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Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Busでのサービスの開発
12c (12.2.1)
E69914-01
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8 プロキシ・サービスの作成と構成

この章では、Service BusコンソールとOracle JDeveloperを使用して、プロキシ・サービスを作成、構成および管理する方法について説明します。Service Busのプロキシ・サービスとビジネス・サービスを使用すると、エンタープライズ全体でのサービスの管理、メッセージの変換およびメッセージのルーティングを行うことができます。

この章の内容は次のとおりです。

8.1 プロキシ・サービスの概要

プロキシ・サービスは、サービス・コンシューマがService Bus経由でバックエンド・サービスに接続するために使用するインタフェースを提供します。プロキシ・サービスは、Service Busがローカルにホストする仲介Webサービスの定義です。Service Busでは、プロキシ・サービスを使用してビジネス・サービス(エンタープライズWebサービスやデータベースなど)とサービス・クライアント(プレゼンテーション・アプリケーションやその他のビジネス・サービスなど)との間でメッセージをルーティングします。

プロキシ・サービスは、WSDL (Web Services Description Language)またはWADL (Web Application Definition Language)に関するインタフェースと使用するトランスポートを定義します。プロキシ・サービスでは、通信インタフェース、トランスポートのタイプ、トランスポート設定、セキュリティ設定および関連付けられるメッセージ処理ロジックを定義します。また、メッセージ・フロー定義またはパイプラインを使用して、メッセージを変換して1つ以上のビジネス・サービスにルーティングします。パイプラインでは、Service Busを介したメッセージ・フローでメッセージを処理する方法を決定するロジックを定義します。プロキシ・サービスがWSDLドキュメントに基づいている場合、構成にはWSDLポートまたはWSDLバインディングも含まれます

UDDIレジストリ、SOA Oracle Metadata Services (MDS)レジストリ、アプリケーション・サーバー、またはファイル・システムからインポートしたドキュメントを含む、既存のWSDLおよびWADLドキュメントをプロキシ・サービスの基盤にすることもできます。Service Busでは、RESTバインディングを使用するプロキシ・サービスもサポートしています(「Oracle Service BusでのRESTサービスの作成」を参照)。これらのプロキシ・サービスはWADLドキュメントに基づいています。RESTサービスは、Service BusコンソールまたはJDeveloperを使用して作成できます。

8.1.1 プロキシ・サービスの定義

各プロキシ・サービスは、WSDL Webサービス、RESTサービスまたはService Busトランスポートのいずれに基づくかで定義されます。WSDLベースのサービスは、WSDLドキュメントでインタフェースが記述されるSOAPプロキシ・サービスまたはXMLプロキシ・サービスです。RESTサービスは次のいずれかの方法で定義されます。型付きRESTサービスは、設計時に一部の情報(操作)が既知である場合にWADLドキュメントに基づき、型なしRESTサービスは、特定のWADLドキュメントまたはスキーマにバインドされません(設計時に操作が既知でない場合があります)。トランスポート型のサービスは、JCAトランスポートなどのService Busトランスポートに基づくプロキシ・サービスで、Oracle JCA準拠アダプタにプロキシ・サービスを構成するためのサポートが提供されます。これにはHTTPトランスポートを使用するRESTプロキシ・サービスも含まれます。各タイプのプロキシ・サービスでは、その定義に固有のトランスポート・プロトコルがサポートされます。Service Busは、いくつかの標準トランスポート・プロトコルとカスタム・トランスポートをサポートします。

プロキシ・サービスの作成ウィザードまたはJDeveloperのService Bus概要エディタを使用して、WSDLベース、RESTまたはトランスポート型のサービスでプロキシ・サービスを作成できます。Service Bus概要エディタを使用すると、JCAアダプタからプロキシ・サービスを直接生成して、そのアダプタ・タイプにすでに構成されているプロキシ・サービスを作成できます。ウィザードとエディタのどちらでも、ビジネス・サービスとパイプラインをプロキシ・サービスとして公開できます。

8.1.2 プロキシ・サービスのサービス・タイプとプロトコル

Service Busは、従来のWebサービス(WSDLファイルでXMLまたはSOAPバインディングを使用)から非XMLサービス(汎用)サービスまで、多くのサービス・タイプに対応しています。トランスポート型のプロキシ・サービスを作成する場合、サービス・タイプを指定して構成することで、サービスをさらに定義する必要もあります。選択できるサービス・タイプは、サービス・エンドポイントとの通信に使用するトランスポートに基づいて制限されます。各サービス・タイプでサポートされるトランスポートの詳細は、「トランスポート、アダプタおよびバインディング」を参照してください。

プロキシ・サービスのサービス・タイプは、次のいずれかになり、そのサービスが処理するメッセージのタイプで識別されます。

  • WSDLベース・サービス: このサービス・タイプは、既存のWSDLドキュメント、またはプロキシ・サービスの作成と同時に作成したWSDLドキュメントから生成されます。WSDLベースのサービスを作成する際は、使用するポートまたはバインディングを指定する必要があります。

  • メッセージ・サービス: このサービス・タイプは、あるデータ型のメッセージを受信し、レスポンスとして別のデータ型のメッセージを返すことができます。サポートされるデータ型には、XML、Message Format Language (MFL)、テキスト、型なし、バイナリ、Java、インタフェースがWSDLで記述されていない添付などがあります。

  • 任意のSOAPサービス: このサービス・タイプは、SOAPメッセージを交換します。SOAPメッセージは、<soap:Envelope>要素内のheader変数およびbody変数のコンテンツをラップすることで作成されます。body変数に参照XMLが格納されている場合、メッセージは現状のまま送信されます。つまり、参照されているコンテンツはメッセージに置き換えられません。attachments変数で添付が定義されている場合は、メイン・メッセージと添付データからMIMEパッケージが作成されます。各添付部分のコンテンツの処理方法は、メッセージング・サービスのコンテンツの処理方法に類似しています。

  • 任意のXMLサービス(非SOAP): このサービス・タイプでは、XMLベースのサービスへのメッセージはXMLですが、プロキシ・サービスの構成で許可された任意の型を使用できます。添付を含むメッセージの場合、そのコンテンツは、プライマリXMLペイロードをその一部(通常は最初の部分、または最上位のContent-Typeヘッダーで指定される部分)として含むMIMEパッケージです。

  • RESTサービス: このサービス・タイプは、RESTバインディングに基づき、既存のWADLから生成するか、プロキシ・サービスの作成と同時に作成したWADLから作成するか(型付きREST)、またはWADLまたはスキーマなしで作成(型なしREST)できます。詳細は、「Oracle Service BusでのRESTサービスの作成」を参照してください。

8.1.3 SOAPまたは任意のXMLサービス・タイプを使用する場合

1つのポートのみを公開してクライアントに様々なエンタープライズ・アプリケーションを提供する場合は、任意のSOAPまたは任意のXMLサービス・タイプを使用します。任意のSOAPの場合、SOAP 1.1とSOAP 1.2のどちらであるかを指定する必要があります。

8.1.4 メッセージ・サービス・タイプを使用する場合

リクエスト・メッセージまたはレスポンス・メッセージのいずれかがXML以外である場合、メッセージング・サービス・タイプを使用する必要があります。Service Busでは、誤りのあるSOAPヘッダーのチェックは自動では行われません。ただし、XQuery条件式と検証アクションを使用して、このタイプのチェックをパイプラインで明示的に実行できます。検証アクションの詳細は、「コンソールでの検証アクションの追加」を参照してください。条件付きXQuery式の詳細は、「Oracle Service Busコンソールでの式エディタの操作」を参照してください。

8.1.5 プロキシ・サービス・タイプのバインディング定義とランタイム変数

各プロキシ・サービス・タイプは、その定義やタイプを問わず、同じパターンに従ってモデル化されます。各サービス・タイプでは、次の特徴を定義する必要があります。

  • バインディング定義

  • ランタイム構成

  • ランタイム変数($operation$body$header$attachments)

8.1.5.1 WSDLサービス・タイプ

ランタイム変数

  • SOAPベースのWSDLサービスの場合、操作選択アルゴリズムに基づいて$operationが初期化される点を除き、変数は任意のSOAPサービス・タイプと同様です。

  • XMLベースのWSDLサービスの場合、操作選択アルゴリズムに基づいて$operationが初期化される点を除き、変数は任意のXMLサービス・タイプと同様です。

8.1.5.2 メッセージング・サービス・タイプ

バインディング定義

メッセージ・サービス用のバインディング定義は、交換されるメッセージのコンテンツ・タイプの構成で構成されています。レスポンスのコンテンツ・タイプは、リクエストの場合と同じである必要はないため、レスポンスは個別に構成されます。たとえば、サービスでMFLメッセージを受け取り、XML確認受信を返すことができます。レスポンスは「なし」にも設定できます。

定義上、メッセージング・ベースのサービスにはWSDL定義はありません。これらのサービスのWSDLドキュメントをリクエストすることはできません。リクエストおよびレスポンスから選択するコンテンツ・タイプは、次のとおりです。

  • なし

  • バイナリ

  • テキスト

  • MFL

  • XML

  • Java

注意:

  • サービスからの成功または失敗のメッセージをコール元のクライアントに伝搬するために、パイプラインで返信アクションを使用している場合は、「なし」以外のオプションを選択します。「なし」オプションは、返信をブロックします。

  • メッセージ・サービス・タイプの電子メール、ファイル、FTPおよびSFTPトランスポート・プロキシ・サービスは、一方向のメッセージングのみをサポートするため、レスポンス・メッセージはありません。レスポンス・メッセージのコンテンツ・タイプは「なし」にします。

ランタイム変数

このサービス・タイプはメッセージ・ベースです。Webサービスには、複数の操作という概念はありません。したがって、$operation変数は空のままになります。$body変数には、<soap:Body>要素内にラップされた着信メッセージが保持されますSOAP 1.1プロキシ・サービスの場合、$bodyではSOAP 1.1のネームスペースBodyを使用し、SOAP 1.2プロキシ・サービスの場合はSOAP 1.2のネームスペースBodyを使用します。$header変数はこのサービス・タイプには適用されず、デフォルト値に設定されます。メッセージに添付ファイルがある場合は、$attachments変数に格納されます。

メッセージ・コンテキスト変数の詳細は、「メッセージ関連の変数」および「ディスパッチするメッセージの作成」を参照してください。

8.1.5.3 任意のSOAPサービス

バインディング定義

このサービス・タイプで定義する情報は、WSDLバインド定義に関係なく、サービスでSOAPメッセージを受信または送信するということのみです。このタイプのバインディング構成が存在しないため、このタイプとメッセージのコンテンツ・タイプの組合せから、メッセージに添付ファイルがあるかどうかを十分判別できます。定義上、「任意の」サービス(SOAPまたはXML)にはWSDL定義はありません。これらのサービスのWSDLドキュメントを生成または表示することはできません。

ランタイム変数

$body変数と$header変数に、受信SOAPメッセージの<soap:Body><soap:Header>がそれぞれ保持されます(SOAP 1.1プロキシの場合、$body$headerではSOAP 1.1ネームスペース本体とネームスペースを使用し、SOAP 1.2プロキシではSOAP 1.2ネームスペース本体とネームスペースを使用します)。SOAPメッセージに添付ファイルがある場合は、$attachments変数に格納されます。ポート・タイプを定義しないため、$operation変数はこのサービス・タイプには適用されません。

メッセージ・コンテキスト変数の詳細は、「メッセージ関連の変数」および「ディスパッチするメッセージの作成」を参照してください。

8.1.5.4 任意のXMLサービス

バインディング定義

このサービス・タイプで定義する情報は、WSDLバインド定義に関係なく、サービスでXMLメッセージを受信または送信するということのみです。このタイプのバインディング構成が存在しないため、このタイプとメッセージのコンテンツ・タイプの組合せから、メッセージに添付ファイルがあるかどうかを十分判別できます。

定義上、「任意の」サービス(SOAPまたはXML)にはWSDL定義はありません。これらのサービスのWSDLドキュメントをリクエストすることはできません。

ランタイム変数

$body変数には、<soap:Body>要素内にラップされた受信XMLメッセージが保持されます(SOAP 1.1プロキシの場合、$body$headerではSOAP 1.1ネームスペース本体とネームスペースを使用し、SOAP 1.2プロキシではSOAP 1.2ネームスペース本体とネームスペースを使用します)。メッセージに添付ファイルがある場合は、$attachments変数に格納されます。$header変数はこのサービス・タイプには適用されず、デフォルト値に設定されます。ポート・タイプを定義しないため、$operation変数はこのサービス・タイプには適用されません。

メッセージ・コンテキスト変数の詳細は、「メッセージ関連の変数」および「ディスパッチするメッセージの作成」を参照してください。

8.1.6 プロキシ・サービスのトランスポート・プロトコル構成

プロキシ・サービスの構成の大部分には、トランスポート・プロトコルが関与します。トランスポートは、外部システムとプロキシ・サービスとの間の通信レイヤーであり、Service Busへのエントリ・ポイントとして機能します。プロキシ・サービスに使用可能なトランスポート・プロトコルは、作成するサービス・タイプによって異なります。それぞれのトランスポート・プロトコルには独自の構成要件があります。トランスポート・プロトコルとその構成要件の詳細は、「JCAアダプタ、トランスポートおよびバインドの操作」を参照し、関連する特定のプロトコルのリンクをクリックしてください。

トランスポートとWSDLファイルに基づいて、トランスポート・モードが自動的に選択されますが、これは$inboundまたは$outbound変数で上書きできます。

8.2 プロキシ・サービスの保護

プロキシ・サービスは、Oracle Web Services Manager (WSM)ポリシー、認証マッピング、サービス・キー・プロバイダなど、複数の方法で保護できます。サービス・プロバイダが必要となるのは、プロキシ・サービスがクライアント証明書認証を必要とするHTTPSサービスにメッセージをルーティングする場合です。また、一部のメッセージ・レベルのセキュリティ・シナリオで必要となる場合もあります。サービス・アカウントは、ビジネス・サービスに接続するときに認証を提供するために作成できます。これは要求されるユーザー名とパスワードのペアの別名リソースとして機能します。WebLogic Serverを使用して、資格レベルの検証を要求するビジネス・サービスのセキュリティ資格を直接管理できます。

プロキシ・サービスの保護の詳細は、「ビジネス・サービスとプロキシ・サービスの保護」を参照してください。

8.3 サービス・レベル合意のアラート・ルール

サービス・レベル合意(SLA)のアラート・ルールでは、アラートの生成条件が定義されます。これらの条件は、通常、Service Busアプリケーションまたは特定のサービス・コンポーネントの全体的なヘルスのインジケータになります。プロキシ・サービスに対するSLAアラート・ルールの定義の詳細は、『Oracle Service Busの管理』のサービス・レベル合意のアラート・ルールの作成に関する項を参照してください。

8.4 Webサービス相互運用性への準拠

WS-I準拠(SOAP 1.1サービスの場合のみ)を適用し、このプロキシ・サービスによってコールされる操作の決定に使用される選択アルゴリズムを選択するようにプロキシ・サービスを構成できます。このオプションは、WSDLファイルに基づいて定義されたSOAPサービスまたはXMLサービスでのみ使用できます。WSDL仕様では、受信するSOAPメッセージのタイプに基づいて呼び出す操作を計算するデフォルトのアルゴリズムが定義されています。ただし、その他の手段に基づいて操作を選択しなければならない場合もあります(パフォーマンスや、署名および暗号化に問題があったり、デフォルトのアルゴリズムが使用できない場合など)。

Service Busには、その他のアルゴリズムが用意されています。これらはそれぞれ同じパターンに従っており、式の評価に基づいて値を取得し、その値を使用して静的な表から対応する操作をルックアップします。

通常、Service Busは、インバウンド・メッセージが不明なデータで処理を判断できない場合や、データが有効な処理に対応していない場合にも、柔軟に対処します。どちらの場合も、$operationは空になります。Service Busでは、このようなメッセージをすべて拒否するのではなく、コンテキスト内のoperation変数を初期化せずに、メッセージの処理を続行します。ただし、プロキシ・サービスがWSDLベースで、次の条件の1つ以上が当てはまる場合は、セキュリティ要件が適用されます。

  • WSDLファイルにWS-Securityポリシーが存在し、プロキシがアクティブな仲介になっています。

  • プロキシにメッセージ・レベルのカスタム認証(カスタム・トークンまたはユーザー名/パスワード)が存在します。

これらの条件に該当する場合、操作選択アルゴリズムが有効な操作名を返すかどうかを確認する実行時チェックが行われます。操作選択アルゴリズムでnullまたはWSDLファイルに存在しない操作が返された場合、メッセージは拒否され、エラーが発生します。

8.5 プロキシ・サービスの作成

この項では、JDeveloperまたはOracle Service Busコンソールを使用して、プロキシ・サービスを作成する方法について説明します。Service Busアプリケーションおよびプロジェクトの作成の詳細は、「JDeveloperでのService Busアプリケーションおよびプロジェクトの作成」または「リソースの新しいプロジェクトおよびフォルダの作成方法」(コンソールの場合)を参照してください。JDeveloperでのプロジェクト、アプリケーションおよびその他コンポーネントの操作については、『Oracle JDeveloperユーザーズ・ガイド』を参照してください。

プロキシ・サービスの作成するには、「プロキシ・サービスの作成」ウィザード、Service Bus概要エディタ、既存のサービスやJCAリソースからの生成、パイプラインの作成時のプロキシ・サービスとしてのパイプラインの公開など、様々な方法を使用できます。プロキシ・サービスを作成する場合、「プロキシ・サービスの作成」ウィザードには、プロキシ・サービスの特定のプロパティを構成できる一連のページが用意されています。この項では、「プロキシ・サービスの作成」ウィザードを使用してプロキシ・サービスを作成する方法について説明します。Service Bus概要エディタの使用については、「JDeveloperでのOracle Service Busアプリケーションの開発」を参照してください。

始める前に:

SMTPサーバー、MQ接続、UDDIサーバーなどのシステム・リソースを使用する場合、プロキシ・サービスの作成を開始する前に、必ずこれらのリソースを作成します。プロキシ・サービスを構成するには、これらのリソースを指定または選択する必要があり、必要なリソースがService Busにないかぎり、プロキシ・サービスの構成を完了できません。

JDeveloperで作業する場合は、プロキシ・サービスの追加先のアプリケーションおよびプロジェクトを作成するか開きます。Oracle Service Busコンソールで作業する場合は、アクティブ・セッションで作業していることと、プロキシ・サービスの追加先のプロジェクトが存在することを確認します。

8.5.1 プロキシ・サービスの作成方法

プロキシ・サービスを作成する場合、サービス・タイプや、WSDLファイルとService Busトランスポートのどちらを使用するかなど、特定の情報を指定する必要があります。次のトピックでは、プロキシ・サービスの作成に関する詳細情報を示します。

プロキシ・サービスを作成するには、サービスを作成するためにService BusコンソールまたはJDeveloperのいずれを使用するかに応じて、次のいずれかのタスクを実行します。

8.5.2 Service Busコンソールを使用したプロキシ・サービスの作成方法

リソース・ギャラリからアクセスできるプロキシ・サービスの作成ウィザードを使用して、Service Busコンソールでプロキシ・サービスを作成します。

プロキシ・サービスを作成するには:

注意:

ウィザードから(WADLを使用して)型付きRESTサービスを作成する手順は、他のプロキシ・サービスの作成プロセスとは異なります。ウィザードを使用してこのタイプのサービスを作成する手順は、Service Busコンソールを使用した型付きRESTプロキシ・サービスの作成方法を参照してください。

  1. プロジェクト・ナビゲータで、サービスを作成するプロジェクトまたはフォルダを右クリックし、「作成」をポイントして、「リソース」を選択します。
    リソース・ギャラリが表示されます。
  2. リソース・ギャラリで、「プロキシ・サービス」をクリックして、作成するサービスのタイプにナビゲートします。この問合せを選択し、「OK」をクリックします。
  3. サービスの名前と、必要に応じて説明を入力します。

    注意:

    命名要件については、「Service Busコンポーネントのネーミング・ガイドライン」を参照してください。

  4. 手順2で選択したサービスのタイプに応じて、次のいずれかのオプションを構成する必要がある場合があります。
    • 既存のWSDLファイルからプロキシ・サービス構成を生成する場合は、「WSDL」オプションから、「検索」アイコンをクリックしてWSDLリソースを検索します。WSDLファイルを指定したら、「ポート/バインド」フィールドから、使用するポートまたはバインディングを選択します。

    • RESTプロキシ・サービスを生成する場合は、オプションで「WADL名」フィールドで「WADLリソースの選択」アイコンをクリックし、「検索と選択: WADLリソース」ダイアログを表示します。このダイアログを使用して、このサービスの生成元となるWADLリソースを検索して選択します。これにより、ネイティブの型付きRESTサービスが作成されます。ネイティブの型なしRESTサービスを作成する場合は、「WADL名」フィールドを空白にしておきます。

    • トランスポートからプロキシ・サービスを生成する場合は、「トランスポート」オプションから、「プロトコル」リストで正しいトランスポートが選択されていることを確認します。別のトランスポート・タイプのサービスを作成する場合は、「プロトコル」リストからそのトランスポート・タイプを選択します。

  5. プロキシ・サービスに対して生成するパイプラインの新しい名前を入力します(オプション)。パイプラインを生成しない場合は、「パイプラインの生成」チェック・ボックスの選択を解除します。

    注意:

    このオプションは、JEJBトランスポートでは無効です。

  6. 「次」をクリックします。

    ウィザードの残りのページのフィールドは、最初のページの選択内容によって異なります。次の手順で説明するオプションは、すべての構成で使用できるわけではありません。

  7. WSDLベースまたはRESTベースのサービスを作成する場合は、手順10に進みます。
  8. 最初のページでトランスポート定義を選択した場合は、使用可能なサービス・タイプのいずれかを選択します。
    • WSDL: このオプションを選択する場合は、「名前」フィールドから「WSDLの選択」をクリックして、使用するWSDLファイルを参照して選択します。オプションのリストから、ポートまたはバインディング・タイプを選択します。

    • REST: (オプション)「WADL名」フィールドで「WADLリソースの選択」アイコンをクリックし、「検索と選択: WADLリソース」ダイアログを表示します。このダイアログを使用して、このサービスの生成元となるWADLリソースを検索して選択します。これにより、ネイティブの型付きRESTサービスが作成されます。ネイティブの型なしRESTサービスを作成する場合は、「WADL名」フィールドを空白にしておきます。

    • 任意のSOAP: このオプションを選択する場合、使用するSOAPバージョンを選択します。

    • 任意のXML: このオプションに追加の構成は必要ありません。

    • メッセージング: このオプションを選択する場合、リクエスト・メッセージのデータ型とレスポンス・メッセージを選択します。「MFL」を選択する場合は、スキーマ・ファイルも選択する必要があります。「XML」を選択する場合は、オプションでスキーマ・ファイルを選択できます。

  9. 「次」をクリックします。

    「トランスポート」ページが表示されます。

  10. 使用するプロトコルをまだ選択していない場合、リストから新しいプロトコルを選択します。
  11. エンドポイントURIを指定します。必要なURI形式については、Service Busに付属のオンライン・ヘルプを参照してください。
  12. 「作成」をクリックします。

プロキシ・サービス定義エディタに、新しいプロキシ・サービスの全般構成が表示されます。

サービスの作成後は、次のようにします。

8.5.3 Service Busコンソールを使用した型付きRESTプロキシ・サービスの作成方法

入力済ネイティブRESTプロキシ・サービスは、「ネイティブRESTプロキシ・サービスの作成」ウィザードを使用して作成できます。このウィザードで、サービスのリソースおよびメソッドを指定します。ウィザードにより、サービスおよび使用可能なリソースとメソッドの詳細を記述するWADLファイルが作成されます。

型付きRESTサービスの詳細は、「Service BusにおけるRESTの実装」を参照してください。

コンソールでネイティブの型付きRESTプロキシ・サービスを作成するには、次のようにします。

  1. プロジェクト・ナビゲータで、サービスを作成するプロジェクトまたはフォルダを右クリックし、「作成」をポイントして、「リソース」を選択します。
    リソース・ギャラリが表示されます。
  2. リソース・ギャラリで、「プロキシ・サービス」をクリックし、「ウィザードの入力済REST(WADLを使用)」をクリックして「OK」をクリックします。
    ネイティブRESTプロキシ・サービスの作成ウィザードが表示されます。
  3. 「基本情報」ページから、サービスの基本詳細を指定します。
    1. 「名前」フィールドにサービスの名前を入力します。
    2. (オプション)「説明」フィールドに説明を入力します。
    3. 「ベースURI」フィールドに、サービスのベースURI (たとえば、/reservationService)を入力します。
    4. 「次」をクリックします。
  4. 「リソース」ページから、サービスに含めるリソースを指定します。

    注意:

    各サービスにはリソースが1つ以上必要です。

    1. 「URI」フィールドに一意のリソース・パス(たとえば、/makeReservation)を入力します。
    2. (オプション)「説明」フィールドにリソース・パスの説明を入力します。
    3. 「リソースの追加」をクリックします。
    4. さらにリソースを追加するには、手順aからcを繰り返します。

      ヒント:

      すでに追加されているリソースにリソースを子として追加するには、次の図に示すように、「リソースの追加」ボタンのかわりに、リソースの隣にある「追加」アイコンをクリックします。
      図add_child_resource.pngの説明が続きます
      図add_child_resource.pngの説明

    5. リソースの追加が終了したら、「次」をクリックします。
  5. 「メソッド」ページから、各リソースで使用可能なメソッドを指定します。
    1. リソースにメソッドを追加するには、「メソッド」の隣にある矢印をクリックし、HTTP動詞をクリックして、そのHTTP動詞を使用してメソッドを追加します。

      注意:

      使用可能なHTTP動詞は、GETPUTPOSTおよびDELETEです。各リソースには複数のGETメソッドを指定できますが、PUTPOSTおよびDELETEの各動詞のメソッドは1つのみです。

    2. 「名前」フィールドにメソッドの名前を入力します。
    3. (オプション)「説明」フィールドにメソッドの説明を入力します。
    4. 「リクエスト」タブで、このメソッドのリクエストを構成します。

      このタブで使用可能なオプションは、メソッドに対して選択するHTTP動詞によって異なります。

      • ペイロードを構成します。ペイロードを送信しない場合は、「なし」を選択します。「メディア」を選択し、メディア・タイプを選択してペイロードがそのフォーマットで表示されるようにします(「XML」「JSON」「URL-エンコード」「テキスト」または「不透明」)。

      • リクエストにさらにパラメータを追加するには、「パラメータの追加」をクリックします。表示される各フィールドにパラメータ名、タイプ、デフォルト値を入力して指定し、追加するパラメータごとにこの入力を繰り返します。

        • 「パラメータ名」フィールドにパラメータの名前を入力します。

        • 「タイプ」リストから、パラメータのタイプ(stringまたはintegerなど)を選択します。

        • 「デフォルト値」フィールドにパラメータのデフォルト値を入力します。

    5. 「レスポンス」タブで、このメソッドのレスポンスを構成します。
      • 成功ペイロードについて、「なし」を選択してペイロードが表示されないようにするか、または「メディア」を選択し、メディア・タイプを選択してペイロードをそのフォーマットで表示できるようにします(「XML」「JSON」「URL-エンコード」「テキスト」または「不透明」)。「成功ステータス」フィールドに、成功時に送信されるHTTPステータス・コードを入力します。

      • 失敗ペイロードについて、「なし」を選択してペイロードが表示されないようにするか、または「メディア」を選択し、メディア・タイプを選択してペイロードをそのフォーマットで表示できるようにします(「XML」「JSON」「URL-エンコード」「テキスト」または「不透明」)。「失敗ステータス」フィールドに、失敗時に送信されるHTTPステータス・コードを入力します。

    6. メソッドの構成が終了したら、「完了」をクリックします。
    7. リソースにさらにメソッドを追加するには、手順aからfを繰り返します。各リソースにはメソッドが1つ以上必要です。
  6. 「作成」をクリックして、サービスを作成します。
プロキシ・サービス定義エディタが表示されます。
サービスの作成後は、次のようにします。

8.5.4 JDevleoperを使用したプロキシ・サービスの作成方法

プロキシ・サービスは「プロキシ・サービスの作成」ウィザードを使用して、WSDLファイル、トランスポート、および未入力のネイティブRESTサービスに基づいて作成します。

ネイティブの型付きRESTプロキシ・サービスとWSDLファイルに基づくRESTプロキシ・サービスの作成方法は、「JDeveloperを使用したService Bus用の入力済RESTサービスの作成方法」および「JDeveloperを使用したService Bus用のWSDLベースRESTサービスの作成方法」を参照してください。

プロキシ・サービスを作成するには:
  1. アプリケーション・ナビゲータで、プロジェクトを右クリックして、「新規」をポイントし、「プロキシ・サービス」を選択します。

    プロキシ・サービスの作成ウィザードが表示されます。

  2. サービスの名前と、必要に応じて説明を入力します。

    注意:

    • JDeveloperでは、プロキシ・サービス・ファイルがサーバーに格納される場所を変更できます。ファイルは、アプリケーション・フォルダおよびプロジェクト・フォルダ(デフォルトの場所)に格納する必要があります。

    • 命名要件については、「Service Busコンポーネントのネーミング・ガイドライン」を参照してください。

  3. 次のいずれかを行います:
    • ネイティブの型なしRESTサービスを生成するには、「REST」を選択します。

    • プロキシ・サービスのトランスポートを構成してサービスを生成するには、「トランスポート」を選択して、トランスポートのタイプをリストから選択します。

    • 既存のWSDLファイルからプロキシ・サービス構成を生成するには、「WSDL」を選択して、WSDLファイルの名前を入力するか、「検索」アイコンをクリックしてWSDLリソースを検索します。WSDLファイルを指定したら、「ポート/バインド」フィールドから、使用するポートまたはバインディングを選択します。

  4. プロキシ・サービスに対して生成するパイプラインの新しい名前を入力します(オプション)。パイプラインを生成しない場合は、「パイプラインの生成」チェック・ボックスの選択を解除します。

    注意:

    このオプションは、JEJBトランスポートでは無効です。

  5. 「次」をクリックします。

    ウィザードの残りのページのフィールドは、最初のページの選択内容によって異なります。次の手順で説明するオプションは、すべての構成で使用できるわけではありません。

  6. 最初のページでWSDLまたはREST定義を選択した場合、手順9に進みます。
  7. 最初のページでトランスポート定義を選択した場合は、次のいずれかのサービス・タイプを選択します。
    • REST: このオプションに追加の構成は必要ありません。

    • WSDL: このオプションを選択する場合、WSDLファイル名を入力するか、「WSDLの選択」をクリックして、使用するWSDLファイルを参照して選択します。オプションのリストから、ポートまたはバインディング・タイプを選択します。

    • 任意のSOAP: このオプションを選択する場合、使用するSOAPバージョンを選択します。

    • 任意のXML: このオプションに追加の構成は必要ありません。

    • メッセージング: このオプションを選択する場合、リクエスト・メッセージのデータ型とレスポンス・メッセージを選択します。「MFL」を選択する場合は、スキーマ・ファイルも選択する必要があります。「XML」を選択する場合は、オプションでスキーマ・ファイルを選択できます。

  8. 「次」をクリックします。

    「トランスポート」ページが表示されます。

  9. 使用するプロトコルをまだ選択していない場合、リストから新しいプロトコルを選択します。
  10. エンドポイントURIを指定します。必要なURI形式については、Service Busに付属のオンライン・ヘルプを参照してください。
  11. 「終了」をクリックします。

    プロキシ・サービス定義エディタに、新しいプロキシ・サービスの全般構成が表示されます。

  12. 「プロキシ・サービスの構成」の説明に従い、プロキシ・サービスを構成します。
  13. プロキシ・サービスを作成したら、パイプラインまたは分割-結合でメッセージ・フローを構成する必要があります。詳細は、「Oracle Service Busコンソールでのパイプラインの操作」および「分割-結合によるサービスのパフォーマンスの向上」を参照してください。

8.5.5 JCAバインド・リソースからのプロキシ・サービスの生成方法

Service Busでは、インバウンドJCAファイルからプロキシ・サービスを生成できます。Service Bus JCAトランスポートを使用するJCAサービスは、JCAアダプタ・フレームワークおよびJCA準拠アダプタを介してEnterprise Information Systems (EIS)と通信します。JCAバインド・リソースの詳細は、「JCAトランスポートとJCAアダプタの使用」を参照してください。

始める前に:

JDeveloperで、JCAファイル、その関連抽象WSDLファイルおよび必要なその他のリソース(TopLinkマッピング・ファイルなど)を作成します。詳細は、「JCAトランスポートとJCAアダプタの使用」および「テクノロジ・アダプタの理解」を参照してください。

注意:

  • インバウンドJCAバインドではなくアウトバウンドJCAバインドを選択する場合、プロキシ・サービスを生成するオプションは利用できません。

  • JDeveloperでは、JCAアダプタをService Bus概要エディタから作成する場合、アダプタの作成時にプロキシ・サービスも生成できます。詳細は、「プロキシ・サービスの作成方法」を参照してください。

8.5.5.1 JDeveloperでのJCAバインドからのプロキシ・サービスの生成

JDeveloperでJCAバインドからJCAプロキシ・サービスを生成するには:

  1. アプリケーション・ナビゲータで、インバウンドJCAファイルを右クリックして、「Service Bus」をポイントし、「プロキシ・サービスの生成」を選択します。

    選択したJCAバインドに対して構成された「プロキシ・サービスの作成」ウィザードが表示されます。

  2. ウィザードで、デフォルトのサービス名と場所のままにするか、新しい名前と場所を指定します。場所は、現在のアプリケーションのディレクトリ構造内にしてください。

    命名ガイダンスについては、「Service Busコンポーネントのネーミング・ガイドライン」を参照してください。

  3. プロキシ・サービスに対応するパイプラインを生成するには、「パイプラインの生成」を選択したままにし、パイプラインの名前を指定します(またはデフォルト名をそのまま使用します)。この時点ではパイプラインを作成しない場合は、「パイプラインの生成」チェック・ボックスを選択解除します。
  4. 「次」をクリックします。

    「タイプ」ページが表示されます。

  5. 必要に応じてWSDLバインドを選択して、「次」を再度クリックします。

    「トランスポート」ページが表示されます。

  6. 必要に応じてエンドポイントURIを更新して、「終了」をクリックします。

    Service Busによって、プロキシ・サービスと、そのプロキシ・サービスが使用する具象WSDLファイルが生成されます。

  7. 「プロキシ・サービスの構成」の説明に従い、プロキシ・サービスを構成します。

8.5.5.2 コンソールでのJCAバインドからのプロキシ・サービスの生成

始める前に、JCAリソース・ファイルをJDeveloperからコンソールにインポートし、依存関係へのすべての参照が維持されるようにします。詳細は、「JCAバインド・リソースの操作」および「リソースおよび構成のインポートとエクスポート」を参照してください。

コンソールでJCAバインドからプロキシ・サービスを生成するには:

  1. プロジェクト・ナビゲータで、インバウンドJCAファイルを右クリックして、「WSDLとサービスの生成」を選択します。

    「WSDLとサービスの生成」ダイアログが表示されます。

  2. 必要に応じて、WSDLファイルと生成するサービスの名前を変更し、これらの新しいリソースの場所を選択します。

    命名ガイダンスについては、「Service Busコンポーネントのネーミング・ガイドライン」を参照してください。

  3. 「生成」をクリックします。

    Service Busによって、サービスとこれに対応するWSDLファイルが生成されます。

  4. プロジェクト・ナビゲータで、新しいリソースに移動し、プロキシ・サービス定義エディタでプロキシ・サービスを開きます。
  5. 「プロキシ・サービスの構成」の説明に従い、プロキシ・サービスを構成します。

8.5.6 JDeveloperでの既存のサービスからのプロキシ・サービスの生成方法

JDeveloperでは、他のプロキシ・サービス、ビジネス・サービス、パイプラインおよび分割-結合からプロキシ・サービスを生成できます。プロキシ・サービスの構成は、既存のサービスの構成に基づきます。

JDeveloperで別のサービスからプロキシ・サービスを生成するには:

  1. アプリケーション・ナビゲータで、既存のサービスを右クリックして、「Service Bus」をポイントし、「プロキシ・サービスの生成」を選択します。

    「プロキシ・サービスの作成」ウィザードが表示されます。

  2. サービスの名前、説明、ファイルの場所を構成し、「次」をクリックします。

    「タイプ」ページが表示されます。

  3. サービスがWSDLサービスの場合、使用するバインディングを選択して、「次」をクリックします。
  4. 「トランスポート」ページで、トランスポート・プロトコルを選択してエンドポイントURIを更新します。必要なURI形式については、Service Busに付属のオンライン・ヘルプを参照してください。
  5. 「終了」をクリックします。
  6. 「プロキシ・サービスの構成」の説明に従い、プロキシ・サービスを構成します。

8.5.7 JDeveloperでのWSDLドキュメントからのプロキシ・サービスの生成方法

既存のWSDLドキュメントを使用して、プロキシ・サービス、ビジネス・サービス、パイプラインまたは分割-結合を生成できます。

JDeveloperでWSDLドキュメントからプロキシ・サービスを生成するには:

  1. アプリケーション・ナビゲータで、既存のWSDLドキュメントを右クリックして、「Service Bus」をポイントし、「プロキシ・サービスの生成」を選択します。

    「プロキシ・サービスの作成」ウィザードが表示されます。

  2. サービスの名前、説明、ファイルの場所およびWSDLバインドを構成します。
  3. プロキシ・サービスに対応するパイプラインを生成するには、「パイプラインの生成」を選択したままにし、パイプラインの名前を指定します(またはデフォルト名をそのまま使用します)。この時点ではパイプラインを作成しない場合は、「パイプラインの生成」チェック・ボックスを選択解除します。
  4. 「次」をクリックします。
  5. 「トランスポート」ページで、トランスポート・プロトコルを選択してエンドポイントURIを更新します。必要なURI形式については、Service Busに付属のオンライン・ヘルプを参照してください。
  6. 「終了」をクリックします。
  7. 「プロキシ・サービスの構成」の説明に従い、プロキシ・サービスを構成します。

8.6 プロキシ・サービスの構成

プロキシ・サービスを作成すると、構成の編集、セキュリティ・ポリシーの追加、セキュリティ設定の変更およびSLAアラート・ルールの設定を行うことができます。変更できる情報は、最初にサービスを構成した方法によって異なります。プロキシ・サービスに構成可能なプロパティのリストについては、プロキシ・サービス定義エディタの各ページで利用可能なオンライン・ヘルプを参照してください。

Oracle Service Busコンソールで作業する場合は、この項のタスクを実行する前に、アクティブ・セッションにいることを確認してください。

8.6.1 プロキシ・サービスの全般情報の構成方法

プロキシ・サービス定義エディタの「全般」タブには、サービスに関する情報(サービスの説明、サービスで使用されるトランスポート、サービス・タイプ、WSDLのポートまたはバインディング、XQueryバージョン、プロキシ・サービスで呼び出されるサービスなど)が表示されます。次の図に、Oracle Service Busコンソールの「全般」タブを示します。

図8-1 コンソールでのプロキシ・サービスの全般的な構成のページ

「図8-1 コンソールでのプロキシ・サービスの全般的な構成のページ」の説明が続きます
「図8-1 コンソールでのプロキシ・サービスの全般的な構成のページ」の説明

プロキシ・サービスの全般情報を構成するには:

  1. プロジェクト・ナビゲータまたはアプリケーション・ナビゲータで、編集するプロキシ・サービスを右クリックして、「開く」を選択します。
  2. まだ表示可能なページではない場合は、「全般」タブをクリックします。
  3. サービスの説明を入力するか更新します。
  4. WSDLまたはMFLドキュメントなどのリソースをサービスで参照している場合、リソースの名前をクリックして、それ自体のエディタでドキュメントを表示します。
  5. プロキシ・サービスのターゲット・サービスを変更するには、ターゲット・サービス名の横の「サービス・リソースの選択」をクリックします。JDeveloperで、新しいターゲット・サービスを参照して選択します。コンソールで、新しいターゲット・リソースを検索して選択します。
  6. 使用されるXQueryバージョンを変更するには、「XQuery処理」リストから新しいオプションを選択します。
  7. Oracle Service Busコンソールで作業している場合、デフォルトのUDDIレジストリにプロキシ・サービスを自動でパブリッシュするには、「レジストリに自動パブリッシュ」を選択します。

    プロキシ・サービスを自動でパブリッシュするには、デフォルトのUDDIサーバーを定義する必要があります。詳細は、「サービスの同期化の維持」を参照してください。

  8. 変更が完了したら、「すべて保存」をクリックします。
  9. Oracle Service Busコンソールで作業している場合、「アクティブ化」をクリックして、セッションを終了し、構成をランタイムにデプロイします。

8.6.2 プロキシ・サービスのトランスポートの構成方法

「トランスポート」ページと「トランスポートの詳細」ページを使用して、プロキシ・サービスのトランスポートを構成します。使用可能なプロパティはトランスポートごとに異なります。次の図に、Oracle Service Busコンソールの「トランスポート」タブを示します。

図8-2 コンソールでのプロキシ・サービスのトランスポートの構成のページ

「図8-2 コンソールでのプロキシ・サービスのトランスポートの構成ページ」の説明が続きます
「図8-2 コンソールでのプロキシ・サービスのトランスポートの構成のページ」の説明

プロキシ・サービスのトランスポートを構成するには:

  1. プロジェクト・ナビゲータまたはアプリケーション・ナビゲータで、編集するプロキシ・サービスを右クリックして、「開く」を選択します。
  2. 「トランスポート」タブをクリックして、次のいずれかを行います。
    • エンドポイントURIを更新します。

    • すべてのヘッダーを取得するには、「すべてのヘッダーを取得」を選択します。

    • ヘッダーのサブセットを取得するには、「指定されたヘッダーの取得」を選択し、取得するヘッダーを「ヘッダー」表で指定します。表の上にある「追加」をクリックしてヘッダーを追加します。

  3. 「トランスポートの詳細」タブをクリックします。

    ここで構成できるプロパティは、プロキシ・サービスのトランスポートに基づきます。特定のトランスポートの詳細は、「JCAアダプタ、トランスポートおよびバインドの操作」を参照してください。次の図に、コンソールのHTTPトランスポート・プロパティを示します。

    図8-3 コンソールでのプロキシ・サービスのトランスポートの詳細ページ

    「図8-3 コンソールでのプロキシ・サービスのトランスポートの詳細ページ」の説明が続きます
    「図8-3 コンソールでのプロキシ・サービスのトランスポートの詳細ページ」の説明
  4. 変更が完了したら、「すべて保存」をクリックします。
  5. Oracle Service Busコンソールで作業している場合、「アクティブ化」をクリックして、セッションを終了し、構成をランタイムにデプロイします。

8.6.3 プロキシ・サービスのメッセージ処理の構成方法

「メッセージ処理」ページでは、プロキシ・サービスによるメッセージ・コンテンツの処理(WS-I準拠の確認など)や、使用するXQueryバージョンを構成できます。次の図に、Oracle Service Busコンソールの「メッセージ処理」タブを示します。

図8-4 コンソールでのプロキシ・サービスのメッセージ処理のページ

「図8-4 コンソールでのプロキシ・サービスのメッセージ処理のページ」の説明が続きます
「図8-4 コンソールでのプロキシ・サービスのメッセージ処理のページ」の説明

プロキシ・サービスのメッセージ処理を構成するには:

  1. プロジェクト・ナビゲータまたはアプリケーション・ナビゲータで、編集するプロキシ・サービスを右クリックして、「開く」を選択します。
  2. 「メッセージ処理」タブをクリックします。
  3. メッセージがWS-Iに準拠しているかどうかを確認するには、「WS-I準拠の適用」のチェック・ボックスを選択します。
  4. 次のいずれかの選択アルゴリズムを選択します。
    • トランスポート・ヘッダー: ルックアップ値を含むトランスポート・ヘッダーを定義できます。このオプションを選択する場合、表示される新しいフィールドでヘッダー名と操作値も指定する必要があります。

    • SOAPアクション・ヘッダー: このプロキシ・サービスに関連付けられたWSDLファイルから自動的に操作のマッピングが行われるように指定します。

    • WS-Addressing: ルックアップ値がSOAPメッセージのSOAPヘッダー内のWS-Addressing Actionタグに入るように指定します。このオプションを選択する場合、表示される新しいフィールドで操作値も指定する必要があります。

    • SOAPヘッダー: SOAPヘッダーに対して評価されるXPath式を定義できます。これにより、ルックアップ値を取得できるようになります。このオプションを選択する場合、表示される新しいフィールドでXPath式と値も定義する必要があります。

    • SOAP本体タイプ: WSDL仕様で定義されたデフォルトのアルゴリズムを使用し、受信するSOAPメッセージのタイプに基づいてコールされる操作が計算されます。

    • ペイロード・タイプ: このオプションは、WSDLポートまたはWSDLバインドに基づいたXMLサービスでのみ使用できます。

    これらのアルゴリズムの詳細は、このページで提供されるオンライン・ヘルプを参照してください。

  5. 変更が完了したら、「すべて保存」をクリックします。
  6. Oracle Service Busコンソールで作業している場合、「アクティブ化」をクリックして、セッションを終了し、構成をランタイムにデプロイします。

8.6.4 プロキシ・サービスのセキュリティの構成方法

プロキシ・サービスは、Oracle Web Services Manager (OWSM)ポリシーや、トランスポート・レベルおよびメッセージ・レベルのアクセス制御などの複数の方法で保護できます。プロキシ・サービスの保護の詳細は、「プロキシ・サービスの保護」および「ビジネス・サービスとプロキシ・サービスの保護」を参照してください。

8.6.5 プロキシ・サービスのサービス・レベル合意のアラートの構成方法

SLAアラートを使用する場合、システム管理者は、プロキシ・サービスのヘルスを示す特定の条件が満たされるタイミングを把握できます。SLAアラートの定義の詳細は、『Oracle Service Busの管理』のサービス・レベル合意のアラート・ルールの作成に関する項を参照してください。

8.7 プロキシ・サービスの削除

プロキシ・サービスを削除すると、Service Busが制御するリポジトリ、および適切な認可プロバイダから、プロキシにより参照されるすべてのACLが削除されます。プロキシ・サービスが他のリソースで参照される場合でも、そのサービスを削除できますが、削除されたサービスに対する未解決の参照が原因で競合が生じることがあります。

8.7.1 プロキシ・サービスの削除方法

プロキシ・サービスを削除する前には、すべての依存関係を確認します。Oracle Service Busコンソールの場合、プロキシ・サービス定義エディタでプロキシ・サービスを開き、右上のツール・アイコンをクリックし、「参照」を選択して、いずれかのサービスでそのプロキシ・サービスを使用しているかどうかを確認します。JDeveloperでは、プロキシ・サービスを右クリックして、「依存性の参照」を選択します。

プロキシ・サービスを削除するには:

  1. プロジェクト・ナビゲータまたはアプリケーション・ナビゲータで、削除するプロキシ・サービスを右クリックして、「削除」を選択します。

    確認のダイアログが表示されます。

  2. JDeveloperでは、他のリソースでこのプロキシ・サービスを参照する場合、確認ダイアログに参照の数が表示されます。「使用方法の表示」をクリックして、参照に関する情報を表示します。
  3. 確認のダイアログで、「はい」をクリックして、サービスの削除を確定します。

    プロキシ・サービスが削除されます。

  4. Oracle Service Busコンソールで作業している場合、「アクティブ化」をクリックして、セッションを終了し、構成をランタイムにデプロイします。

8.8 JDeveloperでのWSILによるプロキシ・サービスの使用

Service Busでは、Web Services Inspection Language (WSIL)でのWSDLベースのプロキシ・サービスが使用可能であり、Oracle SOA Suiteでのサービス編成のためにJDeveloperでService Bus WSDLプロキシ・サービスを使用できます。

Service Bus WSILサーブレットは、Service Bus実行時環境にデプロイされているWSDLベースのプロキシ・サービスを自動的に登録します。WSIL接続をJDeveloperで作成することで、様々な階層レベル(プロジェクト、フォルダ、個々のサービスなど)にマップされる様々なURLパターンを介してそれらのプロキシ・サービスにアクセスできます。たとえば、プロジェクト・レベルのURLを使用してService Bus WSILサーブレットに接続すると、JDeveloperで、そのプロジェクトにあるすべての子フォルダとWSDLベースのプロキシ・サービスを確認できます。

8.8.1 JDeveloperでのWSILによるService Busプロキシ・サービスの使用方法

次の手順は、WSIL接続をJDeveloperで作成し、SOAアプリケーションで使用するためにService Bus WSDLプロキシ・サービスからWebサービス参照を生成するプロセスを示します。

JDeveloperでWSILによってプロキシ・サービスを使用するには:

  1. JDeveloperでSOAアプリケーションを開くか作成します。

  2. 新しいWSIL接続を作成します。

    「リソース」ウィンドウで、「追加」アイコンをクリックして、「IDE接続」「WSIL」を選択します。

    「WSIL接続の作成」ダイアログで、次のようにします。

    1. 接続の名前を入力します。

      命名ガイダンスについては、「Service Busコンポーネントのネーミング・ガイドライン」を参照してください。

    2. 管理者、デプロイ担当者、オペレータまたはモニターのいずれかのService Busロールの資格証明を入力します。

    3. Service Bus WSILのURLを次のいずれかの形式で入力します。

      • ドメイン(すべてのプロジェクト、フォルダおよびWSDLベースのプロキシ・サービスを取得):

        http://host:port/sbinspection.wsil
        
      • プロジェクト(すべての子フォルダおよびWSDLベースのプロキシ・サービスを取得):

        http://host:port/sbinspection.wsil?refpath=project_name
        
      • フォルダ(1つのプロジェクト内のフォルダ、すべての子フォルダおよびWSDLベースのプロキシ・サービスを取得):

        http://host:port/sbinspection.wsil?refpath=project_name/folder_path
        

        次に例を示します。

        http://localhost:7021/sbinspection.wsil?refpath=MortgageBroker/ProxyServices
        
      • プロキシ・サービス(個々のWSDLベースのプロキシ・サービスを取得):

        http://host:port/sbinspection.wsil?refpath=project_name/folder_path/wsdl_proxy_service
        

        次に例を示します。

        http://localhost:7021/sbinspection.wsil?refpath=MortgageBroker/ProxyServices/loanGateway1
        

      クラスタでは、WSILサーブレットは管理サーバーではなく管理対象サーバーにデプロイされます。URLでは管理対象サーバーのホスト名とポートを使用してください。

    4. 「接続のテスト」をクリックして、接続が有効かどうかを検証します。

    5. 「OK」をクリックします。WSIL接続が、入力したURLによって決まる階層で「リソース」ウィンドウに表示されます。

  3. Service Bus WSDLベースのプロキシ・サービスをSOAアプリケーションで使用するには、そのプロキシ・サービスのWebサービス参照を作成します。

    • 「コンポーネント」ウィンドウで、新しいWebサービスを作成します。「Webサービスの作成」ウィンドウで「WSDL URL」参照アイコンをクリックします。

    • 「SOAリソース・ブラウザ」「リソース」を選択し、前の手順で作成したWSIL接続のService Busプロキシ・サービスを選択します。

    Service Bus WSDLベースのプロキシ・サービスのWebサービス参照を作成したら、SOAアプリケーションで外部参照として使用できます。

Service Bus WSILサーブレットはSBResourceサーブレットを利用します。SBResourceがデプロイ解除されると、WSIL接続は使用できなくなります。