボタンをクリックします。

  4. プロセッサまたはディスパッチャを停止するかどうかを尋ねられたら、「OK」をクリックします。

3.8 アプリケーション・プロパティの管理

アプリケーション・プロパティを設定することで、Oracle Enterprise Schedulerとアプリケーションの相互作用を構成できます。Fusion Middleware Controlの「アプリケーション・プロパティ」ページでは、Oracle Enterprise Schedulerで定義されるプロパティの値を設定したり、デプロイされている構成の中でアプリケーションに設定されるプロパティの値を設定できます。

Oracle Enterprise Schedulerで定義される次のプロパティを、「アプリケーション・プロパティ」ページで構成できます。

  • RequestFileDirectory: リクエストとログ出力のディレクトリを指定します。デフォルトは、"{ESS_ENV:jrfServerLogPath}/ess_request/"です。

  • RequestFileDirectoryShared: リクエスト・ファイル・ディレクトリを共有するかどうかを示すフラグを指定します。デフォルトは"false"です。

  • PerlCommand: デフォルトで、Oracle Enterprise Schedulerは標準および拡張モードでのリクエスト用にJavaのエージェント・ハンドラを使用します。Fusionモードでのリクエストには、常時、Perlのエージェント・ハンドラを使用します。標準および拡張リクエスト・モードでPerlのエージェント・ハンドラを使用するには、プロセスのジョブを実行しているホスティング・アプリケーションに関連付けられたess-config.xmlファイルに、次の例に示すようにPerlCommandプロパティを追加する必要があります。

    <EssProperties>
       <EssProperty key="RequestFileDirectory" value="/tmp/ess/requestFileDirectory"/>
       <EssProperty key="RequestFileDirectoryShared" value="false"/>
         ...   
       <EssProperty key="PerlCommand" value="/usr/bin/perl"/>
    </EssProperties>
    

    ディレクトリ名などの環境に依存する値を指定するため、トークンの置換を使用できます。

    Oracle Enterprise SchedulerのPerlエージェントには、Oracle Perlバージョン5.10以上が必要です。プロセスのジョブをサポートするようにPerlをインストールする手順は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Scheduler管理者ガイド』の「プロセス・ジョブをサポートするためのPerlの構成」を参照してください。

  • EssCallbackClientSecurityPolicyURI: Webサービスのコールバック時に、Oracle Enterprise SchedulerからWebサービスを起動する際にWS-Securityヘッダーで使用されるセキュリティ・ポリシーURIを指定します。デフォルトは、nullです。

  • ClusterMode: サーバー・インスタンスがスタンドアロン・モードか拡張モードかを指定します。これは読取り専用で、変更できないプロパティです。

  • HostingAppPolicyStripe: Oracle Enterprise Schedulerの構成プロパティで、事前デプロイ済のネイティブ・ホスティング・アプリケーションにのみ適用可能です。このプロパティは、SOAおよびOSBアプリケーションで使用できる複数のセキュリティ・ストライプをサポートするために、事前デプロイのネイティブ・ホスティング・アプリケーションで事前構成済です。事前デプロイ済のネイティブ・ホスティング・アプリケーションのejb-jar.xmlファイルには、ポリシー・ストライプの静的な定義はありません。ストライプのリスト(追加コンポーネント用)は、ランタイム構成のMBean、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのスクリプトを使用して動的に拡張できます。

  • ServerURL: このプロパティの値は、次の形式の文字列です。

    http://host:port

    これは、実行時​​にESSWebServiceのエンドポイント・アドレスの決定に使用され、具象WSDLESSWebServiceの一部として公開されます。

  • CallbackServerURL: このプロパティの値は、次の形式の文字列です。

    http://host:port

    これは、実行時​​にOracle Enterprise SchedulerのWebサービスのコールバック(EssAsyncCallbackServiceおよびEssWsJobAsyncCallbackServiceを含む)のエンドポイント・アドレスの決定に使用されます。このエンドポイント・アドレスは、それぞれのWSDLの一部として公開されます。

アプリケーション・プロパティを編集するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「構成」「アプリケーション・プロパティ」を選択します。

    「アプリケーション: プロパティ」ページが表示されます。

  3. 「アプリケーション」ドロップダウン・フィールドで、プロパティを設定するアプリケーションを選択します。
  4. 「構成プロパティ」セクションで、値を変更するプロパティを探し、そのプロパティの「値」列に新しい値を入力します。
  5. プロパティを追加するには、「追加」ボタンをクリックします。

    「プロパティの追加」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  6. プロパティを削除するには、「削除」ボタンをクリックします。
  7. 「タイプ」ドロップダウンから、新しいプロパティのタイプを選択します。

    Oracle Enterprise Schedulerで定義されるプロパティを選択する場合は「ESS」を選択し、「名前」ドロップダウンからプロパティ名を選択します。プロパティの値を「値」テキスト・フィールドに入力します。

  8. 別のタイプを選択し、他のプロパティの名前と値を入力します。
  9. 「追加」をクリックして、新しいプロパティ設定を保存します。
  10. 「アプリケーション・プロパティ」ページで、「適用」をクリックし、アプリケーション・プロパティの変更を保存します。

3.8.1 ジョブの場所プロパティ

Oracle Enterprise Schedulerでは、EJBおよびWebサービスのジョブに名前付きの抽象的なジョブの場所を定義できる手段が提供されています。ジョブの場所は、Oracle Enterprise SchedulerのSYS_logicalClusterNameシステム・プロパティで指定し、論理クラスタ名(LCN)を指定します。EJBまたはWebサービス・ジョブのジョブ定義でLCNの値を指定した場合、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、ジョブ定義ではなく、ホスティング・アプリケーションのレベルで特定の環境固有のプロパティが指定されます。同じLCNを持つすべてのジョブ定義は、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してホスティング・アプリケーションの構成プロパティに入力されたプロパティの値を共有します。

注意:

「論理クラスタ」および「ジョブの場所」という用語は、同じ意味で使用できます。

ジョブの場所の機能を使用する手順は、次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「ジョブ・メタデータ」「ジョブ定義」を選択します。「結果」の表からジョブ定義を選択し、「ジョブ定義の詳細」ページを開きます。
  3. 「アプリケーション・プロパティ」ページの「システム・プロパティ」セクションで、SYS_logicalClusterNameシステム・プロパティに場所関連プロパティのセットの定義に使用する名前を設定します。
  4. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「構成」「アプリケーション・プロパティ」を選択します。
  5. 「アプリケーション」ドロップダウン・メニューから、ホスティング・アプリケーションを選択します。
  6. 「アプリケーション・プロパティ」ページの「ジョブの場所プロパティ」セクションで、「ジョブの場所の追加」アイコンをクリックします。

    「ジョブの場所の追加」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  7. 「ジョブの場所」フィールドに、手順3でSYS_logicalClusterNameシステム・プロパティに割り当てた名前を入力します。
  8. 表3-1に示すプロパティに対応する3つのフィールドに値を入力します。

    表3-1 ジョブの場所プロパティ

    フィールド プロパティ名 説明

    JNDIプロバイダURL

    JndiProviderUrl

    クラスタのJNDIプロバイダEJBジョブ・タイプで使用します。

    WebサービスのエンドポイントのベースURL

    WsEndpointBaseUrl

    ホストとポート。Webサービスのジョブ・タイプで使用します。

    WebサービスのWSDLのベースURL

    WsWsdlBaseUrl

    WSDLのホストとポート。Webサービスのジョブ・タイプで使用します。


  9. 「追加」をクリックして、新しいプロパティ設定を保存します。
  10. 「アプリケーション・プロパティ」ページで、「適用」をクリックしてアプリケーション・プロパティの変更を保存します。

注意:

ジョブの場所およびプロパティを表から選択し、「ジョブの場所の削除」または「プロパティの削除」をクリックして削除することもできます。

3.9 アプリケーションおよびロール・ポリシーの管理

Oracle Enterprise Schedulerのデータとメタデータへのアクセスを制御するには、ユーザーとユーザー・グループを表現するアプリケーション・ロールを作成し、これに特定のアプリケーション・リソースへのアクセス権を付与します。

この項では、アプリケーション・ロールの作成方法について説明します。次の項も参考になります。

3.9.1 アプリケーション・ロールの管理

Fusion Middleware Controlを使用してアプリケーション・ロールを作成し、これにユーザーとアクセス権限を関連付けることができます。

  1. ナビゲーション・ペインで、「WebLogicドメイン」フォルダを展開し、ポリシーを作成するドメインを選択します。
  2. 「WebLogicドメイン」メニューから、「セキュリティ」→「アプリケーション・ロール」を選択します。

    「アプリケーション・ロール」ページが表示されます。

  3. 「検索」セクションの「アプリケーション・ストライプ」ドロップダウンから、作業するアプリケーション・ストライプを選択します。
  4. 「作成」をクリックします。

    「アプリケーション・ロールの作成」ページが表示されます。

  5. 「一般」セクションの「ロール名」フィールドに、作成するアプリケーション・ロールの名前を入力します。
  6. オプションで、表示されたフィールドで表示名と説明を入力します。
  7. 「メンバー」セクションで、「追加」をクリックし、ロールに追加するメンバーを検索します。
  8. 「プリンシパルの追加」ウィンドウの「検索」セクションで、「タイプ」ドロップダウンからプリンシパル・タイプを選択します。検索範囲を絞り込むため、名前情報を追加することもできます。

    「タイプ」値は次のとおりです。

    • 「アプリケーション・ロール」タイプは別のアプリケーション・ロールです。

    • 「グループ」はWebLogic Serverユーザー・グループです。

    • 「ユーザー」はWebLogic Serverユーザーです。

  9. 「検索」ボタンをクリックし、指定したタイプと名前に基づいてプリンシパルを検索します。
  10. 「検索済プリンシパル」セクションで、ロールに追加するプリンシパル名を選択します。
  11. 「OK」をクリックします。
  12. 「アプリケーション・ロールの作成」ページで、「OK」をクリックします。

3.10 Oracle Enterprise Scheduler Webサービスの管理

Oracle Enterprise SchedulerのWebサービスは、Oracle Infrastructure Web Servicesです。Webサービスの管理の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Webサービスのためのセキュリティおよび管理者ガイド』の「Oracle WSMポリシー・フレームワークについて」の章を参照してください。

注意:

Oracle Enterprise Scheduler Webサービスは、Webブラウザから起動することはできません。

3.10.1 Webサービスの保護

Oracle Enterprise SchedulerのWebサービスおよびOracle Enterprise Schedulerの非同期コールバックWebサービスのOWSMポリシーを構成するには、グローバルにアタッチされたポリシーまたは直接アタッチされたポリシーのいずれかを使用できます。

注意:

Oracle Enterprise SchedulerのWebサービスおよび非同期コールバックWebサービスは、両方ともOracle Infrastructure Web Servicesです。

グローバルおよび直接アタッチでOWSMポリシーをアタッチする手順は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』のポリシーの追加に関する項を参照してください。

次に示すOracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護およびポリシー管理のセクションは、Oracle Enterprise SchedulerのWebサービスのためのグローバルまたは直接アタッチされたポリシーの構成に特に役立ちます。

  • 4.3.1Fusion Middleware Controlを使用したポリシーを直接アタッチする

  • 4.3.2Fusion Middleware Controlを使用したポリシーをグローバルにアタッチする

  • 4.4.3 WLSTを使用したポリシーをRESTfulなOracle Infrastructure Webサービスやクライアントへ直接アタッチする

  • 4.4.4WLSTを使用したポリシーをグローバルにアタッチする