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Oracle® Fusion Middleware Oracle Traffic Directorの管理
12c (12.2.1)
E70065-01
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6 オリジン・サーバーの管理

オリジン・サーバーは、バックエンドのサーバーであり、Oracle Traffic Directorはクライアントから受信したリクエストをこのサーバーに転送し、クライアント・リクエストに対するレスポンスをこのサーバーから受信します。たとえば、オリジン・サーバーには、Oracle WebLogic ServerインスタンスまたはOracle iPlanet Web Serverインスタンスなどが該当します。同じサービスを提供するオリジン・サーバーのグループは、オリジン・サーバー・プールと呼ばれます。

この章では、オリジン・サーバーを作成および管理する方法を説明します。ここの内容は、次のとおりです。

6.1 プールへのオリジン・サーバーの追加

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、オリジン・サーバーをオリジン・サーバー・プールに追加できます。


注意:


始める前に

オリジン・サーバーを追加する前に、次の項目を決定します。

  • オリジン・サーバーを追加するオリジン・サーバー・プール。

  • オリジン・サーバーのホスト名またはIPアドレス。InfiniBandインタフェースIPアドレス(IPoIB)またはSocket Director Protocol (SDP)アドレスのIPアドレスを指定することをお薦めします。


    注意:

    SDPはネイティブのInfinibandプロトコルです。SDPを使用した場合のパフォーマンスは、ワークロードに大きく依存します。そのため、SDPとIPoIBを使用したときのパフォーマンスを比較評価し、要件に適したプロトコルを選択することが重要です。

  • オリジン・サーバーがリクエストをリスニングするポート番号。

  • このサーバーがバックアップ・オリジン・サーバーであるかどうか。

    Oracle Traffic Directorは、ヘルス・チェックによりプライマリ・オリジン・サーバーのいずれも使用できないと検出された場合にのみバックアップ・オリジン・サーバーにリクエストを転送します。

  • Oracle Traffic Directorがオリジン・サーバーに分散する必要があるリクエスト・ロード合計の比率。この比率は、プール内のその他のオリジン・サーバーに割り当てられている重みに対して相対的な重みの数値として定義します。

    Oracle Traffic Directorでは、重みを使用することにより、プール内のオリジン・サーバーの相対的な容量に基づきリクエスト・ロードが分散されるように設定できます。

    3つのオリジン・サーバー(os1os2os3)でプールが構成されており、それぞれ重みが1、2、2である場合を考えます。プール内のすべてのサーバーに割り当てられている重みの合計は1+2+2=5です。Oracle Traffic Directorでは、合計ロードの1/5がos1、2/5がos2os3にそれぞれ分散されます。

Fusion Middleware Controlを使用したオリジン・サーバーのプールへの追加

Fusion Middleware Controlを使用してオリジン・サーバーをプールに追加するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. オリジン・サーバーを追加する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「サーバー・プール」を選択します。

    「サーバー・プール」ページが表示されます。その構成に定義されているサーバー・プール(HTTP/SおよびTCPサーバー・プール)のリストが表示されます。

  7. オリジン・サーバーを構成するサーバー・プールを選択します。

  8. 「共通タスク」ペインで、「オリジン・サーバーの構成」をクリックします。

  9. 「共通タスク」ペインで、「作成」ボタンをクリックします

    新しい「オリジン・サーバーの作成」ページが開きます

    図6-1 新規オリジン・サーバー

    図6-1の説明が続きます
    「図6-1 新規オリジン・サーバー」の説明

  10. 画面上のプロンプトに従い、前に決定済の詳細(オリジン・サーバー・プール、ホスト、ポートなど)を使用して、オリジン・サーバー・プールの作成を完了します。ページの右上隅にある「OK」ボタンをクリックします。

    オリジン・サーバーが作成された後、新規オリジン・サーバー・ウィザードの「結果」画面にオリジン・サーバーの作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。

  11. 定義したオリジン・サーバーの詳細は、「オリジン・サーバー」ページに表示されます。

WLSTを使用したプールへのオリジン・サーバーの追加

プールにオリジン・サーバーを追加するには、otd_createOriginServerコマンドを実行します。

たとえば、次のコマンドは、構成fooのプールorigin-server-pool-1のオリジン・サーバーとして、ホストwww.example.comおよびポート12345を追加します。

props = {}
props['configuration'] = 'foo'
props['origin-server-pool'] = 'origin-server-pool-1'
props['host'] = 'www.example.com'
props['port'] = '12345'
otd_createOriginServer(props)

otd_createOriginServerの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

6.2 オリジン・サーバーのリストの表示

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、オリジン・サーバーのリストを表示できます。


注意:

WLSTの起動の詳細は、1.7.1項「WebLogic Scripting Toolへのアクセス」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したオリジン・サーバーのリストの表示

Fusion Middleware Controlを使用してオリジン・サーバーのリストを表示するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. オリジン・サーバーを表示する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「サーバー・プール」を選択します。

    「サーバー・プール」ページが表示されます。その構成に定義されているサーバー・プール(HTTP/SおよびTCPサーバー・プール)のリストが表示されます。

  7. オリジン・サーバーを表示するサーバー・プールを選択します。

  8. 「共通タスク」ペインで、「オリジン・サーバーの構成」をクリックします。

  9. オリジン・サーバーを表示するサーバー・プールを選択します。

名前をクリックすると、オリジン・サーバーのプロパティを表示および編集できます。

WLSTを使用したオリジン・サーバー・リストの表示

プールに定義されているオリジン・サーバー・リストを表示するには、次の例に示すように、otd_listOriginServersコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'foo'
props['origin-server-pool'] = 'origin-server-pool-1'
otd_listOriginServers(props)

otd_getOriginServerPropertiesコマンドを実行することで、オリジン・サーバーのプロパティの詳細を表示できます。

otd_listOriginServersおよびotd_getOriginServerPropertiesの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

6.3 オリジン・サーバーの変更

この項では、次の方法について説明します。

  • オリジン・サーバーの作成時に定義したプロパティ(ホスト、ポート、重みなど)の変更。プロパティの詳細は、「始める前に」の項を参照してください。

  • オリジン・サーバーの有効化または無効化。

  • オリジン・サーバーが同時に処理することができる、最大接続数の指定。

  • Oracle Traffic Directorがオリジン・サーバーへのリクエスト送信レートを上げていく時間(ランプアップ時間)の指定。このパラメータを使用して、オフライン後起動したばかりのオリジン・サーバーで、リクエスト・ロードをサーバーの容量まで徐々に上げることができます。

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、オリジン・サーバーのプロパティを変更できます。


注意:


Fusion Middleware Controlを使用したオリジン・サーバーのプロパティの変更

Fusion Middleware Controlを使用してオリジン・サーバーのプロパティを変更するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. オリジン・サーバーを変更する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「サーバー・プール」を選択します。

    「サーバー・プール」ページが表示されます。その構成に定義されているサーバー・プール(HTTP/SおよびTCPサーバー・プール)のリストが表示されます。

  7. オリジン・サーバーを変更するサーバー・プールを選択します。

  8. 「共通タスク」ペインで、「オリジン・サーバーの構成」をクリックします。

  9. オリジン・サーバーを変更するサーバー・プールを選択します。

  10. 変更するオリジン・サーバーの名前をクリックします。

    「オリジン・サーバーの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスでは、次の処理が可能です。

    • 一般設定:

    • オリジン・サーバーの有効化および無効化

    • ホストおよびポートの変更

    • バックアップ・サーバーとしてのオリジン・サーバーのマーク付け

    • 詳細設定:

    • 相対的な重みの変更

    • オリジン・サーバーが同時に処理することができる、最大接続数の設定。

    • Oracle Traffic Directorがリクエスト転送レートをオリジン・サーバーの最大容量までランプアップするまでに要する時間の指定。

  11. 変更するパラメータを指定します。

    画面上のヘルプおよびプロンプトがすべてのパラメータに提供されています。

    フィールドの値を変更する、または変更したテキスト・フィールドからタブアウトすると、ページの右上隅にある「OK」ボタンが有効になります。

  12. 必要な変更を行った後、「OK」をクリックします。

    • 更新された構成が保存されたことを確認するメッセージが、「コンソール・メッセージ」ペインに表示されます。

WLSTを使用したオリジン・サーバーのプロパティの変更

オリジン・サーバーのプロパティを変更するには、otd_setOriginServerPropertiesコマンドを実行します。

たとえば、次のコマンドは、構成fooのプールorigin-server-pool-1内のオリジン・サーバーwww.example.comのランプアップ時間を1200に変更します。

props = {}
props['configuration'] = 'foo'
props['origin-server-pool'] = 'origin-server-pool-1'
props['host'] = 'www.example.com'
props['port'] = '12345'
props['ramp-up-time'] = '1200'
otd_setOriginServerProperties(props)

otd_setOriginServerPropertiesコマンドを使用して変更できるプロパティのリストは、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

6.4 エフェメラル・ポートの管理

OTDおよびOracle WebLogic Server (WLS)のクライアントを含むトポロジでは、OTDは構成済HTTPリスナー・ポートで外部リクエストを受け取ります。次に、OTDは別の接続を開き、WLS/オリジン・サーバーに対してリクエストを送信し、プロキシします。

この接続の一部として、OTDはWLS/オリジン・サーバーがOTDにデータを送信して戻せるようにエフェメラル・ポートを活用します。エフェメラル・ポートは、IPソフトウェアの事前定義済範囲から自動的に割り当てられるインターネット・プロトコル(IP)通信の存続期間の短いトランスポート・プロトコル・ポートです。Linuxでは、エフェメラル・ポートを制限および規制することができます。


注意:

OTDは、十分なエフェメラル・ポートが使用可能であるかに依存するため、WLS/オリジン・サーバーと接続を確立したプールを十分に持つことができます。十分なエフェメラル・ポートがない場合、リクエストの処理で遅延が発生します。

6.5 プールからのオリジン・サーバーの削除

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、プールからオリジン・サーバーを削除できます。


注意:


Fusion Middleware Controlを使用したプールからのオリジン・サーバーの削除

Fusion Middleware Controlを使用してプールからオリジン・サーバーを削除するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. オリジン・サーバーを削除する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「サーバー・プール」を選択します。

    「サーバー・プール」ページが表示されます。その構成に定義されているサーバー・プール(HTTP/SおよびTCPサーバー・プール)のリストが表示されます。

  7. オリジン・サーバーを削除するサーバー・プールを選択します。

  8. 「共通タスク」ペインで、「オリジン・サーバーの構成」をクリックします。

  9. 削除するオリジン・サーバーの名前をクリックします。

  10. 削除するオリジン・サーバーの「削除」アイコンをクリックします。
    確認を求めるウィンドウでOKをクリックします。

    オリジン・サーバーが削除されたことを確認するメッセージが表示されます。

WLSTを使用したプールからのオリジン・サーバーの削除

プールから特定のホストおよびポートのオリジン・サーバーを削除するには、次の例に示すように、otd_deleteOriginServerコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'foo'
props['origin-server-pool'] = 'origin-server-pool-1'
props['host'] = 'www.example.com'
props['port'] = '12345'
otd_deleteOriginServer(props)

otd_deleteOriginServerの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。